水時計
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初版刊行(参考)
種別
長編
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3,409回
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2回
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あらすじ
外部リンク
評判
水時計の評価:
8.00/10点 レビュー 1件。 C ランク
水時計の総合評価:
7.67/10点 レビュー 6件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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主人公が探偵や刑事でなく新聞記者ということ、交通事故で植物状態になった妻を抱えていること、運河に浮かんだボートで暮らし、主にジャンクフードばかり食べて暮らしているという荒んだ状況から、ミステリというよりはどちらかといえばハードボイルド的な印象を持ちました。主人公の鬱屈した精神状態や、背景となるイーリー周辺の泥沢地帯の荒涼とした風景、いかにも英国らしい寒く厳しい冬など、全体に暗く陰鬱な雰囲気がたちこめていて、どこか北欧ミステリにも共通したものを感じます。こういう傾向の作品が好きな方は気に入ると思います。
英国の小説には、詳細にその土地の気候風土を書き込む伝統があるそうですが、この小説も同様です。特に印象的なのは泥沢地帯です。海面下も多い湿原の低地で、何百年もの間”広大な荒地”と呼ばれて、7世紀頃には聖職者の隠遁の地となっていたそうです。干上がる夏には放牧地として使えますが、あとはあまり質のよくない燃料としての泥炭が採取できるくらいで、常に治水、排水の問題があり、冬には洪水も多発、空も大地も鉛色の風景描写が続きます。
前半では事件が次々にめぐるましく起こるので、おぼえておくのに忙しく、これらが果たして関連があるのかないのか戸惑います。
・まずはドライデン自身の過去の交通事故。暴走する車に正面衝突され凍った川に転落、妻ローラの救出が遅れて植物状態になってしまいましたが、いまだにその車のドライバーは明らかになっていません。
・教会の墓地が荒らされる事件。墓石までことごとく粉々にされたのは、ただ若い者のいたずらか、それとも犯人には何か目的があったのか。
・1966年の3人の強盗による給油所襲撃事件。大金と銀器が奪われ、店番の女性が撃たれて顔の半分を吹き飛ばされる重症を追います。身元が明らかになった犯人は1人のみ、そして3人とも逃走したまま行方不明に。
・大聖堂の修復中、屋根の死角になった場所で死後何十年もたった白骨死体が発見されます。それは給油所襲撃事件の犯人の1人でした。
・地元中学校で、備品やパソコンなどがプールに投げ込まれる事件。
・凍った川に沈んでいる車が発見され、車は盗難車で、トランクには後頭部を撃たれた死体が詰め込まれていました。
などなどです。
後半になると、だんだんと様々なことが明らかになっていき、最後はイーリー地方を襲った洪水の中で、とうとう犯人がドライデンの前に姿を見せるシーンへと収束されていきます。
確かにこれがデビュー作だとは思えない出来です。個性の強い登場人物像、独特の舞台背景、伏線が張り巡らされた複雑なストーリーなど、秀作ミステリだと思います。シリーズはすでにあと3冊翻訳されているようなので、次を読んでいきたいと思います。