(短編小説)
いのちのパレード
- SF (392)
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ちょっと面倒くさい話を。 人ってラベルを張りたがりますよね。〇〇って細かい人、私は文系、彼女は理系、とか。 もちろん、それは個々人の目立つ・印象的な部分を取り出して言っているわけで、それがすべてではない筈です。文系男にもロジカルな部分はあろうし、冷徹で詰めてくる上司にも詩的で感情的な心の動きがあるかもしれません。 ・・・ 何を言いたいかというと恩田陸氏です。一つの色に染まらない、実に多様な作品をかける方だなと。 私にとって当初恩田氏はヤングアダルト・青春系のラベルの方でした。氏の作品で一番初めに読んだ「夜のピクニック」の印象が強かった。作品も好きなのです。 ところが爾後色々読んでいくと、モダンホラー系の作品や舞台を想起させるドラマ等、当初の印象は徐々に書き換えなくてはならないと思うようになりました。 そして本作に至っては、「奇想短編」集です。 私の当初の印象からは、かなり遠いところに来てしまいました。そして、改めてその幅の広い作風に驚いた次第です。 ・・・ で本題。 短編はどれも作風が異なるのですが、どれもが明かに現実世界を描いたのではないので、読んでいて違和感を感じながら読み進めた次第です。 そのあたりの「引っかかり」「没中できなさ」が私にとっては星新一を想起させました。教科書の「おすすめ図書」みたいなのに名前を見つけて読んでみるも、どうにもしっくりこず、何だよ「おすすめ」のわりにいまいちじゃねえかよ、と。 今は長じて、この「没入できなさ」は自分の趣向と距離があるという解釈ができます。そして、別につまらないわけではないのです。このあたりは表現が難しいのですが・・・。なんというか、よくもまあこんな作品がかけるなあという驚き? で、その中でも印象的だったものを幾つか。 ・・・ 小学生と思しき三兄妹がことばの印象から幻影を具象化する「夕飯は七時」。擬態語など「ことば」の心象ってありますよね。そのような心象が形になるという着想がすごい。そしてこの子どもたちをこれを必死に防ごうとする姿が可愛らしい。 リアル野球版よろしく、リアルに双六が展開される王国を描く「SUGOROKU」はホラーチックな作風。王国を支配する三姉妹は、王国から女子を集め、リアル双六を行わせるのが慣例。「上がり」となると豪華な褒美を取らせて出身の村に返すという話だが、実際には・・・。 「エンドマークまでご一緒に」はミュージカルの主人公の独白の話。現実の生活をミュージカルで行うという奇想天外のストーリ。主人公は自己省察的に「寝起きに歌うなんて辛いけど、ミュージカルだから仕方ない」とか「僕を追いかけるオーケストラ連中も汗だく」など、この奇妙な設定をユーモラスかつ冷静に評価。タイトルも、仕掛けまで理解している読者を想定したネーミングであり、一層味わい深いものとなっていると思います。 これ以外にもホラー系・スリラー系は読みごたえのあるものが多かったと思います。 ・・・ ということで恩田氏の短編集でした。 解説で杉村松恋氏が海外の奇想作家と並べてアツく激賞していましたが、素人の私はそうした海外勢は全く知らない方々でした。 風変りな話、ホラー系、SFが好きな人にはお勧めできる作品だと思います。 | ||||
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かつて知人から「間違えて二冊買っちゃったからあげる」と言われ読んだ 『真夜中のピクニック』がぜんぜん肌に合わなかったので、以来氏の作品は 手にとったことがなかったのですが、図書館で短編集を見つけ、オビにはなんだか 美惑的な文言が書かれていたので(またその文字がネオンが発光しているような 素敵なものだったので借りてしまいました)短編集好きなこともあり私は借りてきて しまいました。 が、冒頭の不可思議な作品を読んで「ありゃ、これは私のでないなと・・」 残りは読む気になれませんでした。秘密の観光バスで秘密の村に行くと、不思議な◯◯◯が というシュールな設定は悪く無いのですが、「不思議」をただ提示しただけで終わってしまうのが 私には全く物足りませんでした。足りないものをたやすく補う想像力がある人には面白い 作品なのかもしれませんね。私はダメでした(笑)。 | ||||
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やはり私には恩田作品は長編しか向かないようです。 もう少し関連性が欲しかったかも。 | ||||
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久し振りに恩田陸らしさのある短編集でした 「幻想と怪奇」というシリーズものに捧げるオマージュというところがまたツボでした。 シャーリー・ジャクスン、ルース・レンデル、レイ・ブラッドベリ、ディーノ・ブッツァーティ、などなど。 読みながら先人の足跡が行間によみがえる不思議な感覚を味わえて、怪奇幻想小説に親しんだ読者にとっては、 2度美味しい短編集かもしれません。 内容といえば、とんでもないイマジネーションの塊。 とにかく1編ごとに趣向を凝らした恩田ワールドが展開され、読者をひっぱりまわしてくれます。 どれも面白いのですが、人によって好きな作品が全然違ってきそうなところもまた魅力の一つかもしれませんね。 私個人の一押しとしては 「蝶遣いと春、そして夏」 「走り続けよ、ひとすじの煙となるまで」 「SUGOROKU」 「夜想曲」 そして次点が 「いのちのパレード」 「観光旅行」 「夕飯は七時」 1作1作を取り上げるのもいいですが、全体で一つの世界が構築されていくのを見るのもまた、味わい深いものがあります。 | ||||
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あり得そうだけれども、決してあり得ない世界の物語たち。 つながりそうでつながらない世界たちの物語。 だからこそ、パレードという表現がぴったりなのかもしれない。 ホバークラフトの沈黙が非常に静かで静謐な世界観を表しているのだ。 | ||||
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