無制限
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乱歩賞受賞作「左手に告げるなかれ」も、今ひとつだと感じたのだが……。 これが乱歩賞受賞者の作品なのかとあきれる。何が良くないって、まず、疾走した夫の 動機が良くない。最後にパチンコ業界に対する要求が書かれているが、そんなことで 行動を起こす人など世界中見渡してもいるはずがない。 その他、楽しませてくれる要素は多少あるものの、その動機の一点のみで、すべてを 台無しにしている。その後、この作者は鳴かず飛ばずになっているようだが、その理由 が分かるような気がする。 | ||||
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離婚調停にあらわれるはずの夫が裁判所にあらわれず、失踪したことが決定的に成った。 再婚したい相手がいる妃美子は、夫を探し始める。 夫が失踪する前にパチンコ店に入り浸っていたことがわかり、パチンコ店を中心に夫をさがす。 パチンコを操作して出玉を掠め取ろうとするゴト師 や 警備の実態。 高度な技術をつかったパチンコ台 パチンコに夢中になって遊ぶ人たちの様子。 経営者の心労 店長の苦労。 などがちりばめられていて興味深い小説でした。 作者自身がパチンコのファンのひとりなんですね。 パチンコの楽しさが伝わってくる楽しい場面がたくさんあります。 同作者の他小説の主人公 八木薔子もちょっと登場しています。 | ||||
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離婚調停の結果、離婚成立を目前にして失踪した夫。その夫は、パチンコ屋に出入りしていたらしい。妃美子は夫を探すために、パチンコ屋へと…。よく取材されているなぁ…。これがまず最初の印象。裏ロムなどを利用した不正、警察との癒着などと言った、パチンコ業界が抱える問題などがしっかりと表現されている。どちらかと言うと、依存症とか、駐車場で子供が死亡…なんていう方がクローズアップされがちだが(この作品でも扱われている)、それとは別の問題点を指摘している辺りは流石である。また、『左手に告げるなかれ』の主人公・八木薔子が登場してみたり、と言うようなちょっとした遊び心も楽しい。が、正直、長すぎるかなぁ…と。毎回、パチンコ屋に出かけて行っては、球を打ち、それから少しずつ情報を聞き出す…という形なので、もう少しスッキリさせてくれても良かったのではないだろうか。しかも、それで580頁もありながら、最後は『左手に告げるなかれ』同様に駆け足気味になってしまっているのが何とも残念。その辺りが解消されれば…。 | ||||
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現代社会に巣食う裏社会と、平凡な日常を横臥している者との出会い。近隣に潜むあまねく罠が原因で墓穴を掘り、そして耐えがたい試練の連続に至る。 著者の真骨頂である、人間の弱さを大変な筆力で書ききっているのだが、小生には最後まで、どうしても馴染めなかった。それはこの高慢ちきな女主人公のせいだろう。勿論、どこにでもいそうな頑張っちゃう女性なのだが、ふたをあけてみれば欲しいものは全て手に入れてきた我儘な女でしかなく、それがとっても嫌だった。 なるほど、この嫌悪感を与えられたと言うことでは、本書は成功だろう。しかし、ダラダラと進む物語の展開力のなさや、緊迫感の希薄さをとってみると、『左手に告げるなかれ』や『流さるる石のごとく』の完成度には及ばない。 もちろん力作には違いない。緻密な取材をこうも上手く描ける作家も少ないと思う。ただ小生には馴染めなかっただけなのだ。同様の主題が多い松本清張の文体に慣れてしまっているせいもある。ただ一読はすべし!!力作だ。 | ||||
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この本を取り上げた時には、「無制限」なる言葉がパチンコ用語だとはつゆしらず、珍しい題だなと思ったものですが、本を読み終わる頃には、私もいっぱしの通になっていました。パチンコにはまって失踪した夫を捜すため、パチンコに通う妃美子に、業界関係者や常連客がパチンコ指南をしてくれる。おそらく渡辺さんがこの世界を取材する過程においても、こんな人たちが情報を提供してくれたのでしょう。綿密な取材力には脱帽だし、それに基づいた世界の再構築が緻密で、もうそれだけで十分読ませると思います。そのパチンコという世界をさらに魅力的にしているのがそこに描かれている業界関係者やら常連客やらの人間像です。ロマンスグレーのパチンコ屋の会長とか、夫をいっしょに写真をもって探してくれるおばちゃんたち。妃美子の夫に恩義を感じていっしょに心配してくれる、ケーキ屋の主人やジャーナリストくずれのお兄さん等など。これらの人々が織り成す人間模様が掛け値なしに面白くて、どんどん読めてしまうのです。ただ、サスペンスという観点からこの本をみたら、ちょっと迫力不足かな、と思います。確かに、妃美子が夫が不正に手を染めていると疑いを深めていくくだりや、不審な人物が彼女の周りに現れるあたりはどきどきするけれど、この不審人物があまりアブナイという感じがしない。心臓バクバクになるスリルがない。じゃあスリルが足りないからといって本を捨てるかというと、逆で、私はあっという間に読み切ってしまいました。それはなぜかといえば、作者の愛情が主要な登場人物に注がれている心地よさと、主人公の妃美子が、いい意味で変わっていく様子がとても読者として嬉しいから。サスペンス不足でもどんどん読めちゃいます。 | ||||
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