五分後の世界

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五分後の世界の評価:

3.97/5点 レビュー 129件。 E ランク

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平均点3.97pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全253件 141〜160 8/13ページ
No.113
(3pt)

こんな「五分後」、やです。

小田桐はいつのまにか、自分がもといた世界とはまるで違う「五分後の世界」にワープしてし
まったことを知る。何も知らぬままその世界に放り込まれた彼は、その苛酷で劣悪な状況を、
わずかな情報と体力だけを頼りにサヴァイブしていく…

この作品はあるパラレルワールドを描いている。もしあのときああしていなければ、現在の状況
はまるで別の様相を呈していたかもしれない。そういう想像遊びというのは、僕も子どもの頃から
好きではあるが、本書のテーマとなっているのは「日本」である。日本が「あのとき」、ああしていな
ければ、どうなっていたか。村上龍はそれを想像する。

ただ小説の中盤、その「あのとき」という分岐点から「五分後の世界」の歩んだ道程が、「国民
学校小学部六年教科書」という形でいっきに読者に提示されるのだが、著者のあとがきでの
語調とは裏腹に、その箇所によってこの作品の小説としての「限界」が露呈したような気がし
た。あれは小説ではなくて、単なるシミュレーションだ。

それはさておき、きわめてメッセージ性の強い内容と時期(日本が「金しか出さない」と批判
を浴びた湾岸戦争期)に出版された本作を通して、村上龍はどちらの世界を支持するのか、
僕は結局よく分からなかった。
あの日、日本が降伏していなければ、ひょっとしたらこういう世界になっていたのかもしれない。
では、書いた当の彼自身は「こうならなくてよかったね」なのか「こうだったらよかったのに…」
なのか。そこんところが、よくわからない。

確かに、作中で小田桐は自分がもといた世界、つまり実在する戦後日本を吐き捨てるように批
判し、また反米や、日本の技術主義賛美に読める箇所もある。文芸評論家の斎藤美奈子も村上
がこの作品でアメリカの属国としての日本の屈辱を表現しようとしているみたいなことを書い
ていた(『文壇アイドル論 』参照)。
しかし、そうなのだとしても、これを読んだ僕には、地中深くに巣ごもり、国連軍と終わりの
見えない殺戮を繰り広げる「五分後の世界」の側の日本にこそ、すこしも魅力的には感じなか
ったのだが。。

と、こんなこと書いたのが蝉の音のうるさい夏の日の某日というのには、別に意味はない。
たまたまです。
五分後の世界 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 五分後の世界 (幻冬舎文庫)より
4877284443
No.112
(3pt)

サバイバル

「五分後」の世界にトリップした主人公が、旧日本軍の意志を継ぐテロリスト集団と行動をともにし、国連軍とバトルを繰り広げるという話。これだけ書くと何のこっちゃ、という感じだし、実際読後感も「それで終わり!?」って感じなんだけどね。

けど、「あとがき」で、村上龍は、これが自分の最高傑作だと言い切っている。本作は、だんだんセックスとか芸能とか、そういうものから離れてきた村上龍の画期をなす作品なのだと思う。セックス書くのは渡辺先生にまかせて、自分は世直しします、世の中に必要なのはサバイバル能力なんですよ、っていう主張をします、と。必ずしも心地よい主張でもないし、全面的に賛成するわけでもないが、この手の主張をする人があまりに少ないのが事実。その点で、村上龍的存在をぼくは高く買っている。

今読んでみると、みょうちくりんな舞台設定がされている本作より、『昭和歌謡大全集』や『半島を出よ』の方が戦闘に明け暮れる日常をリアリティをもって描ききっており、はるかに完成度は高いように思われる。つまり本作は習作のような位置づけなのだろうが、それにしても(今でも)十分に新機軸の刺激があり、読める一冊である。
五分後の世界 Amazon書評・レビュー: 五分後の世界より
4877280049
No.111
(3pt)

サバイバル

「五分後」の世界にトリップした主人公が、旧日本軍の意志を継ぐテロリスト集団と行動をともにし、国連軍とバトルを繰り広げるという話。これだけ書くと何のこっちゃ、という感じだし、実際読後感も「それで終わり!?」って感じなんだけどね。

けど、「あとがき」で、村上龍は、これが自分の最高傑作だと言い切っている。本作は、だんだんセックスとか芸能とか、そういうものから離れてきた村上龍の画期をなす作品なのだと思う。セックス書くのは渡辺先生にまかせて、自分は世直しします、世の中に必要なのはサバイバル能力なんですよ、っていう主張をします、と。必ずしも心地よい主張でもないし、全面的に賛成するわけでもないが、この手の主張をする人があまりに少ないのが事実。その点で、村上龍的存在をぼくは高く買っている。

今読んでみると、みょうちくりんな舞台設定がされている本作より、『昭和歌謡大全集』や『半島を出よ』の方が戦闘に明け暮れる日常をリアリティをもって描ききっており、はるかに完成度は高いように思われる。つまり本作は習作のような位置づけなのだろうが、それにしても(今でも)十分に新機軸の刺激があり、読める一冊である。
五分後の世界 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 五分後の世界 (幻冬舎文庫)より
4877284443
No.110
(3pt)

面白い本には間違いないが・・・・・

かなりの期待高の先入観ありで読みました。期待し過ぎたのでしょうか。確かに面白いんですが何か物足りないんです(欲ばりすぎー)。私はSFが好きなのでもっとスゴイことになるのかなと思っていたのですがあれっもう終わりってな感じ、もうちょっと盛り上がってほしかった。でも十分に読む価値はあります。ヒュウガ・ウィルスが未読のままなのでそのうち読んでみようと思います。
五分後の世界 Amazon書評・レビュー: 五分後の世界より
4877280049
No.109
(3pt)

面白い本には間違いないが・・・・・

かなりの期待高の先入観ありで読みました。期待し過ぎたのでしょうか。確かに面白いんですが何か物足りないんです(欲ばりすぎー)。私はSFが好きなのでもっとスゴイことになるのかなと思っていたのですがあれっもう終わりってな感じ、もうちょっと盛り上がってほしかった。でも十分に読む価値はあります。ヒュウガ・ウィルスが未読のままなのでそのうち読んでみようと思います。
五分後の世界 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 五分後の世界 (幻冬舎文庫)より
4877284443
No.108
(3pt)

古くなってる。

昔読んだのを最近になって再度読み返してみた。

以前はとても面白かった気がしていたが、文章からして頭に入ってこない。
文章が不自然に感じるのだ。

なぜだろう・・・多分表現が今の時代にあっていないように感じる。
古くなってしまったんだね。

この本は時の試練に負けそうであると思った。
五分後の世界 Amazon書評・レビュー: 五分後の世界より
4877280049
No.107
(3pt)

古くなってる。

昔読んだのを最近になって再度読み返してみた。

以前はとても面白かった気がしていたが、文章からして頭に入ってこない。
文章が不自然に感じるのだ。

なぜだろう・・・多分表現が今の時代にあっていないように感じる。
古くなってしまったんだね。

この本は時の試練に負けそうであると思った。
五分後の世界 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 五分後の世界 (幻冬舎文庫)より
4877284443
No.106
(5pt)

この本を最初に読んだ時は今から10年近く前

その時は単純に、このストーリーの中の日本人がとてもカッコイイなって思った。

今また読み直して気がついたことがたくさんあった。

第二次世界大戦を降伏しなかった日本は、現在生き残ってる国民は26万人らしい。

その26万人の国民達は驚くほど優秀に描かれている。

今の日本の人口から計算すると、約2%位の人口の計算になる。

単純に今の人口から見て、2%の人間はかなり優秀な人達であることが分かる。

今成功している経営者、実業家などのような賢さと同じものを、このストーリーの日本人がいとも簡単にやっているから、たぶんそういう人たちが生き残った国民のモデルになってるだろうと、簡単に想像できる。

100人に1人が1億円以上の金融資産を持っているといわれる今、それを持っている人たちの集団って思えば、どれ位優秀なのかが分かる。

このストーリーの中で日本人は国民、純国民、非国民と振り分けられ、今起こっている格差社会を上手く表現していているなぁと思った。

混血児が多く出て来るが、それは近い将来もっと増えるであろう外国人労働者のように思える。

読んだあとは、もっと強く賢く生きないといけない!って言う思いになる。

間違いなく、自分はこの話の中で言う、非国民にあたる人種だから、無駄をなくし、もっとシンプルに考えて行動しないと!という気分にさせられる、やる気が出る本だと思う。

たぶん、この本を読んで批判的なことを言える人は、2%にあたる人たちだと思った。
五分後の世界 Amazon書評・レビュー: 五分後の世界より
4877280049
No.105
(5pt)

この本を最初に読んだ時は今から10年近く前

その時は単純に、このストーリーの中の日本人がとてもカッコイイなって思った。

今また読み直して気がついたことがたくさんあった。

第二次世界大戦を降伏しなかった日本は、現在生き残ってる国民は26万人らしい。

その26万人の国民達は驚くほど優秀に描かれている。

今の日本の人口から計算すると、約2%位の人口の計算になる。

単純に今の人口から見て、2%の人間はかなり優秀な人達であることが分かる。

今成功している経営者、実業家などのような賢さと同じものを、このストーリーの日本人がいとも簡単にやっているから、たぶんそういう人たちが生き残った国民のモデルになってるだろうと、簡単に想像できる。

100人に1人が1億円以上の金融資産を持っているといわれる今、それを持っている人たちの集団って思えば、どれ位優秀なのかが分かる。

このストーリーの中で日本人は国民、純国民、非国民と振り分けられ、今起こっている格差社会を上手く表現していているなぁと思った。

混血児が多く出て来るが、それは近い将来もっと増えるであろう外国人労働者のように思える。

読んだあとは、もっと強く賢く生きないといけない!って言う思いになる。

間違いなく、自分はこの話の中で言う、非国民にあたる人種だから、無駄をなくし、もっとシンプルに考えて行動しないと!という気分にさせられる、やる気が出る本だと思う。

たぶん、この本を読んで批判的なことを言える人は、2%にあたる人たちだと思った。
五分後の世界 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 五分後の世界 (幻冬舎文庫)より
4877284443
No.104
(5pt)

これは。

村上龍の作品を読んでいるといつも、「俺」を感じる。
自分はどうあるべきなのかを自問させてくるし、その答えを常に与えてくるのが村上龍の小説だと思う。それが答えなのかは分からない。

ただただ、強く生きたいと思う。全滅の危機があれば、足でまといであれば、何の躊躇もなく殺してくれるような信頼できる仲間と。

腹が熱くなる
五分後の世界 Amazon書評・レビュー: 五分後の世界より
4877280049
No.103
(5pt)

これは。

村上龍の作品を読んでいるといつも、「俺」を感じる。
自分はどうあるべきなのかを自問させてくるし、その答えを常に与えてくるのが村上龍の小説だと思う。それが答えなのかは分からない。

ただただ、強く生きたいと思う。全滅の危機があれば、足でまといであれば、何の躊躇もなく殺してくれるような信頼できる仲間と。

腹が熱くなる
五分後の世界 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 五分後の世界 (幻冬舎文庫)より
4877284443
No.102
(2pt)

村上龍を読んでみた

伝えたいテーマは、分かり安すぎるほどに良く伝わりました。
しかし、伝え方が巧みであるとは感じませんでした。

まず、文章に味がありません。
集められた情報の羅列、平凡な会話表現などが作者の固い頭を想わせます。
また、小説内の想像世界があまりにも勧善懲悪な設定であり、失笑することもありました。

ほかの村上龍作品を読もうとは思いませんでした。
五分後の世界 Amazon書評・レビュー: 五分後の世界より
4877280049
No.101
(2pt)

村上龍を読んでみた

伝えたいテーマは、分かり安すぎるほどに良く伝わりました。
しかし、伝え方が巧みであるとは感じませんでした。

まず、文章に味がありません。
集められた情報の羅列、平凡な会話表現などが作者の固い頭を想わせます。
また、小説内の想像世界があまりにも勧善懲悪な設定であり、失笑することもありました。

ほかの村上龍作品を読もうとは思いませんでした。
五分後の世界 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 五分後の世界 (幻冬舎文庫)より
4877284443
No.100
(5pt)

日本人について改めて考える

「もしも日本が戦争のときにこうだったら・・」

最近だとかわぐちかいじの「ジパング」が有名だが、
「ここまで日本が降伏しなかったら」という話に惹かれてこの本をハードカバーで買った。

そして、今また読み直した。日本について真剣に考えるようになったからだと思う。

海外戦線で情報の大切さを学んだ兵士を中心とした人々が文字通り「地下に潜った」
人口26万人の「日本」
その国の教科書に書かれていること、そこに著作時の日本に対する気持ちが表われている。

【「沖縄を犠牲にしただけで、大日本帝国が降伏していたら、日本人は『無知』のままで、
生命を尊重できないまま、何も学べなかったのかもしれません」】

この本が出て十数年経つ今でも 日本はまだ学んでいない。

国よりも子々孫々の未来よりも決算期の数字が大事な日本人。

「矜持」どころか「正直な商売」すらできない日本人

責任の所在を明らかにしないことを連綿と続けている国家

このままいけば、「拉致」どころか
本当に「被爆」しても、「割譲」されても
目が覚めないのかもしれない。

それにしても、取材に基づいたリアルな描写に引き込まれていく
五分後の世界 Amazon書評・レビュー: 五分後の世界より
4877280049
No.99
(5pt)

日本人について改めて考える

「もしも日本が戦争のときにこうだったら・・」

最近だとかわぐちかいじの「ジパング」が有名だが、
「ここまで日本が降伏しなかったら」という話に惹かれてこの本をハードカバーで買った。

そして、今また読み直した。日本について真剣に考えるようになったからだと思う。

海外戦線で情報の大切さを学んだ兵士を中心とした人々が文字通り「地下に潜った」
人口26万人の「日本」
その国の教科書に書かれていること、そこに著作時の日本に対する気持ちが表われている。

【「沖縄を犠牲にしただけで、大日本帝国が降伏していたら、日本人は『無知』のままで、
生命を尊重できないまま、何も学べなかったのかもしれません」】

この本が出て十数年経つ今でも 日本はまだ学んでいない。

国よりも子々孫々の未来よりも決算期の数字が大事な日本人。

「矜持」どころか「正直な商売」すらできない日本人

責任の所在を明らかにしないことを連綿と続けている国家

このままいけば、「拉致」どころか
本当に「被爆」しても、「割譲」されても
目が覚めないのかもしれない。

それにしても、取材に基づいたリアルな描写に引き込まれていく
五分後の世界 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 五分後の世界 (幻冬舎文庫)より
4877284443
No.98
(2pt)

熱しやすく、冷めやすい人々

からとても強く支持されそうな小説。村上さんの今の日本の現状を憂いている事は良く分かりますが、そのための手段として小説という方法で表現するなら(そう私には感じられました、私個人の感想です、また作品からどう感じる事も読者の自由であると私は考えます)、その設定が安易過ぎると思う。また誰の心にもあるいわゆるタカ派的なるものを満足させるファンタジーとしては有効ですが、その先が(手段なり、方法なり)放り投げられていてちょっと不満。安易なタカ派的カタルシス(生きている実感)が最高、という単純な思考が悲しいです。

激しい環境の中ではささやかな安らぎを大きな幸せに感じ、安穏とした環境の中ではすべての物事が薄く感じられる事を分かっていてあえて、単純化しているようで残念。ただ描写は様々なものに焦点が合っているクリアーな、クリアー過ぎる感じのする写真を見ている様でいて非常に上手いと思います。だからこそ、単純化し過ぎる点が残念。
五分後の世界 Amazon書評・レビュー: 五分後の世界より
4877280049
No.97
(2pt)

熱しやすく、冷めやすい人々

からとても強く支持されそうな小説。村上さんの今の日本の現状を憂いている事は良く分かりますが、そのための手段として小説という方法で表現するなら(そう私には感じられました、私個人の感想です、また作品からどう感じる事も読者の自由であると私は考えます)、その設定が安易過ぎると思う。また誰の心にもあるいわゆるタカ派的なるものを満足させるファンタジーとしては有効ですが、その先が(手段なり、方法なり)放り投げられていてちょっと不満。安易なタカ派的カタルシス(生きている実感)が最高、という単純な思考が悲しいです。

激しい環境の中ではささやかな安らぎを大きな幸せに感じ、安穏とした環境の中ではすべての物事が薄く感じられる事を分かっていてあえて、単純化しているようで残念。ただ描写は様々なものに焦点が合っているクリアーな、クリアー過ぎる感じのする写真を見ている様でいて非常に上手いと思います。だからこそ、単純化し過ぎる点が残念。
五分後の世界 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 五分後の世界 (幻冬舎文庫)より
4877284443
No.96
(5pt)

ドルビーサラウンドノベル

前半の山場である戦闘場面の臨場感は圧巻である。映画「プライベートライアン」の冒頭の砂浜上陸作戦のシーンにはいまだに度肝を抜かれているが、あの胸倉つかまれて息苦しくなるような切迫感を本書でも味わえるとは思わなかった。村上龍独特の改行を用いず、おしくら饅頭的にぐいぐい畳み掛けていくリズミカルでスリリング文体がその迫力に拍車をかけている。後半にもビデオゲーム「メタルギア」シリーズを彷彿とさせる緊張感みなぎる場面が用意されていてたまらない。本作で描かれている日本は荒廃したパラレルワールド(ドラマ「ダーク・エンジェル」の舞台シアトルをちょっと思い出した)なのだが、そこに生きる一部の人々の生き様のある種の潔さが身にしみる。彼らは悲惨な状況でつらい日々を送っているのだが、ついつい知らぬ間に憧憬の念が芽生えているのだ。「半島を出よ」も良いがこっちも面白い。
五分後の世界 Amazon書評・レビュー: 五分後の世界より
4877280049
No.95
(5pt)

ドルビーサラウンドノベル

前半の山場である戦闘場面の臨場感は圧巻である。映画「プライベートライアン」の冒頭の砂浜上陸作戦のシーンにはいまだに度肝を抜かれているが、あの胸倉つかまれて息苦しくなるような切迫感を本書でも味わえるとは思わなかった。村上龍独特の改行を用いず、おしくら饅頭的にぐいぐい畳み掛けていくリズミカルでスリリング文体がその迫力に拍車をかけている。後半にもビデオゲーム「メタルギア」シリーズを彷彿とさせる緊張感みなぎる場面が用意されていてたまらない。本作で描かれている日本は荒廃したパラレルワールド(ドラマ「ダーク・エンジェル」の舞台シアトルをちょっと思い出した)なのだが、そこに生きる一部の人々の生き様のある種の潔さが身にしみる。彼らは悲惨な状況でつらい日々を送っているのだが、ついつい知らぬ間に憧憬の念が芽生えているのだ。「半島を出よ」も良いがこっちも面白い。
五分後の世界 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 五分後の世界 (幻冬舎文庫)より
4877284443
No.94
(5pt)

自ら最高傑作と称す一冊

本書の著者である村上龍は、あとがきで「今までのすべての作品の中で、最高のものになったと思っている」と述べている。作家を含めた(主観的ではあるが)一流と言われる芸術家たちは、自らの作品を簡単に「最高」と呼ぶだろうか。それほど完成された作品が、この小説である。

隅から隅まで調べつくしていくのは、村上龍のスタイルの1つとも言える。様々な作品において、大量の資料を読み込んだり、インタビューをしたり、調査したりしている。

そして、「半島を出よ」における北朝鮮の軍隊のように完璧な「アンダーグラウンド」。こういった動きは読んでて面白いし、眼に浮かんでくる。

とにかく、こんな面白い小説はないと思いました。
五分後の世界 Amazon書評・レビュー: 五分後の世界より
4877280049