怪物を捕らえる者は

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

怪物を捕らえる者はの評価:

9.00/10点 レビュー 1件。 A ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点9.00pt

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全1件 1〜1 1/1ページ
No.1
(9pt)

今回も期待以上の熱い作品だった。

大人気警察小説「オリヴァー&ピア」シリーズ第11作。少女誘拐殺害と犬を使ったリンチ殺人の二つの事件の裏に潜む組織犯罪を解き明かす、フーダニット、ワイダニットの傑作ミステリーである。
クリスマスを控えた日、16歳のラリッサが行方不明になり、翌朝、雪に埋もれた遺体で発見された。DNA検査で浮かび上がったのが前科があり、移民申請中のアフガニスタン人の青年・マハムーディで、ラリッサが行方不明になる直前に一緒にいるところを目撃されていた。警察は重要参考人として事情聴取しようとしたのだが、マハムーディが姿を消してしまった。しかも、容疑者が移民申請中の前科持ちであるとの情報が漏れ、事件は政治問題化し、世間に反移民・ヘイトの嵐が巻き起こった。数日後、森から飛び出した男性が車に撥ねられて死亡する事故がり奇妙なことに被害者は真冬に裸足で、首には大型動物に噛まれた跡があった…。
少女誘拐、リンチ殺人だけでも立派な物語になりそうだが、二つの事件の捜査が重なり、絡み合ったところから物語は極めて複雑に展開し、政治と社会を揺るがしただけでなく、結束が固いオリヴァーのチームや警察にも深刻なダメージを与えることになる。いつも通り、捜査のプロセスに説得力があるので長いストーリーも読み進めやすい。やたらと多い登場人物もキャラの書き分けがしっかりしているので混乱することが少ない。最後の真相解明がちょっと「何、これ?」ではあるものの、まあ納得できる。
さらにシリーズならではのいつものメンバーのやり取り、それぞれの家庭の事情などに大きな変化があり、これまたシリーズ読者を喜ばせる。
本作も期待以上の素晴らしいミステリーであり、警察小説、現代社会ミステリーのファンならどなたにもオススメしたい。

iisan
927253Y1