映画学校を卒業し、アルバイト生活を続ける中山唯生。

歌を愛し、吟遊詩人を夢見ながらも、唄う能力を欠いた19歳の少女シオリ。

不穏な事件が相次ぎ、未會有の災害にも見舞われて、神町の夏は悪夢のうちに過ぎようとしていた。

「若木山の裏手には、魔術師の一家が暮らしている―」。

「二〇〇一年のクリスマスを境に、我が家の紐帯は解れ」すべてを失った“わたし”は故郷に還る。

発端は山形のホテルだった。借金返済のため一攫千金を狙う相葉時之は、手違いからテロリストに命を狙われる羽目に。

はじまりはN国・T地方・Y県の通学列車。

分断された世界に抗う男女の怒濤のラブストーリー! 落ちぶれた映画監督の前に突然現れた北の女密使。

27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。

現実が終わり、伝説も終わる―。アメリカ大統領に迫る核テロの危機。

渋谷・公園通り。風俗最先端の街に通う映写技師オヌマには、5年間にわたるスパイ私塾訓練生の過去があった。

青春の追憶と内なる魂の旅を描く表題作ほか6篇。著者初の短篇集。

戦慄のバラバラ殺人―汚れた言葉とともに全国で発見される沢野良介の四肢に、生きる者たちはあらゆる感情を奪われ立ちすくむ。

「安全地区」に指定された仙台を取り締まる「平和警察」。

新世代携帯電話と高速ネットから妄想が続々と吐き出され、“リアリティ”がヤバいほど希薄になった現代ニッポン。

友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。

僕の小説の中では もっとも本格ミステリー度が 高い自信作です。

人類初の火星探査に成功し、一躍英雄(ルビ:ヒーロー)となった宇宙飛行士・佐野明日人(ルビ:さのあすと)。

妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL…。

連続通り魔殺人事件の容疑者“コートの男"を追う所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋。

「〈自閉〉から往還へ」の軌跡を追い、大江健三郎が「経験の弁証法」により作家であり続けた意味を問う。

錬金術の秘蹟、金色に輝く両性具有者(アンドロギュノス)、崩れゆく中世キリスト教世界を貫く異界の光……。

マルクスとエンゲルスの出逢いを阻止することで共産主義の消滅を企むCIAを描いた歴史改変SFの表題作をはじめ、零落した稀代のマジシャンがタイムトラベルに挑む「魔術師」、名馬スペシャルウィークの血統に我が身を重ねる青年の感動譚「ひとすじの光」、音楽を通貨とする

アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的に悩んでいた。

首折り男は首を折り、黒澤は物を盗み、小説家は物語を紡ぎ、あなたはこの本を貪り読む。

総理とスパイの意識を丸裸にする驚異の一人称語り。

17歳の鴇谷春生は、自らの名に「鴇」の文字があることからトキへのシンパシーを感じている。

腕利きの救命外科医・奈津川四郎に凶報が届く。

助言あり〼(ます)――。スーパーの駐車場で“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。

キスカ島に残された四頭の軍用犬北・正勇・勝・エクスプロージョン。

秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。

家裁調査官の武藤は貧乏くじを引くタイプらしい。無免許事故を起こした19歳は、近親者が昔、死亡事故に遭っていたと判明。

陽気なギャング一味の天才スリ久遠は、ひょんなことからハイエナ記者火尻を暴漢から救うが、その正体に気づかれてしまう。

第58回メフィスト賞受賞作。

二〇〇二年十一月から二〇〇三年七月、東京―作家フルカワヒデオの魂は彷徨っていた。肉体は死んでいる。

「苦しさを感じるなら、僕なんて愛さなくていいんだ」 聖書や創世記などの見立て連続殺人を主旋律に踊る、世界をゆるがす超絶のメタ探偵の魂の旅。

昔、文字は本当に生きていたのだと思わないかい? 秦の始皇帝の陵墓から発掘された三万の漢字。

N大学理論物理研究所助手の野々村は、ある日、研究所の大泉教授とその友人・番匠谷教授から一つの砂時計を見せられる。

父から「悪の欠片」として育てられることになった僕は、「邪」の家系を絶つため父の殺害を決意する。

三年前、ふと働くのが嫌になって仕事を辞め、毎日酒を飲んでぶらぶらしていたら妻が家を出て行った。