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探偵、暁に走る



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【この小説が収録されている参考書籍】
探偵、暁に走る (ハヤカワ・ミステリワールド)

探偵、暁に走るの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

いろいろとアラフィフになった「俺」

「ススキノ探偵」シリーズの第8作。50代に突入した「俺」が、知り合ったばかりの友人たちのために単身で暴れまくる、痛快ハードボイルドである。
地下鉄の中で酔っ払って喧嘩しているのを助けたのが縁で仲良くなった「俺」とイラストレーターの近藤は、二人で立ち飲みしていて近藤のファンだという老婆に出会った。痴呆の兆しが見える老婆を気遣った二人は、老婆を送る届けようとして地下鉄のホームに立ったとき、いきなり老婆が線路に飛び降りた。すぐさま近藤が線路に降り、老婆を助けた二人は一躍地元のヒーローになった。そんなこともあって飲み友達となった近藤が、真夜中の駐輪場で刺殺されるという時間が発生した。日ごろからトラブルを招き勝ちな近藤だったが、事件の状況に納得がいかない「俺」は誰に頼まれた訳でもなく、近藤のために、自分のために調査を開始する。すると何ものかが尾行に付き、突然襲撃された・・・。
ついに50代になった「俺」の、生活スタイルは全く変わっていないものの、体を始めいろいろと老いが忍び寄って来ているようで、感情の揺れが大きくなっているのが味わい深い。また、社会全体の精神的退行、馬鹿な若者や自律していない大人たちへの怒りが一層強く、直接的になっているところも「俺」が歳をとってきたことがうかがえる。あらゆる意味で、ススキノ探偵シリーズは円熟して来たのだろう。
シリーズ読者には文句無しに楽しめる作品としてオススメ。日本のハードボイルドもののファンにもオススメしたい。

iisan
927253Y1

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