ジェノサイド
評判
ジェノサイドの評価:
3.76/5点 レビュー 601件。 S ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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一方、救いようのない内戦が発生しているコンゴで、特命をおびた4人の傭兵たちが、「人類のため」とエボラウィルスに感染したとみられるピグミーの村とそこに住む謎のアメリカ人学者を暗殺しにジャングルの中を進む。
その際言われた注意点として「見たことのない生物に遭遇した場合は迷わず抹殺するように」という命令にはどういう意味があるのか?
「力作」という言葉がピッタリの作品。アフリカの内戦、エボラ出血熱は、今現実の問題で、ノンフィクションではないかと思わせる。特に子供のころ小人族としてかわいいイメージのあったピグミー族が大変な苦難にさらされている現実を知り驚愕し、とても悲しくなった。
そして傭兵たちの訓練や潜入、脱出の描写もリアルで日本人が書いたとは思えない。一方、日本を舞台に繰り広げられる特効薬製造の描写も非常に専門的に見える。作者の高野和明が東京大、東京理科大などの教授たちにかなりのインタビューをして調査したようだ。
最後のアフリカ脱出の章からスピード感がでてきて読むのがやめられなくなるが、追うアメリカ軍と、追われるビジネスジェットのシーンはまさに映画をみているよう。高野和明がもともと映画畑出身なので真骨頂ということだろう。
これだけ世界をまたにかけ、時事的な内容ももりこんだサスペンスにSF要素がはいっているのがたまらない。詳細はネタバレになるから言わないが、ずっとノンフィクションのような流れが続くので、「人類滅亡のシナリオ」を書いたというハイズマンレポートも本物かと思い、ネットで検索してしまった(本当は実在しない)。
これだけの力作を読めるよろこびはなかなかのもので、作者には本当に感謝したいが、他のレビュアーの方がいうようにどうしても若干の「違和感」はぬぐえない。この「違和感」は決して致命的ではないので気にしなければ全然なんの問題もないのでそこはめちゃくちゃな評価をしているレビュアーから高野和明氏を守りたい。
個人的な一番の違和感は、やはり日本人の傭兵ミックだ。まずアメリカの超機密事項の作戦にネイティブスピーカーでない人間を採用するなどありえないと思う。しかも彼は仲間との協調性にかなりの問題がある。それでもミックを採用したのには裏があるのだけれど、それだけではどうも納得できない。そして納得できない...と思っていると「え!?」という展開。まさに「なにそれ?」だ。
あと韓国人の登場人物や関東大震災や南京大虐殺の件は、非常にセンシティブなトピックなので触れなかった方がよかったと思う。それでも作者は、人間の残虐性についてコンゴやアメリカ大統領の人格(完全にブッシュのこと)を描くだけでなく、身近な日本人の残虐性も描きたいという気持ちがあったのだとそこは非常に理解はできるが、そうであればもっと注意深く書くべきだった。