ただ一人の異性
- 失踪 (242)
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時代が交錯するので、登場人物が多くなってしまい、すんなり頭に入ってこない感じ。 最後の展開に、もう少し盛り上がりがあればな | ||||
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昨年本書を読んでから書店に行って偶然にも著者の最新文庫本「ねこの証明」を見かけまして森村氏が意外にも大の猫好きな方だったのだなと知りました。それから少し細かい事を書いて苦言を呈しますが、本書の帯に「作家生活52年集大成、文庫オリジナルで登場!」と書かれていますが、この作品は13~4年前に雑誌連載された作品が今回初出版された訳ですから厳密に言えばそういう表現はおかしいと思いますし、また他にも角川文庫の西村京太郎作品の帯に実際は10年前に書かれた物なのに「十津川警部最新作」などと記してあったりするのを見ましたので、ちょっと固い事を言い過ぎとは思いますが特に文庫本の編集者さまには今後は正確を期して改めて欲しいと願いますね。 ペット専門の私立探偵、山中は失踪した妻を探して欲しいという依頼を受け最初は専門外だからと渋るのだが依頼者の真実の目的が妻と共に消えた飼い猫の方にあると知って引き受ける事にする。やがて猫の行方を追う内に出会った女性、山吉は彼にとって運命の女であると気づくと共に、猫の失踪を招く元となった犯罪事件の行方がさらに波紋を広げて行くのだった。 私の幾分かは勝手な想像ですが著者は本書で自分なりの「三毛猫ホームズ」を書いて見たかったのではないかなと思うのですね。猫が推理に絡むという困難な命題に対し決して不自然な夢物語ではなく出来るだけリアリティーが感じられるストーリーに仕立てるのが著者の流儀なのではないでしょうか。第3章では「ただ一匹の猫」と本書のタイトルをパロディーで重ね合わせておられるのにもニヤリとさせられましたね。次に著者が仕掛けた第2の要素は、時代劇の史実と虚構を巧みにミックスさせた「時を超えた男女の永遠の悲恋物語」で三百年前から続く2つの家系の男と女が互いに愛し合いながら運命の悪戯で仲を引き裂かれて結局は添い遂げられないほろ苦いラブ・ストーリーを各々それぞれの時代を追って連作短編小説形式で書かれているのがどの話にも最後は胸が痛みながらも圧巻の読み応えでしたね。そして最後は幾分地味目ですが日本の何処かで現実にあってもおかしくないと思わせる犯罪を描いた医学サスペンスの趣向で、こちらは江戸時代の末裔が絡んだりもしますので、少し考え過ぎではありますが、もし実際に何代目かの方がおられたとしたら悪く書かれて気を悪くされるのではないかなとそこは心配ですね。これら3つの趣向はそれぞれに素晴らしくて巧く考えられているなと誠に感心する出来栄えなのですが、唯一つ難を言えばいろいろと詰め込み過ぎたせいなのか肝心要の謎の解明に至るミステリー本来の面白さに心を砕く事がややおろそかになったかなと思える事ですね。でもまあこれだけの凝ったストーリーをヴァラエティー豊かに楽しませて頂けた事に私としましては十分に満足しておりますので、今回は止むを得ない事だと納得しようと思います。最後に本書のラストについては、単に著者の流儀・芸風の問題なのか日本の陰湿な伝統文化である翳り・宿命のムードを表現しようとされたのか、とも想像いたしますがちょっと悲しい気分が残る読後感ではありましたね。 | ||||
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