元年春之祭

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種別
長編
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あらすじ

2018年09月05日 元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ)

2000年以上前、前漢時代の中国。かつて国の祭祀を担った名家、観(かん)一族は、春の祭儀を準備していた。その折、当主の妹が何者かに殺されてしまう。しかも現場に通じる道には人の目があったというのに、その犯人はどこかに消えてしまったのだ。古礼の見聞を深めるため観家に滞在していた豪族の娘、於陵葵(おりょう・き)は、その才気で解決に挑む。連続する事件と、四年前の前当主一家惨殺との関係は? 漢籍から宗教学まで、あらゆる知識を駆使した推理合戦の果てに、少女は悲劇の全貌を見出す――気鋭の中国人作家が読者に挑戦する華文本格ミステリ(「BOOK」データベースより)

評判

元年春之祭の評価:

5.50/10点 レビュー 2件。 C ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点5.50pt

元年春之祭の総合評価:

7.59/10点 レビュー 27件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.25
(5pt)

読む価値あり

女性同士の執着がよく書かれている。著者が日本のラノベなどに影響を受けながら中国の歴史物に落とし込んでいて読み応えがある。
元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019355
No.24
(4pt)

中国版『薔薇の名前』だが、しかし−−

地元の書店で購入させていただきました。

 著者は陸秋槎(りく・しゅうさ/ルー・チウチャー)さんで、カバー裏の記載によるなら「1988年中国、北京生まれ。復旦大学古籍研究所在学中の2014年に短編ミステリ「前奏曲」を発表し、第二回華文推理大奨賽の最優秀新人賞を受賞した。2016年に本書で長編デビュー。現在、石川県金沢市に在住」とのことです。

 本書および著者について知ったきっかけは、11月16日の土曜版『日本経済新聞』の記事「文化往来」によってでした。
 以下、少々長くなりますが、引用します。

「前漢時代の中国を舞台にした本格ミステリー「元年春之祭」(稲村文吾訳、早川書房)で話題をさらった金沢在住の中国人作家・陸秋槎。このほど邦訳長編第2弾となる「雪が白いとき、かつそのときに限り」(同)を刊行した。現代中国の学生寮で起きた殺人事件を巡る作品だ。/設定はがらりと異なる2作だが「10代の女の子の青春物語である点は同じ」と陸。1988年北京生まれの作家は中学時代から、日本のアニメが描き出す青春物語に親しんだ。さらに2004年には女性同士の恋愛を題材とする「百合作品」が中国で人気を博したという。「私の世代のアニメファンは、このブームと一緒に成長したんです」/女の子の青春を自らも書きたい気持ちはもちろんだが「ミステリーにおける探偵役とワトソン役は男性の2人組が圧倒的に多い。両者を女の子にすることで、独自の作風がつくれると考えた」とのたくらみもそこにはある。上海の大学で漢詩と書誌学を学んだ大学生のころ、日本の「新本格ミステリー」に魅了されたという。多岐にわたる知識と関心に裏付けられた作品で、華文ミステリーをけん引する」
 
 上記のとおり、本作は前漢(B.C.206-8)時代を舞台にした本格ミステリです。
 他のレビュアーの方が書かれているとおり、また上記のとおり、「百合」(=女性同士の恋愛)にはじまり「百合」に終わる作品です。 
 また、ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』(東京創元社、1990)や小栗虫太郎『黒死館殺人事件』(河出文庫、2008)や、比較的最近の作品でいうとマリーシャ・ペスル『転落少女と36の必読書』(講談社、2011)のようにペダントリーに満ち満ちています(この作品でのペダントリーの源泉は漢籍です)。
 そのペダントリーがうまく生かされているか、つまり、すべてが伏線となって生きているかというとあまりそうも思えず、また、前漢時代の人間がこんな近代人(あるいは現代人)のように話したり考えたりするものか、とも思いますが、全体として良作です。
「著者あとがき」で、「アニメ的なキャラクター表現への情熱を割愛したくなかった」(p.312)とあるように、人物造形がキャラクター小説的ですが、むしろそのおかげでリーダブルな作品となったかもしれません。漢籍ばかりだと息がつまったかも(『論語』や『荘子』までならいざ知らず、ありとあらゆる漢籍がちりばめられているので)。

 好みは分かれそうですが、ぼくは好きですよ。
 中国文学と言ったら、魯迅とノーベル文学賞作家の莫言ぐらいしか読んでこなかったので、こういう中国人が書いた歴史物を読んでみたかったんです。

 最後に。
 タイトルの「元年春之祭」は「著者あとがき」によるなら、『春秋』の冒頭三文字の「元年、春」とストラヴィンスキーのバレエ『春の祭典』をつなぎ合わせてつくったもののようです(p.311)

「中国人が書いた中国の歴史物」、こういうものに興味がある方にはオススメです。
元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019355
No.23
(4pt)

やや読みづらい

全体として中国語の翻訳なので読みづらい。そして、中国の古典に関する議論は漢文の書き下し文が連発されるので正直、あれを理解して話を追うのは私を含め一般人にかなり辛いと思う。
道具立ては本格ミステリファンならお馴染みのものだけれど、犯人の動機は意外性というか新規性があった。
元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019355
No.22
(5pt)

滅多にない小説

当方に漢籍の素養がないため、本の中で扱われている解釈が正しいかどうか分からない。が、きっと正しいのだろうと思える力が荒っぽいながらもあった。主人公がなにかにつけて従者に手を上げるのでどうにも感情移入できないが、当時の人だとこれが普通でむしろ優しい部類に入るのかもしれない。なんにせよ日本のコナン金田一少年などのミステリコミックと比較するのは慎むべきであろう。
元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019355
No.21
(4pt)

これはすごい

これはすごい、中国の古典書を使いこなしている。著者は学者かと思ったが、作ったのは大学院の時のよう。
祭をしきる家柄としての伝統、巫女の在り方への各登場人物の葛藤が物語のベースになっている。ある意味、自由への渇望。こういうものが殺人の動機になるのか?と、普通の日本人としてはちょっと違和感がなくもない。
ということで、古典を使ったスケール感は大きいが、そこで起きる事件が追いついていない気がする。
元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019355

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