夜の国のクーパー

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評判

夜の国のクーパーの評価:

3.67/5点 レビュー 86件。 B ランク

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平均点3.67pt

Amazonレビュー一覧

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全161件 161〜161 9/9ページ
No.1
(3pt)

初の完全ファンタジー作品ですが……

最初の数十ページを読んで、伊坂さんのデビュー作「オーデュボンの祈り」を思い出しました。
ごく普通の男が謎の島にたどり着くという。あの島には未来を予知する案山子がいて、
今回はしゃべる猫「トム」が登場します。
猫が住む国は鉄国という国との戦争に敗れ支配下に置かれる。
そんな国家の危機を猫と鼠の関係も交え、猫目線で描いています。
登場人物の命名についてはあとがきで大江健三郎さんの作品を手本にしていると明かしていますが、
それにしても変わった名が多い。
国王・冠人、その愚息・酸人、
弦(げん)、号豪(ごうごう)、医医雄(いいお)、枇枇(びび)→(ワンピースのネフェルタリ・ビビをイメージしてしまいました!)ら国民、
そして、トム、クロロ、ギャロ、グレ、ヒメら猫たち。

伊坂さんとしては初めての、完全に日常から離れたファンタジー作品のため、
400Pある中で最初の100Pほどはなかなか設定が頭に入りにくかったです。
全体の3分の2ほどでようやくトム君と島にたどり着いた「私」が行動に移ります。
それまで延々と背景を飲み込むので精いっぱいで、いささか疲れました。
にもかかわらず、最後の80Pほどで明かされる世界の秘密(鉄国との戦争・クーパーの兵士の真実)がすべて
セリフ語り、つまり事後説明されるため、臨場感が乏しいままに読み終えることになります。
もっと登場人物たちとともに行動し、危機を迎え乗り越えるような高揚感がほしかった。
猫視点で仕方ないことですが。

「PK」でも触れられた国家感が今回は前面に打ち出されていますが、
最後の「私」に関する仕掛けが、現実と虚構をないまぜにしすぎていてちょっとすっきりしません。
「ゴールデンスランバー」くらいの塩梅がちょうどよかった気がします。

説明的過ぎたのが惜しいところですが、全体として、視点や着想はさすがです。
1からここまでの世界観を構築できるあたりはやっぱりすごい。
夜の国のクーパー Amazon書評・レビュー: 夜の国のクーパーより
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