冷たい密室と博士たち

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初版刊行(参考)
種別
長編
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7,648回
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10
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189
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あらすじ

1999年03月12日 冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

同僚の誘いで低温度実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園萌絵。だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女二名の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!?人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが…。究極の森ミステリィ第2弾。(「BOOK」データベースより)

評判

冷たい密室と博士たちの評価:

5.71/10点 レビュー 14件。 C ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点5.71pt

冷たい密室と博士たちの総合評価:

6.72/10点 レビュー 81件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全5件 1〜5 1/1ページ
No.5
(7pt)

やはり順番がギクシャクしているなぁ

『すべてがFになる』から始まる犀川教授と西之園萌絵コンビのS&Mシリーズ第2作の本書は実はこちらが最初に書かれた作品らしい。
その節は確かにあり、犀川と西之園萌絵の現状や家庭環境などがきちんと語られ、イントロダクションとなっている。一応ところどころに真賀田四季の事件のことが挟まれてはいるが、どうも話からは浮いた感じがしてしまう。

今回の事件は犀川の勤めるN大学で、親友で同僚でもある土木学科の喜多教授が所属する極地研で起きた密室殺人事件に挑むというもの。
1作目も密室ならば2作目も密室。しかもどちらも一種特殊な建物の中での殺人ということで、いわゆる館物に属するが、森氏の作品に出てくる建物は大学の特殊な実験のために建てられたという点で現実的であることだ。
1作目の感想にも述べたが、森氏自身が建築学科の教授でもあるため、出てくる建物が特異であっても奇抜さは感じない。建築基準法に則した建物であり、更には犀川の視点を通じて意匠についてのコメントもあり、リアルさを感じる。

事件は実にシンプルな密室殺人なのだが、シンプル故になかなか謎を解明できない。
しかし私には本書の謎がさほど魅力的には映らず、地味な殺人事件を嬉々として解決しようとする西之園萌絵の無邪気さに半ば呆れ、半ば怒りさえ覚えたりもし、萌絵が事件の秘密を暴こうと極地研に潜入した際に犯人と思しき人物によって襲われた時は逆に溜飲が下がる思いがしたものだ。

ただそんな強い負の感情によって引き起こされた事件は解決編で明かされる真相を読む限り、数学的な論理的整然さを伴っており、方程式を解いたような小奇麗さを感じる。
1つの部屋に入ったのは4人。残っていたのはそのうち2人。さて残りの2人はどうやって部屋から自然な形で出て行ったのでしょう。
そんな知的パズルの解を見せられた思いがした。

ところでこの前に読んだ『氷菓』の折木といい、本書の犀川といい、事件の渦中にいながらも積極的に謎解きに関与しないのが昨今の名探偵の姿勢らしい。
確かにゆとり世代―これらの作品の登場人物の年齢よりはかなり下がるが―と呼ばれる最近の若者の妙に悟りきった考え方やあまり力を入れずに額に汗かくことを厭う緩さに共通する物があるように感じた。

このドライな感覚、つまり事件の渦中にいながらもどこか他人事のように冷めた視線で物事を見つめる視線は確かに名探偵の必要な要素ではあるが、大学教授である犀川はあまりにリアルすぎて探偵役としてなかなか素直に受け入れられないきらいがある。やはり本格ミステリの名探偵は浮世離れしたエキセントリックさが必要ということか。

正直2作を読んだ現段階ではなぜドラマ化されるまでこのシリーズが持て囃されるのかがまだ解らない。上に書いたように犀川のドライさ、西之園萌絵のお嬢様ゆえの他者のテリトリーに土足に上がり込むだけでなく、警察の本部長を務める叔父へ強引に協力を求めて捜査記録を拝借する厚顔無恥さはアラフォーになった今の私にはなんとも常識知らずとしか思えない。
しかし巷間数多溢れる本格ミステリの探偵とは元々そんな存在ではないかと一方で思う私もいる。

S&Mシリーズ全10作を読み終えた時にこのシリーズの真価が解るのかもしれない。
とにかく今結論を出すにはまだ早いのだろう。犀川と西之園萌絵にこれからどんなことが起き、そして彼らにどんな変化が訪れるのか、根気よく付き合っていこう。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.4
(7pt)

冷たい密室と博士たちの感想

森博嗣、事実上の処女作!鋭利な論理と密室トリックが光る傑作!

ジャム
RXFFIEA1
No.3
(7pt)

冷たい密室と博士たちの感想

シリーズ第二弾

ようやく各キャラクターのキャラも確固たるものになり、物語に彩りをもたせる事が出来てると思います。

個人的には、<責任>と<責任感>の解釈の仕方がグッときました

DJANTI
V1E5CPIL
No.2
(7pt)

冷たい密室と博士たちの感想

前作に引き続いてやはり登場人物が魅力的でした
密室のトリックも結構なるほどと思えたので
「F」ほどではないにしろ良作ではあると思います
しかし、時々文章が読みづらくなったりするので
(私の読解力が低いせいかも)そこは個人的にマイナスポイント
全体的にはよかった方なので次作を早く読みたいと思います(笑)

LN
XL1SRHRZ
No.1
(7pt)

S&Mシリーズの第2作目

前作に比べると若干地味な印象を受ける本作。しかしながら人物に深みが出てきている。犀川と喜多の今後の関係も楽しみだ。

izutti
N05IGXOE

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.67
(5pt)

​前作の衝撃という「密室」を打ち破る、論理と情熱の第2作

​前作が傑作すぎて、「この先は大丈夫なのか」と不安になる――そんな気持ちで読み始めた一冊だった。

​前作『すべてがFになる』はミステリー界の金字塔的な作品であり、私も初読時に大きな衝撃を受けた。実は、シリーズ第2作となる本作は、執筆順では前作より先だったが、デビュー作に相応しいのは『F』であるとの判断で第2作として刊行された経緯があるという(前作解説より)。そうした背景もあり、本作を手に取る際は「前作があまりにも突出しているがゆえに、この先それを超える作品があるのか」という期待と不安を抱きながらの読書となった。

​しかし実際には、犀川と西之園萌絵の関係性や軽妙な掛け合い、そして“頭の良い人が構築した良質なミステリー”という魅力は健在であり、期待にしっかり応えてくれる内容だった。

​今作では西之園萌絵の私生活も垣間見える。地上22階のタワーマンション最上階に住み、執事がいて、愛犬はシェットランドシープドッグの都馬(トーマ)、愛車は真っ赤な高級スポーツカー、さらに隠れてタバコを吸う――。知的で美人、かつ純情な一面を持つハイスペックなお嬢様でありながら、どこか「じゃじゃ馬」な気質も感じさせる彼女の多面的な人物像が、単なるワトソン役にとどまらない魅力を生み出している。
一方で、犀川との距離感も絶妙だ。前作の「吊り橋効果」の余韻を残しつつも、お互いの家を行き来するなど(あくまで事件の捜査名目ではあるが)、確実に変化の兆しは見えており、この絶妙な距離感の描写はシリーズの大きな魅力だと感じた。

​事件の核となる密室の謎解きは、大学の「極地研究所」という特殊な環境で展開される。宇宙服のような防護服が「人物の同一性を曖昧にする装置」として機能する点は、与えられた条件から論理的に導かれる本作らしい理知的な設計である。見取り図があればさらに理解は深まっただろうが、その分、論理的に状況を整理しながら読み進める能動的な面白さがあった。

​特に印象深いのは、極寒の無機質な舞台とは対照的に浮かび上がる、犯人側の「熱を帯びた動機」である。犀川が犯人の行動に感じた違和感の正体が、論理では測れない「感情」に根ざしたものだと見抜く場面には、独特の余韻が残る。中盤、暗闇の部屋で萌絵が犯人に追い詰められるシーンの緊迫感も白眉だ。

​約30年前の作品ゆえ、頻繁な喫煙描写やPCメール中心の通信手段に時代背景を感じるが、それすらも作品世界のリアリティとして味わい深い。前作の衝撃と単純に比較するのではなく、シリーズの魅力を着実に広げる一作として、高い論理性に裏打ちされたミステリーを楽しみたい読者に強く薦めたい。
冷たい密室と博士たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 冷たい密室と博士たち (講談社文庫)より
4062645602
No.66
(2pt)

あまり綺麗ではありません

状態:良いで購入しましたが、
結構汚れてます。表紙面はもちろん、側面もシミが多くお世辞にも状態良いとは言えません。
値段が安く、ほぼ送料だけの金額なので仕方ないのですが状態については正直に記載した方が良いと思います
冷たい密室と博士たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 冷たい密室と博士たち (講談社文庫)より
4062645602
No.65
(5pt)

メフィスト賞の前に

再読。森博嗣のエキスが詰まっている。
冷たい密室と博士たち (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 冷たい密室と博士たち (講談社ノベルス)より
4061819178
No.64
(5pt)

メフィスト賞の前に

再読。森博嗣のエキスが詰まっている。
冷たい密室と博士たち (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 冷たい密室と博士たち (講談社文庫)より
4062645602
No.63
(4pt)

S&amp;Mシリーズ第2弾

S&amp;Mシリーズ2作目

実は本作は、前作「すべてがFになる」より前に書かれていましたが、「すべてがFになる」の方がデビュー作として相応しいという事で本作は敢えて2作目として出版されたとか。
確かに前作と比べると派手さはありませんが、その分目移りせず、純粋に密室ミステリーを楽しみめる内容となってます。
冷たい密室と博士たち (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 冷たい密室と博士たち (講談社ノベルス)より
4061819178

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