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ルーズヴェルト・ゲーム



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【この小説が収録されている参考書籍】
ルーズヴェルト・ゲーム
ルーズヴェルト・ゲーム (講談社文庫)

ルーズヴェルト・ゲームの評価: 4.42/5点 レビュー 243件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.42pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全208件 201~208 11/11ページ
No.8:
(5pt)

青島製作所内の人間関係における描写が素晴らしかった

今回は弱小の社会人野球チームを抱える中堅メーカー「青島製作所」が、世界同時不況をきっかけに大手企業から生産調整を受けたり、リストラに踏み切ったりしながら、苦難と闘っていく物語。

大企業と戦う中小企業の苦悩と仕事の意味を描いた前作の下町ロケットもよかったが、本書も負けず劣らず楽しめた。

不況にあえぐ企業同士の腹の探りあい、社長としての企業経営の考え方、経営危機での野球チームの意義など、読み応え抜群だった。

個人的には社長の細川の成長と、専務の笹井、野球部長の三上、会長の青島といった青島製作所内の人間関係における描写が素晴らしかったと思う。特に細川と笹井の考え方の相違からの対立、野球チーム存続をめぐる攻防、各人の立場から会社のために何が必要か考える姿勢などがよく考えられており、胸が熱くなった。
ルーズヴェルト・ゲームAmazon書評・レビュー:ルーズヴェルト・ゲームより
406217376X
No.7:
(5pt)

「下町ロケット」と同じパターンではあるが、エンターテインメントの王道を行っている

「下町ロケット」での直木賞受賞後、長い間、旧作の文庫本化や新装版化でお茶を濁されていたが、正真正銘の新作がようやく発売された。「下町ロケット」で池井戸潤に初めて興味を持った私のような読者は、旧作をピックアップして読み進めていくしかなかったのだが、その旧作の大半が銀行物という芸域の狭さに、正直、食傷気味で、いい加減に新作を読ませてほしいと思っていただけに、本当に待ちに待った新作の発表だった。 

さて、そんな本書を実際に読んでみると、基本的な作品構成は、「下町ロケット」と全く同じパターンであることに気が付く。つまり、ロケットが野球に変わっただけで、一つ問題を解決したかと思えば、また新たな難題が青島製作所と野球部に持ち上がるという設定は、それを佃製作所とロケット開発に置き換えれば、そのまま「下町ロケット」に重ね合わさるのだ。そういう点では、大ヒット作と同じパターンで二匹目のどじょうを狙うという、これまたよくあるパターンの作品であることは間違いないのだが、本書には、「これだけ面白ければ、それはそれでいいじゃないか」と思わせてしまうだけの、ぐいぐいと読者を引き付けて離さない面白さがあることも間違いない。 

野球を題材とした場合、あまり試合の内容を深く描き過ぎると冗長と感じてしまうのだが、本書の場合は、野球部にまつわるドラマを描くことに重点を置いており、試合の内容の描写を絶妙のバランスで抑えて、冗長、退屈を全く感じさせていないのも、さすがだと思った。

結末も、「下町ロケット」同様、「エンターテインメント小説は、こうでなくっちゃ」と思わせるような、エンターテインメントの王道を行くものとなっており、登場人物と気持ちが一つになって、その感動を味わうことができるのだ。ただ、「下町ロケット」と比べると、さまざまな難題をドタバタと一気に収束させてしまっており、出来過ぎと感じてしまう面があることも否めない。ラストで野球部に起こるある出来事についても、最初からこの結末だったのか、加筆修正したものなのかは知らないが、エピローグで語られている状況から見ると、やや無理筋の変化球に走り過ぎた感があり、単純に、誰もが思い描くストレート勝負で行った方が、読む方としては納得して受け入れられたとは思う。
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No.6:
(5pt)

良くできました

池井戸さんの作品は殆ど読んでいますが、これはエンターテイメントの色彩が強い作品として仕上がっています。読み物として、とても気楽にお読み下さい。
また、企業のリストラで最初に切り捨てられるアマチュアスポーツの問題、いわゆる不祥事で選手生命を絶たれてしまうスポーツ少年の問題など、さりげなく取り上げられている隠れテーマには考えさせられます。(個人的には、実業団チームの解散というテーマは、身につまされました)
ただ、軽さゆえに展開が予想できてしまうのも事実で、若干のリアリティのなさもあり、読み返そうとはあまり思わないかもしれません。なので、新刊で買わなくても良いかもしれません(池井戸さん、ごめんなさい)
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No.5:
(4pt)

こうなってほしいとと思う通りに展開するのが心地よい

正直言って、目新しいものは何もない。中堅企業がライバルの大手企業の鼻を明かしたり、窮地を乗り切ったりするのは『下町ロケット』と同じだし、野球の話は『マネー・ボール』あたりを連想させる。とても既視感にあふれた展開。読みながらこうなるだろうなと思っている通りに話が展開し、意外性はほとんどない。だが、その予想通りに進むところがとてもおもしろくて、つい先を読みたくなる。読者の期待する展開を、読者の期待以上に描写してくれる。良質のエンタテイメントです。
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No.4:
(4pt)

大逆転

廃部を迫られる野球部、買収の危機にさらされる会社。崖っぷちの状態からの大逆転。どうやってなし得たのか。それを追いかけるのが本書の醍醐味です。池井戸さんの企業小説の根底には、人に対する尊敬があり、やさしい眼差しがあります。会社とは従業員のものでもあり、従業員とはひとりひとりの人間である。そのひとりひとりが想いを共有し、共通の夢にむかうことで規模は小さくとも輝きのある会社になる。それを野球というスポーツを軸の一つに据えることで描いています。あともうひとつ。大逆転のカギを握るものは、技術開発力です。メーカーには、技術に対するたゆまぬ努力とその実現がなにより大切であると本書が伝えています。
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No.3:
(5pt)

スカッとします♪

前作『下町ロケット』もそうでしたが、読み終わった後に爽快感があります。

「さすがは池井戸作品!」と感じられる、素晴らしい内容だと思いました。必見です♪
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No.2:
(5pt)

面白いです。

技術のある中小企業と、技術に劣るが規模は大きな企業との戦いと
その中小企業が持っている野球部の再生を賭けた物語が縦軸、横軸となって
物語が展開していきます。
「空飛ぶタイヤ」、「下町ロケット」、「鉄の骨」という作品群より
骨格がやや華奢な印象ですが、その分、エンターテインメント性がある感じがして
ぐいぐいと作品の世界に引き込まれました。
強さと弱さ、闘志と悩みが同居するごく普通の人たち、だけど少し魅力的な人たちが
織りなす魅力的な物語を是非堪能してください。
野球に詳しくない方も楽しめますが、野球をご存知でお好きな方は、さらに楽しめます。
文庫まで待たず、ハードカバーで買う価値あり、オススメの作品です。
この作品も先々Wowwowでドラマ化されるのでしょうかね。
その際のキャスティングはどんな感じかな?などと考えると一層楽しめるかもしれません。
作品のクオリティが落ちませんねー。池井戸さんすごいです。
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No.1:
(5pt)

読者の期待を裏切らない池井戸潤氏の連続大ヒット作です

「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」「下町ロケット」と大ヒットを連発した池井戸氏の最新作。4打席目も長距離打となるかどうか興味があって早速に購入しました。

本作は業績不振にあえぐ中堅エレクトロニクス企業の弱小社会人野球部が舞台です。タイトルの「ルーズヴェルト・ルール」とは野球好きのルーズヴェルト大統領が「8対7」の試合が最も面白いと言った故事から来ています。

青島製作所は不況と競合のミツワ電気の攻勢の前になすすべなく後退し、カリスマ創業者によって抜擢された社長は追い詰められています。その頃、伝統ある社会人野球部は低迷の底に沈み、廃部寸前にありました。そこへ名門高校野球でエースピッチャーだった男が入部してきますが、彼には暗い過去があったのです。

執拗な買収工作、社内の対立、謀略的なマスコミ報道、メンバーの離脱。中堅企業と野球チームに次々に難題が押し寄せます。経営陣の苦悩と野球部メンバーの苦闘を並行して描きながら都市対抗野球東京都代表を賭けたミツワ電気との地区大会決勝戦へ盛り上がっていきます。

池井戸氏の作品はすべて勧善懲悪&ハッピーエンドですから結末は想像がつきます。しかし、そこへ持っていく語り口が実に上手いのです。その秘密は登場人物の一人ひとりをその顔つきまで浮かぶように描写する筆力とセリフのうまさ、場面構成の巧みさにあります。

今回も読みながらドキドキして、時々ほろりとさせられるストーリーテラーの腕前に感服しました。「やはりビジネスマンは、いや人間はこういう風に生きなければならない」と共感するシーンも随所に用意されています。本作は読者の期待を裏切らない池井戸氏の連続大ヒットであります。

池井戸氏は元銀行員ですからデビュー以来、銀行員を主人公にした長短編を書いてきました。それぞれに面白いのですが、「空飛ぶタイヤ」以降は舞台を銀行から離れてより大きなフィールドに移されました。その結果、スケールの大きな骨太の長編が続いています。今後の池井戸氏の作品を楽しみに待ちたいと思います。
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