終わらざる夏

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評判

終わらざる夏の評価:

3.92/5点 レビュー 172件。 A ランク

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平均点3.92pt

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全331件 301〜320 16/17ページ
No.31
(3pt)

当事者・・・として

4年前86歳で亡くなった父がこの「占守島の戦い」の当事者でした。

幼いころよく父の膝の上で戦争の話を聞かされました。戦車でロシアの兵隊をやっつけた話を。
攻撃を開始するとき池田隊長の訓示はすごかった・・・。俺たちは戦争に勝ったんだ・・・。
でも話の最後はいつも「決して戦争はしてはならない」でした。

ロシアの野望を砕き、日本の国土を守った歴史に残る戦いであったことを知るのは社会人になってからのことでした。

「占守島の戦い」を世に知らしめてくれたことに感謝いたします。


終わらざる夏 上 Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 上より
4087713466
No.30
(5pt)

理不尽、口惜しさ、怒り、憤り、、。傑作です。

カムチャッカ半島にもっとも近い千島列島最北端の小さな島・占守島(シュムシュ島)では8月15日に戦争は終わらなかった。

仮想敵ではなかったソ連が日ソ不可侵条約を破棄して8月8日に宣戦布告し参戦した。千島列島の武力占領をソ連は企図し、この島では8月18日早朝から戦いが始まり、精強な日本軍は圧倒的な火力と兵力で応戦・反撃しソ連軍を撃破した。そして日本軍は圧勝しながら24日に武装解除された。そして将兵たちは9月中旬からシベリアに送られ強制労働に服すという国際法違反の虐待を余儀なくされた。この勝利によって日本の領土は確保された。我々の知らない「もう一つの戦争」である。

その占守島に歴戦の鬼熊軍曹、若き菊池軍医、45才の片岡二等兵という三人の兵が和平のためのある使命を帯びて集結するが、運命のいたずらに翻弄されるという長い物語だ。戦争の理不尽さと渦中の人間の口惜しさと怒りとをあますところなく描いた傑作である。著者の浅田次郎の憤りが強いエネルギーとなって戦後65年目の暑い夏を前に優れた小説として結実した。

市ヶ谷の大本営参謀、岩手県盛岡の聯隊区司令部で徴兵作業にあたる動員班員、滝沢村役場兵事係、同潤会アパートに住む洋書翻訳者、シュムシュ島のアイヌ、函館から来た女子挺身隊、ソ連赤軍の将校、、。そして戦争の最前線に立っている兵士の家族達の悲しい物語だ。戦争には勝ち負けはない、戦争するものはすべて負けであるという著者の主張が痛切に響いてくる。

* 戦争は人間の思想や倫理や哲学をことごとく破壊する、超論理の無茶ですね。
* 明日の約束をすることが今日を生き延びるまじないであると、前線の兵隊は心得ている。
* 人間同士が殺し合っているのではなく、機械と機械が壊し合いをして、その機械を操っている人間が一緒に壊れちまうんです。
* 人の命を数字でしか量ろうとしない戦争というものに、
* 十五年も戦い続け、この四年近くは世界を敵に回して戦い続け、あげくの果てに降参する。
* 国が国民を攫(さら)い続けてきた。男たちを根こそぎ兵隊とし、女子供までも勤労動員の名のもとに拐(かどわ)かした。
* 赤紙一枚で召集された兵隊は、その後どこでどうしているものやら何もわからないのだが、死んだとたんに日付と場所が通知されるのだった。
* 邪念のないまっすぐな気性は、すなわち頭がいいのと同じなのである。
* 武運長久というのは、戦場で働(かせ)げというごどではながんす。逃げ回ってでも帰ってけろという、母心でやんす。
* スターリンの兵士になってはならない。やつは泥棒だ。革命という看板を掲げた大泥棒だ。
* だがな、犬死だって人を殺すよりはいからかましだ。
* 僕はいまさら死を怖れているのではない。わけのわからぬまま、戦う目的も理由も何もわからぬまま死ぬことがたまらなく恐ろしいのだ。
* 自由というものはよく知らないけれど、飛ぶも潜るも漂うも。これからは自分で決めていいのだろう。人間がようやく、鴎と同じように生きられるのだ。
* 百戦錬磨の兵隊たちですら、花咲く草原を征く時には声もなく見惚れるのです。
* 二度と、戦争はするな。戦争に勝ちも負けもあるものか。戦争するやつはみんなが負けだ。
終わらざる夏 上 (集英社文庫 あ 36-18) Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 上 (集英社文庫 あ 36-18)より
4087450783
No.29
(3pt)

当事者・・・として

4年前86歳で亡くなった父がこの「占守島の戦い」の当事者でした。

幼いころよく父の膝の上で戦争の話を聞かされました。戦車でロシアの兵隊をやっつけた話を。
攻撃を開始するとき池田隊長の訓示はすごかった・・・。俺たちは戦争に勝ったんだ・・・。
でも話の最後はいつも「決して戦争はしてはならない」でした。

ロシアの野望を砕き、日本の国土を守った歴史に残る戦いであったことを知るのは社会人になってからのことでした。

「占守島の戦い」を世に知らしめてくれたことに感謝いたします。


終わらざる夏 上 (集英社文庫 あ 36-18) Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 上 (集英社文庫 あ 36-18)より
4087450783
No.28
(5pt)

全国民必読の書!

氏の著作の中でも大好きな「プリズンホテル」シリーズ、「蒼穹の昴」、「中原の虹」。
その興奮が再び蘇る。
一読後、呆然。
そして、感動。
新たな福音書の誕生に、拍手。

とにかく、読んでみてください。

これから半年ぐらいは、周辺の人にそう宣伝する自分を想像している。
終わらざる夏 下 Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 下より
4087713474
No.27
(5pt)

全国民必読の書!

氏の著作の中でも大好きな「プリズンホテル」シリーズ、「蒼穹の昴」、「中原の虹」。
その興奮が再び蘇る。
一読後、呆然。
そして、感動。
新たな福音書の誕生に、拍手。

とにかく、読んでみてください。

これから半年ぐらいは、周辺の人にそう宣伝する自分を想像している。
終わらざる夏 下 (集英社文庫 あ 36-20) Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 下 (集英社文庫 あ 36-20)より
4087450805
No.26
(5pt)

素晴らしい群像劇にして反戦小説の傑作。

一見、浅田次郎らしからぬ小説、かもしれない。
主人公だったはずの片岡が中盤まったく登場しなくなるし、とにかく出てくる人物が多い。
「北千島に残された帝国陸軍最後の精鋭戦車部隊が、終戦後にソ連と戦う」
という「血わき肉踊る」小説を期待していると、肩透かしにあう。

だが、途中から著者のもくろみがおぼろげながらわかってくると、止まらなくなる。
著者が書こうとしたのは、特定の「誰か」にとっての戦争ではない。
「戦争」そのものであるからである。

日本側の死者300万。だが、それは決して世界の中で「多い」数字ではない。
ソ連側の死者は、一説によると2000万を超えるという。
誰が勝者で誰が敗者なのか。
わかっているのは、「死者は語れない」ということだけだ。

物言わぬ死者のために、浅田次郎は「戦争とは何か」を代弁してみせた。
300万という「数字」を、ひとりひとり、血肉のある「人間」として甦らせた。

あの極限状況の中で、市井のひとりひとりが、どれだけ人間としての尊厳を守り、
どれだけ、最後まで「人間」であろうとしたか。
読み進むほどに、涙が止まらなくなった。

いつもの「浅田節」はむしろ、控えめであるのに。

函館高女の女子高生たち400人を無傷で戻そうと尽力する
日魯漁業の社員と兵士たちのエピソードが、唯一の光明となって
胸に明るい灯をともす。

「また遊ぼうね。――戦争が、終わったらね。」

8月15日が近づいてくる。
「終わらざる夏」の登場人物たちに降りかかった出来事は、
決して他人事ではない。

戦争は、始まってしまうのではなく、私たちが始めてしまうものなのだ。
決して、彼らの犠牲を無駄にしてはならない。
強く、そう思った。
終わらざる夏 下 Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 下より
4087713474
No.25
(1pt)

中途半端な小説

占守島の戦いにスポットを当てたのは斬新でよいのです。私がこの本を手に取った理由もそれでした。

しかし、いかんせん話が中途半端に広がりすぎています。

以下ネタバレ。
最も残念だったことは、主人公の子供が通う学校の先生の描き方です。いつの間にかお話から消えてしまっています。
それからソ連兵の視線は、果たして必要だったでしょうか。必要なかったと私は思います。
前半、話の中心になっている翻訳業の主人公(?)の視線が後半ほとんど描かれておらず、消化不良に陥ります。

期待は大きかっただけに、とても残念な本でした。
終わらざる夏 下 Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 下より
4087713474
No.24
(5pt)

素晴らしい群像劇にして反戦小説の傑作。

一見、浅田次郎らしからぬ小説、かもしれない。
主人公だったはずの片岡が中盤まったく登場しなくなるし、とにかく出てくる人物が多い。
「北千島に残された帝国陸軍最後の精鋭戦車部隊が、終戦後にソ連と戦う」
という「血わき肉踊る」小説を期待していると、肩透かしにあう。

だが、途中から著者のもくろみがおぼろげながらわかってくると、止まらなくなる。
著者が書こうとしたのは、特定の「誰か」にとっての戦争ではない。
「戦争」そのものであるからである。

日本側の死者300万。だが、それは決して世界の中で「多い」数字ではない。
ソ連側の死者は、一説によると2000万を超えるという。
誰が勝者で誰が敗者なのか。
わかっているのは、「死者は語れない」ということだけだ。

物言わぬ死者のために、浅田次郎は「戦争とは何か」を代弁してみせた。
300万という「数字」を、ひとりひとり、血肉のある「人間」として甦らせた。

あの極限状況の中で、市井のひとりひとりが、どれだけ人間としての尊厳を守り、
どれだけ、最後まで「人間」であろうとしたか。
読み進むほどに、涙が止まらなくなった。

いつもの「浅田節」はむしろ、控えめであるのに。

函館高女の女子高生たち400人を無傷で戻そうと尽力する
日魯漁業の社員と兵士たちのエピソードが、唯一の光明となって
胸に明るい灯をともす。

「また遊ぼうね。――戦争が、終わったらね。」

8月15日が近づいてくる。
「終わらざる夏」の登場人物たちに降りかかった出来事は、
決して他人事ではない。

戦争は、始まってしまうのではなく、私たちが始めてしまうものなのだ。
決して、彼らの犠牲を無駄にしてはならない。
強く、そう思った。
終わらざる夏 下 (集英社文庫 あ 36-20) Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 下 (集英社文庫 あ 36-20)より
4087450805
No.23
(1pt)

中途半端な小説

占守島の戦いにスポットを当てたのは斬新でよいのです。私がこの本を手に取った理由もそれでした。

しかし、いかんせん話が中途半端に広がりすぎています。

以下ネタバレ。
最も残念だったことは、主人公の子供が通う学校の先生の描き方です。いつの間にかお話から消えてしまっています。
それからソ連兵の視線は、果たして必要だったでしょうか。必要なかったと私は思います。
前半、話の中心になっている翻訳業の主人公(?)の視線が後半ほとんど描かれておらず、消化不良に陥ります。

期待は大きかっただけに、とても残念な本でした。
終わらざる夏 下 (集英社文庫 あ 36-20) Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 下 (集英社文庫 あ 36-20)より
4087450805
No.22
(5pt)

素晴らしい群像劇にして反戦小説の傑作。

一見、浅田次郎らしからぬ小説、かもしれない。
主人公だったはずの片岡が中盤まったく登場しなくなるし、とにかく出てくる人物が多い。
「北千島に残された帝国陸軍最後の精鋭戦車部隊が、終戦後にソ連と戦う」
という「血わき肉踊る」小説を期待していると、肩透かしにあう。

だが、途中から著者のもくろみがおぼろげながらわかってくると、止まらなくなる。
著者が書こうとしたのは、特定の「誰か」にとっての戦争ではない。
「戦争」そのものであるからである。

日本側の死者300万。だが、それは決して世界の中で「多い」数字ではない。
ソ連側の死者は、一説によると2000万を超えるという。
誰が勝者で誰が敗者なのか。
わかっているのは、「死者は語れない」ということだけだ。

物言わぬ死者のために、浅田次郎は「戦争とは何か」を代弁してみせた。
300万という「数字」を、ひとりひとり、血肉のある「人間」として甦らせた。

あの極限状況の中で、市井のひとりひとりが、どれだけ人間としての尊厳を守り、
どれだけ、最後まで「人間」であろうとしたか。
読み進むほどに、涙が止まらなくなった。

いつもの「浅田節」はむしろ、控えめであるのに。

函館高女の女子高生たち400人を無傷で戻そうと尽力する
日魯漁業の社員と兵士たちのエピソードが、唯一の光明となって
胸に明るい灯をともす。

「また遊ぼうね。――戦争が、終わったらね。」

8月15日が近づいてくる。
「終わらざる夏」の登場人物たちに降りかかった出来事は、
決して他人事ではない。

戦争は、始まってしまうのではなく、私たちが始めてしまうものなのだ。
決して、彼らの犠牲を無駄にしてはならない。
強く、そう思った。
終わらざる夏 上 Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 上より
4087713466
No.21
(5pt)

素晴らしい群像劇にして反戦小説の傑作。

一見、浅田次郎らしからぬ小説、かもしれない。
主人公だったはずの片岡が中盤まったく登場しなくなるし、とにかく出てくる人物が多い。
「北千島に残された帝国陸軍最後の精鋭戦車部隊が、終戦後にソ連と戦う」
という「血わき肉踊る」小説を期待していると、肩透かしにあう。

だが、途中から著者のもくろみがおぼろげながらわかってくると、止まらなくなる。
著者が書こうとしたのは、特定の「誰か」にとっての戦争ではない。
「戦争」そのものであるからである。

日本側の死者300万。だが、それは決して世界の中で「多い」数字ではない。
ソ連側の死者は、一説によると2000万を超えるという。
誰が勝者で誰が敗者なのか。
わかっているのは、「死者は語れない」ということだけだ。

物言わぬ死者のために、浅田次郎は「戦争とは何か」を代弁してみせた。
300万という「数字」を、ひとりひとり、血肉のある「人間」として甦らせた。

あの極限状況の中で、市井のひとりひとりが、どれだけ人間としての尊厳を守り、
どれだけ、最後まで「人間」であろうとしたか。
読み進むほどに、涙が止まらなくなった。

いつもの「浅田節」はむしろ、控えめであるのに。

函館高女の女子高生たち400人を無傷で戻そうと尽力する
日魯漁業の社員と兵士たちのエピソードが、唯一の光明となって
胸に明るい灯をともす。

「また遊ぼうね。――戦争が、終わったらね。」

8月15日が近づいてくる。
「終わらざる夏」の登場人物たちに降りかかった出来事は、
決して他人事ではない。

戦争は、始まってしまうのではなく、私たちが始めてしまうものなのだ。
決して、彼らの犠牲を無駄にしてはならない。
強く、そう思った。
終わらざる夏 上 (集英社文庫 あ 36-18) Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 上 (集英社文庫 あ 36-18)より
4087450783
No.20
(2pt)

現実味のないストーリー

物語に登場する人生は、今までにない「終戦」映画でした。
戦争という悲劇を伝える構想は、さすがと思います。

ただし、その中で、ソ連兵が時間を超えて姿を変えて、物語の重要な登場人物になってしまったら、
「それはないでしょう・・・」と感じてしまいます。その点、大変残念です。

ということで、今年の夏の物語と思って、買った小説ですが、私の夏も中途半端になりました。
終わらざる夏 上 Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 上より
4087713466
No.19
(2pt)

現実味のないストーリー

物語に登場する人生は、今までにない「終戦」映画でした。
戦争という悲劇を伝える構想は、さすがと思います。

ただし、その中で、ソ連兵が時間を超えて姿を変えて、物語の重要な登場人物になってしまったら、
「それはないでしょう・・・」と感じてしまいます。その点、大変残念です。

ということで、今年の夏の物語と思って、買った小説ですが、私の夏も中途半端になりました。
終わらざる夏 上 (集英社文庫 あ 36-18) Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 上 (集英社文庫 あ 36-18)より
4087450783
No.18
(3pt)

これを戦争巨編と呼ぶのはどうも…

この著者の小説は、ものによって好きだったり嫌いだったりするのですが、これはいまひとつでした。

前評判や売り文句で煽られているほど、テーマに肉薄しているとは思えません。戦後生まれの作家の小説ってこんなものなのか。どこかで聞いてきた話を並べたみたい。

あるいは、著者の他の小説ではいい効果を生む「話の広がり」が、今回はうまく作用していないのでは。ロシアの青年兵の存在、彼のキャラクターが「戦後の日本人の想像の産物」であるのはしょうがないにしろ、出場の仕方さえファンタジーでは、読んでいてしらけてしまう。

材料の選択はOK、小説としては疑問・・・という感じでしょうか。
終わらざる夏 上 Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 上より
4087713466
No.17
(4pt)

浅田作品は始めて読みました

今まで読む機会がありませんでしたが、占守島の戦いへの興味から、良い機会と思い表紙を開きました。
徴兵資格を逃れる数週間前に召集令状を受け取る翻訳家、身長150センチで丙種でも不合格であった医学生、過去3度の兵役で右手の指3本を失い、銃を撃つこともできない老兵。
彼らと、その家族の思いが描かれるシーンに泣かされ続けます。

前半は、通常であれば決して前線に置かれることのない3人の補充兵が、北の果ての島に送られる情景を通して差し迫った国のありさまが良く描かれていると思います。
そして、後半も新たな登場人物を含めて、長い戦いを終えるために、どの軍人も民間人も非常に健気にそれぞれの戦いを続けます。

難点は、クライマックスで視点を変えたことでせっかくの感動が弱まってしまった事と、
そのリアリティ。

それでも十分に楽しめましたので、もう1作品読もうと思います。
終わらざる夏 上 Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 上より
4087713466
No.16
(3pt)

これを戦争巨編と呼ぶのはどうも…

この著者の小説は、ものによって好きだったり嫌いだったりするのですが、これはいまひとつでした。

前評判や売り文句で煽られているほど、テーマに肉薄しているとは思えません。戦後生まれの作家の小説ってこんなものなのか。どこかで聞いてきた話を並べたみたい。

あるいは、著者の他の小説ではいい効果を生む「話の広がり」が、今回はうまく作用していないのでは。ロシアの青年兵の存在、彼のキャラクターが「戦後の日本人の想像の産物」であるのはしょうがないにしろ、出場の仕方さえファンタジーでは、読んでいてしらけてしまう。

材料の選択はOK、小説としては疑問・・・という感じでしょうか。
終わらざる夏 上 (集英社文庫 あ 36-18) Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 上 (集英社文庫 あ 36-18)より
4087450783
No.15
(4pt)

浅田作品は始めて読みました

今まで読む機会がありませんでしたが、占守島の戦いへの興味から、良い機会と思い表紙を開きました。
徴兵資格を逃れる数週間前に召集令状を受け取る翻訳家、身長150センチで丙種でも不合格であった医学生、過去3度の兵役で右手の指3本を失い、銃を撃つこともできない老兵。
彼らと、その家族の思いが描かれるシーンに泣かされ続けます。

前半は、通常であれば決して前線に置かれることのない3人の補充兵が、北の果ての島に送られる情景を通して差し迫った国のありさまが良く描かれていると思います。
そして、後半も新たな登場人物を含めて、長い戦いを終えるために、どの軍人も民間人も非常に健気にそれぞれの戦いを続けます。

難点は、クライマックスで視点を変えたことでせっかくの感動が弱まってしまった事と、
そのリアリティ。

それでも十分に楽しめましたので、もう1作品読もうと思います。
終わらざる夏 上 (集英社文庫 あ 36-18) Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 上 (集英社文庫 あ 36-18)より
4087450783
No.14
(2pt)

巧みではあるが、その時代精神にそぐわない

著者は戦後生まれである。
戦中の空気を吸っていない。
これに尽きる。

このような、主人公たちの厭戦反権力気分(あえて主義とは言わない)は、戦中の空気にはさあ、0.1%もなかったろうと思う。
私も含めて、ほとんどの人はこの中に悪役として描かれるお国のため、大君のためと必死だったのである。

戦後生まれの人が、何か景気のいいお伽噺がほしいと書いたものであろう。

各メディアの書評も好意的である。
著者と同時代が今や現役メディアの主力である。

お話としてなら面白い。
本来星一つだが、構成の巧みさ、日本語に違和感がないので二つにした。
終わらざる夏 下 Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 下より
4087713474
No.13
(2pt)

巧みではあるが、その時代精神にそぐわない

著者は戦後生まれである。
戦中の空気を吸っていない。
これに尽きる。

このような、主人公たちの厭戦反権力気分(あえて主義とは言わない)は、戦中の空気にはさあ、0.1%もなかったろうと思う。
私も含めて、ほとんどの人はこの中に悪役として描かれるお国のため、大君のためと必死だったのである。

戦後生まれの人が、何か景気のいいお伽噺がほしいと書いたものであろう。

各メディアの書評も好意的である。
著者と同時代が今や現役メディアの主力である。

お話としてなら面白い。
本来星一つだが、構成の巧みさ、日本語に違和感がないので二つにした。
終わらざる夏 下 (集英社文庫 あ 36-20) Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 下 (集英社文庫 あ 36-20)より
4087450805
No.12
(2pt)

浅田さんらしからぬ失敗作?

テーマは面白い。
終戦時ほぼ無傷で残された関東軍から引き抜かれた奇跡の精鋭91師団。カムチャッカ半島に対峙する北千島の占守(シェムシュ)島で終戦後理不尽にも攻め込んできたソ連軍と戦うという設定である。
このまま素直にテーマを展開すれば面白いと思われるのだが、はっきり言ってこの本はいろいろ欲張りすぎて終わりようがなくなり非常にしまりがない本となってしまった。
登場人物が多すぎで、その全員を登場させることにほぼ三分の二の紙数を費やし、ついでにソ連軍将校の夢物語や、占守島日本軍降伏後のシベリア抑留について語るなど、明らかに散漫である。
浅田氏は、他にシェラザードや日輪の遺産など第二次大戦関連の著作があるだけに本作の出来栄えには全く落胆した。
終わらざる夏 上 Amazon書評・レビュー: 終わらざる夏 上より
4087713466