パラサイト・イヴ

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評判

パラサイト・イヴの評価:

3.29/5点 レビュー 78件。 B ランク

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平均点3.29pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全66件 21〜40 2/4ページ
No.46
(3pt)

新潮文庫本のあとがきがについて。

1995年に日本ホラー小説大賞を受賞した本作について、映画は観たものの全く面白くなかったので現在まで原作はスルーしていた。
最近知った所によると、発売当時本作はSF読者や評論家等から激しいバッシングを受けたと聞く。「これはSFではない」とか、「幼稚なアニミズムだ」とか。
ホラーつってるのにどうしてそんな非難があったんだろうかと今更ながら読んでみた。
ああ、なるほど。これは確かに面白いけど非難はあるかもなあなんて思って、レビューでは批判的な意見を書こうとかと思ってたんですが、あとがきを読んでそんな気が失せました。
この文庫版は2006年に出ています。即ち本作が発表されて11年経っているわけです。なのにこの新潮版のあとがきではあの時の恨みつらみがたっぷりと述べられています。
異様だなあと思ったのは、パラサイトイブ関連の記事を著者がパラサイトイブに対する評価毎に分けてグラフ化してる事。
「絶賛している」「褒めている」「普通」「あまり褒めていない」「けなしている」「様々な意見」と言う風に。
あれから11年にも経ってるのに何?その粘着質なグラフ。
本人にとってそれは、自分の作品に対するバッシングを冷静かつ客観的に見つめるためのアプローチなのだろうが、傍から見ると正直病気である。全部チェックしてたの?
その後も、「~に~と言うバッシングを受けた」とつらつらと愚痴が並ぶ。大人げないなんてものではなく、背筋が寒くなるレベルだ。繰り返すが11年も前の話なのだ。
特に著者が許せないのが読者を馬鹿にする評論家らしい。どの雑誌の何月号で誰がどういう事を言ったのか一字一句記されています。多分これは死ぬまで覚えてる気だろうなあ瀬名先生。
まあ、気持ちは分かるが、そんな評論の一つ一つを一々相手にしていてはそりゃあ炎上するだろう。この新潮版のあとがきを読んでいると、パラサイトイブが炎上したのは作品のせいではなく本人の性格のせいではないかと思えてくる。
著者は現在日本SF作家クラブともめてるらしいが、この難儀な性格では何処へ行っても揉めるだろう。
幸いだったのは、このパラサイトイブが生まれたのがネットが普及する前だったという事だ。もしパラサイトイブが生まれたのが現在で著者がTwitterでもやった日には、批判の一つ一つに徹底的に反論して、ネット民の玩具になっていただろう。
本編ではなく、あとがきの感想になってしまっているが、この本は正直あとがきがメインな気がしないでもない。それに本編に対する感想なら他の人が散々しているであろうし。
角川版のパラサイトイブを読んだ人間でも、このあとがきを読むためにも新潮版を買ってみて欲しい。瀬名先生の驚きのめんどくささが分かるはずである。
パラサイト・イヴ Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴより
4048728628
No.45
(3pt)

後半から一気に面白くなる

術語のたたみかけ(職業モノの味)は僕も大好きだけれど、さすがに多いのでしばしば斜め読みになった。

緻密というより堅牢。
前半と後半のボリューム感・スピード感のバランスが良くない気がする。
あと、「細胞」の描写は非常に細かいのに対して、「女性の美しさ」とかの表現は平板、というバランスの悪さも感じた。

再移植を拒否する理由となったエピソードが弱くて、納得しがたい。
パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫)より
4043405014
No.44
(3pt)

後半から一気に面白くなる

術語のたたみかけ(職業モノの味)は僕も大好きだけれど、さすがに多いのでしばしば斜め読みになった。

緻密というより堅牢。
前半と後半のボリューム感・スピード感のバランスが良くない気がする。
あと、「細胞」の描写は非常に細かいのに対して、「女性の美しさ」とかの表現は平板、というバランスの悪さも感じた。

再移植を拒否する理由となったエピソードが弱くて、納得しがたい。
パラサイト・イヴ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴ (新潮文庫)より
4101214344
No.43
(3pt)

後半から一気に面白くなる

術語のたたみかけ(職業モノの味)は僕も大好きだけれど、さすがに多いのでしばしば斜め読みになった。

緻密というより堅牢。
前半と後半のボリューム感・スピード感のバランスが良くない気がする。
あと、「細胞」の描写は非常に細かいのに対して、「女性の美しさ」とかの表現は平板、というバランスの悪さも感じた。

再移植を拒否する理由となったエピソードが弱くて、納得しがたい。
パラサイト・イヴ Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴより
4048728628
No.42
(3pt)

恋愛小説

映画を見てから読みました。
映画より深いところまで描かれているのでいろいろ納得。
ホラーというより恋愛もの?
パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫)より
4043405014
No.41
(3pt)

恋愛小説

映画を見てから読みました。
映画より深いところまで描かれているのでいろいろ納得。
ホラーというより恋愛もの?
パラサイト・イヴ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴ (新潮文庫)より
4101214344
No.40
(3pt)

恋愛小説

映画を見てから読みました。
映画より深いところまで描かれているのでいろいろ納得。
ホラーというより恋愛もの?
パラサイト・イヴ Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴより
4048728628
No.39
(3pt)

専門性は高いが、ホラーとしてはもう一つ

あまりにも有名なタイトルですがゲームの印象が強く、つい最近まで原作があったとは知りませんでした。ホラー大賞受賞作でもあるとのことで手に取りました。
一言で言えばミトコンドリアの反乱を描いた作品。こう書くとミトコンドリア?(笑)となりそうですが、人体におけるミトコンドリアの役割については作中でじっくり解説してくれるのでその方面に疎い方でも問題ないでしょう。心霊系の話ではありませんが、SF色が強いです。そして人類誕生以前まで話は遡るのでけっこう壮大な内容でした。
進行は非常にゆっくり。ところどころ奇怪な現象は起こるものの、物語が本格的に動き出すのは全体の2/3を過ぎてから。それまで延々と登場人物紹介みたいなものが続きます。終盤は引き込まれてどんどん読めますが序盤・中盤は正直めちゃくちゃ退屈です。関連する知識はすべて書かないと気の済まない作家なのか、移植手術や細胞に関してのあれこれなど小説として省いても問題ない部分まできっちり書くので読んでいてやや疲れる。それを踏まえて読むことをお勧めします。
著者は学者の方ということで、それも頷ける専門性の高い文章を書かれます。かといって読みにくいということもなく正直好きな文体なのですが、これは実用書ではなく小説なのだから省略するところは省略してテンポよくしてくれれば☆4相当でした。ストーリーは大味で決着のつけ方もなるほどと思わせられる分そこが本当に惜しかったです。少し暗雲を残す終わり方はこれぞホラーという感じで好き。総括して☆3かな。
パラサイト・イヴ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴ (新潮文庫)より
4101214344
No.38
(3pt)

専門性は高いが、ホラーとしてはもう一つ

あまりにも有名なタイトルですがゲームの印象が強く、つい最近まで原作があったとは知りませんでした。ホラー大賞受賞作でもあるとのことで手に取りました。
一言で言えばミトコンドリアの反乱を描いた作品。こう書くとミトコンドリア?(笑)となりそうですが、人体におけるミトコンドリアの役割については作中でじっくり解説してくれるのでその方面に疎い方でも問題ないでしょう。心霊系の話ではありませんが、SF色が強いです。そして人類誕生以前まで話は遡るのでけっこう壮大な内容でした。
進行は非常にゆっくり。ところどころ奇怪な現象は起こるものの、物語が本格的に動き出すのは全体の2/3を過ぎてから。それまで延々と登場人物紹介みたいなものが続きます。終盤は引き込まれてどんどん読めますが序盤・中盤は正直めちゃくちゃ退屈です。関連する知識はすべて書かないと気の済まない作家なのか、移植手術や細胞に関してのあれこれなど小説として省いても問題ない部分まできっちり書くので読んでいてやや疲れる。それを踏まえて読むことをお勧めします。
著者は学者の方ということで、それも頷ける専門性の高い文章を書かれます。かといって読みにくいということもなく正直好きな文体なのですが、これは実用書ではなく小説なのだから省略するところは省略してテンポよくしてくれれば☆4相当でした。ストーリーは大味で決着のつけ方もなるほどと思わせられる分そこが本当に惜しかったです。少し暗雲を残す終わり方はこれぞホラーという感じで好き。総括して☆3かな。
パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫)より
4043405014
No.37
(3pt)

専門性は高いが、ホラーとしてはもう一つ

あまりにも有名なタイトルですがゲームの印象が強く、つい最近まで原作があったとは知りませんでした。ホラー大賞受賞作でもあるとのことで手に取りました。
一言で言えばミトコンドリアの反乱を描いた作品。こう書くとミトコンドリア?(笑)となりそうですが、人体におけるミトコンドリアの役割については作中でじっくり解説してくれるのでその方面に疎い方でも問題ないでしょう。心霊系の話ではありませんが、SF色が強いです。そして人類誕生以前まで話は遡るのでけっこう壮大な内容でした。
進行は非常にゆっくり。ところどころ奇怪な現象は起こるものの、物語が本格的に動き出すのは全体の2/3を過ぎてから。それまで延々と登場人物紹介みたいなものが続きます。終盤は引き込まれてどんどん読めますが序盤・中盤は正直めちゃくちゃ退屈です。関連する知識はすべて書かないと気の済まない作家なのか、移植手術や細胞に関してのあれこれなど小説として省いても問題ない部分まできっちり書くので読んでいてやや疲れる。それを踏まえて読むことをお勧めします。
著者は学者の方ということで、それも頷ける専門性の高い文章を書かれます。かといって読みにくいということもなく正直好きな文体なのですが、これは実用書ではなく小説なのだから省略するところは省略してテンポよくしてくれれば☆4相当でした。ストーリーは大味で決着のつけ方もなるほどと思わせられる分そこが本当に惜しかったです。少し暗雲を残す終わり方はこれぞホラーという感じで好き。総括して☆3かな。
パラサイト・イヴ Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴより
4048728628
No.36
(3pt)

後半の展開が馴染めなかった

瀬名秀明氏の小説は初めて読みました。何人かの方も言及されていますが、ミトコンドリアが正体を現し始めたところから、展開が突飛すぎて感情移入できなくなったの残念です。
私は薬学科ではなく、かつ大学院にも進学しませんでしたが、学科は生物化学でしたので、In situ hybridization などの基本的な実験は行ったことがあり、小説に出てくる実験プロトコルや器具の名前には馴染みがあり、懐かしく感じました。
ミトコンドリアに関しての科学的説明は純粋に面白く、小説中の聖美と同じように楽しめました。小説のテーマとしては非常に興味深いと思います。
類似作品として、鈴木光司氏のリングシリーズ(「らせん」で遺伝暗号が出てきます)が思い浮かびました。私としてはリングシリーズの方が好みですが。他の方のレビューで言及されている「天使の囀り」も読んでみようと思います。
パラサイト・イヴ Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴより
4048728628
No.35
(3pt)

後半の展開が馴染めなかった

瀬名秀明氏の小説は初めて読みました。何人かの方も言及されていますが、ミトコンドリアが正体を現し始めたところから、展開が突飛すぎて感情移入できなくなったの残念です。
私は薬学科ではなく、かつ大学院にも進学しませんでしたが、学科は生物化学でしたので、In situ hybridization などの基本的な実験は行ったことがあり、小説に出てくる実験プロトコルや器具の名前には馴染みがあり、懐かしく感じました。
ミトコンドリアに関しての科学的説明は純粋に面白く、小説中の聖美と同じように楽しめました。小説のテーマとしては非常に興味深いと思います。
類似作品として、鈴木光司氏のリングシリーズ(「らせん」で遺伝暗号が出てきます)が思い浮かびました。私としてはリングシリーズの方が好みですが。他の方のレビューで言及されている「天使の囀り」も読んでみようと思います。
パラサイト・イヴ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴ (新潮文庫)より
4101214344
No.34
(3pt)

後半の展開が馴染めなかった

瀬名秀明氏の小説は初めて読みました。何人かの方も言及されていますが、ミトコンドリアが正体を現し始めたところから、展開が突飛すぎて感情移入できなくなったの残念です。
私は薬学科ではなく、かつ大学院にも進学しませんでしたが、学科は生物化学でしたので、In situ hybridization などの基本的な実験は行ったことがあり、小説に出てくる実験プロトコルや器具の名前には馴染みがあり、懐かしく感じました。
ミトコンドリアに関しての科学的説明は純粋に面白く、小説中の聖美と同じように楽しめました。小説のテーマとしては非常に興味深いと思います。
類似作品として、鈴木光司氏のリングシリーズ(「らせん」で遺伝暗号が出てきます)が思い浮かびました。私としてはリングシリーズの方が好みですが。他の方のレビューで言及されている「天使の囀り」も読んでみようと思います。
パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫)より
4043405014
No.33
(3pt)

ちょっとついていけない

ミトコンドリアDNAが自我を持ち、主体を乗っ取る?名作の誉れ高い本書だが、発想が飛躍しすぎていてついていけなかった。
 なまじ科学的には正確な部分が多い(らしい)ので、かえって感情移入できず、評者にはいまひとつだった。
パラサイト・イヴ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴ (新潮文庫)より
4101214344
No.32
(3pt)

ちょっとついていけない

ミトコンドリアDNAが自我を持ち、主体を乗っ取る?名作の誉れ高い本書だが、発想が飛躍しすぎていてついていけなかった。
 なまじ科学的には正確な部分が多い(らしい)ので、かえって感情移入できず、評者にはいまひとつだった。
パラサイト・イヴ Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴより
4048728628
No.31
(3pt)

ちょっとついていけない

ミトコンドリアDNAが自我を持ち、主体を乗っ取る?名作の誉れ高い本書だが、発想が飛躍しすぎていてついていけなかった。
 なまじ科学的には正確な部分が多い(らしい)ので、かえって感情移入できず、評者にはいまひとつだった。
パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫)より
4043405014
No.30
(3pt)

神は細部に宿る

神は細部に宿る

神は細部に宿るとは言うけれど、細部に頼り切っていないだろうか。
ミトコンドリアの「不可思議さ」については、高校理科程度でも聞くのではな
いかと思うが、それを土台にしたSF的な仮説や示唆は、非常に面白かった。

ただ、どなたかが言うようにストーリーはとても貧弱に思う。
この作品は高度な専門性にこそ真価があり、ストーリーは二の次になってしま
っている。だからこそ、高度な専門性を排した映画はいまいちになり、イブの
なんでもありに笑う者があり、高度な専門性に辟易する者がいる、と。

逆に、ある程度、生化学分野の知識を持っている人には、より一層楽しめると
思う。実際、私の初読みは今から10年以上も前だが、クリーンベンチすら知ら
なかった当時は、ストーリーを追い掛けたくても専門的な知識・業務の列記に
辟易するばかりで読むことを断念してしまった。

ま、いつの間にか生化学系の分野に進んだ今となっては、非常に楽しく読めた
が……。それでもやはりストーリーよりも専門分野での話の方が、俄然面白い。



※ 以下ネタばれあり。

そしてもう1点。どうしても気になる事がある。

聖美の身体や精神に影響を及ぼせるほどの力を持ち、専門の教授に意見や質問
をぶつける程度に知識を有し(聖美の段階)、修士論文程度であれば簡単に作
成しする知性がある(朝倉の段階)者が、一介の薬学助手に執着する意図が全
く分からない。

自己進化させた「娘」にしても、自身細胞の継代にしても「聖美」自身(聖美
の肉体のまま)で出来たはずだ。実際培養された Eve1 はそれをやってのけて
いる。ならば聖美の段階で「知識」を得て、実際に研究室に入ってしまえばい
い。自身で医学なり薬学なり極める事も「容易」なはずだろう? 聖美を殺し、
腎移植をやらせ、利明に自身を複製させるような回りくどい方法は、全く必要
ない。

娘を産むのも「麻里子」ではなく「聖美」自身でいい。種の転換期のオーバー
ラップが必要などともっともらしく説明しているが、本来の意味でオーバーラ
ップしていた者こそ「聖美」だろう。なぜ「聖美」の肉体を捨てる必要がある?

例えそうでなくとも「麻里子」の子宮を「移植した腎を介して」作りかえるよ
り、造り変えてきた聖美の体で作りかえられたはずだ。

イブの高度な知性と、宿主を作りかえる力、他の個体にあるミトコンドリアと
の連携。それらもってしての、あの計画は非常に陳腐。他人に頼ることなく、
自ら全て事前に事を為せたはずであるし、他人を操る事も容易だ。

ホラーにしたくて計画をわざと杜撰にしたようなもんじゃないかとすら。
パラサイト・イヴ Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴより
4048728628
No.29
(3pt)

神は細部に宿る

神は細部に宿る

神は細部に宿るとは言うけれど、細部に頼り切っていないだろうか。
ミトコンドリアの「不可思議さ」については、高校理科程度でも聞くのではな
いかと思うが、それを土台にしたSF的な仮説や示唆は、非常に面白かった。

ただ、どなたかが言うようにストーリーはとても貧弱に思う。
この作品は高度な専門性にこそ真価があり、ストーリーは二の次になってしま
っている。だからこそ、高度な専門性を排した映画はいまいちになり、イブの
なんでもありに笑う者があり、高度な専門性に辟易する者がいる、と。

逆に、ある程度、生化学分野の知識を持っている人には、より一層楽しめると
思う。実際、私の初読みは今から10年以上も前だが、クリーンベンチすら知ら
なかった当時は、ストーリーを追い掛けたくても専門的な知識・業務の列記に
辟易するばかりで読むことを断念してしまった。

ま、いつの間にか生化学系の分野に進んだ今となっては、非常に楽しく読めた
が……。それでもやはりストーリーよりも専門分野での話の方が、俄然面白い。



※ 以下ネタばれあり。

そしてもう1点。どうしても気になる事がある。

聖美の身体や精神に影響を及ぼせるほどの力を持ち、専門の教授に意見や質問
をぶつける程度に知識を有し(聖美の段階)、修士論文程度であれば簡単に作
成しする知性がある(朝倉の段階)者が、一介の薬学助手に執着する意図が全
く分からない。

自己進化させた「娘」にしても、自身細胞の継代にしても「聖美」自身(聖美
の肉体のまま)で出来たはずだ。実際培養された Eve1 はそれをやってのけて
いる。ならば聖美の段階で「知識」を得て、実際に研究室に入ってしまえばい
い。自身で医学なり薬学なり極める事も「容易」なはずだろう? 聖美を殺し、
腎移植をやらせ、利明に自身を複製させるような回りくどい方法は、全く必要
ない。

娘を産むのも「麻里子」ではなく「聖美」自身でいい。種の転換期のオーバー
ラップが必要などともっともらしく説明しているが、本来の意味でオーバーラ
ップしていた者こそ「聖美」だろう。なぜ「聖美」の肉体を捨てる必要がある?

例えそうでなくとも「麻里子」の子宮を「移植した腎を介して」作りかえるよ
り、造り変えてきた聖美の体で作りかえられたはずだ。

イブの高度な知性と、宿主を作りかえる力、他の個体にあるミトコンドリアと
の連携。それらもってしての、あの計画は非常に陳腐。他人に頼ることなく、
自ら全て事前に事を為せたはずであるし、他人を操る事も容易だ。

ホラーにしたくて計画をわざと杜撰にしたようなもんじゃないかとすら。
パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫)より
4043405014
No.28
(3pt)

神は細部に宿る

神は細部に宿る

神は細部に宿るとは言うけれど、細部に頼り切っていないだろうか。
ミトコンドリアの「不可思議さ」については、高校理科程度でも聞くのではな
いかと思うが、それを土台にしたSF的な仮説や示唆は、非常に面白かった。

ただ、どなたかが言うようにストーリーはとても貧弱に思う。
この作品は高度な専門性にこそ真価があり、ストーリーは二の次になってしま
っている。だからこそ、高度な専門性を排した映画はいまいちになり、イブの
なんでもありに笑う者があり、高度な専門性に辟易する者がいる、と。

逆に、ある程度、生化学分野の知識を持っている人には、より一層楽しめると
思う。実際、私の初読みは今から10年以上も前だが、クリーンベンチすら知ら
なかった当時は、ストーリーを追い掛けたくても専門的な知識・業務の列記に
辟易するばかりで読むことを断念してしまった。

ま、いつの間にか生化学系の分野に進んだ今となっては、非常に楽しく読めた
が……。それでもやはりストーリーよりも専門分野での話の方が、俄然面白い。



※ 以下ネタばれあり。

そしてもう1点。どうしても気になる事がある。

聖美の身体や精神に影響を及ぼせるほどの力を持ち、専門の教授に意見や質問
をぶつける程度に知識を有し(聖美の段階)、修士論文程度であれば簡単に作
成しする知性がある(朝倉の段階)者が、一介の薬学助手に執着する意図が全
く分からない。

自己進化させた「娘」にしても、自身細胞の継代にしても「聖美」自身(聖美
の肉体のまま)で出来たはずだ。実際培養された Eve1 はそれをやってのけて
いる。ならば聖美の段階で「知識」を得て、実際に研究室に入ってしまえばい
い。自身で医学なり薬学なり極める事も「容易」なはずだろう? 聖美を殺し、
腎移植をやらせ、利明に自身を複製させるような回りくどい方法は、全く必要
ない。

娘を産むのも「麻里子」ではなく「聖美」自身でいい。種の転換期のオーバー
ラップが必要などともっともらしく説明しているが、本来の意味でオーバーラ
ップしていた者こそ「聖美」だろう。なぜ「聖美」の肉体を捨てる必要がある?

例えそうでなくとも「麻里子」の子宮を「移植した腎を介して」作りかえるよ
り、造り変えてきた聖美の体で作りかえられたはずだ。

イブの高度な知性と、宿主を作りかえる力、他の個体にあるミトコンドリアと
の連携。それらもってしての、あの計画は非常に陳腐。他人に頼ることなく、
自ら全て事前に事を為せたはずであるし、他人を操る事も容易だ。

ホラーにしたくて計画をわざと杜撰にしたようなもんじゃないかとすら。
パラサイト・イヴ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴ (新潮文庫)より
4101214344
No.27
(3pt)

ぼちぼちな作品

理系の人間が新しい切り口で挑んだSF小説と呼ぶのが相応しい作品だと思います。
緻密な医学描写は、(私が知る限りでは)類を見ないほど詳しく書かれています。

しかし理系ということを意識しすぎたためなのか、それらの説明が冗長であると感じることもあり、小説という括りで作品を評価すると高い評価は出来ないというのが感想です。
小説に新しい入口を作ったが、間口が狭すぎたかなと感じさせられる作品でした。
パラサイト・イヴ Amazon書評・レビュー: パラサイト・イヴより
4048728628