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百年法
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百年法の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全129件 121~129 7/7ページ
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上下巻、一気に読みした。 下巻は百年法で苦悩する人達の描写より政治の話が多くて、少しもの足らなかったけれど、それでも話にぐいっと引き込まれ、購入してからひと月経ちますが、3回ほど読んでしまいました。 個人的に心が締め付けらるれる内容です。 文体も内容も全く似てませんけれど、以前読んだ『チグリスとユーフラテス』とどこか共通する所があるような感じがしました。 ダリアのI ’ll Be Your Love という曲、『百年法』に似合ってると思います 。 あくまでも、個人的に、です。 | ||||
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上巻を読み終えて、全く着地点が見えず、さて如何展開するかの下巻。なんと時は一気に進んで21世紀も終わろうかと言う頃から始まります。 上巻では色々と下巻への布石がおかれていました。気になるのは同時多発性癌SMOCと永遠とも思える牛島大統領政権の牛島と遊佐首相。 自然の摂理と政治的人間ドラマに如何いう結末が待っているのか。。。 ちょっと最後急ぎ足で終わった感があるのですが、ナカナカの結末でした。 | ||||
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日経で評価されていたらしいと聞いて読みました。 まだ、上巻です。 時代は現在から先ですが、これは今の日本では無いパラレルワールド?なのかな?設定は第2次大戦開戦くらいまでがおなじで、大戦中から後が変わる感じです。 原爆は6個落とされているし、日の丸は3つで日本は共和制が布かれているし。そのあたりの前提の説明が多く織り交ぜられながら話が進みます。 よくできていて、そのワールドに入り込むことができます。お陰で、途中で読むのを中断すると、現代に戻ってくるのにちょっと違和感を感じるほど(笑)。 100年の命と若さを与えられるとどうなるか、逆に100年とわかっているとどうなるか、考えさせられます。 また、上巻ではまだなんだか分からない病気。これも気になります。 自然の摂理に逆らった人類は結局どうなるのか、下巻に期待です。 | ||||
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下巻は、第3部・第4部から構成されるが、上巻とは一変して、2098年を舞台の大半にして、政治サスペンスの色合いが途中までは強くなる。正直に言えば、上巻での緻密な設定は脇に置かれた感じの”一気読み”一直線な部分には、やや興ざめした。しかし、そこから著者が読者に向けたストレートなメッセージが打ちだされる終盤に至り、己の不明を恥じた。 不老不死の薬、国家が国民の命を奪う法律、低賃金労働者でも呑気に暮らせる制度、力強い指導者や国家権力。 本作品の設定は、敢えて現実にはあり得ない内容とすることで、実は現代日本と私たちひとりひとりが直面する問題・人生を問うていることが、最後に改めて実感される。 ある人物がある人物に語ったことを引用したい。「ライフラインと物流は、国を動かす両輪である。この二つが機能する限り、国が死ぬことはない。宗教や思想、主義、哲学、生き甲斐、人生観、価値観、そういった精神的なものは、国民一人一人だけに任せておけばよい。」 敢えて、独裁との批判を受けた者だからこそ、この言葉は読者の心に強く響く。本書の発行前後に、独裁志向をにやにや笑って語る方や、国民に任せるべき精神を優先する方が、私達の次の選択肢とならざるを得なくなった。本書は100年先のことを話すが、問うているのは現在の私達であると、そこは外して欲しくない。 しかし、本書はそうした硬いところだけでなく、魅力ある人物が脇をしめている。脇の脇のある登場人物が、意外な形で下巻にも登場しての他の登場人物とみせる巧い掛け合いは、怒涛の展開一本としない上手い添え物。また、終盤最大のドンデン返しを起こす、意外な二人のその後の生き方は、本書を単なるヒーロー劇にしない深いものだ。 なお、上巻時点での感想のひとつとして、本書の世界には天皇制がないこと、それは終戦前後に何らかの出来事があったのではと書いた。 しかし、下巻において、内務省とは別に、警察を所管する保安省が戦前からあって、内務省とライバル関係にあるとの設定が出てくる。実際の戦前の日本には、内務省が国家警察も一元的に掌握し、強い支配力を有していた。したがって、本作においては、戦前の日本にも架空の部分があるので、天皇制自体が(少なくとも近代国家となって以降)存在していないという、つまり、天皇陛下万歳!とか皇室を心のよりどころにするというメンタリティも記憶もないのが、本作の日本共和国なのかもしれない。 | ||||
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本書は、SFあるいはシミュレーション小説としても十分エンターテイメント性を有しており、約400頁の上巻を読んでも、全く飽きることも疲れることもなく、むしろ、下巻を読みたいという気持ちでいっぱいだ。 しかしながら、本書を単なるSFあるいはシミュレーション小説だけに止めることなく、作品に散りばめられた含意や寓意を読み取ってこそ、本書の真の価値に迫ることが出来るのではないだろうか。 一例を上げるなら、 「原爆を6発落とされて敗北し」「共和国となった日本」という設定からは、戦後の日本人が精神的支柱とした存在が失われていることが読み取れる。当時の日本人の中で永遠の象徴であった存在を失いながら、日本共和国は奇跡の復興を遂げている。そこでは、永遠の象徴に代わり、個々の国民が実質的な不死を手に入れているということを考え合わせると、この設定の重さが分かるのではないか。 「阿那谷童仁」という名前は、読み方を変えることで、アナグラム的な複数の意味が浮かび上がるのではないか。この点は、「秋水」という苗字(注:名前ではない)の登場人物の役割と重ね合わせると、一層深みを増してくるだろう。 気まぐれな大衆のデモ、右顧左眄する政権などは、正に現在の日本を射抜くところだ。しかし、それを単なる時事ネタで終わらせないところが、著者の大きさだろう。含意や寓意は一つではない。一つの暗喩が視点を変えることで、複数のことを指しているのではないかと意識することで、本書は単なる社会だけでなく、個々の人生観にまで訴える力を持っていることに気付くだろう。 本書は、4部構成で、異なる時間を描き、トータルでは百年近い21世紀の日本を描いている。クロニクルという言葉に相応しく、こうした大きな流れを描き出しているところでは、「嫌われ松子の生涯」を彷彿とさせる。 | ||||
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命が有限であるがゆえの尊さv.s.永遠の命への抗い難い憧れ、このテーマに、エンターテイメント性やユーモアをたっぷり詰め込んだ傑作。壮大なスケール、展開の妙。純粋に楽しみながら、生命・信頼・政治・国家・科学技術など多くのことを、リアルワールドと比較し、深く考えさせられた。 | ||||
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佐藤優氏が推薦してたので読みました。 佐藤氏が言うように、また、本書の宣伝コピーが言うように、少子高齢化や格差社会、政治と官僚機構といった現代社会の問題を極限まで持ち込んでみたようなストーリーですが、でも、ただそれだけの「シミュレーション小説」ではなく、期待以上の読み応えがあり、存分に楽しめるエンターテイメント小説でした。 現実の社会になぞらえたくなる場面もいろいろありますが、読ませどころは、たくさんの登場人物が迷いながらもそれぞれに強く生きるさまであり、極限状況での人間のドラマだと思いました。 大長編なのにどんどん読めて、ラストのどんでん返し、というか急激な展開にもびっくり。強くおすすめです。 | ||||
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この作者さんの小説を読むのは初めてでした。 ぶっちゃけ、この分厚さでしかも上下巻かよ〜と思いましたが 半日で一気読みしちゃいました。 ていうか、途中で止まらないです。 読後感も最高です。 すごく面白い作品に出会えて最高でした。 超オススメ作品です。 押忍 | ||||
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まず百年法により死にのぞむ 不死者達の心情描写がなまなましく 恐怖すら覚えた。 SFのジャンルとしては、不死の技術が完成した際に起こりうる 社会シミュレーションであり 個人的には不死の技術に対する日本、米国、韓国、中国の対応の違いも興味深く、 ”その後”の世界情勢も気になった。 シミュレーションの変数として 百年法に関わる一般市民、官僚、政治家などの視点から 家族、死生観、労働問題、君主論、衆愚、官僚政治、世代間格差、組織での人間関係 出世競争 、技術と人 テロリズムなど 現実社会での諸問題ともリンクした 多様なトピックスを取り扱うが はりめぐらされた伏線とその回収が見事で ストーリー展開、描写に冗長さはなく、高いテンションを保ったまま 最後まで一気に読める。 一級のエンターテイメント作品。 おすすめです | ||||
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