晩鐘

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評判

晩鐘の評価:

4.51/5点 レビュー 65件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.51pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全130件 61〜80 4/7ページ
No.70
(5pt)

親子で連読 乃南作品の隠れた名著

氷紋〜晩鐘がいわゆる連作とは思わず、購入しました。(中古品ばかり・・Amazonは大変迅速に、きれいに包装し梱包も完全な状態で発送してくださいました・・中古品にも拘わらず)自分が晩鐘(上)から読み、母は氷紋(上)から読んで、あらすじの話をしていて晩鐘が氷紋の七年後の被害者・加害者家族を描いた完結作なのだと気付きました。読み応えは大変ありました。地方には双葉文庫を扱っている書店は余りなく、新潮・角川文庫などに偏ってしまいます。”女刑事 音道シリーズ”や”いつか陽のあたる場所で"などなど乃南さんの作品は秀作ばかりですが、読書の秋 秋の夜長には最適の作品です。
晩鐘〈下〉 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈下〉 (双葉文庫)より
4575510106
No.69
(5pt)

当事者ではない者として

ようやく読み終えた。
読むことを止めるのが難しい小説だが、風紋からずっと読み続けていたから、かなりのボリュームを感じた。

犯罪の被害者・加害者ではなく、その周辺の人々を描いた「風紋」の七年後を描いた作品。

被害者の娘は七年という月日を知った後も苦しみ続けていた。

一方、事件のことを知らない加害者の子たちにも、その影響は確実に現われていた。

結局のところ、自分も登場人物に対して共感するどころか「七年も経ったのに」という気持ちを抱いた。

それほどに苦しみ続ける描写が痛々しかった。

新聞記者・建部の「関係のない人にとってはいまさらかもしれませんが、事件に関わったものたちはその傷を癒せることもできず、必死に生きている」というような言葉はそんな自分に突き刺さった。

ラストはもう、やりきれず、悲しくて仕方がなかった。

せめてどうにかならなかったか。

憤りも感じつつ、衝撃を受けずにはいられない小説だった。
晩鐘〈下〉 Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈下〉より
4575234648
No.68
(5pt)

当事者ではない者として

ようやく読み終えた。
読むことを止めるのが難しい小説だが、風紋からずっと読み続けていたから、かなりのボリュームを感じた。

犯罪の被害者・加害者ではなく、その周辺の人々を描いた「風紋」の七年後を描いた作品。

被害者の娘は七年という月日を知った後も苦しみ続けていた。

一方、事件のことを知らない加害者の子たちにも、その影響は確実に現われていた。

結局のところ、自分も登場人物に対して共感するどころか「七年も経ったのに」という気持ちを抱いた。

それほどに苦しみ続ける描写が痛々しかった。

新聞記者・建部の「関係のない人にとってはいまさらかもしれませんが、事件に関わったものたちはその傷を癒せることもできず、必死に生きている」というような言葉はそんな自分に突き刺さった。

ラストはもう、やりきれず、悲しくて仕方がなかった。

せめてどうにかならなかったか。

憤りも感じつつ、衝撃を受けずにはいられない小説だった。
晩鐘〈下〉 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈下〉 (双葉文庫)より
4575510106
No.67
(5pt)

読みながら・・・

「風紋」のその後のお話。
事件というものは、起こした当人だけの問題ではなく、
その周囲にいる人間の人生に大きく影響を与えるということを痛感させられる。

文庫の裏の乃南アサさんのコメントにも書かれているが
「事件というものは必ず悲しみと憎しみの連鎖を生む。
そして、いちばん弱いものが最も深く傷つく」ことの意味が伝わってくる作品。

事件当時、多感な時期の真裕子のその後の人生に与えた影響。
加害者の息子の大輔に突きつけられる堪え難い現実。

電車の中でこの作品を読みながら、何度も涙を拭いた記憶がある。
真裕子の純粋すぎるがゆえの許せない思いや諦め、考え方に悲しさを感じた。
真裕子や大輔のような思いをする人がこれ以上多くならないことを願う。




晩鐘〈上〉 Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈上〉より
457523463X
No.66
(5pt)

読みながら・・・

「風紋」のその後のお話。
事件というものは、起こした当人だけの問題ではなく、
その周囲にいる人間の人生に大きく影響を与えるということを痛感させられる。

文庫の裏の乃南アサさんのコメントにも書かれているが
「事件というものは必ず悲しみと憎しみの連鎖を生む。
そして、いちばん弱いものが最も深く傷つく」ことの意味が伝わってくる作品。

事件当時、多感な時期の真裕子のその後の人生に与えた影響。
加害者の息子の大輔に突きつけられる堪え難い現実。

電車の中でこの作品を読みながら、何度も涙を拭いた記憶がある。
真裕子の純粋すぎるがゆえの許せない思いや諦め、考え方に悲しさを感じた。
真裕子や大輔のような思いをする人がこれ以上多くならないことを願う。




晩鐘〈上〉 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈上〉 (双葉文庫)より
4575510092
No.65
(5pt)

やりきれません

何気なしに読み始め、大輔の小学生とは思えない無軌道ぶりに驚き、
レビューを読んで、慌てて「風紋」を購入、そちらを読んでから改めて「晩鐘」に入りました。

事件が起こってから7年後の話です。
真裕子の立ち直りの予感で終わった「風紋」でしたが、
心の傷はそう簡単に癒えるものではありませんでした。
姉や父は、彼女から見たらまるで何事もなかったかのように
新しい道を歩み始めていましたが、それも真裕子にとっては悲しみを増す因子でした。

一方の香織(犯人の妻)は同情しかねるほどに堕落し、
子供たちを実家に預けっぱなしにし、その結果、
子供たちは普通の小学生らしい子供でなくなってしまったのだと思われます。

何もそこまで、と言いたくなりましたが、
一つの事件が多くの人々を巻き込み人生を狂わせてしまうことは
痛いほどに感じられました。まさに痛いほどに。

真裕子は救われましたが、犯人の子供たちが哀れでした。
本であまりなくことのない私が、思わず涙した作品です。
決して楽しい本ではありませんが、是非ともお勧めしたい本です。
晩鐘〈上〉 Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈上〉より
457523463X
No.64
(5pt)

やりきれません

何気なしに読み始め、大輔の小学生とは思えない無軌道ぶりに驚き、
レビューを読んで、慌てて「風紋」を購入、そちらを読んでから改めて「晩鐘」に入りました。

事件が起こってから7年後の話です。
真裕子の立ち直りの予感で終わった「風紋」でしたが、
心の傷はそう簡単に癒えるものではありませんでした。
姉や父は、彼女から見たらまるで何事もなかったかのように
新しい道を歩み始めていましたが、それも真裕子にとっては悲しみを増す因子でした。

一方の香織(犯人の妻)は同情しかねるほどに堕落し、
子供たちを実家に預けっぱなしにし、その結果、
子供たちは普通の小学生らしい子供でなくなってしまったのだと思われます。

何もそこまで、と言いたくなりましたが、
一つの事件が多くの人々を巻き込み人生を狂わせてしまうことは
痛いほどに感じられました。まさに痛いほどに。

真裕子は救われましたが、犯人の子供たちが哀れでした。
本であまりなくことのない私が、思わず涙した作品です。
決して楽しい本ではありませんが、是非ともお勧めしたい本です。
晩鐘〈上〉 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈上〉 (双葉文庫)より
4575510092
No.63
(5pt)

心打たれます。

風紋よりこちらの方が好きです。風紋のその後になりますが、こちらだけでも充分読みごたえあります。
犯罪被害者のその後となりますが、明るい部分より暗い部分が多少際立ち、重苦しさもありますが、きっと現実はそんなものなのでしょう。最後に多少光があるのが救われました。
心にぐっとくる作品でした。
晩鐘〈下〉 Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈下〉より
4575234648
No.62
(5pt)

心打たれます。

風紋よりこちらの方が好きです。風紋のその後になりますが、こちらだけでも充分読みごたえあります。
犯罪被害者のその後となりますが、明るい部分より暗い部分が多少際立ち、重苦しさもありますが、きっと現実はそんなものなのでしょう。最後に多少光があるのが救われました。
心にぐっとくる作品でした。
晩鐘〈下〉 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈下〉 (双葉文庫)より
4575510106
No.61
(5pt)

良いです!

風紋よりこちらの方が好きです。風紋のその後になりますが、こちらだけでも充分読みごたえあります。
犯罪被害者のその後となりますが、明るい部分より暗い部分が多少際立ち、重苦しさもありますが、きっと現実はそんなものなのでしょう。最後に多少光があるのが救われました。
心にぐっとくる作品でした。
晩鐘〈上〉 Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈上〉より
457523463X
No.60
(5pt)

良いです!

風紋よりこちらの方が好きです。風紋のその後になりますが、こちらだけでも充分読みごたえあります。
犯罪被害者のその後となりますが、明るい部分より暗い部分が多少際立ち、重苦しさもありますが、きっと現実はそんなものなのでしょう。最後に多少光があるのが救われました。
心にぐっとくる作品でした。
晩鐘〈上〉 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈上〉 (双葉文庫)より
4575510092
No.59
(5pt)

面白い物語ではありません・・・

風紋と晩鐘を1ヶ月ほどかけて読みました。
読んでる最中に度々思ったのは乃南アサさんの主張したい事は作品中の建部記者によって
代弁されているんじゃないかな、という事。

一度犯罪が起きると加害者、被害者双方の親族には想像を絶する運命が待ち構えてる。
ただ、加害者側と被害者側では時間の経過によって変わるものと変わらないものがある事に気づいた。
被害者側は犯罪被害者である事を忘れる事はできない、しかし現実を受け止め(諦めもあり)もがきながらも
前に進んで行ける。
加害者側は、変わるのは月日の経過だけで、加害者の家族である事は変わらない事。
またそれは最終的には精神的、肉体的に弱いものへ、しわ寄せがくる現実。

被害者の高浜家の方は何とかまとまって終わってくれたからほっとしたが、加害者の松永家はこんなにか?
と思わせるほど悲惨だった。ラストはあまりに切なくて可哀想で読むのが辛かった・・・

抜群の心理模写でどんどん物語に引き込まれました。
タイトルにありますが「面白い物語ではない」でも、時間をかけても「読む価値はある」作品であると思います。

晩鐘〈下〉 Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈下〉より
4575234648
No.58
(5pt)

面白い物語ではありません・・・

風紋と晩鐘を1ヶ月ほどかけて読みました。
読んでる最中に度々思ったのは乃南アサさんの主張したい事は作品中の建部記者によって
代弁されているんじゃないかな、という事。

一度犯罪が起きると加害者、被害者双方の親族には想像を絶する運命が待ち構えてる。
ただ、加害者側と被害者側では時間の経過によって変わるものと変わらないものがある事に気づいた。
被害者側は犯罪被害者である事を忘れる事はできない、しかし現実を受け止め(諦めもあり)もがきながらも
前に進んで行ける。
加害者側は、変わるのは月日の経過だけで、加害者の家族である事は変わらない事。
またそれは最終的には精神的、肉体的に弱いものへ、しわ寄せがくる現実。

被害者の高浜家の方は何とかまとまって終わってくれたからほっとしたが、加害者の松永家はこんなにか?
と思わせるほど悲惨だった。ラストはあまりに切なくて可哀想で読むのが辛かった・・・

抜群の心理模写でどんどん物語に引き込まれました。
タイトルにありますが「面白い物語ではない」でも、時間をかけても「読む価値はある」作品であると思います。

晩鐘〈下〉 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈下〉 (双葉文庫)より
4575510106
No.57
(3pt)

重い・・

すごく読みやすく、さすが乃南さんといった感じでした。

しかし、読了後のこの感じはなんだろう。すごく重たい。爽快感、満足感はありませんでした。

確かに物語としては、すべてハッピーエンドでは、作者の意図が伝わらないでしょうけど。
ただ、犯罪加害者の家族がみんな、そういう結末を迎えるとは思いたくありません。
背負った十字架は確かに重いでしょうけど、まっとうに生きている人たちもいると思いたいです。

前作「風紋」が双方に未来を感じさせる終わり方だったのに、残念な感じです。
この本を読むには結構な精神力が必要です。軽い気持ちでは読めないでしょう。

私は、「凍える牙」から入ったから乃南さんの作品が好きですけど。初めての乃南作品が「晩鐘」だったらファンにならなかったでしょう。

残念ながら友達には進められません。なので、星三つです。
晩鐘〈下〉 Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈下〉より
4575234648
No.56
(3pt)

重い・・

すごく読みやすく、さすが乃南さんといった感じでした。

しかし、読了後のこの感じはなんだろう。すごく重たい。爽快感、満足感はありませんでした。

確かに物語としては、すべてハッピーエンドでは、作者の意図が伝わらないでしょうけど。
ただ、犯罪加害者の家族がみんな、そういう結末を迎えるとは思いたくありません。
背負った十字架は確かに重いでしょうけど、まっとうに生きている人たちもいると思いたいです。

前作「風紋」が双方に未来を感じさせる終わり方だったのに、残念な感じです。
この本を読むには結構な精神力が必要です。軽い気持ちでは読めないでしょう。

私は、「凍える牙」から入ったから乃南さんの作品が好きですけど。初めての乃南作品が「晩鐘」だったらファンにならなかったでしょう。

残念ながら友達には進められません。なので、星三つです。
晩鐘〈下〉 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈下〉 (双葉文庫)より
4575510106
No.55
(5pt)

この結末は必然

犯罪そのものの発生やその謎解きではなく、加害者、被害者の家族らを丁寧に描いた「風紋」の続編。

前作で描かれた殺人事件から7年が過ぎ、深く傷ついた加害者、被害者ともに、何とか新しい生活で立ち直ろうともがく。

被害者側の家族らが、相変わらずギクシャクし、苦しみながらも、何とか前向きに生きていくのに対し、加害者側の家族は、坂道を転がり落ちていくように悲惨な状況に追い込まれていく。

確かに後味は悪いですが、この結末は必然といえます。
殺された人の家族と、殺した人の家族が、両方ハッピーエンドになるなんて、メロドラマでもあり得ないでしょう。
そんな都合のいい結末だったら、そのほうが後味が悪い気がします。

文庫本の裏表紙に、筆者の乃南さん自身が記しています。
「誰もが救われていて欲しいと願いながら、新たな悲劇をも、描くことになってしまった。事件というものは必ず、悲しみと憎しみの連鎖を生む。そして、いちばん弱いものが最も深く傷つくことに、改めて気づいた」

切ないラストを読んで、取り返しのつかいないほど傷ついた<いちばん弱いもの>の姿を見て、犯罪の本当の悲惨さ、について考えさせられました。
晩鐘〈下〉 Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈下〉より
4575234648
No.54
(5pt)

この結末は必然

犯罪そのものの発生やその謎解きではなく、加害者、被害者の家族らを丁寧に描いた「風紋」の続編。

前作で描かれた殺人事件から7年が過ぎ、深く傷ついた加害者、被害者ともに、何とか新しい生活で立ち直ろうともがく。

被害者側の家族らが、相変わらずギクシャクし、苦しみながらも、何とか前向きに生きていくのに対し、加害者側の家族は、坂道を転がり落ちていくように悲惨な状況に追い込まれていく。

確かに後味は悪いですが、この結末は必然といえます。
殺された人の家族と、殺した人の家族が、両方ハッピーエンドになるなんて、メロドラマでもあり得ないでしょう。
そんな都合のいい結末だったら、そのほうが後味が悪い気がします。

文庫本の裏表紙に、筆者の乃南さん自身が記しています。
「誰もが救われていて欲しいと願いながら、新たな悲劇をも、描くことになってしまった。事件というものは必ず、悲しみと憎しみの連鎖を生む。そして、いちばん弱いものが最も深く傷つくことに、改めて気づいた」

切ないラストを読んで、取り返しのつかいないほど傷ついた<いちばん弱いもの>の姿を見て、犯罪の本当の悲惨さ、について考えさせられました。
晩鐘〈下〉 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈下〉 (双葉文庫)より
4575510106
No.53
(4pt)

悲しみの連鎖

一つの犯罪が引き起こす波紋。

それは、どこまでも続く。

荒んだ母親の生活。

それと同じように大輔の心は荒れている。

自分ではどうしようもない自分の生い立ち。

殺人犯の息子、人殺しの息子。

外見はいくら大人びていても小学生。

それを背負って生きていくには、まだまだ幼すぎる大輔。

そのやり場のないもやもやが、幼い妹までも死に至らしめる。

大輔が最後に実父にいった言葉。

その言葉は、罪を犯した実父にとって裁判所で確定した刑よりも、もっともっと厳しく心に突き刺さる言葉だったに違いない。

ある意味、まだたった12年しか生きていない大輔の、自分の人生に対する復習の言葉だったのかもしれない。

犯罪がもたらした悲しみの大波は、周りの誰かが手を差しのべなけれ!ば、けっして一人では乗り越える事はできないと感じた。

そういう誰かを見つける事が出来た真裕子は、苦しんだ分幸せだと思う。

これ以上悲しみの連鎖が続かないように祈りたい。
晩鐘(下) 新装版 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 晩鐘(下) 新装版 (双葉文庫)より
457551781X
No.52
(4pt)

悲しみの連鎖

一つの犯罪が引き起こす波紋。
それは、どこまでも続く。
荒んだ母親の生活。
それと同じように大輔の心は荒れている。
自分ではどうしようもない自分の生い立ち。
殺人犯の息子、人殺しの息子。
外見はいくら大人びていても小学生。
それを背負って生きていくには、まだまだ幼すぎる大輔。
そのやり場のないもやもやが、幼い妹までも死に至らしめる。
大輔が最後に実父にいった言葉。
その言葉は、罪を犯した実父にとって裁判所で確定した刑よりも、もっともっと厳しく心に突き刺さる言葉だったに違いない。
ある意味、まだたった12年しか生きていない大輔の、自分の人生に対する復習の言葉だったのかもしれない。

犯罪がもたらした悲しみの大波は、周りの誰かが手を差しのべなけれ!ば、けっして一人では乗り越える事はできないと感じた。
そういう誰かを見つける事が出来た真裕子は、苦しんだ分幸せだと思う。
これ以上悲しみの連鎖が続かないように祈りたい。

晩鐘〈下〉 Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈下〉より
4575234648
No.51
(4pt)

世間はとっくに忘れた事件でも、当事者達には終わりは来ない

あれから7年。
父親は再婚し姉は新しい家庭を持った。
真裕子は7年経った今もひとりぼっちで孤独に耐えている。
殺人犯の子ども達は、自分の両親の事は知らされず遠い長崎で祖父母と暮らす。
そしてその妻は、過去に平凡な教師の妻だったことなどなかったかのように、なりふり構わず生きてきた。
一つの犯罪は、何年経っても終わる事を知らない。
一人でいる事に耐え切れなくて、好きでもない男と不倫に陥る真裕子。
父親が殺人犯だとも知らず、叔母だと信じていた母親と2人、東京で暮らす事になってしまった大輔。
変に大人びて心の底から甘える事を知らない大輔は、これから先どんな大人に成長していくのだろう。
癒されるはずのない心の傷は、いつか誰かが癒してくれるのだろうか。大輔は実父の犯した罪をどのような形で知ってしまうのだろうか。
乃南さんらしい心の描き方が最高の作品。

晩鐘〈上〉 Amazon書評・レビュー: 晩鐘〈上〉より
457523463X