火刑都市

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種別
長編
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あらすじ

2020年03月13日 改訂完全版 火刑都市 (講談社文庫)

東京都内の雑居ビルの放火事件で、若い男性ガードマンが焼死する。不審死の疑いが強く、警察が捜査を始めると、ガードマンには婚約者らしき女の影が。女の行方を追うさなか、あらたに赤坂のホテルが放火され、現場には“東亰”と不可解な文字が残されていた。都市論を巧みに織り込んだ社会派ミステリーの傑作。(「BOOK」データベースより)

評判

火刑都市の評価:

7.50/10点 レビュー 4件。 B ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.50pt

火刑都市の総合評価:

8.30/10点 レビュー 20件。

感想一覧

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.16
(5pt)

とても良い商品です。

大変良い商品です。ありがとうございます。
改訂完全版 火刑都市 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 改訂完全版 火刑都市 (講談社文庫)より
4065190134
No.15
(5pt)

東ケイという幻の水運都市に憧れて

とにかくこのヒロイン像がすごい。
映像化されたときは樋口可南子がキャスティングされたそうですが、
この蘊蓄に満ちた作品を映像で説得力もたせるのは大変だと思う。
妊娠前にこの作品を読んだので、出産を安易に考えすぎてた私は、
自分とヒロインの年齢差を考慮に入れていなかったのでした。
母性があるのかないのか引き込まれながら読むうち、
動機が露になってほっとした部分もあります。
狂言回しは中村刑事で、御手洗でも吉敷でもありませんが、
著者のベストテンを選ぶとしたら私は迷いなく今作を入れます。
改訂完全版 火刑都市 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 改訂完全版 火刑都市 (講談社文庫)より
4065190134
No.14
(5pt)

主人公の刑事の捜査に乾皮なき説得感

この時代だから描けた綿密で丹念な物語、惹き込まれるように読破しました。
ストーリーは最初の事件からその解決までの1年以上にわたっていて、起伏が大きかったりどんでん返しがあったりといった派手さはなく、淡々と着実に真実に迫っていくストーリーになっています。
(以下ネタバレあり)島田先生の作品は本当に読ませる力があるのですが、こちらはある意味テロリスト的犯罪の犯人が、なぜそのような犯行に至ったかの内面描写はなく、なぜその当時の若い男性にそういう思想があり得たか、を理解出来た感じでした。1970年ぐらいの学生運動から十数年ぐらいは経ってはいっているものの、今の大学生とは全く違うメンタルを持っていたであろう犯人が反政府的なこのような思想を持つことについては充分に納得ができますし、何と言ってもこの話のヒロインは消えた女性なので、その女性の生い立ちや上京して転々とするに至る経緯の方が主流なのです。
しかしこの話の大黒柱は何と言っても往年の刑事の地道な捜査です。意味不明な縁故的人脈を持っていて都合よく情報が入ってくるジャーナリストなんぞは出てきません。自分の感じた違和感を放置せず、何かあると調べ続ける実直な刑事がいるのみです。ここに断然たる昭和作家のリアリティがあります。
相手が刑事だからして周りが協力的なのは然るべきですが、それにしても「そんな都合のいい偶然あるか」「なんで相手にメリットもデメリットもないのに情報提供受けられた?」といった違和感を全く感じさせません。犯人側には犯罪を成功させるための若干の都合の良さが感じられないこともないのですが、それを追う側には都合の良さ・棚ぼた・あの人が実はあの人で(そりゃないぜ)が全くないところが珠玉です。最後犯行現場を巡る偶然については、普通考えられない確率のことだと思いますが、この一点だけがそうなので全体に納得感が保たれた上でドラマティックなのであり、なんでもかんでも都合よくあてはめてしまう事例が昨今の小説には散見されることを実感するに至りました。だからこそ最後のすごい確率の偶然が、ヒロインが犯人を殺すという幕引きに至るところに偶然を通り越した必然にすら感じてしまうのです。
なのに、その感動的なラストに事後談や無駄なセンチメンタルな語りをくっつけることをせずに、サラッと終わるのも素晴らしく清々しいのです。
改訂完全版 火刑都市 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 改訂完全版 火刑都市 (講談社文庫)より
4065190134
No.13
(5pt)

島田荘司の東京あるいは江戸についてのノウハウが随所に生きている

島田荘司は、『島田荘司全集IV』の後書きの中で、『改訂完全版』としてリマスタするプロセスの中で、『夏、19歳の肖像』と『火刑都市』について、読み直してみて、自分の初期を代表する作品だと書いている。

この作品は、ホテルで缶詰ではなかったようだ。この前に書かれた『確率2/2の死』と、『サテンのマーメイド』・『夏、19歳の肖像』の3作は、出版社にホテルに缶詰にさせられて書いたらしい。ただ、この次の角川からリリースされた『消える上海レディ』は、御茶ノ水の山の上ホテルで缶詰になって書いた、と書かれている。

さて本作は、島田荘司の東京あるいは江戸についてのノウハウが随所に生きている。御手洗の短編集の中に『ギリシャの犬』というのがあるが、あれは『東京の橋』についてのノウハウが凄かった。あれと似たものを感じた。とても好きな作品です。
改訂完全版 火刑都市 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 改訂完全版 火刑都市 (講談社文庫)より
4065190134
No.12
(3pt)

地道ながら焼身殺人(自殺)をテーマに、一族の因果と江戸の情緒とを丹念に織り込んだ佳作

作者としては珍しい地道な刑事物。事件は四谷で起きた自殺とも殺人とも取れる状況で発見された警備員の土屋の焼死体。殺人とも取れるのは(土屋が)結婚を約束していた同棲中の美人(「カンコ」とも「ユッコ」とも)が事件当夜以降、身辺整理の上、跡形もなく失踪しているからである。おまけに、土屋は極端な人嫌いで、2人の身辺調査は難航する。これを中村という刑事が執念深く追うというストーリー。

しかし、「カンコ」という愛称から中村が越後寒川に辿り着くのは流石に論理が飛躍し過ぎているだろう。美人の正体は渡辺由紀子。漁師だった由紀子の父親は既に亡くなっており、父親が半身不随で入院中に由紀子が産まれているので、由紀子は愛人の子供かも知れない。焼死体の話を聞いて母親が驚愕する辺りに事件の深層が潜んでいるのか。案の定、由紀子の実の父親は遊び人で焼身自殺したという。愛人の焼死という共通体験を母娘でしているのだ。しかし、由紀子は事件当夜のアリバイを主張し裏付けられる。そこへ、赤坂、虎の門と(密室状態での)放火魔による放火事件が起きる。四谷の事件もこの連続放火魔の仕業とも考えられるが、それではここまで由紀子を追って来た意味がなくなる。だが、発想の転換がある。由紀子が土屋を殺すために放火魔を利用したというものである。後は、放火魔の正体(は直ぐ分かる)、放火方法及び放火の動機である。そこへ、虎の門、新橋、有楽町、数寄屋橋、八重洲、大手町で放火事件が発生する。これらが江戸城のかつての外堀だった事は私でも分かる。放火魔の動機が東京の都市計画へのある種の狂信的抗議だった事が窺える。

密室のカラクリは詰まらないものでガッカリ。しかし、地道ながら焼身殺人(自殺)をテーマに、一族の因果と江戸の情緒とを丹念に織り込んだ佳作だと思った。
改訂完全版 火刑都市 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 改訂完全版 火刑都市 (講談社文庫)より
4065190134

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