アニバーサリー

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種別
長編
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あらすじ

2015年07月29日 アニバーサリー (新潮文庫)

母親との確執を抱えて育ち、望まれない子を妊娠、たった一人で出産を迎えようとする三十代の真菜。七十歳を過ぎても、育児中に始めたマタニティスイミングの指導員を続ける晶子。あの日、あの震災が、二人を結びつけた――。食べること、働くこと。子供を産み、育てること。世代の違う二人の物語を丁寧に紡ぎながら、時代とともに変わりゆく女性たちの生を凝視した渾身の長編小説。(「BOOK」データベースより)

評判

アニバーサリーの評価:

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アニバーサリーの総合評価:

8.43/10点 レビュー 14件。

感想一覧

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No.14
(5pt)

それでも、生きていくのだ

解説の小島慶子さんが的確な指摘をしている。「残争を生き延びた晶子にとって、人生は何もかも失った所からのスタートだった。
手に入れる喜びを存分に味わった晶子、もっともっとと渇きの止まない真希、いつかは失われるだろうと虚無的に生きる真菜。日本を豊かにした世代と、その豊かさを享受した世代、そして次の幸福の物語を見失った世代、それぞれの渇きが描かれている」特に作者が中心に据えていたのが、家族の形だったのではないだろうか。戦後、高度経済成長と共に、三種の神器と呼ばれる家電が入ることにより、人々の生活にゆとりを与え、女性の社会進出を後押しした。それと同時に核家族化が進み、子育ては孤立していく。
物語は、それぞれの時代背景にあるものを色濃く反映させながら、リアリティを持ってそれぞれの時代に生きる女性たちを描いていく。
後半、東日本大震災と原発事故の中、出産した真菜。彼女を放っておけない晶子。世代も違う、赤の他人である二人が心を通わせ晶子の家で暮らす中、真菜の孤独は少しずつ和らいでいく。
この物語は、現在に繋がっている。何も解決したわけではない。不安な世の中は続いてゆく。それでも、生きていくのだという、柔らかいながら力強いメッセージを受け取った気分だ。
アニバーサリー (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: アニバーサリー (新潮文庫)より
4101391432
No.13
(5pt)

それでも、生きていくのだ

解説の小島慶子さんが的確な指摘をしている。「残争を生き延びた晶子にとって、人生は何もかも失った所からのスタートだった。
手に入れる喜びを存分に味わった晶子、もっともっとと渇きの止まない真希、いつかは失われるだろうと虚無的に生きる真菜。日本を豊かにした世代と、その豊かさを享受した世代、そして次の幸福の物語を見失った世代、それぞれの渇きが描かれている」特に作者が中心に据えていたのが、家族の形だったのではないだろうか。戦後、高度経済成長と共に、三種の神器と呼ばれる家電が入ることにより、人々の生活にゆとりを与え、女性の社会進出を後押しした。それと同時に核家族化が進み、子育ては孤立していく。
物語は、それぞれの時代背景にあるものを色濃く反映させながら、リアリティを持ってそれぞれの時代に生きる女性たちを描いていく。
後半、東日本大震災と原発事故の中、出産した真菜。彼女を放っておけない晶子。世代も違う、赤の他人である二人が心を通わせ晶子の家で暮らす中、真菜の孤独は少しずつ和らいでいく。
この物語は、現在に繋がっている。何も解決したわけではない。不安な世の中は続いてゆく。それでも、生きていくのだという、柔らかいながら力強いメッセージを受け取った気分だ。
アニバーサリー Amazon書評・レビュー: アニバーサリーより
410325923X
No.12
(5pt)

一生残るほど心動かされた

本当に良い、素晴らしい小説です。機能不全家族や出産という重い重いテーマを扱いながらも、窪美澄さんの文章からは生きづらい人生を生きる人たちの人生が交差する事、その奇跡への敬意のような、優しさが感じられます。

一章、戦時中の混沌の中で昌子の心が真っ直ぐに育っていく様に、今まで読んだ窪さんの小説とは違うタイプの涙を流しました。限りなくフィクションに近い所に設定された昌子の優しさだけど、昔の女性って本当にこんな風に素直に他人に優しい事が多い。そんな優しさが息子の死や流産という苦しみに襲われる、たったこれだけで泣かせられる文章の力がありました。昔の小説風の叙述が今読むと新鮮。

二章の真菜は真逆のゆとり世代。上手くいかない家庭の中で歪んでいく真菜の心と体が切ない。真菜の不純異性交遊と親友の関係性は他の小説で見たような話ではある、だけど読ませます。

そして311の地震と真菜の出産をきっかけに2人の人生の線が混じっていく三章。後半、真菜が両親とどう折り合いをつけるのかに従ってどんどん小説が盛り上がっていきます。上手くいっても嘘くさいし、いかなすぎても救いがない、その狭間でなんとか真菜の人生が好転してほしいと切なく読みました。

構成も良いなと思いました。最初は昔の小説風で、中盤からは現代風になっていくので飽きさせません。子供の親への歪んだ気持ちを描いた小説の中ではベストではないかと個人的に思います。
アニバーサリー (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: アニバーサリー (新潮文庫)より
4101391432
No.11
(5pt)

一生残るほど心動かされた

本当に良い、素晴らしい小説です。機能不全家族や出産という重い重いテーマを扱いながらも、窪美澄さんの文章からは生きづらい人生を生きる人たちの人生が交差する事、その奇跡への敬意のような、優しさが感じられます。

一章、戦時中の混沌の中で昌子の心が真っ直ぐに育っていく様に、今まで読んだ窪さんの小説とは違うタイプの涙を流しました。限りなくフィクションに近い所に設定された昌子の優しさだけど、昔の女性って本当にこんな風に素直に他人に優しい事が多い。そんな優しさが息子の死や流産という苦しみに襲われる、たったこれだけで泣かせられる文章の力がありました。昔の小説風の叙述が今読むと新鮮。

二章の真菜は真逆のゆとり世代。上手くいかない家庭の中で歪んでいく真菜の心と体が切ない。真菜の不純異性交遊と親友の関係性は他の小説で見たような話ではある、だけど読ませます。

そして311の地震と真菜の出産をきっかけに2人の人生の線が混じっていく三章。後半、真菜が両親とどう折り合いをつけるのかに従ってどんどん小説が盛り上がっていきます。上手くいっても嘘くさいし、いかなすぎても救いがない、その狭間でなんとか真菜の人生が好転してほしいと切なく読みました。

構成も良いなと思いました。最初は昔の小説風で、中盤からは現代風になっていくので飽きさせません。子供の親への歪んだ気持ちを描いた小説の中ではベストではないかと個人的に思います。
アニバーサリー Amazon書評・レビュー: アニバーサリーより
410325923X
No.10
(4pt)

爽やかな感動に包まれる

70代のマタニティスイミングコーチ 晶子と、その生徒で30代のシングル真菜の交流を描いた作品。

東日本大震災を起点に、晶子、真菜、それぞれの人生を振り返るという展開だ。戦争、子育てを経てキャリアウーマンとして歩んできた晶子は、シングルで子供を産もうとする真菜に心を砕いていく。

それぞれの人生が、ひとつの短編小説になり得る重厚さ。真菜の親子関係、そしてお腹の子の父との関係は、世捨て人のように自暴自棄になるのも宜なるかな。

著者らしい気持ちをささくれだたせるシーンはあるものの、ラストは爽やかな感動に包まれる。
アニバーサリー Amazon書評・レビュー: アニバーサリーより
410325923X

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