僕は三年前に小学校の教員を辞めた。 昼間の世界から逃げ込むようにして就いた夜勤の警備員の仕事。

高校時代に父を亡くし、母は再婚して別の家庭にいる井川幹太は、やりたいことも見つからぬまま二十七歳になっていた。

マッチングアプリで知り合った二人目と別れたばかりの佐野朋香。妻とも娘ともうまくいかず、仕事も行き詰まる片山達児。

もうわかってるの。自分がいやな人間だってことも、ダメな人間だってことも。

運転手とお客さん。タクシーの車内で響き合う、一期一会の心もよう…… 人生の機微を紡ぐ名手が贈る 味わい深い人間ドラマ。

亡き夫との思い出をきっかけに松井波子が開いた「クロード子ども食堂」。

いとや手芸用品店を営む木綿子は、35歳になった今も恋人がいたことがない。

『同姓同名』が中国でベストセラー、TikTokで話題、中学生ビブリオバトルでチャンプ本に！ どんでん返しの名手が仕掛ける常識がひっくり返るエンタメミステリ短編集 SNSにも正義警察、正義中毒者が蔓延る現代ニッポン！ 「あなたはそんなに正しい

昭和~令和へ壮大なスケールで描く人間賛歌 人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の人権の歴史は、まだ百年に満たない。

両親を亡くし、尾瀬の荷運び・歩荷を営む祖父に育てられた江藤瞬一は、後を継ぎたいと相談した高三の春、意外にも「東京に出ろ」と諭された。

5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。

店を開くも失敗、交通事故死した調理師だった父。女手ひとつ、学食で働きながら東京の私大に進ませてくれた母。

わたしは母を傷つけた。たった一人の肉親を、言葉のナイフで――。

専業主婦の涼子は、冷え切った夫との関係や言うことをきかない二人の子どもとの生活に、疲労感と閉塞感を覚えていた。

松尾純一郎、バツイチ、57歳。大手ゼネコンを早期退職し、現在無職。

運転が好き、ひとも好き。タクジョ・夏子、今日も快走！ 高間夏子は四大卒の新人タクシードライバー。

「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」 今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。

大手ゼネコン勤務の加茂川一正は、インドネシアの小島で海底に聳え立つ仏塔を発見する。

2029年に起きた小惑星衝突の危機。

警視庁暴力団対策課の刑事の妻であり、娘でもある仲野誓はある日、同じ課で働く夫の賢治が銃撃されてしまう。

殺し屋シリーズ最新作。世界で最も不運な殺し屋、ふたたび!! あの世界で一番不運な殺し屋が、また騒動に巻き込まれる――。

まひろの家族事情は、ちょっと複雑。実の両親は幼い頃に離婚。

閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。 愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か。

サッカー部引退を間近に控えた高校三年生の宮島大地は一度も公式戦に出場したことがない。

大御所ミステリー作家・室見響子の遺稿が見つかった。

ちょっぴりつらい今日の向こうは、光と音があふれてる。

『くもをさがす』の西加奈子が贈る、8つのラブレター。 この本を読んだあと、あなたは、きっと、自分の体を愛おしいと思う。

「私たちが絆を断った日、島は赤く染まった。

千葉県松戸市の結婚相談所でアドバイザーとして働くシングルマザーの平山亜紀は、仕事で顧客とトラブルを起こして以降、無言電話などの嫌がらせに苦しめられている。

湾岸に住む4人の主人公たちの交錯するある夏の3日間。

探偵・鯉城は「失恋から自らに火をつけた男」には他に楽な自死手段があったことを知る。

低層の団地群を抱くその町は寂れていた。商店街にはシャッターが目立ち、若者は都会に去り、昔からある池には幽霊が出るという。

ほどいてつないで私はもう一度踏み出せる。

他人のものばかり欲しがるあの子。いるはずのない住人の気配。

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。

本格ミステリ大賞受賞の鬼才が仕掛ける、空前絶後の推理迷宮。 精神科医の象山は家族を愛している。

１９９５年３月某日。渋谷駅で毒ガス散布事件が発生。

地方都市の寂れた町にある葬儀社「芥子実庵」。

静かな海辺の街で暮らす和佐泉は、日課の海岸散歩中に出会った男の風貌に思わず息を呑む。

小学校最後の夏休みが終わった。小学校卒業まであと半年。

東京・根津。言問通りの近くに建つ古い洋館に住む三原伽羅は、詩人で小説家で画家、女優だったこともある多才な女性。

鷹島珊瑚は両親を看取り、帯広でのんびり暮らしていた。そんな折、東京の神田神保町で小さな古書店を営んでいた兄の滋郎が急逝。

猪瀬藍・３７歳・女性・独身。「借金をして家を買おう」そう思いついたのは六年前のことだった。

45万部超のヒット作となった『傍聞き』の表題作で、主人公を務めたシングルマザー刑事の啓子と、一人娘の菜月。

児童養護施設で育った元不良の翔太は先輩の誘いで「カタラ」という会員制バーの従業員になる。

余計なことは喋らない。上司から疎まれる。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

殺人犯を見つけてはならない。それが、わたしたちに課された戒律だった。

大正十三(1924)年七月、鳥取県鳥取市──。

不思議な共同生活を送る彼女たちの目的とは。

呪われし1999年7月生まれ―― 東京郊外で発見された15人の遺体。

東北地方の書店に勤めるものの、うまくいかず、仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、ＳＮＳで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。

「金がないことがこんなに心細く、息苦しいとは思わなかった」。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

救えるはずの事故で兄を亡くした青年・ハルオは、贖罪の気持ちから救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職する。

前代未聞「二児同時誘拐」の真相に至る「虚実」の迷宮！真実を追求する記者、現実を描写する画家。