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春嵐
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春嵐の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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「砂糖はいくつ?」 「三つ」 どの主人公も、コーヒーをそんなに甘くして飲むので、実は心配していた。心配の根は作者のロバート・B・パーカー。でっぷり太った作者画像と、甘いコーヒーの生活習慣。パーカーは、執筆のさなかに心臓麻痺を起こして唐突にこの世に別れを告げることになった。作中では相変わらず、スペンサーも刑事たちも、コーヒーに砂糖やミルクを山ほど入れて飲み続けている。彼らは、作者と違って不死身なのだ。作者没後9年を経た今でも、死の危険なんて顧みることなく、今日も彼らは、減らず口を叩き合いながら、砂糖とミルクでどろりとしたコーヒーを、せっせと口に運び続けている。 最終編はまるで『初秋』のようだ。スペンサーは若者を鍛えてゆく。少年ではないが、まだ人生を少しはましな方に方向転換するには十分間に合いそうな年齢だ。おまけに、先住民族血を引いている。誇り高き血だ。原題の『シックスキル』とは若者の名前である。邦題を『春嵐』に変える必要なんてなかったのに。若者のこれまでの育ちは、ダイジェストで作中に挿入される。珍しいケースだ。若者は、パーカーが好きになる。パーカーも。どちらも少し似ているらしい。 前作のまま相棒のホークは不在。中央アジアに出かけたままシリーズが終わってしまうとは、まさかホーク当人も思ってもみなかったろう。凄腕の殺し屋がやって来るというのに。スペンサーは、シックスキルを味方につける。鍛えて方向転換してボウイナイフを握りしめる若者を。 スペンサーのシリーズでは、事件はいつもそうなのだが、さして難しかったり奇想天外だったりするわけではない。私立探偵は、化学捜査に頼ることはできない。指紋もDNDも手に入らない。スマホでネットに接続する描写はついぞなく、同時に書かれた作品では、SDカードの代わりにカセットテープを録音に使っていた。いろいろな意味で、スペンサーの仕事には警察のお友達が欠かせない。今回はマーティン・クワーク。出演者全員がアナログ世代である。懐かしい文化。レトロ。ボストンには、それがまたよく似合う。現在の小説をいくら集めたって、こんな化石みたいなハードボイルドを探し当てることはなかなか難しい。 スペンサーは、手に入らない証拠よりも、人との会話によって事件の真相に迫る。会話の中にある嘘と真実を嗅ぎ分ける。あるいは、会話の相手がどういう人間かを探り出す観察力に長けている。なかなかそういう証しが得られない場合には、物事を引っ掻き回す。無理にでも人間の本性が現れる状況を作り出す。時には敢えて怒らせる。そして寡黙な若者に対しては、なぜかトレーニングの機会を与える。その上、冗談まで言える明るい青年に変えたりもする。スペンサー・マジック! 心理カウンセラーであるスーザンとの会話も重要だ。年中、いちゃついているだけのようにも見えるが、ウィットに富んだ会話は読者も楽しむことができるし、事件の洗いざらいを二人で検証したり、それ以上に、なぜスペンサーがその事件に取り組むのか? という哲学的問題にまで踏み込むのが常であり、これまた読者にとって最も重要な部分であったりする。そして彼らを彼ららしくあらしめるもの、生きる態度に強くこだわる。互いにそういう確認作業をしなければ、一歩も進めないみたいに。その不思議な信頼関係が、シリーズの魅力の一つだ。否、一つだった。もうこれ以上、シリーズ作品はない。 そんなスペンサーのエッセンスでいっぱいの最終作が本書である。ライト・ハードボイルドなどとも言われたこともある。しかし長く書き継がれた事実自体は、途轍もなくヘビーなことだと思う。今さらになるけれども改めて、フェアウェル、R・B・P! そして彼の作り出したスペンサー! | ||||
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さようなら。 もう会えない。 ずっと我慢してたけれど、 とうとう読み終えてしまった。 ローリングロックもMGもブロッコリーのパスタも、 みんなスペンサーに教わった。 ジョギングもするようになったし、 ワークアウトも続けている。 タフにはなれなかったし、 これからもなれそうもないけれど、 自分に甘えることは許さなくなった。 ゴッドウルフからもう一回読み返そう。 さようなら。 | ||||
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いかにも居そうな俳優。いかにも居そうなボディーガード。弟子を作るのはスペンサー初めてか?お勧め。 | ||||
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スペンサーファンには最高の一冊です。一日で読みきり、常に次作が待ち遠しく、欲求不満の日々だったのに、急逝されたことは返すがえすも残念の一言に尽きます。 | ||||
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私がこのシリーズを読み始めたのはもう25年近く前になるのだなぁと思う。ロバート・B・パーカー本人の作品はこれで終わりなのかと思うと、あぁ長い年月を供にしたのだなぁと感慨深い。この作品には他の作品と特に変わったところは感じなかったが、少しだけ「そろそろまとめる時期」なのかと思えるような部分を感じた。とはいえ、それはこちらが作者の逝去を知っているからなのかもしれない。 何にしても長い時間を楽しませてくれたスペンサーに感謝。シリーズは書き手が変わって続くということだから、ホークにふたたび会う日を楽しみにしている。しかし、本当はサニー・ランドルにまた会いたいのだが・・・。 | ||||
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学生の頃からもう20年以上、愛読してきたスペンサーシリーズ。最初に手にとったのは、厚木の有隣堂で見つけた「初秋」だった。それからの人生でずっと指針となってくれたスペンサーに感謝。ロバートBパーカー先生、お疲れ様です。天国でゆっくりお休み下さい。 | ||||
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いよいよスペンサーシリーズともお別れ、正真正銘の最終作である。相棒ホークが前作(盗まれた貴婦人)に続いて登場しないままシリーズが終わったのはいかにも残念だが、当の著者自身が自らの急な死を予感してなかっただけに、今さら言っても詮無い事だ。 さて、なぜか「春嵐」と訳されているものの、原題は「sixkill」。その題名通りの名を持つ若者ゼブロン・シックスキル(通称Z)が、準主役として初登場する。このZが実に魅力的なキャラクターで、スペンサーは彼をさんざん打ちのめした後にその再生を引き受け、一人前の男となるべく心身共に鍛え上げてゆく。そしてクライマックスでは二人で死地へと乗り込み、命懸けの瞬間を共有するに至る。古くからのファンにとっては、シリーズでも人気の高い第7作「初秋」を思い起こさせる構成であり、恐らく著者も新たなキーマンとして、今後も引き続きZを登場させる心積もりでいたのだろう。 この先、Zとホークが初めて出会う場面を想像するだけでもワクワクさせられるが、残念ながら永遠にそのシーンを読むことはできない。 | ||||
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ハードボイルド界の寅さんと化しているスペンサーシリーズ。 本シリーズならではの作品というと、「初秋」に代表される、事件で出会った酷い状態にある若者をスペンサー流のやり方で育てるパターンではないだろうか。 それは、このシリーズの魅力であるスペンサーならではの生き方や哲学(もしくは、説教臭さ)が、彼らに伝える言葉として色濃く出てくるからだと思う。 そういった意味で、本作はいかにもスペンサーシリーズらしい作品である。 最後にしようと思っていたわけではないだろうが、 結果的には、いかにもな作品で、シリーズ最後を飾れたことは良かったのではないか。 本シリーズには、自分が若い時にかなり感化されました。 改めて作者への冥福をお祈りします。 | ||||
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今回も、金に絡む問題を、知人や新人の助けを借りながら、おどけた会話で楽しませてくれます. 仕事の関係でボストンに何度も行ったり、知人が住んでいるなど縁があったので、20年以上前から読み始めました。何気なく行ったレストランが出来ていたりと興味深く読んでいました.さすがに長いシリーズなので、時事ネタを取入れることがあっても、構想やプロットは数パターンの使い回しで、大きな変化はありません。どんな困難があっても万事うまく解決するので、日本のTVで言えば「水戸黄門」のようなものです。新作が出ても読まない時期もありましたが、やはりさかのぼって読み続けました。作者が突然亡くなってしまったのが残念です. | ||||
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探偵スペンサーと彼の周囲の登場人物が好きで、このシリーズを楽しみにしてきました。ですから著者逝去の知らせには本当にショックを受けました。考えて見れば永遠に続く訳はないのですが、いつも冬に発行される翻訳版を「ああ、またこの季節が来たんだ」と、書籍を手にとっておりました。最後の翻訳版を楽しみにし、ゆっくり楽しみながら読みたいと思いつつ、でもやっぱり一気に読んでしまいました。『初秋』の雰囲気があったので、今後このシリーズが出版されないことが本当に残念でなりません。ただ、本書の後書きを見ると、そうでもないようなので、きっとまたスペンサーと彼の友人たちに会えることを楽しみにしていようと思います。今度は原書にトライしよう、と思っています。今まで気づかなかった新しいスペンサーに会えるでしょうか。 | ||||
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ロバートBパーカー本人による最後のスペンサーシリーズ「春嵐」を読み終わった。今回もまたいつもどおりのスペンサーです。読んで分かるのは著者がちっとも「死ぬ」なんてことを考えていなかったということです。今回初登場の「Z」はたぶん次回作以降、主要な登場人物のひとりにするつもりだったのではないかと思います。ひょっとしたら、ホークの後継者くらいを考えていたのかも・・・? 僕はどういう訳かこのシリーズを全て読んでいるので、著者が亡くなったのはとても残念です。正直言って、なんとなく惰性で読んでいただけで、ストーリーはずいぶん前から同じような話ばかりだし、新機軸なんて望むべくもなしといった感じでした。それでも読み続けていたのは、やっぱりスペンサーというキャラクターに魅せられていたからだと思います。客観的にみると全てが独りよがりで身近にいれば随分ウザイだろうと思いますが、それでも自分の哲学を決して曲げないとこや守るべき人のためなら殺人も厭わないといった辺りに嵌ってしまったような気がします。今回の「Z」やポール・ジャコミン同様に僕もスペンサーからたくさんの事を学んだように思います。 あとがきを読むとシリーズは他の人が引き継ぐようです。パーカーが残した未完の原稿を完成させるだけなのか、まったく新たな新作を発表するのかその辺りはよく分かりませんが、できれば続けてもらって1年に1回くらいスペンサーとその仲間たちに会えればうれしいなと思います。それにしても、このシリーズほとんど「ドラえもん」のようなですね。 | ||||
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