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ブルックリンの死



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【この小説が収録されている参考書籍】
ブルックリンの死 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ブルックリンの死の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

人種差別への怒りの熱量がひしひしと

アフリカ系アメリカ人女性の初ミステリー。2021年度アメリカ探偵作家クラブの最優秀ペーパーバック賞などを受賞した、シニカルでファンタジックなミステリーである。
結婚生活に失敗して生まれ故郷のブルックリンに戻ってきた黒人女性シドニーは、昔からの住民が新住民と入れ替わり、古き良き街が失われていくのに気が付いた。シドニーが街の良さを再発見する歴史探訪ツアーを企画すると、新住民の白人男性セオが手伝いに名乗りを上げた。二人が街の歴史を調べ始めると、親しかった住民の中から行方が分からなくなっている人が何人もいて、不穏なことが起きているのではないかと思われた。調べを進める二人だったのだが、実は二人ともそれぞれの秘密を抱えていて、お互いの関係も手探りで進めるしかなかった…。
黒人女性と白人男性のバディものかと思わせて、それほど単純な話ではない。背景になるのは奴隷制時代にまでさかのぼる差別と略奪の歴史で、今の時代にまでつながっている白人優越主義への嫌悪である。自らの民族的基盤に根差す怒りを隠さず、それでもファンタジーやホラーの要素をまぶすことでエンターテイメント作品として成功させている。表紙のイラストや表4の惹句から謎解きミステリーを期待すると裏切られるが、ブルックリンという街の魅力を生かした現代ミステリーとして楽しめる。
予備知識なしで読むことをオススメする。

iisan
927253Y1

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