虐殺器官

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評判

虐殺器官の評価:

4.03/5点 レビュー 369件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.03pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全86件 61〜80 4/5ページ
No.26
(3pt)

ファンタスティックな周縁/お粗末な中心

テクノロジーの進化やポスト9.11の世界観など、〈舞台装置〉は秀逸。

しかし主人公がどう見ても日本生まれの日本育ちにしか見えず、キリスト教社会で生まれ育ったアメリカ特殊工作員というリアリティに説得力が皆無。

ジョン・ポールを追っていたのが、いつしかその愛人に偏執し、結果、同僚は最悪の末路を辿る羽目に。

それで命の尊さや母の死の悲しみ云々を説かれても……。

病んだ世界、病んだアメリカを描くことに特化したのなら、傑作かもしれない。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.25
(3pt)

ファンタスティックな周縁/お粗末な中心

テクノロジーの進化やポスト9.11の世界観など、〈舞台装置〉は秀逸。

しかし主人公がどう見ても日本生まれの日本育ちにしか見えず、キリスト教社会で生まれ育ったアメリカ特殊工作員というリアリティに説得力が皆無。

ジョン・ポールを追っていたのが、いつしかその愛人に偏執し、結果、同僚は最悪の末路を辿る羽目に。

それで命の尊さや母の死の悲しみ云々を説かれても……。

病んだ世界、病んだアメリカを描くことに特化したのなら、傑作かもしれない。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.24
(3pt)

本読み向けのSF

ミステリーは普段さほど読まないんですが、
amazonにて、”おすすめ”本としてマッチングされたのが目に留まり、読んでみました。
作者のバックグラウンドはひとまず抜きにして、率直に面白かったです。

徹底的に一人称な物語で、主人公視点で物語が描かれてます。
とても冷静な印象を受ける心理描写は、陰鬱とも言えるし、少し病的とも言えるかも。
戦闘シーンが多数ある本作において、これが独特のスピード感を生み出してます。
ガンアクションシーン中に、クラシック音楽が聞こえてくるようなクールさがありますね。

近未来SFミステリーとして、ポイントは押さえられています。
暗殺という特殊任務にあたるのが、アメリカ人主人公。
生体組織が人工培養されるようになり、あらゆる工業製品の部材として使用される世界。
彼が使う武器、乗り込む乗り物、網膜に纏うセンシングフィルム等に、
これら最新テクノロジーが使われています。
単純に最先端技術というだけでなく、生命体を利用・培養してるところが、グロテスク。

しかし、タイトルとなっている虐殺器官というのは、上記ような気味の悪い最新プロダクツではありません。
この虐殺器官を主人公が探るというのが大筋です。

近未来の管理社会や、異常に発達してしまうバイオテクノロジーに対する問題提起やら、
SF小説らしいツボも押さえられていきます。
とはいえこの本の一番の特徴は、主人公の文学的素養が半端ないことかもしれません。
登場人物とのやり取りの半分以上が分かんないネタでした。。
そこに付いていけない読者としては、かなりテンポが崩された印象があります。
いろんな意味でテクニカルな本なのかもしれませんね。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.23
(3pt)

本読み向けのSF

ミステリーは普段さほど読まないんですが、
amazonにて、”おすすめ”本としてマッチングされたのが目に留まり、読んでみました。
作者のバックグラウンドはひとまず抜きにして、率直に面白かったです。

徹底的に一人称な物語で、主人公視点で物語が描かれてます。
とても冷静な印象を受ける心理描写は、陰鬱とも言えるし、少し病的とも言えるかも。
戦闘シーンが多数ある本作において、これが独特のスピード感を生み出してます。
ガンアクションシーン中に、クラシック音楽が聞こえてくるようなクールさがありますね。

近未来SFミステリーとして、ポイントは押さえられています。
暗殺という特殊任務にあたるのが、アメリカ人主人公。
生体組織が人工培養されるようになり、あらゆる工業製品の部材として使用される世界。
彼が使う武器、乗り込む乗り物、網膜に纏うセンシングフィルム等に、
これら最新テクノロジーが使われています。
単純に最先端技術というだけでなく、生命体を利用・培養してるところが、グロテスク。

しかし、タイトルとなっている虐殺器官というのは、上記ような気味の悪い最新プロダクツではありません。
この虐殺器官を主人公が探るというのが大筋です。

近未来の管理社会や、異常に発達してしまうバイオテクノロジーに対する問題提起やら、
SF小説らしいツボも押さえられていきます。
とはいえこの本の一番の特徴は、主人公の文学的素養が半端ないことかもしれません。
登場人物とのやり取りの半分以上が分かんないネタでした。。
そこに付いていけない読者としては、かなりテンポが崩された印象があります。
いろんな意味でテクニカルな本なのかもしれませんね。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.22
(3pt)

超現代文学的SF

知人の薦めで読んでみました。

超現代文学的SFといった感じでしょうか。
楽しめましたが、小説内には揺さぶられるまでのものはなかったので、
☆は3つ止まりです。

物凄い情報量と文学的な表現が詰まってはいるのですが、
SFとしても文学小説としても個人的にはパンチがないなーと。

言葉(単語)の選び方が舞城と近い感じがしました。

ちょっと優等生に仕上げすぎている感じがします。
惜しい著者であり、1冊でした。

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.21
(3pt)

超現代文学的SF

知人の薦めで読んでみました。

超現代文学的SFといった感じでしょうか。
楽しめましたが、小説内には揺さぶられるまでのものはなかったので、
☆は3つ止まりです。

物凄い情報量と文学的な表現が詰まってはいるのですが、
SFとしても文学小説としても個人的にはパンチがないなーと。

言葉(単語)の選び方が舞城と近い感じがしました。

ちょっと優等生に仕上げすぎている感じがします。
惜しい著者であり、1冊でした。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.20
(3pt)

テクノロジーにどこまで必然性があるのか

ジョン・ポールの、虐殺を世界に広めた理由というのがなかなか面白かったと思います。
イラク戦争がエンターテインメントだったり、WTC崩壊が一種のスペクタクル映像だったりという、いわば「別世界の出来事」という私たちの感覚を上手く捉えているのかもしれません。
主人公が感情をテクノロジーでコントロールされ、良心や罪の意識のないままに少年兵を殺したことに対して、逆に罪や罰を求めるという心理も、分からなくはありません。
しかし、この話において、その他の様々な軍事技術や情報技術がどこまで物語上必要だったのかというと、首を傾げるところではあります。
話のアイデアと、著者が書きたいSF要素に、微妙なズレを感じるのです。

主人公の冗長な独白はともかくとして、全体的に読みやすい文章とスピーディな展開があり、敷居が高く見られがちなSFというジャンルにおいては、入門編としても需要があることでしょう。
ただしかし、作品としてこれが物凄い支持や評価を得ているのを見ると、SFの没落というのを感じざるを得ません。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.19
(3pt)

テクノロジーにどこまで必然性があるのか

ジョン・ポールの、虐殺を世界に広めた理由というのがなかなか面白かったと思います。
イラク戦争がエンターテインメントだったり、WTC崩壊が一種のスペクタクル映像だったりという、いわば「別世界の出来事」という私たちの感覚を上手く捉えているのかもしれません。
主人公が感情をテクノロジーでコントロールされ、良心や罪の意識のないままに少年兵を殺したことに対して、逆に罪や罰を求めるという心理も、分からなくはありません。
しかし、この話において、その他の様々な軍事技術や情報技術がどこまで物語上必要だったのかというと、首を傾げるところではあります。
話のアイデアと、著者が書きたいSF要素に、微妙なズレを感じるのです。

主人公の冗長な独白はともかくとして、全体的に読みやすい文章とスピーディな展開があり、敷居が高く見られがちなSFというジャンルにおいては、入門編としても需要があることでしょう。
ただしかし、作品としてこれが物凄い支持や評価を得ているのを見ると、SFの没落というのを感じざるを得ません。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.18
(3pt)

ジャンルとしてSF は生き残れるか

SF的な設定の「推理小説」や「文芸作品」はともかくとして、SFを作者、出版社ともに前面に押し出した小説を久しぶりに読みました。
2006年、小松左京賞最終候補にして、著者のデビュー作。
2007年刊行、2010年文庫化。

2001年9月11日の同時多発テロ以降、世界各地で内戦や民族虐殺が勃発。
アメリカ情報軍・特殊検索群i分遣隊のクラヴィス・シェパード大尉は、虐殺の背後に見え隠れするジョン・ポールと言う謎の人物を追っていくが…。

期待が大きかった分、不満な点もあり、と言ったところでしょうか。

【物語性の脆弱さ】
アメリカと言う巨大国家を敵に回していることから、ジョン・ポールは相当に緻密に活動をしているはずで、「どうやって追い詰めるのか」は、ストーリー展開を面白くするかどうかの鍵になるはず。
ところが、主人公も情報軍も後追いばかりで、追い詰めていくスリル感が薄いように思います。

「読み始めたら止まらない」と言う感覚にはなれませんでした。

【テーマについて説明不足】
題名から、「虐殺」と言う行為がテーマになっていることが推察されます。
また、その鍵を握る人物がジョン・ポールであることは明らか。
ならば、「虐殺」をどのようにジョン・ポールが操っていたのか、と言う点に読者の興味は向かうでしょうが、その説明が抽象的なのです。
中心的なテーマなのですから、具体的な描写で、説得力を持たせる必要があったのではないでしょうか。

−−以上は、普段「ミステリ」が中心の読者の感想です。
SFは久しぶりなため、SFを普段読んでいる方とは、違う感じ方をしていると思います。

ひとつ、これがSFなのかな、と興味を惹いた点があります。
それは「虐殺」に対する独特の世界観・思想観と言ったもの。
これは、ほかのジャンルでは描くことが出来ないものではないか、と感じました。
もしかすると、そこにこの小説の存在意義があるのかも…。

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.17
(3pt)

ジャンルとしてSF は生き残れるか

SF的な設定の「推理小説」や「文芸作品」はともかくとして、SFを作者、出版社ともに前面に押し出した小説を久しぶりに読みました。
2006年、小松左京賞最終候補にして、著者のデビュー作。
2007年刊行、2010年文庫化。

2001年9月11日の同時多発テロ以降、世界各地で内戦や民族虐殺が勃発。
アメリカ情報軍・特殊検索群i分遣隊のクラヴィス・シェパード大尉は、虐殺の背後に見え隠れするジョン・ポールと言う謎の人物を追っていくが…。

期待が大きかった分、不満な点もあり、と言ったところでしょうか。

【物語性の脆弱さ】
アメリカと言う巨大国家を敵に回していることから、ジョン・ポールは相当に緻密に活動をしているはずで、「どうやって追い詰めるのか」は、ストーリー展開を面白くするかどうかの鍵になるはず。
ところが、主人公も情報軍も後追いばかりで、追い詰めていくスリル感が薄いように思います。

「読み始めたら止まらない」と言う感覚にはなれませんでした。

【テーマについて説明不足】
題名から、「虐殺」と言う行為がテーマになっていることが推察されます。
また、その鍵を握る人物がジョン・ポールであることは明らか。
ならば、「虐殺」をどのようにジョン・ポールが操っていたのか、と言う点に読者の興味は向かうでしょうが、その説明が抽象的なのです。
中心的なテーマなのですから、具体的な描写で、説得力を持たせる必要があったのではないでしょうか。

−−以上は、普段「ミステリ」が中心の読者の感想です。
SFは久しぶりなため、SFを普段読んでいる方とは、違う感じ方をしていると思います。

ひとつ、これがSFなのかな、と興味を惹いた点があります。
それは「虐殺」に対する独特の世界観・思想観と言ったもの。
これは、ほかのジャンルでは描くことが出来ないものではないか、と感じました。
もしかすると、そこにこの小説の存在意義があるのかも…。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.16
(3pt)

後味の悪さが残念でした

ネタバレを含みます。

○世界観
良かったです。
進んだ技術による監視社会、オルタナ、人工筋肉など、普段SFを読まない私には
「いかにもSFって感じだな」と楽しむことができました。
また核が戦争に使われているなど、MGSとの共通点を感じました。

○ストーリー
ジョン・ポールはいかにして虐殺を起こしてきたのか、
職務である暗殺と母親を安楽死させたことの違いは何なのか、
などなど面白い題材はいくつもありました。
ただそれが回収しきれていなかったような気がします。

特にタイトルにもなっている「虐殺器官=虐殺の文法=言葉」について。
最初は何かサブリミナル効果を持つメディアでも使って洗脳しているのかな、
などと想像していましたが、まさか「特定の話し方でで話すだけ」とは。
正直これだけでアメリカを滅亡に追い込めるといわれてもぴんと来ません。

また、主人公がルツィアに恋愛感情以上の何かを抱いていたとしても
彼女が殺されたとたんにあそこまで豹変するとは。
「主人公は未熟」という前提で書かれたようですが、それにしても……と。

個人的にバッドエンドが苦手だからかもしれませんが、もう少し希望のある
エンディングがよかったな、と思います。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.15
(3pt)

後味の悪さが残念でした

ネタバレを含みます。

○世界観
良かったです。
進んだ技術による監視社会、オルタナ、人工筋肉など、普段SFを読まない私には
「いかにもSFって感じだな」と楽しむことができました。
また核が戦争に使われているなど、MGSとの共通点を感じました。

○ストーリー
ジョン・ポールはいかにして虐殺を起こしてきたのか、
職務である暗殺と母親を安楽死させたことの違いは何なのか、
などなど面白い題材はいくつもありました。
ただそれが回収しきれていなかったような気がします。

特にタイトルにもなっている「虐殺器官=虐殺の文法=言葉」について。
最初は何かサブリミナル効果を持つメディアでも使って洗脳しているのかな、
などと想像していましたが、まさか「特定の話し方でで話すだけ」とは。
正直これだけでアメリカを滅亡に追い込めるといわれてもぴんと来ません。

また、主人公がルツィアに恋愛感情以上の何かを抱いていたとしても
彼女が殺されたとたんにあそこまで豹変するとは。
「主人公は未熟」という前提で書かれたようですが、それにしても……と。

個人的にバッドエンドが苦手だからかもしれませんが、もう少し希望のある
エンディングがよかったな、と思います。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.14
(3pt)

説明や描写に行数を取られてテンポが悪いように思う

要人暗殺任務を担当する部隊の1人を主人公とするSF小説。

かなり評判が良い作品のようだが、個人的にはそこまでの魅力は感じなかった。
SFとしての近未来の装備や武器の設定は面白いが
それらの説明や描写に行数を取られてテンポが悪いように思う。

序盤の作戦行動はミリタリー系に詳しくない人にもわかるよう、
かなり親切に説明されているが、その分、少し幼稚に感じてしまったし、
中盤以降は近未来の社会を表現する情景描写がくどく思えてしまった。

設定的に軍事関係の要素が入っているのはもちろんとして
さらに政治や社会情勢までトッピングされていて
内容が非常に濃く、そういうのにどっぷりとハマる人はいいのだが、
サクサクと展開していくスピード感を重視したい私は
話の本筋をたどろうとするだけで読み疲れてしまった。

終盤はなかなかに盛り上がるし、
タイトルにも挙がる「虐殺器官」というアイデアはすごく刺激的。
映像化に向いている素材だと思う。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.13
(3pt)

説明や描写に行数を取られてテンポが悪いように思う

要人暗殺任務を担当する部隊の1人を主人公とするSF小説。

かなり評判が良い作品のようだが、個人的にはそこまでの魅力は感じなかった。
SFとしての近未来の装備や武器の設定は面白いが
それらの説明や描写に行数を取られてテンポが悪いように思う。

序盤の作戦行動はミリタリー系に詳しくない人にもわかるよう、
かなり親切に説明されているが、その分、少し幼稚に感じてしまったし、
中盤以降は近未来の社会を表現する情景描写がくどく思えてしまった。

設定的に軍事関係の要素が入っているのはもちろんとして
さらに政治や社会情勢までトッピングされていて
内容が非常に濃く、そういうのにどっぷりとハマる人はいいのだが、
サクサクと展開していくスピード感を重視したい私は
話の本筋をたどろうとするだけで読み疲れてしまった。

終盤はなかなかに盛り上がるし、
タイトルにも挙がる「虐殺器官」というアイデアはすごく刺激的。
映像化に向いている素材だと思う。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.12
(3pt)

アイディアは際立つが、「虐殺器官」の科学的リアリティ構築には成功したとは言えない

新聞広告で宮部みゆきが絶賛していたのと、タイトルへの興味もあって手に取った。
「虐殺器官」というアイディアは際立って新しいが、リアリティの与え方がいまひとつ。進化論、心理学、言語学などをその存在の根拠に求めているが、生理学的知見というより思想的であり、かつこの分野にそこそこの知見を有するものにとっては議論の底が浅く、満足のいくリアリティは構築できていない。
物語にはバイオマシン、インプラントセンサ、ナノマシンなど近未来的なデバイスが溢れていて、そこはSF的世界ではあるが、それら小道具もテーマである「虐殺器官」に科学的リアリティを与えることには寄与しておらず、SFとは言い難い。
SFは昔、半村良や小松左京、星新一などが好きでほとんど読んだが、最近はこういうバイオハザードのようなグロテスクでスプラッタなゲーム感覚の作品の評価が高いのだろうか。作者の非凡な才能は理解できるが、筆者には馴染めなかった。似たようなテーマで半村良の不可触領域 (角川文庫 緑 375-27)を思いだした。30何年ぶりに再読してみたくなった。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.11
(3pt)

アイディアは際立つが、「虐殺器官」の科学的リアリティ構築には成功したとは言えない

新聞広告で宮部みゆきが絶賛していたのと、タイトルへの興味もあって手に取った。
「虐殺器官」というアイディアは際立って新しいが、リアリティの与え方がいまひとつ。進化論、心理学、言語学などをその存在の根拠に求めているが、生理学的知見というより思想的であり、かつこの分野にそこそこの知見を有するものにとっては議論の底が浅く、満足のいくリアリティは構築できていない。
物語にはバイオマシン、インプラントセンサ、ナノマシンなど近未来的なデバイスが溢れていて、そこはSF的世界ではあるが、それら小道具もテーマである「虐殺器官」に科学的リアリティを与えることには寄与しておらず、SFとは言い難い。
SFは昔、半村良や小松左京、星新一などが好きでほとんど読んだが、最近はこういうバイオハザードのようなグロテスクでスプラッタなゲーム感覚の作品の評価が高いのだろうか。作者の非凡な才能は理解できるが、筆者には馴染めなかった。似たようなテーマで半村良の不可触領域 (角川文庫 緑 375-27)を思いだした。30何年ぶりに再読してみたくなった。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.10
(3pt)

好きに言わせてもらいます。

これでも一週間かけてじっくり読んだんです。

ながいこと罪だの罰だの書いてある。それは、主人公がそもそもなぜ軍に入ったのかという説明があってこその思索だと思う。こういうナイーブな主人公がそもそもなぜ軍に入ったのか?が母親との関係と密接につながっていて、しっかりとした説明がなされるのだとずっと思っていて、結局最後まで書かれていなかったことに自分は驚いた。病院で母親の延命治療終わらせるか否かの描写はしつこいくらいあるから、絶対なにかの伏線だと思っていた。
解説に兵士を調整するテクノロジーが、主人公を成熟した大人にさせない。と、書いてあるけれど、それだと、繊細な主人公が人を殺すために軍に入る意味がわからない。まあ、ベタに父親が軍人だったとか考えられるけど、そういう説明は一切ない。

精神を理屈に置き換えて禅問答するというのは、SF小説の作法なんだろうか?(自分はたくさんSFを読むわけではないのでよくわからないけど)そこはあまりにも熱心でまあ、著者が言いたいことなんだろうなあとは思うが、具体的にどうして内戦を起こすのか書いて欲しい。というか、SF小説なのに、虐殺を起こす方法という魔法が言葉でしゃべるだけっていうのがなんともアナログすぎて拍子抜けしてしまった。
ジョンポールはテクノロジーを駆使していると思っていたから。そうでないと時間的にも説明つかない気がしたし。うーん、これもある種の著者のジョーク(欧米的な?)なんだろうな。日本人の自分にはぜんぜん笑えないけど。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.9
(3pt)

好きに言わせてもらいます。

これでも一週間かけてじっくり読んだんです。

ながいこと罪だの罰だの書いてある。それは、主人公がそもそもなぜ軍に入ったのかという説明があってこその思索だと思う。こういうナイーブな主人公がそもそもなぜ軍に入ったのか?が母親との関係と密接につながっていて、しっかりとした説明がなされるのだとずっと思っていて、結局最後まで書かれていなかったことに自分は驚いた。病院で母親の延命治療終わらせるか否かの描写はしつこいくらいあるから、絶対なにかの伏線だと思っていた。
解説に兵士を調整するテクノロジーが、主人公を成熟した大人にさせない。と、書いてあるけれど、それだと、繊細な主人公が人を殺すために軍に入る意味がわからない。まあ、ベタに父親が軍人だったとか考えられるけど、そういう説明は一切ない。

精神を理屈に置き換えて禅問答するというのは、SF小説の作法なんだろうか?(自分はたくさんSFを読むわけではないのでよくわからないけど)そこはあまりにも熱心でまあ、著者が言いたいことなんだろうなあとは思うが、具体的にどうして内戦を起こすのか書いて欲しい。というか、SF小説なのに、虐殺を起こす方法という魔法が言葉でしゃべるだけっていうのがなんともアナログすぎて拍子抜けしてしまった。
ジョンポールはテクノロジーを駆使していると思っていたから。そうでないと時間的にも説明つかない気がしたし。うーん、これもある種の著者のジョーク(欧米的な?)なんだろうな。日本人の自分にはぜんぜん笑えないけど。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.8
(3pt)

世界観・知識・文章力は素晴らしい、けれど

しかもどういう状況下で作者がこれを書いたか、あとがき等読むと本当に圧倒されてしまうのですが、評判の割にはずいぶん衝撃の少ない作品だなと感じました。しかしそれは、私の持つ「現在の常識」のせいかもしれない。「わかりやすいもの」で読後感が満たされることを、日頃喜びすぎていて、そうでない小説(ドンデン返しや強烈な「泣かせ」サービスはなくても、文章力が極めて高かったり、発想が面白かったり)への評価は、文芸・エンターテイメント問わず、日本では未だに低いままのような。こちら側のそうした「常識」眼鏡を外してみれば、この作品はほんとうに素晴らしい、と思いました。特に世界観がすばらしい。

にも関わらずどことなく物足りない(特に後半)ように感じられるのは、同じ順で3度ほど繰り返されるシーン(そこで起きる事件は無論、異なるのですが、死を想い、ジョン・ポールを追い、降下し、戦い、帰還し、また死を想う・・・という点で)が少し退屈、さらにSFという分野にどこまでの人間ドラマ・文芸的感性を求めるのかという趣味の問題、それに年齢層もあるかもしれない。作者と同年代かそれ以上の読者にしてみれば(私もそうですが)まったく同じ流行・文化を経てきているわけですから新たに得る刺激が少ない。同年代で同業者である作家さんたち(しかも売れっ子の方々)がこぞってこの作者を褒めるのは、「書き手」と「読み手」の感性のちがいのように思います。その点、小松左京氏は「読み手」に近い感性を未だに持っていらっしゃるのかも・・・なんてことを考えてしまいました。
何より残念だったのが、私は作中でも触れられているJ・G・バラードの大ファンなので、これは日本人が初めてその域にまで到達するものすごい作品かと、最初読み始めたときは鳥肌が立つほど期待しました。SFなのに人の精神の内へ内へと向かうあたり、また「言葉」の扱い方などはきちんと日本的「言霊」風ストーリー展開が興味深く、さらに作者は知識量が半端じゃない上、文章力もあり、、、と、そこまではいいのですが、肝心の主人公、そうした思索の結果、なぜかごくごくあたりまえのところに落ち着いてしまう。初めてバラードを読んだ時の脳を横殴りにされたような衝撃がない。「残虐行為展覧会」あとがきにあるバラードと松岡正剛の対談を読むたび、この分野は日本人に向いている!!と感じている私にとっては、日本人作家による初めての期待の一作、だっただけに、もっと狂ったような独自性を出してほしかった。あるいは牧野修「MOUSE(マウス) (ハヤカワ文庫JA)」のような魅力あるアニメ風世界にしてほしかった。そうしたらものすごく堪能できただろうに・・・とそれで☆を減らしました。
あと、これは蛇足ですが個人的にすぎる感想として、分かる人にだけ向けて・・・やはり作中で語られる『プライベート・ライアン』、この映画の冒頭への一部ホラーファンの感想と、この本の冒頭を読んだ一部読書好きの感想って、すごく似ているのではと少々皮肉に感じられ・・・なので個人的には、この映画のくだりは、ない方が良かったです。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.7
(3pt)

世界観・知識・文章力は素晴らしい、けれど

しかもどういう状況下で作者がこれを書いたか、あとがき等読むと本当に圧倒されてしまうのですが、評判の割にはずいぶん衝撃の少ない作品だなと感じました。しかしそれは、私の持つ「現在の常識」のせいかもしれない。「わかりやすいもの」で読後感が満たされることを、日頃喜びすぎていて、そうでない小説(ドンデン返しや強烈な「泣かせ」サービスはなくても、文章力が極めて高かったり、発想が面白かったり)への評価は、文芸・エンターテイメント問わず、日本では未だに低いままのような。こちら側のそうした「常識」眼鏡を外してみれば、この作品はほんとうに素晴らしい、と思いました。特に世界観がすばらしい。

にも関わらずどことなく物足りない(特に後半)ように感じられるのは、同じ順で3度ほど繰り返されるシーン(そこで起きる事件は無論、異なるのですが、死を想い、ジョン・ポールを追い、降下し、戦い、帰還し、また死を想う・・・という点で)が少し退屈、さらにSFという分野にどこまでの人間ドラマ・文芸的感性を求めるのかという趣味の問題、それに年齢層もあるかもしれない。作者と同年代かそれ以上の読者にしてみれば(私もそうですが)まったく同じ流行・文化を経てきているわけですから新たに得る刺激が少ない。同年代で同業者である作家さんたち(しかも売れっ子の方々)がこぞってこの作者を褒めるのは、「書き手」と「読み手」の感性のちがいのように思います。その点、小松左京氏は「読み手」に近い感性を未だに持っていらっしゃるのかも・・・なんてことを考えてしまいました。
何より残念だったのが、私は作中でも触れられているJ・G・バラードの大ファンなので、これは日本人が初めてその域にまで到達するものすごい作品かと、最初読み始めたときは鳥肌が立つほど期待しました。SFなのに人の精神の内へ内へと向かうあたり、また「言葉」の扱い方などはきちんと日本的「言霊」風ストーリー展開が興味深く、さらに作者は知識量が半端じゃない上、文章力もあり、、、と、そこまではいいのですが、肝心の主人公、そうした思索の結果、なぜかごくごくあたりまえのところに落ち着いてしまう。初めてバラードを読んだ時の脳を横殴りにされたような衝撃がない。「残虐行為展覧会」あとがきにあるバラードと松岡正剛の対談を読むたび、この分野は日本人に向いている!!と感じている私にとっては、日本人作家による初めての期待の一作、だっただけに、もっと狂ったような独自性を出してほしかった。あるいは牧野修「MOUSE(マウス) (ハヤカワ文庫JA)」のような魅力あるアニメ風世界にしてほしかった。そうしたらものすごく堪能できただろうに・・・とそれで☆を減らしました。
あと、これは蛇足ですが個人的にすぎる感想として、分かる人にだけ向けて・・・やはり作中で語られる『プライベート・ライアン』、この映画の冒頭への一部ホラーファンの感想と、この本の冒頭を読んだ一部読書好きの感想って、すごく似ているのではと少々皮肉に感じられ・・・なので個人的には、この映画のくだりは、ない方が良かったです。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841