BRAIN VALLEY

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

BRAIN VALLEYの評価:

3.67/5点 レビュー 30件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.67pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全47件 21〜40 2/3ページ
No.27
(4pt)

大作です

様々な意味で、よくこれだけのものが書けるものだと思ってしまうほどの大作でした。
下調べ、基本になる創案の作成、物語の構成を作ること、
登場人物のバックグラウンドやキャラクターを決定すること、
文章を練る事・・・すべてに渾身の力をこめたと思えるような作品です。

個人的には脳科学に興味があるため、
そこそこ長い脳についてのウンチクも興味深く読めました。
宗教やUFO,超常現象についての説明もかなり長く、
物語に必要なベースであるとはいえど、
このあたりで拒否反応を示す人もいると思います。
(このあたりでマイナス0.5くらい。総合点は4.5くらいです。)

ネタバレになるのであまり詳しくは書けませんが、
まだ知られざる脳の未知の部分と神の概念を繋ぎ合わせたテーマは大変興味深かったです。
それに、こういう言い方は語弊があるとは思いますが、
理系の著者にこんな文章が書けるとは、とびっくりするほど詩的で美しい表現があり、
破綻のないすぐれた日本語をあやつることのできる著者は本当に頭のいい人なんだと思います。
自分の中では、長編では瀬名秀明の最高作品になりました。
BRAIN VALLEY〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈下〉 (新潮文庫)より
4101214328
No.26
(4pt)

大作です

様々な意味で、よくこれだけのものが書けるものだと思ってしまうほどの大作でした。
下調べ、基本になる創案の作成、物語の構成を作ること、
登場人物のバックグラウンドやキャラクターを決定すること、
文章を練る事・・・すべてに渾身の力をこめたと思えるような作品です。

個人的には脳科学に興味があるため、
そこそこ長い脳についてのウンチクも興味深く読めました。
宗教やUFO,超常現象についての説明もかなり長く、
物語に必要なベースであるとはいえど、
このあたりで拒否反応を示す人もいると思います。
(このあたりでマイナス0.5くらい。総合点は4.5くらいです。)

ネタバレになるのであまり詳しくは書けませんが、
まだ知られざる脳の未知の部分と神の概念を繋ぎ合わせたテーマは大変興味深かったです。
それに、こういう言い方は語弊があるとは思いますが、
理系の著者にこんな文章が書けるとは、とびっくりするほど詩的で美しい表現があり、
破綻のないすぐれた日本語をあやつることのできる著者は本当に頭のいい人なんだと思います。
自分の中では、長編では瀬名秀明の最高作品になりました。
BRAIN VALLEY〈下〉 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈下〉 (角川文庫)より
4043405030
No.25
(4pt)

大作です

様々な意味で、よくこれだけのものが書けるものだと思ってしまうほどの大作でした。
下調べ、基本になる創案の作成、物語の構成を作ること、
登場人物のバックグラウンドやキャラクターを決定すること、
文章を練る事・・・すべてに渾身の力をこめたと思えるような作品です。

個人的には脳科学に興味があるため、
そこそこ長い脳についてのウンチクも興味深く読めました。
宗教やUFO,超常現象についての説明もかなり長く、
物語に必要なベースであるとはいえど、
このあたりで拒否反応を示す人もいると思います。
(このあたりでマイナス0.5くらい。総合点は4.5くらいです。)

ネタバレになるのであまり詳しくは書けませんが、
まだ知られざる脳の未知の部分と神の概念を繋ぎ合わせたテーマは大変興味深かったです。
それに、こういう言い方は語弊があるとは思いますが、
理系の著者にこんな文章が書けるとは、とびっくりするほど詩的で美しい表現があり、
破綻のないすぐれた日本語をあやつることのできる著者は本当に頭のいい人なんだと思います。
自分の中では、長編では瀬名秀明の最高作品になりました。
BRAIN VALLEY〈下〉 Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈下〉より
4048730797
No.24
(5pt)

魂が揺さぶられる超大作

本書を読み終え,数日経った現在も,余韻が冷めない.それほど刺激的で,魂を揺さぶる作品となっている.

本書の著者は,薬学部の大学院在籍中に発表した『パラサイト・イヴ』でデビューし,最新科学の研究成果をふんだんに盛り込んだバイオホラー作品として一躍脚光を浴びる.本書は前作に続く,第2弾の作品となっている.本書では最新の脳科学や人工生命の研究成果に忠実に基づき,現在の科学ではいまだ解明されていない人間の意識という問題に深く切り込んでいる.

作品として,非常に完成度が高く,また前作同様,情景,人物,心理が緻密に描写されているという点は大変評価されるべきであろう.

ブレインテック研究所長の北川が言った「もし神を自由に脳の中で構築することができるようになったらどうなるだろう?我々は奇跡を思いのままに操ることができるようになるかもしれない」という言葉は,脳科学者への警鐘を鳴らしているのではなかろうか.
BRAIN VALLEY〈上〉 Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈上〉より
4048730606
No.23
(5pt)

魂が揺さぶられる超大作

本書を読み終え,数日経った現在も,余韻が冷めない.それほど刺激的で,魂を揺さぶる作品となっている.

本書の著者は,薬学部の大学院在籍中に発表した『パラサイト・イヴ』でデビューし,最新科学の研究成果をふんだんに盛り込んだバイオホラー作品として一躍脚光を浴びる.本書は前作に続く,第2弾の作品となっている.本書では最新の脳科学や人工生命の研究成果に忠実に基づき,現在の科学ではいまだ解明されていない人間の意識という問題に深く切り込んでいる.

作品として,非常に完成度が高く,また前作同様,情景,人物,心理が緻密に描写されているという点は大変評価されるべきであろう.

ブレインテック研究所長の北川が言った「もし神を自由に脳の中で構築することができるようになったらどうなるだろう?我々は奇跡を思いのままに操ることができるようになるかもしれない」という言葉は,脳科学者への警鐘を鳴らしているのではなかろうか.
BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫)より
410121431X
No.22
(5pt)

魂が揺さぶられる超大作

本書を読み終え,数日経った現在も,余韻が冷めない.それほど刺激的で,魂を揺さぶる作品となっている.

本書の著者は,薬学部の大学院在籍中に発表した『パラサイト・イヴ』でデビューし,最新科学の研究成果をふんだんに盛り込んだバイオホラー作品として一躍脚光を浴びる.本書は前作に続く,第2弾の作品となっている.本書では最新の脳科学や人工生命の研究成果に忠実に基づき,現在の科学ではいまだ解明されていない人間の意識という問題に深く切り込んでいる.

作品として,非常に完成度が高く,また前作同様,情景,人物,心理が緻密に描写されているという点は大変評価されるべきであろう.

ブレインテック研究所長の北川が言った「もし神を自由に脳の中で構築することができるようになったらどうなるだろう?我々は奇跡を思いのままに操ることができるようになるかもしれない」という言葉は,脳科学者への警鐘を鳴らしているのではなかろうか.
BRAIN VALLEY〈上〉 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈上〉 (角川文庫)より
4043405022
No.21
(5pt)

眩惑的な《娯楽小説》。

日本SF大賞を受賞した、傑作《娯楽SF》です。《娯楽》であることに撤し切った、効率の良い文体には、プロ作家としての《貫禄》を感じました。ただ、娯楽としては、大変面白いのですが、内容的には戸惑いました。途中、さまざまな《疑問》が作中に現われますが、最後まで《答え》が、一切出て来ません。それなのに、《ドラマ》それ自体は、見事に、感動的に、完結しています。この作品の答えの《なさ》は、たぶん、意図的なものだと思います。むしろ、この答えの《なさ》それ自体が、《答えなんて、どこにもないよ。》という、一つの《答え》なのかも知れません。何とも言えず《眩惑的》な作品です。主要キャラの一人である巫女《船笠鏡子》が、《私が、私である》ことに気付くシーンに、作品を解く鍵があるような気がします。この作品に関して、一つだけ確かに言えることは、《面白かった》という、ただ、それだけです。何とも《不思議》な作品でした。
BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫)より
410121431X
No.20
(5pt)

眩惑的な《娯楽小説》。

日本SF大賞を受賞した、傑作《娯楽SF》です。《娯楽》であることに撤し切った、効率の良い文体には、プロ作家としての《貫禄》を感じました。ただ、娯楽としては、大変面白いのですが、内容的には戸惑いました。途中、さまざまな《疑問》が作中に現われますが、最後まで《答え》が、一切出て来ません。それなのに、《ドラマ》それ自体は、見事に、感動的に、完結しています。この作品の答えの《なさ》は、たぶん、意図的なものだと思います。むしろ、この答えの《なさ》それ自体が、《答えなんて、どこにもないよ。》という、一つの《答え》なのかも知れません。何とも言えず《眩惑的》な作品です。主要キャラの一人である巫女《船笠鏡子》が、《私が、私である》ことに気付くシーンに、作品を解く鍵があるような気がします。この作品に関して、一つだけ確かに言えることは、《面白かった》という、ただ、それだけです。何とも《不思議》な作品でした。
BRAIN VALLEY〈上〉 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈上〉 (角川文庫)より
4043405022
No.19
(4pt)

小説と思わなければ読み応えがあります

他のレビュアーも言っていますが、小説としてはなかなか力業が多く、ストーリーに無理があるのですが、その裏側にある、最新の脳科学については正しい事が書かれてあり、これだけで脳科学に関するノンフィクションを読んだのと同じくらいの読み応えがあります。

脳みそを研究するとやはり行き着くところは一つで、「やっぱりここに帰結するのね」と言うお約束の流れなのですが、この接合点にはあまり無理が無く楽しく読めました。
BRAIN VALLEY〈上〉 Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈上〉より
4048730606
No.18
(4pt)

小説と思わなければ読み応えがあります

他のレビュアーも言っていますが、小説としてはなかなか力業が多く、ストーリーに無理があるのですが、その裏側にある、最新の脳科学については正しい事が書かれてあり、これだけで脳科学に関するノンフィクションを読んだのと同じくらいの読み応えがあります。

脳みそを研究するとやはり行き着くところは一つで、「やっぱりここに帰結するのね」と言うお約束の流れなのですが、この接合点にはあまり無理が無く楽しく読めました。
BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫)より
410121431X
No.17
(4pt)

小説と思わなければ読み応えがあります

他のレビュアーも言っていますが、小説としてはなかなか力業が多く、ストーリーに無理があるのですが、その裏側にある、最新の脳科学については正しい事が書かれてあり、これだけで脳科学に関するノンフィクションを読んだのと同じくらいの読み応えがあります。

脳みそを研究するとやはり行き着くところは一つで、「やっぱりここに帰結するのね」と言うお約束の流れなのですが、この接合点にはあまり無理が無く楽しく読めました。
BRAIN VALLEY〈上〉 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈上〉 (角川文庫)より
4043405022
No.16
(5pt)

神は存在するか?脳科学から、UFOまで作者の力量が光る傑作。

現代科学最後のBlack Box,脳をテーマに、前半は脳を徹底的に科学し、現在までに明らかになっている(10年前の時点だが)情報を提示し、後半では一点、神とはなにか?生命とはなにかを問いかける大作。バイオ領域に造詣の深い著者だからこそ正確に描写された脳のサイエンスはこの物語に深みを与えており、また後半は一転して、映画ちっくなフィクションとして、ドラマチックに作品をまとめている.商業作家として十分な力量を示した傑作である.
BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫)より
410121431X
No.15
(5pt)

神は存在するか?脳科学から、UFOまで作者の力量が光る傑作。

現代科学最後のBlack Box,脳をテーマに、前半は脳を徹底的に科学し、現在までに明らかになっている(10年前の時点だが)情報を提示し、後半では一点、神とはなにか?生命とはなにかを問いかける大作。バイオ領域に造詣の深い著者だからこそ正確に描写された脳のサイエンスはこの物語に深みを与えており、また後半は一転して、映画ちっくなフィクションとして、ドラマチックに作品をまとめている.商業作家として十分な力量を示した傑作である.
BRAIN VALLEY〈上〉 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈上〉 (角川文庫)より
4043405022
No.14
(4pt)

斬新で面白いです。

斬新で面白かったです。
科学的な解説が「有り得るかも」と感じさせてくれます。脳は凄いのかもしれませんね。また、神とは何かという事は考えた事がなかったですが、斬新でした。パラサイトイヴより面白かったです。
BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫)より
410121431X
No.13
(4pt)

斬新で面白いです。

斬新で面白かったです。
科学的な解説が「有り得るかも」と感じさせてくれます。脳は凄いのかもしれませんね。また、神とは何かという事は考えた事がなかったですが、斬新でした。パラサイトイヴより面白かったです。
BRAIN VALLEY〈上〉 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈上〉 (角川文庫)より
4043405022
No.12
(4pt)

神の証明

神とは何か?読んでいくといつの間にか本題になっている事に気が付くと思う
この本は科学から見た「人」の秘密であり「神」存在の証明になっている。専門用語や専門知識が多く出てくるがこの作品に出てくる少年にもわかる様に書いてあるので割と分かりやすい、しかし、最後になって劇的に内容が変化するので、徹夜して読もうとすると頭が追いつきません。
読むのにお勧めの人は、15歳~18歳の他人とは違うことをやりたい人かな
BRAIN VALLEY〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈下〉 (新潮文庫)より
4101214328
No.11
(4pt)

脳を科学する

読み終わってみてもどこからどういう風にとらえていけばいいのかはよく分からない。なぜ神は存在するのか。人は神を望み、神は人に奇蹟を与えるのか。科学者はどうあるべきなのか。そして本作のメインテーマ、脳とは何なのか。
 下巻ではテンポの良さが光る。テンポがよすぎただけに、幕切れがあっけなかったか。それは気のせいかも知れないが、Whyは随所に残る。わざと残したのかも知れないが、何より北川の意志がもっと強く知りたかった。彼の扱いが、惜しい気がしてならない。
 主人公の孝岡の存在よりもメアリーの存在の方が大きい。事件を通してメアリーの心情の移り変わり。一人の科学者として、そして一人の母親としての彼女のありかた。孝岡の祐一に対する書き込みは個人的にそれほど重要とは思えない。寧ろ孝岡はストーリーの引き立て役に徹した方がよかったのかも知れない。ただ、メアリーには強く感情移入させられるところがある。一人の息子の死、というのはただの事実だと思ったんだが、シナリオの組み立て方が自然で面白い。
 科学者のありかた、というところを上手く表現しているのはれ富樫玲子だろうか。彼女の最後の一言はキツイものがある。全てを論理で固めて倫理を無視する。辛いのは、人間を人間とみなさなくなることか。そして、脳や心と言ったものを全てシステムで片づけるところ。瀬名秀明としてのメッセージでもあるかもしれない。
 一応ハッピーエンドなのだろうか。終わり方がまた謎を残すようだが逆に鮮やかで自然。ずるいと言えば、ずるい終わらせ方なんだが。
 話としては面白かった。だが、作品そのものが醸し出しているアクはかなり強い。専門書のような小説、そして科学する小説。話に繋げていくのもあるが、脳というテーマを掲げてこれほどまでに科学する小説を他に知らない。ただ、もう一度読めと言っても、むつごいよな、これは。ただ一度なら、呼んでみてもいいのではないかと思われる。気が狂わないくらいに。あくまでも小説として、SFとして割り切って、どうぞ。
BRAIN VALLEY〈下〉 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈下〉 (角川文庫)より
4043405030
No.10
(4pt)

脳を科学する

読み終わってみてもどこからどういう風にとらえていけばいいのかはよく分からない。なぜ神は存在するのか。人は神を望み、神は人に奇蹟を与えるのか。科学者はどうあるべきなのか。そして本作のメインテーマ、脳とは何なのか。
 下巻ではテンポの良さが光る。テンポがよすぎただけに、幕切れがあっけなかったか。それは気のせいかも知れないが、Whyは随所に残る。わざと残したのかも知れないが、何より北川の意志がもっと強く知りたかった。彼の扱いが、惜しい気がしてならない。
 主人公の孝岡の存在よりもメアリーの存在の方が大きい。事件を通してメアリーの心情の移り変わり。一人の科学者として、そして一人の母親としての彼女のありかた。孝岡の祐一に対する書き込みは個人的にそれほど重要とは思えない。寧ろ孝岡はストーリーの引き立て役に徹した方がよかったのかも知れない。ただ、メアリーには強く感情移入させられるところがある。一人の息子の死、というのはただの事実だと思ったんだが、シナリオの組み立て方が自然で面白い。
 科学者のありかた、というところを上手く表現しているのはれ富樫玲子だろうか。彼女の最後の一言はキツイものがある。全てを論理で固めて倫理を無視する。辛いのは、人間を人間とみなさなくなることか。そして、脳や心と言ったものを全てシステムで片づけるところ。瀬名秀明としてのメッセージでもあるかもしれない。
 一応ハッピーエンドなのだろうか。終わり方がまた謎を残すようだが逆に鮮やかで自然。ずるいと言えば、ずるい終わらせ方なんだが。
 話としては面白かった。だが、作品そのものが醸し出しているアクはかなり強い。専門書のような小説、そして科学する小説。話に繋げていくのもあるが、脳というテーマを掲げてこれほどまでに科学する小説を他に知らない。ただ、もう一度読めと言っても、むつごいよな、これは。ただ一度なら、呼んでみてもいいのではないかと思われる。気が狂わないくらいに。あくまでも小説として、SFとして割り切って、どうぞ。
BRAIN VALLEY〈下〉 Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈下〉より
4048730797
No.9
(4pt)

脳を科学する

読み終わってみてもどこからどういう風にとらえていけばいいのかはよく分からない。なぜ神は存在するのか。人は神を望み、神は人に奇蹟を与えるのか。科学者はどうあるべきなのか。そして本作のメインテーマ、脳とは何なのか。 下巻ではテンポの良さが光る。テンポがよすぎただけに、幕切れがあっけなかったか。それは気のせいかも知れないが、Whyは随所に残る。わざと残したのかも知れないが、何より北川の意志がもっと強く知りたかった。彼の扱いが、惜しい気がしてならない。 主人公の孝岡の存在よりもメアリーの存在の方が大きい。事件を通してメアリーの心情の移り変わり。一人の科学者として、そして一人の母親としての彼女のありかた。孝岡の祐一に対する書き込みは個人的にそれほど重要とは思えない。寧ろ孝岡はストーリーの引き立て役に徹した方がよかったのかも知れない。ただ、メアリーには強く感情移入させられるところがある。一人の息子の死、というのはただの事実だと思ったんだが、シナリオの組み立て方が自然で面白い。 科学者のありかた、というところを上手く表現しているのはれ富樫玲子だろうか。彼女の最後の一言はキツイものがある。全てを論理で固めて倫理を無視する。辛いのは、人間を人間とみなさなくなることか。そして、脳や心と言ったものを全てシステムで片づけるところ。瀬名秀明としてのメッセージでもあるかもしれない。 一応ハッピーエンドなのだろうか。終わり方がまた謎を残すようだが逆に鮮やかで自然。ずるいと言えば、ずるい終わらせ方なんだが。 話としては面白かった。だが、作品そのものが醸し出しているアクはかなり強い。専門書のような小説、そして科学する小説。話に繋げていくのもあるが、脳というテーマを掲げてこれほどまでに科学する小説を他に知らない。ただ、もう一度読めと言っても、むつごいよな、これは。ただ一度なら、呼んでみてもいいのではないかと思われる。気が狂わないくらいに。あくまでも小説として、SFとして割り切って、どうぞ。
BRAIN VALLEY〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈下〉 (新潮文庫)より
4101214328
No.8
(4pt)

アイデンティティ

妄想、醜い自己顕示欲、動物に対する絶対優位、犠牲をいとわぬ姿勢。他者の意思をかえりみない科学者たちの幼稚なエゴが「我を信じよ」という科学が生み出した邪神の一言と重なって見える。
 自己のアイデンティティと供にある人間はやはり美しい。我々が他者に対して求めるものはそのアイデンティティを許容してくれる事であり、それはその他者が神だろうが人間だろうが同じである。
 
 そして、そのような者達こそ自然と「信」を集めるものだ。
 富樫という人物は結局なんだったのかを最後まで考えた。この批判をするためだけに出てきたようなニヒリストは「屈折した愛情」をバッサリと切り捨ててエゴイストに対する裏切りを見せたが、エゴイストは自分に対する怒りでさえある種の喜びを感じるものであり(自分がみられていることに喜びを感じる等)、そこで全てを否定、拒絶するニヒリストを以ってして、「Mr.私を見てくれ」の急所を突こうとしたのではないか?
 科学的考証については、クライマックスで神秘的なのか科学的なのか分からなくなったことにより、どこまでフィクションとしてよいのか素人の私には分かりませんでした。
BRAIN VALLEY〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: BRAIN VALLEY〈下〉 (新潮文庫)より
4101214328