病弱の妻の薬礼を得んがため人斬りに身をやつした信夫平八。

北町奉行所定町廻り同心・渋井鬼三次の息子・良一郎が幼馴染みの小春と失踪した。書き置きから大坂への欠け落ちが疑われた。

定町廻り“鬼しぶ”の心配をよそに、唐木市兵衛は未だ大坂に在った。世話になった長屋のお恒の息子が、突然、殺されたのだ。

算盤の腕を買われ神田青物市場に職を得た唐木市兵衛は、高熱の童女を助けたことから浪人親子と親しくなる。

唐木市兵衛に返り討ちにされた刺客の一族が、復讐を誓い市兵衛の身辺探索を始めた。

“宰領屋”矢藤太の許に大店両替商“近江屋”から、唐木市兵衛を名指しで口入の周旋依頼があった。

跡継問題に決着をみた越後津坂藩は、新たな江戸家老のもと財政再建に心血を注いでいた。

江戸を流行風邪が襲った。蘭医柳井宗秀は、重篤の老旗本笹山卯平に請われて、唐木市兵衛を紹介する。

返弥陀ノ介が瀕死の重傷を負った。公儀十人目付筆頭片岡信正の命による、越後津坂藩内偵の最中だった。

唐木市兵衛を相模の廻船問屋が言伝を持って訪ねてきた。相手は返弥陀ノ介の許から姿を消した女・青だった。

還暦を前に大店下り酒屋の主・里右衛門が病に倒れた。

武州忍田は幕府の台所を支える最重要拠点である。年の瀬、公儀御鳥見役とその手下が斬殺された。

深川で干鰯〆粕問屋の大店・下総屋の主が刺殺された。

柳原堤下で、武家の心中死体が発見された。旗本にあるまじき不祥事に、遺された妻と幼い息子は窮地に陥る。

廃業した元関脇がひっそりと江戸に戻ってきた。

算盤侍唐木市兵衛を、北町同心の渋井鬼三次が手下とともに訪ねてきた。岡場所を巡る諍いを仲裁してくれという。

「父の仇・柳井宗秀を討つ助っ人を雇いたい」渡り用人・唐木市兵衛は胸をざわつかせた。

“算盤侍”唐木市兵衛は、公儀十人目付筆頭片岡信正の依頼で、下総葛飾を目指していた。

師走雪の夜、元松前奉行配下の旗本が射殺された。銃は西洋製で、賊はえぞ地での遺恨を口にしたという。

「ああいう男はとり除かねば」文政半ばの年末、江戸城内外で奥祐筆組頭・越後織部は謀議を重ねていた。

「市兵衛さんにしか頼めねえんだ」夏の日、渡り用人・唐木市兵衛の許を、請け人宿の主・矢藤太が訪れた。

不浄な首斬人と蔑まれる生業を十八歳で継いだ別所龍玄は、まだ若侍ながら恐ろしい使い手。

関所破りは磔が定め。武州栗橋の関所で偽造の往来手形が発覚、諸国放浪の絵師土田半左衛門が捕らわれた。

渡り用人・唐木市兵衛は、知己の蘭医・柳井宗秀の紹介で人捜しを頼まれた。

九歳になる音羽の色茶屋の倅・藤蔵は、勘定方を輩出する算勘専門の私塾入門を目指し、“算盤侍”唐木市兵衛を師に招いた。

お家騒動で揺れる出石藩の姫君が江戸市中で命を狙われた。

高砂が流れる北相馬藩江戸藩邸で、勘定人・中江作之助が斬殺された。

両国川開き大花火の深夜、薬研堀で勘定組頭が斬殺された。刀を抜く間も与えぬ凄腕に、北町奉行所平同心の日暮龍平は戦慄した。

牢屋敷の首打役を務める別所龍玄二十二歳。 介錯人・別所一門の名を背負い、切腹する侍の介錯を頼まれることもある。

柳原堤で物乞いと浪人が次々と斬殺された。殺しの夜の隅田川には奇声が響いてたという。

“算盤侍”唐木市兵衛に、貧乏旗本の倅が犯した金貸し婆斬殺事件を洗い直してほしいという依頼が入った。

内藤新宿開宿以来の老舗磐栄屋が窮地に陥っていた。

旗本の三男から八丁堀同心の家へ婿入りし、平同心を世襲した日暮龍平。

年寄りばかりを狙った騙りに、老夫婦が首をくくった。蓄えのすべてを奪われていた。

北町奉行所平同心・日暮龍平。旗本ながら部屋住みを嫌って町方に婿入りした、妙な男である。

日本橋小網町の醤油酢問屋「広国屋」に風のように一人の男が現われた。“算盤侍”の唐木市兵衛である。

内藤新宿のはずれ、成子町で比丘尼女郎の千紗が首の骨をへし折られ殺害された。犯行を目撃しただろう妹は姿を隠してしまう。

北町奉行所の隠密廻り方同心、萬七蔵は、目的遂行のためには手段を選ばぬやり方から、「夜叉萬」と呼ばれ密かに恐れられていた。

己が命、武士の矜持のみに賭す 大ヒット「風の市兵衛」の著者の新たなる代表作! 日当わずか八十文。

老中も一目おく江戸一番の札差・三国屋の卯之吉が、同心株を買って定町廻同心見習いになった。

神田堀八丁堤で菱垣廻船問屋の番頭が殺された。

北町奉行が異例の若さで定廻り同心に抜擢したのは、萬七蔵、三十五歳。

己が命、武士の矜持のみに賭す 大ヒット「風の市兵衛」の著者の新たなる代表作! 日当わずか八十文。

夜叉萬と綽名される北町奉行所の隠密廻り方同心・萬七蔵。

中越・永生藩の山村から、奇妙な男が江戸に送り込まれた。

加賀様は悪霊だ。丸海に災厄を運んでくる。

上田秀人の大型新シリーズ、2ヵ月連続刊行でスタート! 外様第一の加賀藩。筆頭家老の本多政長は大名をしのぐ五万石を誇る。

加賀百万石の留守居役・瀬能数馬は岳父の宿老・本多政長から薫陶を受ける。

立花併右衛門は江戸城の書類決裁に関わる奥右筆組頭。

加賀藩邸は無頼の襲撃を甘んじて受けたのか。不祥事を咎める評定所に臨んだ百万石の筆頭宿老・本多政長。

三郎太、蘭次郎、幸四郎、林右衛門の四人は大旗本の次男、いわゆる部屋住みの身分で、半分無頼の悪仲間であった。

幕政を握る大老酒井の狙いは、やはり外様潰しか。

神君家康の次男秀康の血を引く越前松平家は、幕府にとって格別な藩となる。外様第一の加賀藩にとっては監視される隣藩でもある。

加賀藩領内に入り、お国入りの一行がほっとしたのもつかの間、高岡の名刹瑞龍寺境内で、襲撃者が藩主綱紀を狙う。

大藩加賀に参勤交代の季節が近づいた。江戸から琴の待つ金沢へ。

加賀百万石の留守居役・瀬能数馬が、各藩留守居役との駆け引きを描く好評の書下ろしシリーズは、第十六巻目。