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“文学少女”見習いの、傷心。
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“文学少女”見習いの、傷心。の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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文学少女シリーズが好きなので購入 DVDも小説内容も綺麗な世界が広がっています | ||||
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ちゃんと完結して、主人公はどうにか幸せになっている。 それは簡単なことではないのだけれど、 そういうシリーズは全体の読後感がさわやかなのです。 もちろん、DVDもかわいらしくてとてもよかったです。 | ||||
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今回の「傷心。」「怪物。」では、主人公と文芸部を取り巻く者達の精神的変化が顕著に描かれていて、読んでいて心が躍り、また震えるような作品に思えました。 心葉に「大嫌いだ」と言われても、拒絶されても、突き放され傷心しても、自分の中にある確かな想いと共に、彼に真っ直ぐ向き合おうとする菜乃に、少し憧れました。 「怪物」との出会いで人の心に巣くう闇を垣間見て、美しい理想だけの世界から、悪意や恐怖や悲哀など全てを含んだ現実へと歩み出す菜乃。それでも、彼女は希望を持って、新たな現実に直面していきます。 善と悪の入り交じる世界がもたらす物語を読み解き、文学少女の見習いである菜乃自身が、最後に物語の答えを見出すことを、一ファンとして期待しています。 心葉は「怪物。」において、菜乃に感情を隠す事なく、彼女にしっかりと向き合おうとしました。彼も少しずつ、「真実に向き合える人間」へと成長していると思います。ななせも今巻での新たな決意を胸に、「素直な人間」への道程を歩んで行ってほしいです。 個人的に気に入ってる千愛にも、いつか道化の仮面を剥いで自然に笑える日が来るといいなと思います。 長くなったり飛んじゃったりしてしまいましたが、最終巻「゙文学少女"見習いの、卒業。」での、物語の結末に超期待します!! | ||||
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喜怒哀楽(『中国の五情』という括りでは、これに「怨」が加わるらしい)という、主に人と人との関係に端を発し、因縁や遺恨という形でエスカレートする暗澹とした感情が見え隠れしながら、人の業が蠢いて図らずも他人を傷付けてしまうやるせない物語が今回も真っ正面から描かれている。これは同時に、理想ばかりを思い描く夢見る少女な菜乃ちゃんが、人の心に巣食う闇のようなネガティブ感情を知り、これに戸惑いながらもどう理解するかを見付け出す「初体験」物語でもあった。全編が菜乃ちゃん視点、その独白はフツーの女子高生らしい無邪気に満ちていて眩しいくらい。その眩しさを遮るように心葉から、そして次々と現れる本編の主要メンバーから意味深な言葉を投げ掛けられては悩んで落ち込む菜乃ちゃん。そりゃあ、本編で愛情と怨嗟がぐるぐる交錯した果てに死線すら彷徨った面々からすれば菜乃ちゃんなんて能天気なお子ちゃまに写ることでしょう、いーよいーよ、菜乃ちゃん、あの人達は異常体験者だから、菜乃ちゃんがフツーなんだから、などと擁護のひとつもしたくなるところだが、そこはタフ過ぎる前向き雑草魂の持ち主。真摯に考えて、悩んで、省みて、一歩ずつ着実に真相という名の真理に近づいていく、その成長の過程が豪胆な行動とともにじっくり描かれていた。パンドラの箱に残された最後の1つを見付けるような一縷の望みを感じさせる展開である。「ここでアイツが出て来たか」という驚きのある結末も良かった。しかし、心葉クンも変わったねぇ。随分となよっちい部分がとれて、芥川君とのやおい疑惑まで生じる後輩からの人気者になっている。遠子先輩を追いかけながらも良い意味で依存を脱して自立しようとしている。最後に現れた思わぬ伏兵をどうあしらうのか楽しみである。それとも、いつの間にか出来上がっていた“心葉ハーレム”に仲間入りか? | ||||
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本編についてはアチラを参照願うとして、こちらでは付属の限定DVDについて。 オリジナルアニメーション【“文学少女”今日のおやつ 〜はつ恋〜】 スペシャルコンテンツ【劇場版“文学少女”予告映像】 ※メニュー画面では上記の並びだが、オートスタートでは逆順に流れる。 さすがに竹岡美穂さんが描く繊細な挿絵の世界をアニメで表現するのは、かの Production I.G でも難しいのだろうか。「貞子こと黒沼爽子」はあんなに素晴らしいのに……。背景や静物といった美術系はともかく、人物像は「似て非なるもの」くらいで挑んだ方が良さそう。遠子先輩の黒髪は青みがかっていないとイカンと思うのだが……。声にしても、遠子先輩役の花澤香菜さんは好きな声優さんではあるが、今回は遠子先輩というより何だか同級生の遠子ちゃんという感じがしないでもない。もう少しお姉さんっぽさと、“清楚で古風な雰囲気ながら実は少しお転婆で意外に押しが強い”という「先輩らしさ」がほしい。音楽は申し分無し。それでも、遠子先輩が引用する本や心葉の三題噺の世界を動画で観られるのはアニメならでは。「なるほど、こうなるのか」と納得できるものは充分にある。文字がまるで“イニシャルG”のごとくシャカシャカ動き回って遠子先輩の反応というか心情を表しているのは良い演出だった。 これだけで劇場版本編を占うのは尚早かもしれないが、ある程度のアタリは付けられると思う。正直なところ現状では映像的に玉石混交な印象は否めないが……シナリオで押すのか? | ||||
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ふつうにおもしろいです。読者を飽きさせません、一気に読んでしまいました。 文学処女見習いの言動がとにかくおもしろいです。一見の価値あり。 | ||||
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野村美月さんは本当に本が好きなんだなあ…… いいなあ、とはシリーズを通して感じられてきたことなのですが、 この見習いシリーズによってよりしみじみと 美月さんの誠実さ、みたいなものに胸を打たれているところです。 表題作の「傷心」も「怪物」も、相変わらず妥協せずに、 食い違って意図せず傷つけあってしまう人たち、 そしてそれを解きほぐす優しい「想像」を繊細に描いています。 この見習いシリーズには、『文学少女』の補完としての役割が 本当に大きいような気がします。 沢山の本を読んで世界を広げ、外へ踏み出して行く人、 一冊一冊を丁寧に読み、深く潜って行く人、 あまり本を読まずとも、大事に抱える本があり、物語に憧れる人。 本が、物語が好きという一点のために いまどきなノリの菜乃を主人公に立てて 物語を語らせる作者が、読者に対して心から誠実な態度を 保とうとしていることが感じられ、それも含めてじんときます。 ともすれば曲解になり得てしまう古典の解釈ですが、 菜乃たちの「想像」は素直に受け止められました。 見習いシリーズは次でラストということで寂しいですが、 楽しみに待ちたいと思います。 | ||||
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付属DVDの予告編とショートストーリーは劇場版への期待を大きくしてくれました。 おやつのシーンは原作の雰囲気とは違う演出に感じますが、メディアの違いを考慮した演出としてむしろよい印象を受けました。(多少演出過多だったかもしれませんが、第1弾の短編映像としては良かったと思います。) お話の方は個人的趣向と異なっていましたが、本編での登場人物との絡みや、あの人のフォローなど・・・本編では足りないという方に読んで頂きたい内容だと思いました。 ただ1点、どうしても気になるのが、本の表紙と背表紙に"DVD付特装版"という字があることでした。どうにもこの字が気になってしまってしょうがない。ずらっと本を並べた時にこれだけ浮く!せめて"特装版"だけにして欲しかったと思います。 なので星4つで。 | ||||
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琴吹ななせのキャラクターデザインだけは本気でかえてください。あれじゃ野蛮人です。おねがいだから変えてください。いくらなんでもあれはひどすぎる。頼むから、絶対変えてください、 | ||||
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『怪物』のほうのエピローグ... ヤバすぎます。 まさか、あの子が出てきて、あの子があんなことだったなんて... | ||||
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作者の「野村 美月」さん、「文学少女」シリーズを生み出して下さったことに、感謝です。 正直、タイトルが「文学少女」だけに、本編の最終巻を読んでから、「この作品は、どうなるんだ?」と心配もしてしまいましたが、自分は野村さんを甘く見ていました。 「見習い」シリーズ、この物語の広がり様は、他の作品にはなかなかみられないモノがあり、読者をどんどん引き込んでいってくれます!!! 自分も、高校生なのですが、この年齢特有の感受性・恋愛感・心の葛藤が見事に描かれています。同年代からは「あー、この感じ、すごくわかる。」、また、大人の方からは、「懐かしい感覚だ。」と感じられるのではないでしょうか。 そして、このシリーズの「ネタ本」の解釈は素晴らしい!! 今まで読んだのものが、また全く違う雰囲気を纏わせてくれます。 特に、今回のは、映画を小学校時代に見たのですが、意味がわからず、面白くも何ともなかったのに、原作を読みたくさせる、この物語の構成。 素晴らしい。の一言に尽きます。 何だか、シリーズ全体の話になってしまいましたが、このシリーズは絶対に全て購入することをオススメします。 | ||||
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DVDについて書きます。 ドラマCDも持っていますが、やっぱり声に違和感があるな〜という印象。今回喋るのはほぼ心葉と遠子先輩だけですが。 ・一瞬映った琴吹さんの髪がワイルド過ぎる?! ・一瞬映った千愛がけいおん!ぽく見える?! ・遠子先輩がおやつを食べるシーンの演出が若干過剰? ・心葉の髪が茶色っぽすぎる? など、個人的に不満はありますが、全体的に丁寧に作られていて好感が持てました。『時をかける少女』などの、一般向け映画の雰囲気があるかなぁ、と思いました。 DVDの内容は映画の広告とオリジナルストーリーなので、値段としては決して高くないと思います。劇場版『文学少女』の予習に是非どうぞ。 | ||||
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ホームページでのイラストを見てわかっていたことですが、やっぱりイメージがずいぶんと違う。 とくに心葉が、僕の中ではもう少し繊細な印象だったのですが、ずいぶんぼさっとしたキャラに見えました。 まあ、おまけとしては悪くないクオリティだと思います。 あとは、趣味の問題かな、と。 | ||||
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文学少女の外伝シリーズの第二作目「文学少女見習いの傷心」に収録された作品は二作 文学少女見習いの傷心」と「文学少女見習いの怪物」です。 ただ、作品の主は表題作の「傷心」ではなく、「怪物」の方でした。 割いたページが圧倒的に「怪物」の方が多かった。 個々の作品の説明に移ります 「傷心」は、シュトルムの「みずうみ」をモチーフに構成されています。 心葉に大嫌いと言われた。菜乃がいかに自分を取り戻すかが、この作品のストーリーです。 「文学少女と月花を孕む水妖」で登場したキャラクターが登場し、心葉がこのときの事を追憶していると思われるシーンもあります。 「怪物」は誰もが知っている古典ホラーの名作、メアリー・シュリーの「フランケンシュタイン」がモチーフです 変わろうとする心葉と、それをポジティブに追いかける菜乃の物語です。 「繋がれた愚者」「穢れ名の天使」の後日譚、特に「穢れ名の天使」との関係が深い作品でもありますから、これらの作品を思い出しながら読む事が出来ます。 総括として 心葉に思いを寄せる菜乃は、今回は思わぬほど純粋だが大変に強い女の子として描かれています 何事もポジティブで、決して悲観的にならずにまっすぐに生きる。 心葉も相変わらずそんな菜乃に振り回されてしまいます。 そんな菜乃の姿は心葉自身の心の闇を移しだす鏡となってしまう。 まるで澄み切った水面が素顔を映し出すように。 それが、心葉に思わぬ葛藤をもたらせ。菜乃もと惑わしてしまいます また、前作では、菜乃に意地悪する心葉の姿が際立っているようにも見えますが 今回では妙に優しかったり、冷たかったりと菜乃を戸惑わせます。心葉自身の心の変化が、この巻の重要な意味があるのでしょう。 最後にもう一つの見所は、菜乃が相変わらずの天然ボケぶりから、心葉を初めとする周りのキャラクターを振り回す漫才の数々でしょう。 今回は心葉だけではなく、美羽などもその犠牲となり、けっこう笑わせてもらえました。 | ||||
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DVDが気になりこちらを買いました。 思っていたより映像は綺麗だし、遠子先輩と心葉くんの声も良かったなーと思えました。 ただ、いくら出来は良くとも10分程度のDVDでこの値段はなぁ…という気はします。 お財布にゆとりがある人じゃないと気軽に買えないですね。 | ||||
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映画化に先駆けてのアニメ版"文学少女"。短編「今日のおやつ〜はつ恋〜」と劇場版の予告映像の2つが収録されています。ボリュームに関しては、ファンであればいくらあっても物足りないとして、気になるのは映像化による原作と比較してのクオリティの変化でしょう。 ホームページ等で見ても分かるとおり、文庫版で挿絵を担当していらっしゃる竹岡美穂さんのイラストとは、キャラクタから受ける印象が大きく異なっています。また、魅力の一つである遠子先輩の長い台詞も、映像化の中ではちょっと寒く感じられてしまったり・・・原作の雰囲気を壊さず映像化するのは難しいんじゃないかと言われていた意味が分かった気がします。正直★5つ付ける気にはなれませんでした。 しかし、映画化される『"文学少女"と死にたがりの道化』は、小説の他マンガにドラマCDと他のメディアに進出していますし、今さら忠実に映像として再現したところで「もういいじゃん・・・」という気になってしまうのではないでしょうか? だからこそ、映画館では「やっぱり"文学少女"っていいなぁ」よりも「こんな"文学少女"もいいなぁ」といった感想を味わってみたいものです。良くも悪くも映像版のキャラクタデザインは斬新でしたし、原作では透き通るような挿絵で少しは隠れていた(?)"文学少女"シリーズが持つドロドロな一面も、キャラクタが動き出したらかなり顕在化して来るのではないでしょうか。それだけに、映像でしか味わえない"文学少女"の魅力がたくさんあるといいなぁと思っています。 今回のDVDでは、どんな映画になるのか見当も付きませんでした(付いたらつまらないかもしれないけど)。期待と不安を込めて★は4つ。一つ欠いたことを5月に悔やめるよう心から祈っています。 | ||||
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『みずうみ』をモチーフにした短編「傷心。」と、『フランケンシュタイン』をモチーフ にした長編「怪物。」の二編をプロローグとエピローグで挟み込んだ構成の本作。 今回、特に印象深かったのは、心葉の目覚しい成長ぶりです。 後輩である菜乃に振り回されながらも、彼女のひた向きさに触れることによって 頑なだった心が徐々に解きほぐされていき、自分の内面や心情を、臆さず表す 強さを身につけつつあります。 また、そうした変化は、ななせにも見られ、本作の出来事を通じて、失恋 の痛手から立ち直り、心葉とまっすぐ向き合う気持ちを取り戻しています。 読者からの反響ということもあったのでしょうが、野村さん自身も、ななせへの フォローをなんとかしないと、という想いが強かったことがよく伝わってきました。 あと、恒例である太字の独白パートの語り手捜しでは、一ひねりが加えられています。 シビアに見れば、アンフェアというか、些かあざとい隠し方がなされているのですが、 それをあげつらうのは野暮というものでしょう(クライマックスを文化祭のコーラス劇 に設定しているのが伏線といえるでしょうし)。 さて、菜乃がヒロインの外伝も、次でいよいよ終了。 ラストのサプライズから想像するに、遠子先輩の時 と同様、菜乃自身の物語が展開されていきそうです。 | ||||
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前作での菜乃がなんとなく戸惑ってばかりだったイメージだったのに対して、本作では彼女が輝かしい成長を見せる。菜乃編は本編の外伝ではあるけれど、心葉やななせだけでなく、間違いなく菜乃自身の成長の物語なのだと本作で強く実感した。 本編での“文学少女”だった天野遠子先輩の探偵としての役は心葉が引き継いでいる。しかし、ともすれば病みがちな登場人物たちに前へと進む気力を与えるという意味での“文学少女”に、菜乃はなりつつあるのではないだろうか。 また、まだ「見習い」ならがもまっすぐな彼女だからこそ持つ良い意味での「ウザさ」は、遠子先輩をも凌ぐエネルギーを秘めているように感じられる。遠子先輩と違って、まだうまく相手の気持ちを理解し、受け入れることはできないかもしれない。それでも、心葉やななせをうごかしてあげられる力を持つ彼女は、れっきとした“文学少女”なんだな、と。 続く最終話『“文学少女”見習いの、卒業。』に、菜乃が遠子先輩のように文学に対し博識になったり、物語を食べるようにはならないだろう。だからこそ、彼女が遠子先輩とは別のどんな“文学少女”に成長してゆくのか、とても楽しみ。 伏線の妙や読み手の意表を突くおもしろさは過去の作品と比べても非常におもしろかった。懐かしい人物の登場も、長らく“文学少女”を読んできた身として非常に嬉しい。人気出たから外伝も出ただけでグダグダと伸びて行くだけなんじゃないか・・・等と考えていた私は愚か者でした。文句なしの★5つです。 | ||||
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「怪物。」をメインテーマとしての菜乃の物語たる「傷心。」は、その菜乃の明るさが唯一の灯火であとはもう「どろどろ、おどろおどろ、ダークサイド」といった内容が大半でした。 心葉をはじめとした主要キャラ達の抱える心の葛藤、そうしたものと無縁の菜乃とそんな心葉達との距離感が劇中では殊更強調されていました。そんな菜乃はあたかも敬虔な信者の持つ十字架のよう、その単純にして疑うことを知らない在り方は闇を抱える者達をまったく寄せ付けません。だからこそまたそんな菜乃には、心葉を筆頭としたそうした者達を真に理解することは困難を極めるのですけれど。 それでも終盤になり「文学少女」としての片鱗を見せ始めればそこにも変化が見え、結果「どこか遠子先輩を思わせる」という印象をまた周囲の者達に抱かせることに……。この子、瞬間的爆発力はホントにすごいですな。ずっと俯いたままであったななせの、生の感情の発露とそこからの歩み出しが見られたのもまた良かったです。 劇中ずっと心葉が菜乃の言動にと「揺れて」いて、それに周りの者達がヤキモキし、でもこれも麻貴先輩の言うとおり心葉には必要な試練なのかとそんなことを読み終わって思ったりしました。ラストの展開は衝撃的なもので、最終巻だという次巻の展開はまったく読めないものにとこれによりなりました。菜乃がこれで一体全体どうするのか、刮目して見守っていこうと思います。 | ||||
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前作と同様に日坂菜乃が関わる事件が起きるのだけれど、前作に比べると外伝としての意味合いが強くなっているかも知れない。前作は日坂菜乃を中心においた新作という印象が強かったけれど、今回は井上心葉はもちろんのこと、琴吹ななせや竹田千愛などの、本編終了後の様々な想いが語られている。 表題作の「傷心。」は、姫倉家の別荘で催されることになった文芸部の合宿のお話。菜乃に対して全く感情を揺れさせなくなった心葉に対して、破れかぶれの特攻を仕掛ける菜乃。それに心葉はどう対応するのか。 次の「怪物。」は、合唱部のスケットとして文化祭の劇に参加することになった文芸部。ところがその練習を妨害する事件が起き、その背後には一年前のトラブルが関係していた、というお話。 天野遠子以外の存在に対し、笑顔という見えない壁ではじき返すことでしか応じられなくなっている心葉。心葉のことがまだ好きでたまらないのに、自分の言葉ではその心にさざ波すらもたてられない事に無力感を感じているななせ。超がつくほど不器用な生き方しか出来ない二人に、超がつくほどポジティブにしか考えられない菜乃がぶつかっていく事で、双方に少しずつ変化が生じてくる。 とある人物が再登場したり、最後にまた爆弾が投げ込まれたり、次は菜乃自身のあり方をさらに揺るがす展開になりそう。 | ||||
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