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四十七人目の男



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四十七人目の男の評価: 3.18/5点 レビュー 45件。 Eランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.18pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全22件 1~20 1/2ページ
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No.22:
(5pt)

正統派のスワガー・サーガ

ガンファイターの一族、スワガーの男たちを描いた『スワガー・サーガ』において、この作品はある意味異端である。主人公のボブが一発の銃弾も撃たず、刀でヤクザと戦うからだ。
その一見すると突飛に見える設定が災いし、シリーズ内での評価はあまり高くない。作者自身もあまりよく思っていない作品なのかもしれないが、私はとても好きだ。何故なら私がスワガー・サーガにほれ込んだ要素がたっぷり詰まっているからだ。そのポイントを紹介しようと思う。

1.卓越した人体破壊描写
スワガー・サーガの魅力といえば、鬼気迫る筆力で描かれた人体破壊描写があげられる。飛び交う銃弾で肉体や脳が粉砕され、液状になり、飛び散るさまはいつも私の心をぞっとさせる。その残酷さ、人の身体がモノになっていく様子は、振るわれる武器が銃から刀剣に変わった本作でも見ることができる。
2.戦士たちの心情
命を奪い合う戦場のなかで、戦士が何を考え、生きるためにどんな計算をし、自らの恐怖とどう立ち向かっていくのか。本シリーズでは兵士や警察官、あるいはギャングなど立場は違えど、弱さも抱えた人間達が必死に戦うさまを描いている。それはこの作品でも同じだ。サムライの歴史や考え方などハンターが調べ薄限り、想像しうる限りをもって戦士の実像に迫ろうとしている。
3.深まる謎、そして、どんでん返し
第一作「極大射程」から、このシリーズは大きな謎を提示し、あるいは隠し、主人公がそれを追っていく様を描いてきた。単純なアクションだけでは本シリーズを終わらせなかったのも、その組み立てによるものだろう。この作品でも己の誇りのために真実を追求するボブの姿を見ることができる。また余談だが、この作品の前作、「ハバナの男たち」が特に謎解きやどんでん返しも無しで終わったことが私としては残念だったため、本作では推理や調査シーンを増やされたのは嬉しかった。

以上が本作が『スワガーの正統派』であると私が考える理由である。この三つの要素を書き上げてくれたこの作品は、私にとっては読みごたえのあるものであった。
四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)より
4594056970
No.21:
(5pt)

ボブが来てくれた!!!!!!!!!?

レビューを拝見すると、「日本人が読むと...」など、辛口のコメントも目立ちますが、生粋のスワガー・ファンにとっては、兎にも角にも「あのボブが、来てくれた」こと!!!

そのことだけで星1000個分の価値があるのです。

ウェルカム・ガニー!!!!!!

しかし!感涙にむせびつつ読んだものの、私にもほんのちょっぴり分からなかったことが一つ。。。

ボブが来てくれた国は........どこだったのでしょう。。。どこか東洋の国のような気はするのですが。^^
四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)より
4594056970
No.20:
(5pt)

説明どおりの内容でした。

説明どおりの内容でとても満足しています。
四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)より
4594056989
No.19:
(5pt)

説明どおりの内容でした。

説明どおりの内容でとても満足しています。
四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)より
4594056970
No.18:
(4pt)

期待通りでした

ほとんど新品同様でした。新書発売から大分経っていたのでお値段も納得でした。
四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)より
4594056970
No.17:
(4pt)

楽しく読めました

決まったパターンではありますが、個人的には上下巻とも面白かったです。
四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)より
4594056970
No.16:
(4pt)

毎度のパターンですが

レビューの評価はあまり高くありませんでしたが個人的には上下巻とも好きな作品でした。楽しく読めます。
四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)より
4594056989
No.15:
(4pt)

それほど悪くない

ひどい評価がおおいが、いつものように日常を忘れさせてくれる。

ハンターの「日本」への良い意味での偏愛を感じる。
四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)より
4594056989
No.14:
(4pt)

日本が舞台なので期待してました。

主役のボブリースワガーの映画になった作品も読んでいたので、主役の性格がわかっていたのですぐに作品に
溶け込みました。
四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)より
4594056970
No.13:
(4pt)

面白かったです。

日本が舞台で非常に良く外人が活躍しているのも面白かった、主役のボブリースワガーの作品は他のも読んでいるので
安心して読めた。
四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)より
4594056989
No.12:
(4pt)

スワガーシリーズのファンならば、読むべき

私は「極大射程」を座右の書とし、スワガーシリーズの大ファンを自認する者ですが、この「四十七人目の男」だけは、ボブがライフルではなく日本刀!を使用したり、日本の描写がかなり変だという予備知識があったのでどうしても読む気が起きませんでした。

 しかし、これもスワガーサーガのひとつであるならば、嫌でも何でもボブの生き様は見届けなければ!という義務感のみで読み始めました。そしていざ読んでみると…日本の退役自衛官なのになぜかファーストネームが英語の人が出て来るわ、訳者のせいか日本人同士の会話の場面なのに、外国人同士の会話を日本語訳したような変な言い回しは出て来るわ、さすがに「キルビル」程ではないけど「ブラックレイン」あたりで感じた脱力感に見舞われる場面もありました。それにハンターさん、日本人は「刀」と「忠臣蔵」にはそれほど思い入れは持っていませんよ?

 でも読むかどうか迷っているスワガーファンの皆さん!これは間違いなく読むべきです!舞台が日本でも、ライフルを使わなくても、ボブが真の男だということは何も変わっていませんよ!日本と日本人のメンタリティに対する変な描写はあるけれど、アドレナリン爆発の戦闘シーンは健在です。それに少しネタばれになりますが、ボブは最後に泣くんですよ!?私もつられて泣きそうになりましたが。爽快な読後感は、スワガーサーガ中、我が座右の書「極大射程」に次ぐものがありました。
四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)より
4594056989
No.11:
(4pt)

スワガーファンならOKでいいでしょう

舞台になっている日本について、作中の表現の仕方がお粗末と納得いかない読者が多いようですが、
当然のことながら作者は外国人であり外国に暮らしています。
その作者が時間の許す限り日本の風土や歴史について自分が納得いくまで探究したはずで、
その結果推敲されて誕生したのが本作だと思います。
S・ハンターのファンとして作者が日本に寄せる想いを組みとって、
スワガーファンとして完全無欠のアール&ボブ・リー・スワガーの痛快アクションを楽しめば、
これはこれでOKな作品だと思います。
四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)より
4594056970
No.10:
(4pt)

おいー!スティーブン・ハンターさん大丈夫すかぁ?

四十七人目の男、読了。

めっちゃけなしたい気分とこいつぁすごいもの読んじゃったよという気分が入り交じった複雑なアンビバレントな感じ。
確かに一部の日本描写はそれはもう、とてつもなく間違っている。毎日英字新聞のwaiwaiコーナーの反日誹謗記事問題?にからんでたライターを著者が全面的に信頼して情報ソースとしちゃっていたらしい…。
でもありがちなハリウッドのヘンテコ日本描写とも違い小説なので微に入り細に入り細かく描写していくのだが、それがなんだかなぁ…という感じなのでヘンテコ映画とも違ったクレイジーな味わい。その辺りのテイストレスなテイスト、おいらは結構気に入ったねー。

という上記のようなことにとらわれると今までのスティーブン・ハンター著作の中では最も駄目な作品でしょう。著作は全部読んでないけどね…。多分ね…。他にも確か初期の発表作にはイマイチな作品あったはずだけど。

で、上記なようなヘンテコ描写を面白いと受け取れれば、剣術の修行とか謎のヤクザ軍団との刀剣をメインの武器とした実戦とか有り得ないワールドのブッ飛び具合にも付いて行けるというもの。って大分スレてるというかヒネクレタ感想かもね。これ。

著者が日本映画(とくに侍映画)にドハマリして日本研究というか侍オタクになっちゃって研究しまくった挙句に書いちゃったのが本作、という事情らしいっす。本作冒頭の著者の謝辞も日本映画、侍武士映画の俳優陣から監督陣の錚々たる名前を並べちゃっているし…。
まぁ一種のトンデモ本の類、つっても間違ってないかもな。てか大丈夫かな?スティーブン・ハンターさんよぉ〜。

で、内容ですがボブ・リー・スワガー・サーガシリーズの一作、なのですが父アールの過去の秘密も。出だしは現代とアールの時代の時間軸がクロスして進むフラッシュバックで。その後現代の時間軸で進んでいく。一本の刀が歴史、国、、文化、家族を超えそしてそれに翻弄されていく人々。刀剣に関する描写も相当オタクっぽい。
四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)より
4594056970
No.9:
(4pt)

おいー!スティーブン・ハンターさん大丈夫すかぁ?

四十七人目の男、読了。

めっちゃけなしたい気分とこいつぁすごいもの読んじゃったよという気分が入り交じった複雑なアンビバレントな感じ。
確かに一部の日本描写はそれはもう、とてつもなく間違っている。毎日英字新聞のwaiwaiコーナーの反日誹謗記事問題?にからんでたライターを著者が全面的に信頼して情報ソースとしちゃっていたらしい…。
でもありがちなハリウッドのヘンテコ日本描写とも違い小説なので微に入り細に入り細かく描写していくのだが、それがなんだかなぁ…という感じなのでヘンテコ映画とも違ったクレイジーな味わい。その辺りのテイストレスなテイスト、おいらは結構気に入ったねー。

という上記のようなことにとらわれると今までのスティーブン・ハンター著作の中では最も駄目な作品でしょう。著作は全部読んでないけどね…。多分ね…。他にも確か初期の発表作にはイマイチな作品あったはずだけど。

で、上記なようなヘンテコ描写を面白いと受け取れれば、剣術の修行とか謎のヤクザ軍団との刀剣をメインの武器とした実戦とか有り得ないワールドのブッ飛び具合にも付いて行けるというもの。って大分スレてるというかヒネクレタ感想かもね。これ。

著者が日本映画(とくに侍映画)にドハマリして日本研究というか侍オタクになっちゃって研究しまくった挙句に書いちゃったのが本作、という事情らしいっす。本作冒頭の著者の謝辞も日本映画、侍武士映画の俳優陣から監督陣の錚々たる名前を並べちゃっているし…。
まぁ一種のトンデモ本の類、つっても間違ってないかもな。てか大丈夫かな?スティーブン・ハンターさんよぉ〜。

で、内容ですがボブ・リー・スワガー・サーガシリーズの一作、なのですが父アールの過去の秘密も。出だしは現代とアールの時代の時間軸がクロスして進むフラッシュバックで。その後現代の時間軸で進んでいく。一本の刀が歴史、国、、文化、家族を超えそしてそれに翻弄されていく人々。刀剣に関する描写も相当オタクっぽい。
四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)より
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No.8:
(4pt)

S.ハンター版「忠臣蔵」

狙撃手ボブ・リー・スワガー(Bob Lee Swagger)シリーズ第4弾です。書評を読むとこれがもう目を覆いたくなるほどの酷評。読んで良いものかどうかちょっぴり迷ってしまいましたが、シリーズの大ファンの私として読まないわけにはいかない、ハンター氏を信じて地獄まででもついて行くのだ、と本書を手に取りました。
 読んでみてどうだったか……。なんと”釘打ち師”「ボブ・ザ・ネイラー(Bob the Nailer)」の異名を持つ伝説の狙撃手に銃を持たせず、チャンバラをさせてしまいました。あぁ……、なんと言うか、やってしまいましたねーって感じです。(笑) つまり日本人が読むとディテールに違和感があるんですね。日本を舞台にしており、侍をテーマに日本人の精神世界にまで入りこんで書かれているだけに、当の日本人にすれば「それは違うだろ!」とツッコミを入れたくなるところがたくさんあります。加えて、日本人以外の読者に読ませることを前提にしているので、やむを得ないことながら、日本特有のものについてはくどくどと説明がついてくる。例えば207Pの文章に次のような一節がある。

  敵が、刀の血をはらう儀式的な行為、血振りをしているのが見え、
  そのあと、修練を積んだことを物語るかろやかな動きで、
  刀を鞘におさめる儀式的な行為、納刀をするのが見えた。

これをもし日本人向けに書くならシンプルにこう書けば済む。

  敵は血振りをすると刀を鞘に納めた。

 これは訳者が悪いのではない。訳者は出来るだけ原文に忠実に訳すことを心がけたに違いないのだから。では、ハンター氏がなぜこのようなくどい表現をしたかといえば、日本人以外の読者にはこのような書き方をしないと解らないからだということは明らかであろう。日本オタクで時代物映画を熱心に観ていればともかく、普通の外国人は人を斬った後血振りが必要なことなど知らないし、納刀の際の儀式的な動き、すなわち、左手を鞘の口に添え、鍔に近い刀の背を左手に当て、その刀を左手の上を滑らせながら切っ先まで引いて鞘に納める一連の動作を思い描くことなど出来ないからである。
 そのような違和感を我々日本の読者に感じさせはするが、そこには目をつぶって読み流し、むしろハンター氏の持つ「侍あるいは日本人の精神世界に対する畏敬の念」を感じながら物語を読み進めると良いでしょう。実際にハンター氏は多くのサムライ映画を観ているようです。ハンター氏による謝辞にも、氏が最近のアメリカ映画のていたらくを嘆き、サムライ映画『たそがれ清兵衛』を賞賛するくだりがある。本書を読めば、氏が日本的なものにかなり傾倒していることがありありと判ります。本書は「スティーヴン・ハンター版・忠臣蔵」です。黒澤明監督の『七人の侍』をジョン・スタージェス監督が『荒野の七人』としてリメイクしたように、ハンター氏はボブ・リー・スワガーを主人公にしたサムライ映画を作りたかったに違いありません。我々は『荒野の七人』を観るように、この小説を楽しむべきなのでしょう。 


四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)より
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No.7:
(4pt)

日本で活躍するガイジンの話としてはいいと思う

孤高のスナイパー、ボブ・リー・スワガーが日本にやってきて敵を相手に日本刀で立ち向かう。この設定は、当サイトのレビューで散々な批評をされていますね。多くは、日本の描写はありえない。現在の実情と違う、イメージしているボブ像が壊される。など、駄作と酷評されています。

私自身このシリーズは冒険小説で設定や敵役キャラクターなど今までもけっこう荒唐無稽なキャラがわんさか出てきたように思いますが。そこで舞台が日本になるとどうしてみんな過剰に拒絶してしまうのでしょうか。見たことのない世界についてはどんなに荒唐無稽でも楽しめて、知っている世界(日本)でのことには現実との整合性に執着するメンタリティはどこから来るのでしょうか。また、知っていることとは?客観的な事実とは?日本の現状認識は私たちは主にマスコミュニケーションに、またそれの監督機関にずいぶんと歪められて伝えられていると私は考えています。それらの情報源をもって事実と感じていること自体が歪んでいるとは思いませんか。

生活経験のない地域(特に海外)を舞台にしたり、過去の歴史的事実を描写するに当たっては、参考資料を参照することは大切なことですが、その上で著者の主観が介在することはごく普通のことだと思います。以前に似たような本を読んだことがあります。ウルトラ・ダラー (新潮文庫)こちらは長期間海外で暮らしていたジャーナリストが、日本を舞台に日本で活動する海外のスパイに関するものなのですが、印象はむしろ本書と逆でした。日本に関する描写に大きな間違いはありませんでした。やはり情景描写が詳細なのですが、単なる情報のの羅列で表面的でした。日本文化への愛については本書の方がはるかに高かったです。小説として本書の方が圧倒的に優れており私なら本書の方が数段面白いと思いました。

四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈下〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-15)より
4594056989
No.6:
(4pt)

忠臣蔵+新撰組+巌流島

銃に関する薀蓄がすばらしかった「極大射程」のS.ハンターが
今度はサムライ活劇に取り組むと言う事で、
さぞかし日本刀に関する薀蓄が盛り沢山だろうと期待して読んだが
やはり日本刀についての記述は、良く調べられていて期待通りだった。
日本の文化や風俗については違和感を覚えるところも沢山あったが、
基本的に日本に対して敬意を払っていると感じられたので、読んでいて不愉快にはならなかった。
ただ、歴史に関して幕末期に徳川幕府と朝廷が単純に
覇権を争っていたかの様な誤解があると思われたのでそこの所は指摘しておきたい。
でも全体として突っ込みどころも含めてとても楽しめた。
(突っ込みを入れながら読むのが本書の楽しみ方では?)
サムライ活劇としては、忠臣蔵+新撰組+巌流島といったところだろうか。
あとがきによれば、S.ハンターは時代劇を見まくったらしく、
あれもこれも入れたくなってしまったのだろう。
自分も昔のチャンバラ映画が見たくなった。

四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)より
4594056970
No.5:
(4pt)

私はこれはこれでいいと思う

ある意味、外国が舞台の設定小説では、いかに自分の国の文化と異なるエクセントリックさが感じられるかが売りになる。

この小説では、つまりアメリカ人から見ての日本文化。率直に言ってしまえば、日本人から見ても異様な絵がかれ方(笑)

しかし、なぜこのような小説において(例えば映画のブラックレイン、ベストキッド、ワイルドスピード3しかり)描かれる日本が変だという理由だけで評価が下がるのだろう?

なぜ、単純にエンターテイメントとして読めないのだろうか?

誤解を恐れずに言えば、今回、ハンターがテーマにしたこの題材で、現代日本を正確に描ききったところで何が面白くなるというのだろうか?

私は、フィリップ矢野やその奥さんのスザンヌの名前が出たときにも、笑わずに我慢できたし、それはそれで良し、と読み進めていたのだが。

それになにより、著者の武士、侍に関する知識は相当の勉強の賜物だろうと読んでいて関心する。ハンターの今作を批判している読者のなかに、彼より忠臣蔵に関して詳細を述べられる人はそう多くないと思う。日本刀の年代による部位の違いなどは、日本でもそこらへんで簡単に手に入る書物では詳しく書かれていないが、それを見事に網羅している部分にはうならさせられた。

剣術が一週間で上達するのが不自然、とはいうが、いいではないか…格好いいから(笑)…

ぜひ、主人公は日本のパラレルワールドに来たんだと思って読んでほしい。日本が正確に描かれているかどうかなど、この小説がもたらすエンターテイメントにかんがみて何の問題があろうか…

確かに、スワガーシリーズとして読むと、ボブの態度があまりに丁寧すぎて、日本人を問答無用に崇拝しているような姿勢が不自然ではあるし、とてもベトナム戦争帰りとは思えない戦法で敵を倒すあたりはコメディ的ですらあるが……

最後に、今作品に関して、非常に「参考になった」の投票が偏っているのがわかると思う。どうやらハンターの熱狂的読者が、肯定的なレビューに対して「参考にならない」を入れているようだが、レビューとはあくまで個人の感想であり、それが参考になったかならないかは、レビューに対して「賛成か反対か」ではないということを、ハンターファンである私からも、ぜひ自重願いたい。


四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)より
4594056970
No.4:
(4pt)

思ったよりずいぶんマシ

まあマシです。思ったよりは。
居合道経験者として見てもまあそれほど間違って無いです。

ちょーっと日本人を持ち上げすぎなのと、登場する日本人が
もれなく英語をしゃべれるのはしょうがないとはいえ、リアリティに欠けます。
細かい事ですがw

肝心の「なぜアールは名誉勲章受賞時に泥酔してたのか?」
って謎が大した理由じゃないのでガックリw

交流を持つ日本人一家が非常に魅力的に書かれて、剣道の師匠と同じく
感情移入できます。その辺の書き方はうまいですね。

ハンターの本は非常に翻訳家の文体ととマッチしてて実に読みやすくて良いです。

最後に一つだけ。
ハンターがアホなのか、翻訳者がジジイなのか、編集者が間抜けなのか
わかりませんが、「22R400」って誤訳だけは許せん!!!!
「ZZR400」だ!大馬鹿野郎!!!!








四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)より
4594056970
No.3:
(5pt)

色んな意味で驚きの作品

まさかあのボブ・リー・スワガーが日本刀を振り回すとは誰も想像していなかったし、一部日本人ファンにとっては脱力ものかもしれない。まさかスティーヴン・ハンターがサムライオタクになろうとは誰も思ってなかった。わたしも手にした時にとても驚いたし読む前に不安だった。
ハンターは元々はワシントンポストの映画批評家だけれど作者あとがきにて以下のように書いている。

 <ちなみに言えば、本書を執筆することになった根源は、アメリカ映画が新たな”低み”に達したために、職業的映画批評家としてのわが人生にふさぎの虫が巣食ったことにあった。その泥沼のなかで、わたしは山田洋次監督の『たそがれ清兵衛』を観て、即座に復活した。そして、それがもととなって、サムライ映画を観まくる二年間を送ることになり、その妄念は最終的に、大名や旗本などが生きた時代に材を取ってのサムライ小説を書くというアイデアに結実した。多数の映画を観ただけのガイジンがその時代に材を取った小説を書くというのは、しごくまっとうなアイデアではないと認識できるくらいの頭はあったので、----『サムライ回顧録』のようなものになってしまう?----サムライにまつわるあれこれや戦いの様式を、アメリカ流のスリラー小説の形式に融合させる方法をひねりだすべく、あがくこととなった。(p355-p366)>

要するに、アメリカ映画の低迷によるスランプに陥った作家ハンターが、日本のサムライ映画を観たことで救われ、サムライ映画を観まくり、サムライオタクに変身し、遂にこの作品を書いてしまった。ということです。なんと無謀なと思わず笑ってしまいそうですが、逆にわたしは、そんなハンターが愛しく思います。スワガー・サーガの中では作品としてどうかなという内容であっても、ハンターの情熱はすごい。映画もそうだけど、作り手の情熱や想いって伝わってくるものだと思ってるし、実際感動した。それこそ今のアメリカ映画に欠けているものじゃないのか。本人も多分まずいと分かっていても書いたんだと思う。射撃の世界と刀の世界は、全く違うようでいて似ているものだし、Sハンターがサムライに惹かれるのも理解できる。

四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)Amazon書評・レビュー:四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)より
4594056970

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