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KIZU 傷



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【この小説が収録されている参考書籍】
KIZU―傷― (ハヤカワ・ミステリ文庫)

KIZU 傷の評価: 3.13/5点 レビュー 8件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.12pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全8件 1~8 1/1ページ
No.8:
(4pt)

ドラマとはラストが違う

ドラマではラストが尻切れトンボでアマの殺害シーンはタイトルバックのなかで一瞬だったが、こちらの原作(訳だからそういっていいのか?はしょってあることが多い)ではアマとその仲間の2人の少女、カミールのその後まで。ドラマを見て物足りなさを感じた方にはオススメ。
KIZU―傷― (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:KIZU―傷― (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.7:
(3pt)

原作本 VS 超A級TVシーリズの結果は?

■スターチャンネルで「後味の悪い映画」という特集があった。個人的に後味の悪い映画のひとつが
ゴーン・ガールで、その冒頭のシーンとTVシリーズのウィンド・ギャップの街は酷似している。
ストーリーは原作本の通り進行するが、情報量で勝るTVシリーズでは過去の回想シーンや自傷行為
の描写、アルコール依存症等により大きな比重が置かれ、作者が新たに書き足した部分もある。
■やはり、8話8時間分の「尺」は圧倒的で、存分に詳細な描写が出来る点、また一流の俳優が出演   
している等毛点、原作本を遥かに上回る超Aクラスのドラマに仕上がっている。
構成も「起・承・転・結」の「起・承」で8時間、いきなり「転」が3分でシャットダウンという、
一般のファンを切り捨てた様な大胆な結末。作者の談話によると「最後まで犯人を決められなかった」
と語っていることから、まずは作者自身が参加して練り上げたTVシリーズを見るべきでしょう。
KIZU―傷― (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:KIZU―傷― (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.6:
(1pt)

期待していました

ゴーンガールを読んで、レビューも参考にし、購入しましたが、期待はずれでした。
何を読まされているのか?頭に入ってきませんでした
KIZU―傷― (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:KIZU―傷― (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.5:
(2pt)

冗長すぎる

「ゴーンガール」で満足し、同作家のデビュー作を購入。
しかし、あまりにも重箱の隅をつつくようなダラダラのストーリー展開に
辟易。
サスペンスなのか、ヘイトストーリーなのか、ジャンルも微妙。
このテンポに見合う結末なら納得だが、自分には退屈なエンディングだった。
今後に期待。
KIZU―傷― (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:KIZU―傷― (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.4:
(4pt)

心も身体も傷だらけの恐怖小説

傷だらけの小説である。「身体の傷」「心の傷」「人間関係の傷」「アメリカの傷」。
読後、「嫌な味」がトラウマのように残る。
シカゴの新聞記者カミルは少女殺人事件の取材に、南北アメリカの境にある故
郷ミズーリ州の小さな片田舎の町に帰郷する。カミルがこの町から都会に出て
行ったのには理由があった。しかし8年ぶりに帰った地元は昔とかわらず閉鎖的、
排他的であり、養豚業が盛んでけっして貧困ではない町の人々は、都会人カミル
に対してまるでよそ者の侵入者であるかのような視線で視、接してくる。

調査する猟奇少女惨殺事件の被害者二人の歯はすべて抜かれていた。
二件目の殺人事件がおき、警察とともに事件を追及していくがカミルの身内が
犯人ではないかという噂を聞くとカミルの思い出したくない彼女自身の過去も
次第に明らかになっていく。

原題「鋭く尖ったもの」、邦題「傷」の意味する事実が浮かび上がる。
登場人物全員がどこかに傷をもつ人々なのだ。カミルの自傷行為に対する強い
欲求となる原因も明確になると物語の緊張感の高まりはまるで恐怖小説のような
雰囲気を醸し出す。

後味の悪い犯人解明。被害者から抜き取られた歯が異様な形で発見されるに至り、
カミラの心は自分の過去との相克で正常な神経はズタズタに切り刻まれてしまう
のだ。
イギリスのCWA賞ダブル受賞の傑作。
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No.3:
(2pt)

ひたすら重い

登場人物は皆一癖も二癖もある人ばかり。
自分は都会生まれの都会育ちであるが、閉鎖的な地方の町の人たちって、子どもを含めて皆こうも意地が悪いのかなと考え込んでしまった。

事件の犯人は簡単に推測できてしまうので、読みどころは主人公がいかにして真相に迫っていくのかという過程、及び事件の背景そのものでしょうか。
自分的には読んでいてスリリングな感じは持たなかったし、恐怖を感じることもなかった。
ただただ閉鎖的な町のおどろおどろした人間関係ばかりが印象に残った。

事件の背景は現代社会のゆがんだ人間心理の1つを扱ったものであり、非常に良く書けていると思ったが、個人的には全く好きな作品ではないので★は1つマイナス。(タイトルと内容説明を読んだ時、ある程度の推測はできたのですが。)

ハラハラどきどきして、後味すっきりというサスペンスが好きな方にはおすすめできません。
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No.2:
(4pt)

現代が抱える苦悩を、痛々しいまでに象徴した物語

シカゴの新聞記者カミルは、8年ぶりに南へ車で11時間かかる故郷の町へやってきた。そのミズーリ州最南端の町ウインド・ギャップで昨年の8月に少女が絞殺される事件が起き、今またひとりの少女が行方不明になっており、連続した事件ではないかという上司からの指示でその町の出身者である彼女が派遣されたのだ。やがて行方不明の少女は死体となって発見される。少女たちはふたりとも歯を引き抜かれていた。実家の大きな屋敷に滞在しながら、カミルの関係者への取材と記事づくりが始まる。

しかし、屋敷での生活、母親との確執、家族や昔からの知り合いとの関係を通して、カミル自身の過去も明らかになる。なんと彼女はかつて自分の身体に文字を刻む自傷癖があって、いまも傷として残っているのだ。さらに、片田舎の小さな町の閉塞感と緊密な人間関係が緊張を生み、じわじわと輪が狭まってくるような恐怖が、そのたびに古傷がうずくようで彼女を捕らえて離さない。
そして心身ともに満身創痍の状態のカミルは、悲劇的な真相にたどり着く。

本書では、カミルの取材や警察の捜査よりもむしろ、多くのページで自分の心に向き合う彼女の姿が、痛々しいまでの一人称記述で語られている。
まるで現代が抱えている問題と苦悩を象徴するかのような物語である。

ちなみに本書は、アメリカの作品ながら、英国におけるミステリーの頂点、CWA(英国推理作家協会)賞の’07年度ニュー・ブラッド・ダガー(最優秀新人賞)とイアン・フレミング・スチール・ダガー(最優秀スリラー賞)をダブル受賞している。
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No.1:
(5pt)

血に導かれる哀しき連環の物語。

2007年度のCWA(英国推理作家協会賞)最優秀新人賞と最優秀スリラー賞を受賞した、シカゴ在住の女性作家フリンの慟哭の処女作。

アメリカ中西部ミズーリ州の架空の町ウインド・ギャップで去年に続いて少女の失踪事件が発生する。シカゴの二流紙の女性記者カミルが、この町の出身という事もあって、上司の編集長フランクから派遣を命ぜられる。母と継父と異父妹の暮らす実家に落ち着いた彼女は、思わず過去の忌わしい思い出である妹の死を回想する。やがて失踪中の少女は、去年と同じく絞殺されて歯を引き抜かれた姿で発見される。カミルは被害者の身内を取材し、その調査の過程で都会から応援に来ている刑事リチャードとも知り合う。実は彼女も過去に問題を抱えていて、それはナイフによる自傷行為で全身至る所に言葉を彫り刻むという悪癖であった。今も時折衝動に駆られ、言葉が彫られた部位が疼いて、飲酒で誤魔化している毎日だった。記者としても新米の彼女は、リチャード刑事と行きずりで寝たり、被害者の兄で十歳以上歳の離れた容疑者とも慰めあう為に肌を重ねてしまう。そして彼女は推理というよりも血に導かれるようにして真相に辿り着いて行く・・・・・。

昨今のミステリーは知的パズルよりも現代社会の抱える病巣に深く切り込んだ内容の作品群が主流と言えます。詳しくは申せませんが、本書も社会病質の問題を扱っていて、常日頃私たちが三面記事で目にしている歪んだ連鎖を思い出させます。
自傷行為に走るカミルも、善悪の判断基準が狂ってしまった犯人も、当人自身ですら理解の及ばぬ精神の病に冒されて衝動的に行動してしまうのです。その根本の病理を突き止める事は不可能なのであって、それよりも一番大切なのは、傷つき易く弱いカミルを支えるフランクや妻のアイリーンが存在していると言う事で、人間の暖かい労わりと理解があれば、何時か忌むべき鎖の環を断ち切れると思えるのです。
KIZU―傷― (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:KIZU―傷― (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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