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傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを



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傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーをの評価: 4.04/5点 レビュー 28件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.04pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全28件 1~20 1/2ページ
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No.28:
(5pt)

昨日のことなんて、とっくに忘れたよ。男には明日が一日だけあれば良いんだ。

三十何年か前、逆らって逆らって生きていた風に屈服し、東京を離れた。風に追われるまま日本を出てアジアを渡り歩き、ずっと我が身を風にまかせてきた。
そして今、小暮修は東京都下、埼玉県の方がずっと近い町にある公園に居た。
「あああッ! 目が覚めなきゃ良かったのに」
五回に一回はそう思う。
宿無しがすっかり板についた五十男。
段ボールハウスにビニールシートの屋根。そのシートの寝床の真上に当たる場所には、まだ四歳だったひとり息子、高倉健と菅原文太から一字ずつ取って名付けた健太がクレヨンで描いた「おとおさんのえ」が貼られていた。今のオサムにとって大事な物はその絵くらいなものだった。

ホームレス仲間のドーゾが荒川土手で半死半生で発見された。
捜査本部が立った。警察署長が人権派の市長の顔色をうかがったお陰だ。警視庁から刑事も出張ってくると言う。
桜田門と聞いた時、オサムは心臓が止まりかけた。
「アキラ」思わず口をついて出た。
風が変わったんだと思った。
ここからまたどこかへ、また流れていけと風が吹いている。

ドーゾはどうやらオサムと間違われて襲われたらしかった。ホームレス仲間がその場を目撃していたのだ。
手掛かりはオサムを訪ねて来た外人らしい男二人が乗って来たベンツRクラスのナンバー。
歌舞伎町の闇金がそのナンバーの持ち主と知れた。
オサムは、アキラが死んだあの日から遠ざかっていた新宿に舞い戻った。
帰ってきたぞ。とうとうここへ戻ってきた。別に恋しくなって帰ったわけじゃない。用ができたから仕方ない。筋を通すためだ。上手くすれば金にもなる。一石二鳥ってやつだ。いや、肝心なのは金じゃない、筋の方だ。

本書の発刊当時、暫く小説という媒体から遠去かっていた私が思わず手にしたのは何故だったのだろう。
たまたま書店で目にしたのは間違いない。目に付いたのは、タイトルか? 作者の名か? 果たしてどちらが先だったのか。いずれにしても、他の小説家の書いたものだったら読む気になっていたかは非常に怪しい。
あの『傷だらけの天使』を矢作俊彦が?
迷わず私は、本書をレジへと運んだ。

『傷だらけの天使』は、ご存じの方も多いだろうが、1974年10月5日から1975年3月29日まで全二十六話が日本テレビで放送されたテレビドラマだ。
主演は萩原健一、弟分の役は水谷豊。実験的な作りが際立つ、伝説のドラマ。
1997年に公開された映画もあったが、全く別物として新規に製作されたもので、『傷だらけの天使』のムードを念頭に観に行ったら見事に裏切られた。わざわざどういう意図で作ったの? と首を捻らざるを得ないものだった。
対して、本作は続編だ。あの最終回から三十年以上を経たオサムたちが描かれているのだ。
しかし、なんで矢作俊彦が?
何はともあれ、読んでみると面白い。やたらめったら面白い。久し振りに接した矢作俊彦の筆力に、疑問はそっちのけにして、どんどん読み進めさせられた。
オサムたちを紙面の上で活躍させること自体を愉しんでいるに違いない。文面からそう感じ取れた。そうか。ただ単に書きたかったんだね、矢作俊彦は、兎に角、あのドラマのその後を。

巻末には、快く許可してくださったテレビシリーズ原案者市川森一氏、また主演の萩原健一氏に感謝します、とある。
どうやら正当な続編として認められていると捉えて良さそうだ。と言うか、それほどの力作、傑作と思えるのである。
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No.27:
(5pt)

楽しく読みました。

奇想天外で楽しかったです。
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No.26:
(4pt)

小ネタがいっぱい

冒頭からドラマオープニングのパロディシーンで始まり、エメラルドビル(おぉエメラルド)や、逃走中に豆腐屋の後家さんのところに転がり込んでいた(直次郎!)等、ショーケンファンならピンとくる小ネタがてんこ盛り。そしてアキラ亡き後、歳月を経て老いた修のバディは、地味で堅実な生き方を選びながらも修に憧れる、若いファンの分身のようなシャークショという男。私自身ショーケン伝説をリアルタイムで知らない世代で、ほぼネットとDVDを頼りに「学習」した後追いファンなので、シャークショに自分を投影しつつ修と21世紀の新宿を駆け回るヴァーチャル体験が出来て楽しめた。
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No.25:
(1pt)

別物。。。

設定に無理があり過ぎ。。
ただの作者の願望と妄想。
ファンなのは気持ちはわかるけど当時のシナリオライターには及ばない。
仲間と飲み屋で、俺がその後を書くならこうすなってレベル。 誰しもが思っても公に発表するのはやめてほしい。市川森一でさえ発表しなかった。
本当のファンだったら放送された作品を大切に
してほしいと願う!
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No.24:
(5pt)

ショーケンはカッコイイ!

今でも色あせないドラマ。本購入で、コンプリート。いつまでも大切にします。
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No.23:
(5pt)

あの頃を思い出し、懐かしく切ない気分に浸れまくります。

もうね、テンポの良さと、傷天フリークにはたまらないエピソードの連続で
読み始めたら止まらない。
修ちゃん(ショーケン)の台詞部分が全てあの声となって聞こえてきて
頭の中では勝手にシーンごとのサウンドトラックが響く
アキラ(水谷豊)を思い出すシーンでは、思わず目頭がアツくなり
「んふふふーん、アニキよォ~」とポマードたっぷりで頭を撫で付けたアキラが浮かんできて
綾部さん(岸田今日子)のバックにはマヅルカが流れ
ムーミンなのにムーミンじゃないあの声で
「アタシが修ちゃんをそんな目に合わせると思う?」みたいなね
なんつーかリアルタイムでこのドラマを見ていた、あの頃に意識が飛び
胸の内から込み上げてくる、あの懐かしいような切ないような気分になる

昭和30年代生まれだったら観てたでしょ?
したら、これを読んで損はないと思うよ
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No.22:
(5pt)

面白かったです。

テレビドラマの方は気になりつつ未見のままで、有名なOPだけネットで何度か観ながら
世界観や物語を想像していたところ、当作品を手に取り読んだ次第です。
矢作氏の作品が好きなので物語の面白さあいまって楽しめました。
会話中心なのでスラスラ読めるのもありがたかった。
こりゃあ、テレビドラマも観なくちゃなと思いました。
黒幕の素性は、ページなかばまで読めば大抵の読者はピンと来るように
書かれているけど、それで面白さが損なわれるという事はないので
繰り返し読んで楽しめる物語ですね。
あと些細なことですが、自分は卵入りのおじやが好きなので、いいなあと思いました。
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No.21:
(3pt)

んー、読まなかった方が良かったかも

テレビドラマのインパクトが強すぎるような。活字ではおさむちゃんが伝わりにくいような気がします。
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No.20:
(1pt)

期待しすぎました

レビューの評価が高かったので期待して読みましたが、期待はずれ。
原作大好きなもので、本当に残念。
ショーケンの修はこんなオヤジにはならないでしょう。
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No.19:
(4pt)

ドラマ(の延長)のノベライズを素直に期待しちゃうと・・・

ある意味、裏切られます。

定職に就けない性格のために、ある意味底辺のその日暮らしをしていた
あの頃から30有余年・・・。いよいよ底辺の生活に身をやつしている修。

この作品の評価は分かれるでしょうね。かつてのTVドラマのファンで、
「違和感」を覚える方も当然いらっしゃるでしょう。

その原因は50を越えた修の姿の設定にもあるでしょうが、「推理小説」、
あるいは「アクション映画」のような物語にもあるのではないかと思います。
「1時間ドラマ」では、最初からある程度設定が見えていて、それに登場人物が
絡んでいく様を見るわけですが、この作品は「一体何が起こっているのか?」を
修と一緒に解き明かしていく展開になっています。かつてのTVドラマに
「人間ドラマ」としてシンパシーを感じていた方ほど、「これは登場人物の
名前だけ借りた別物」と拒否反応を示すかもしれません。

しかし、読み物として素直に読めば中々に楽しめると思います。私はほとんど
一気に読み終えてしまいました。70年代の香りに「今」を巧みに絡め、
年を取ってしまっただけでなく世の中から取り残されてしまっている修と、
対照的に時代の最先端を「歪んだ形」でイっている登場人物たち。
それに時事問題からTVドラマに登場した様々なアイテムまで散りばめられ、
巧妙なプロットに感心します。挙句にドラマでは未回収のままになっていた
エピソードの後日談まであったりして。(何でホームレス生活の修が、50を越えて
そこそこの体力を維持しているのか?などツッコミどころはもちろんありますが w)

私はTVドラマをリアルタイムでは見ておらず、再放送デビュー組ですが
(確か夕方やっていたような・・・。考えてみれば、よくこんなものを
子供の見てる時間にやっていたもんです。すごい時代だったな〜 w)、
現在とあの「ドラマの風景」としての新宿が交互に脳裏に浮かび、すっかり
引き込まれました。(車で走るシーンの描写なんかが多いので、あの辺りの
地理や風景の変わり具合を知っている人の方だと、より感情移入できるというか、
物語に入り込みやすいでしょうね)

因みに、「映画化の話はこのストーリーとは別物だった」とあとがきで川島透さんが
明かしていますが、紹介されている話が本当なら、流れてよかったと思います。w
ストーリーはこの小説の方が断然いいです。(SMAPにはキッパリ大反対!)

まあ、超個性派の2人の岸田さん亡き今、どうやったって旧来のファンからは文句が
出るでしょうから、それぞれの胸の中で50を越えた修の、それでも世の中に迎合しないで
生き抜いている姿を、想像だけしているのが一番なのかもしれません。
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No.18:
(5pt)

恐るべし、矢作俊彦。

オマージュとか、トリビュートとか、リメイクとか、苦手だ(、でも読んだり聴いたりするけど)。
30年後の小暮修? 見たくない、読みたくない。でも、矢作か・・・。読んじゃうよね。

「傷だらけの天使」は私よりちょっと上の世代が見てたTVドラマで、オープニングシーンやショーケン・水谷豊コンビに憧れはあったけど、個人的にはそんなに思い入れはない(、「探偵物語」世代なんです)。それでも、本書を読んでいくとDVD買っちゃおうかな、と思う。あの役は誰やってたかなぁとか、当時の新宿ってどんな感じだっけかなぁとか。矢作さんもかなり細かく原作や当時の風俗をチェックしたんじゃないかな。

でも、本作の魅力は、「傷だらけの天使」の30年後の世界を描き出しつつ、なおかつ矢作俊彦の小説世界になっていることだろう。しばらく離れているうちにすっかり変わってしまった日本、じわりじわりとヘンな方向に進んでいく政治や社会、うまく自分を表現できない登場人物、ここではないどこかへ行こうとする主人公。どうにも収まりの悪い世の中で自分を変えることもできず/せず、自分の居場所を探す。あきらめているかに見えて、ぎりぎりのところで自分を捨てきれない、怒りを抑えきれない。

修ちゃんのショーケン的セリフ回しと地の文での矢作さんの比喩とが意外にマッチして、物語の展開が速く読みやすく、ぐいぐいと引っ張ってくれる。
修ちゃんの亨への想いや、綾部貴子の変わらぬキャラ、息子健太との関係など、「傷だらけの・・・」の後日譚としてだけでも面白い小説になっている。それに加えて、ガイジンだらけの新宿、ネット社会といった現実に根ざした破天荒なドラマ作りは「ららら科学の子」や「あ!じゃぱん」に通じるものがあって、ただの後日譚に留まっていない。おそるべし矢作俊彦な作品に仕上がっておりました。
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No.17:
(4pt)

♪チャチャチャチャチャラララ・・

修ちゃんの30年後。読んでいる間ずっと、あのテーマ曲がアタマの中で鳴り続ける、ということは、世界観が見事に描けているんだろうな。
無理無理な設定も、テレビと比べればかわいいもので、大人びた設定にドキドキしながら観た中学時代を思い出す。そういえば矢作俊彦ってその昔、月刊プレイボーイでハードボイルドななんか書いていたんじゃなかったかな。
呼んでいる自分が若くなる秀作です。
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No.16:
(1pt)

想定された読者層は老人?

完全に表紙に内容が負けています。テレビ版のスタッフに謝れって感じ。
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No.15:
(1pt)

最近のハヤリを書いただけ

最近はやっている物を書き並べただけ、我慢して最後まで何とか読み終えたが、「傷だらけの天使」を名乗って欲しくない。

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No.14:
(5pt)

木暮修が帰ってきた!

木暮修が帰ってきた・・・

名ドラマ「傷だらけの天使」の最終回から30年以上すぎて書かれた本「傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを」とうとう読んだ。
もちろんドラマはリアルタイムで見てなくて20歳すぎてから見たんやけどショーケンのかっこよさにしびれまくりました。
最終回で水谷豊演じる弟分アキラが死んでから世界を放浪してた修はいまや50代なかば、日本でホームレスをしていた・・・というところから話は始まります。

とにかくセリフの一言一言が(当たり前だけど)木暮修なのでドラマの続編を見てるみたいな感じになってそれだけで十分面白いです。
俺の好きなセリフ「おだてんなよ」も何回も出てきます。

なんとかぜひ、今のショーケンで映像化してほしい!
あのかっこ悪くてかっこいいショーケンをもう1回見たい!!!
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No.13:
(1pt)

まさに団塊オヤジの“ハードクインロマンス”・・・・・。

『傷だらけの天使』のあの自己憐憫的ロマンチスズムはあの70年代、当時20代前半だった修と享だったからこそカッコ悪くもカッコ良かった。
彼らは“街のチンピラ”で“街の斬られ役”だったが、彼らの中だけでは“主人公”で、だからこそ情けなくも美しかった。
翻ってゼロ年代も終わろうとする今、還暦迎えたオヤジが無理やり昔みたいに「街の主役」になろうとせんとすると・・・・・正直、ツラい。キツい。寒い。
なぜ、そんなにいまどきの若者を「ライバル視」するんだろう?
いまどきの若者だってすぐオヤジになるのにね。

まさに、団塊世代の“かっこわるいことがかっこいいんだよ”的な妄想小説で、
まさに、“オヤジ慰撫史観まるだしのハードクインロマンス”だけど、
本当にこんなので癒されるかなぁと思う。


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No.12:
(5pt)

面白かった。実に面白かった。

面白いと評判で、夏前に買ってからずっと寝かせていたのは、楽しみは後にするのが好きであるからだ。
師走になり、我慢できずに手に取ったら1日で読み終えていた。
面白かった。実に面白かった。

思うに、かつてのテレビ人気番組の「〜〜年後のドラマ」というシリーズはできないものか。



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No.11:
(5pt)

「気分はもう戦争3」として読む

エンタテインメントというのは、こうでなくちゃ。

74年から75年放映の伝説の番組「傷だらけの天使」の後日譚であるが、元のテレビドラマについては、何も知らなくても楽しめるようになっている。元番組に愛着があると、逆に本書の展開(矢作節)には、あるいは違和感を覚えるのかもしれません。

今やホームレス(本人は宿なしと言っている)となった、綾部探偵事務所のかつての調査員、小暮修が段ボールハウスで目覚めるところから物語は始まる。今や、賭けゲートボールで端した金を稼ぐことが当面の関心事だ。しかし、その彼のゲートボール仲間が、彼と間違われて連れ去られたところから話はどんどん転がっていき…。

単純な復讐譚と思われるストーリーはとんでもなく大きな方向へどんどん展開していく。後日譚のお約束もきちんと守られ、読む楽しみを増している。新キャラクターであるシャーク・ショや澪も実に生き生きと、かつての登場人物たちとよく絡んでいます。

でも、『傷だらけの天使』ファンにというよりも、矢作俊彦ファンにこそ、進めたい作品と言えます。もっと言うと、あの名作『気分はもう戦争』のファンに一番強く強く勧めたい作品です。

70年代末の国際情勢を思い切り鋭角に切り取って、連載漫画というフォーマット(「週刊漫画アクション」!)で描いた『気分はもう戦争』を30年後の08年に蘇らせた作品がこれだからです。

ヤハギ・レトリックが存分に味わえます。私のお気に入りは、次の二つ。

「彼の額には深いシワがいくつも刻まれ、今では”宇宙水爆戦”の化け物ミュータントと言うより、ヒビが入って捨てるしかない李朝花瓶みたいだった。」
「玄関脇の洋室はスチールの棚にいくつもの装置が並び、まるで”ゴジラ”に出てくる芹沢博士の部屋みたいだった」

そうそう、要のシーンのルトガー・ハウアーの引用も決まっていました。

『気分はもう戦争2』という失敗作(だと私は思っています)は、なかったことにして、こちらを続編として強く推します。星10個級。
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No.10:
(5pt)

是非、ショーケン(萩原健一)主演で見たい21世紀の『傷だらけの天使』

ヘッドホンにゴーグル姿のショーケンが、やおら起き出して冷蔵庫に行き、取り出したトマト、コンビーフ、クラッカー、魚肉ソーセージに貪りつく象徴的なオープニング!
 情けないがカッコイイ"男の美学"が支持され、今なお熱狂的なファンから支持され続けている伝説のドラマ『傷だらけの天使』(1974・10・5〜1975・3・29)。本書は、まさに小暮修と同世代(団塊世代)のカリスマ作家・矢作俊彦氏により、21世紀に蘇った『傷だらけの天使』である。

 ――金脈問題での田中角栄首相の辞任、長嶋茂雄、ハイセイコーが引退したあの時代、「兄貴ィ〜」と慕われた弟分・アキラの死から30余年―― 未だにアキラの面影をどこか引きずりながらもホームレスの身に成り果てた50代の小暮修が、ホームレス仲間の死をきっかけにある事件に関与し、かつて聖地としていた“新宿”に戻ってきた。

 本書は、変わり果てた新宿(=東京)を舞台に半ば“浦島太郎”状態となって現れた小暮修が事件を追い、携帯電話、PC、インターネットといったハイテク機器に悪戦苦闘しながらも外国人とIT長者が支配する闇の裏社会に立ち向かう姿が描かれており、世の中の変化や年齢を重ねても30余年前のあの時と何も変わらないオサム自身に読んでいて心地よさを感じさせる。
 他にもオサムを「社会復帰プログラム」で更生させようとつきまとう市役所員・シャークショや同じくオサムに付きまとう謎の女子高生・澪、またドラマでも異様な存在感を示した探偵事務所々長・綾部貴子(岸田今日子)とその腹心・辰巳五郎(岸田森)がオサムの前に登場し、かつての視聴者にとっては大変喜ばしい内容となっている。

 本作は元々映画化を前提として書き下ろされた作品であるが、岸田今日子氏(2006・12・17逝去、享年76歳)の急逝により企画が頓挫してしまった事が残念でならない。できれば、ショーケン主演で現在の小暮修を是非見たかった。


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No.9:
(5pt)

岸田今日子が亡くなっているのがいたい

すべての人生に終わりがあるように、終わらない物語はない。読み終えるのがこれほど惜しい本は無かった。
永遠に終わらない物語が無いならば、せめてもの望みは映画化だ。
ドラマシリーズの何人かは鬼籍に入られたが、俺たちにはショーケンがいる。
シャークショは妻夫木君が意外といいんじゃない?
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