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(短編集)
ビタミンF
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ビタミンFの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全102件 61~80 4/6ページ
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小学2年生の長男と幼稚園の年長の次男は私が仕事から帰ると「お帰りなさい」といって玄関に迎えに来る。そして一緒に風呂に入ろうとせがむ。私にとってとても幸せな瞬間。こんな時がいつまで続くのかな?と考えることもある。あと5年もすれば長男は中学生で、そろそろ声変わりも始まり親よりも友達中心の生活へと変わっていく。私自身も子供たちとどのような会話を交わすべきかを考えてしまってるんだろうな…って考えてしまう。そんな近い将来訪れるであろう現実が本書に書かれている。余りにも身近な問題すぎて息が詰まりそうになった。でも、やっぱり最後には家族がある。本書の最後の母帰るで「家族とは帰ってくる場所ではない、出て行く場所だ」と言う言葉がある。その通りだと思う。でも出て行くからこそ、そこが帰ってくる場所になる。そしてそこには待っていてくれる家族がいる。やっぱり家族っていいなと思えるいい小説だった。 | ||||
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全部で7話の家族についての短編が収められた作品です。家族の物語を書かせると重松清さんの右に出る人はいないと思います。小説の中の話なのに実話?と錯覚してしまうほどに情景が目に浮かびます。 ぜひドラマ化してほしいと思う作品ばかりです。 | ||||
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どこにでもいるような中年たちのここの葛藤が面白い。物語だからといって特別な人がいるわけではない。普通に暮らしている人たちの何気ない仕草や心の揺れなどあり、楽しみ方も千差万別であろう。 じっくりと味わいたい、面白さがある。 | ||||
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家族、父、友人、闘い、壊れやすさ、幸せな運勢。「ビタミンF」のFを頭文字の持つ英語の語彙。これらの要素全てを含んでこの作品を書いた。と作家本人が作品の最後「後記」に自ら書き記しています。そしてこれら全部をひとまとめにすると、このFは詰まるところ・・フィクションを意味する。僕は「お話」の世界と、その「お話」の持つ力をひたすら信じて書いた。そしてこれからも自分は作家として唯一信じられるものはこのFだけではないかと思う。このように重松清は将来進むべき自身の方向に対して、少しシニカルに幾分の期待と幾分の諦めの気持に微笑みながら、将来を展望しています。 「お話」を信じる作家の七つの「お話」。第一話「ゲンコツ」がその名の通り、かなりインパクトがあります。三十七歳所謂平凡な傷つきやすいサラリーマンが中に入った仮面ライダーに、一発顔面に向かって、まともに強烈なチョップを「トオー!」って感じにお見舞いされた印象です。そして最後第九話「母帰る」。子育てを終えて夫を捨て五十八歳で家を出て行った母を、十年ぶりで受け入れる七十を過ぎた父とそれを見守る娘と息子。この寛容な夫、ふたりの子供の父親の台詞が印象的です。 「夫婦には、なにをしても、されても、迷惑というもんはないんよ。・・わしも母さんも、あと何年生きるんかのう・・」 このようにフィクションは「お話」であって「お話」でない現実感に裏付けられて存在する。そして現実よりも切実にそして鮮やかに人間の記憶に焼き付けられる。そういうものであることを重松清は我々に身をもって、そして理論より実践をもって教えてくれます。素晴らしい現代作家。もう少々感傷的叙情的なお涙頂戴節を控えめにすれば、この作家ほど平成日本のチェーホフに近い作家はいないのではないかと思います。頑張って頂きたいと思います。 | ||||
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第124回 直木賞受賞作 30代後半から40代なかばまでの父親と、「家族」との関係を書いた七編の短編集。 このテーマは作者の作品の多くにみられるものだが、読者によって感想が異なる作品であると思う。やはり、主人公と同年代の読者にとっては、十分に「ビタミン」となる作品だと思う。ここまでストレートに「家族」というテーマに切り込んでくる作家はそうそういないと思う。 | ||||
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第124回 直木賞受賞作 30代後半から40代なかばまでの父親と、「家族」との関係を書いた七編の短編集。 このテーマは作者の作品の多くにみられるものだが、読者によって感想が異なる作品であると思う。やはり、主人公と同年代の読者にとっては、十分に「ビタミン」となる作品だと思う。ここまでストレートに「家族」というテーマに切り込んでくる作家はそうそういないと思う。 | ||||
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第124回 直木賞受賞作 30代後半から40代なかばまでの父親と、「家族」との関係を書いた七編の短編集。 このテーマは作者の作品の多くにみられるものだが、読者によって感想が異なる作品であると思う。やはり、主人公と同年代の読者にとっては、十分に「ビタミン」となる作品だと思う。ここまでストレートに「家族」というテーマに切り込んでくる作家はそうそういないと思う。 | ||||
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重松清の書く物語は「65点の1日」だ。 1日の合格点を50点だとするなら、 僕らのすごす毎日は、おそらく45点だったり56点だったりする。 でも、人の記憶の中に残るのは “恋人にふられた10点”の日や “子どもが生まれた95点”の日なんだろう。 中途半端な日のできごとは、忘れてしまう。 その、普通の人が忘れてしまう「65点の1日」を 重松さんは思い出させてくれるのだ。 息子が少し大人にみえた日、 愛想をつかしかけていた自分を少しだけ見直した瞬間、 ひさしぶりに家族写真をとったいきさつ、 65点のある1日だからこそ持っているリアリティーが、 色んな場面で、僕らの胸を気持ちよく締め付ける。 この重松さんの作品は、 何でもない日に近況報告を含めてムダ話でもしたくなる 兄弟のような小説だと思う。 | ||||
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『ゲンコツ』:勇気を持ってとった行動に対して、自分で「よくやった!」と褒めたくなることありますよね。 『はずれくじ』:父と息子。道路に伸びる影は、父親より息子の方が少し高かったというのも、父親の優しさを感じる。 『パンドラ』:パンドラの箱は開けませんでした。それぞれの今の(これからの)生活を大事にしようという人間の優しさと弱さを同時に描いている。 『セッちゃん』:セッちゃんという架空の人物を設定した加奈子ちゃん。そういう方法で、自分の居場所を見つけようとしていた。子どももそんな工夫をしているのだ。でもこのつらさは、そういう立場にならないとわからない話。周囲は、群れの中に入ってしまい、罪悪感を持たない。最後の流し雛のシーンは、少しホロッとくる。 『なぎさホテルにて』:未来ポストなんていいアイデアです。それを通して、昔、付き合っていた人との気もちの確認がなされる。そして現在夫婦となっている相手との状況が絡まり合った心理描写が面白い。 『かさぶたまぶた』:一生懸命頑張った努力が、周囲からは完璧に見られて距離をもたれてしまうというのは、悲しいことだと思う。自然にかっこ悪い自分の姿を話すことで距離は近づいた。最後に目をつぶったオチはほんのり笑える。 『母帰る』:「夫婦には、なにをしても、されても、迷惑いうもんはないんよ」にその極みを感じ取った人間の感覚を思わせられる。「家族っていのは、みんながそこから出ていきたい場所」というのは重いセリフだ。 『後記』:「F」の意味が、なるほど。なのです。うまいなあ。 | ||||
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30代後半の、人生にちょっと疲れた男性ばかりを描いた短編集。同世代の中年男性なら、「おお!!まさに!」と膝を打って共感すること間違いなしでしょう。 子供をめぐる家族のゆがみ、妻との倦怠、年老いた両親との距離のとり方等々、若いときには気づきもしなかったことが、この年代になると次から次とトラブルとして現れて、自分の生き方を方向転換せざるを得なかったりして。でも、やはり「家族」があって、そこを拠点にみんなが動いているんだよと、最後は優しく暖かい気持ちになります。 どうしてタイトルが「ビタミンF」なんだろうか? という疑問も作者の「後記」で明らかになり、人間にとってこの栄養素は元気の素ではないかと思いました。 | ||||
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重松清さんの直木賞受賞作。 テーマは家族愛ではないでしょうか?本当に読んだ後、感動しました。 父親の妻や子供に対する感情がリアルに描かれています。 そして、問題が起こったときにどう行動するのか。 是非読んでみてください。 | ||||
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僕はまだまだ20代前半の若造ですが、 この本には感動しました。本当に現実を感じますね。 『特別幸せではないけれど、人生は悪くない。。。』 そんなことを感じました。人生がんばろうって思える本です。 | ||||
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であるのだが、どう考えてもナイフやエイジのほうが面白いだろ、と思う今日この頃。 まぁ、家族の中でも父親にテーマを当てた作品になっているので、そう思うだけかもしれないけど。 | ||||
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30代後半から40歳という、中年に差し掛かった男性の視点で描かれた家族像、7編。 父親として・・・中学生の娘が不純異性交遊していたら、学校でいじめられていることが分かったら、思春期の子ども達とどう関わりあっていけばいいのか。 夫として・・・長年暮らせば暮らすほど、妻のことがわからなくなっていく、夫婦間のずれの発生。自分にはもっと違う人生があったのではないかと、昔の女性に思いを馳せることも・・・。 息子として・・・自分が親の立場になってはじめて、自分と同世代だった頃、親はどんな気持ちでいたのかを理解する。 どこにでもありそうな等身大の家族の日常が描かれていて共感しやすく、女性の私としては、男性の気持ちを覗き見ることができて新鮮でもあった。読後はじんわりと暖かい気持ちになる、直木賞受賞作だけあって、どれを取っても秀逸の短編集 | ||||
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7つの短編集。どれもが作者と同世代の私にとって他人事ではない話。ことに中学生の子を抱える親として、戸惑いながら(自分の身に降りかかったらどう対処するだろう、乗り越えられるだろうか・・・等々)自問しながら読んだ。 ことに心に重くのしかかっていつまでも離れないのは4つめの話『セッちゃん』。中二の佳奈子は毎晩親に、クラスの嫌われ者“転校生せっちゃん”の話をする。詳細に。彼女がその日どんなふうに皆にいじめられたか、いかに嫌われているか・・・。いじめは駄目だと言う親に対して佳奈子は言い放つ。「人を嫌うのは個人の自由。だからセッちゃんこそその現実をうけいれなきゃいけないんだ。仕方ないんだ」と。 そして暫くたったある日、佳奈子の両親は偶然知ってしまう。転校生のセッちゃんなど存在せず、せっちゃんは佳奈子自身の事なのだと・・・ 重松清の作品を読むのはこれがはじめてですが、暫くはまりそうです。 | ||||
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つらいテーマの中で人は生きていく。 この本に収録された物語は自分たちを見つめなおす鏡となる。 30代だけでなくどの年代から見ても共感できるところがあるのではないか。あまりの重さに、時に唐突と来る展開に鳥肌が立つ。 ぞっとしたからではない、「あっ、そうだよ」と 物語の主人公と共鳴したときのリアクションだった。読み終えたとき、よく言えば心に残る、 悪く言えばしこりを残す作品だ。でも僕には、この物語が みずみずしい、終わりから続く希望に思える。 元気の出るビタミン剤だ。 | ||||
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7篇の短編から成る家族小説。著者は私よりちょっと上の世代で、時代設定は懐かしく感じましたし、設定となる家族環境などにも自己投影しながら読めました。ただ、なんか文章や構成がちょっと技巧的過ぎるせいか、引っ掛かりがなく何かさらっと読み流してしまい、もっと強烈な切なさとか圧倒感みたいなメリハリやぎこちなさ部分も欲しかった気はします。ちなみに「セッちゃん」と「なぎさホテルにて」が個人的にはお気に入り。 | ||||
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40代の二児の父として、本当に重松さんの作品は、ぴったりと心に嵌り、じんわりと沁みてきます。 特に大笑いしたり、涙を流したりする話ではないですが、ちょっと辛い話に不安を感じながら、最後はハッピーエンドに向かいそうな余韻を残して、ホッとさせてくれます。 甘酸っぱいビタミンを、ありがとうございます。 | ||||
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この本は父の勧めと直木賞受賞ということもあり読みました。 読んでまず思ったことは、痛い・・・ということでした。 親の心子知らず、とはよく言ったものだと思います。この作品では父親サイドが主人公であり、子供や妻の気持ちがわからない、というように主人公たちが感じていますが、高校生の私にとっては親はこんなことを思っているのか、私はなんとなく親の気持ち、というものをわかったつもりになっていたけど、こんなことを考えていたのかとすごくショックをうけました。 何より子供を思う気持ちもある。だけど所詮一個人として疑念を払いきれない気持ちもある。人間として当然のことなのだけれど、やはり完全な無償の愛なんて存在しないのかな、とショックをうけました。 しかしそうした気持ちを知るからこそ、私たちは互いを思いやりながらどうすることが相手にとって嬉しいのか、安心させてあげられるのか、ということを考えながら一緒に生活していかなくてはならないんだなと思いました。 読んでいるあいだは「うわ、痛い痛いよ!父こんなの私に渡すなんて何か私に不満が?!あてつけですか?!」と思いながら読んでいましたが、読後自分の考えを深めることができ、この本は私の印象に残る本のひとつになりました。 主人公と同年代の方はもちろんのこと、私のような十代の若い人にも読んでほしい本です。 | ||||
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不満・喜び・ストレス 日常の生活へ抱いている説明しがたい感情を 綺麗に言葉で表現してしまうところが重松さんのすごさだと思います。ナイフでは思春期の子供の感情が痛いくらい伝わってきて 読んだ後に大きな余韻が残りました。しかし今回の作品は中年男性が主人公。 女性で、且つ若輩者である私に 果たして理解できるのか。読み終えた感想は、すばらしい、です。 いじめやキレル子供を扱った作品には 白々しく説教くさいものが多く 読んでいて気分の悪くなるものも多く見られます。しかし重松さんの文章は、敢えて父の立場も母の立場も 問題を抱える子供の立場も 取り立ててひとつだけを肯定することなく、 全てをふんわり包んで背中を押してくれる。生き方に疑問を感じてしまった私たちに また歩き出す元気をくれる。もういっかい家庭を見直そう、帰ろう そんな気持ちにさせてくれました。 | ||||
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