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真夜中の遠い彼方



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真夜中の遠い彼方の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

80年代歌舞伎町ハードボイルド

1984年に発表された、佐々木譲がバイク小説からハードボイルド、ミステリーへの飛躍を遂げた記念すべき作品。バブル経済の初期、熱に浮かされたような狂乱が繰り広げられていた歌舞伎町を舞台にした、鮮烈な読後感を残すハードボイルドである。
主人公は1968年、「新宿米タン闘争」の際に機動隊に追われて逃げ込んだ歌舞伎町のジャズの店のマスターにかくまわれて以来、新宿に住み着き、歌舞伎町の片隅で流行らないスナックの雇われマスターとして過ごしてきた。その店が今日で閉店という6月末の土曜日、開店準備をしていた店にケガをした若い女が逃げ込んできた。彼女は不法滞在のベトナム難民で、売春目的に彼女を拉致した暴力団組長を撃って逃げてきたという。歌舞伎町では暴力団員たちが血眼で探し回り、事件を知った警察も暴力団より先に彼女を確保すべく歌舞伎町一体を包囲し始めた。事情を聞いた主人公は、店の常連客の協力を得ながら、彼女を脱出させようとする・・・。
第一に、二人の出会いから脱出まで、わずか6時間ほどの間に繰り広げられる、人間的で密度の濃いストーリー展開がサスペンスを高める。さらに、バブル期の歌舞伎町の無法地帯ともいえる猥雑さがハードボイルドさを際立たせる。
ハードボイルドファンにはかなりオススメだ。

iisan
927253Y1

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