方舟さくら丸

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種別
長編
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あらすじ

1990年10月29日 方舟さくら丸 (新潮文庫)

地下採石場跡の巨大な洞窟に、核シェルターの設備を造り上げた〈ぼく〉。「生きのびるための切符」を手に入れた三人の男女と〈ぼく〉との奇妙な共同生活が始まった。だが、洞窟に侵入者が現れた時、〈ぼく〉の計画は崩れ始める。その上、便器に片足を吸い込まれ、身動きがとれなくなってしまった〈ぼく〉は―。核時代の方舟に乗ることができる者は、誰と誰なのか?現代文学の金字塔。(「BOOK」データベースより)

評判

方舟さくら丸の評価:

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方舟さくら丸の総合評価:

8.40/10点 レビュー 25件。

感想一覧

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.25
(5pt)

一冊で3度はおいしい小説

〇 ひとことで言えば多彩かつ多面的な作品だ、ということになる。まずなんと言っても面白い。細部まで周到でマニアックで緻密な状況設定、世間のはみだし者ばかりを集めた登場人物たち、小気味よい物語の進行。冒険小説のスリルと推理小説の意外性を兼ね備えたエンターテインメントだ。

〇 次いでその文章術。さすがに安部公房だと唸らないわけには行かない。小説のはじめの方には秀逸な比喩と華やかな表現をちりばめ、後半になるとまっすぐな事実描写でわき目もふらずに畳みかける。体言止めの多用が生む不思議な余韻。全篇を対象と距離をおいた表現が生むユーモアが支配している。便器から脚が抜けなくなった主人公「もぐら」と、穴の底に囚われた『砂の女』の主人公と境遇はよく似ているのだが、もぐらは『砂の女』の主人公みたいにジタバタせずに、どこか余裕をもって事態を見守る。そこにユーモアがうまれている。

〇 さらに風刺も忘れていない。やり玉にあげられるのは、国家権力の粗雑、組織人間の危うさ、老人の醜悪、簡単にひっくり返る力関係のもろさなど。ただ、チクリチクリとやるだけで深入りはしていない。

〇 最後に、全編を通じて克明に追っている主人公の心理の不思議が味わい深い。彼は世間から逃れるためにシェルターを作り、最後は真っ先にシェルターから逃れて世間に戻った。ここに何か寓意があるのだろう。

〇 この作品でいったい作者は何を言いたかったのだろうか、と一応は考えてみたのだが、すぐにやめた。その気になれば何かもっともらしいことは言えそうな気はするけれど、上に列挙したことで十分ではないか。念の入った架空の小世界を作り上げて、2日にわたって何時間もの楽しい時間を読者に提供し、社会と人間の愚かを垣間見せ、ちょっとした価値の転換に似た感覚を味合わせ得たとすれば、小説家としてそれ以上なにを望むことがあるだろう。

〇 ああ、面白かった、で良いのだと思う。
方舟さくら丸 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸 (新潮文庫)より
4101121222
No.24
(5pt)

一冊で3度はおいしい小説

〇 ひとことで言えば多彩かつ多面的な作品だ、ということになる。まずなんと言っても面白い。細部まで周到でマニアックで緻密な状況設定、世間のはみだし者ばかりを集めた登場人物たち、小気味よい物語の進行。冒険小説のスリルと推理小説の意外性を兼ね備えたエンターテインメントだ。

〇 次いでその文章術。さすがに安部公房だと唸らないわけには行かない。小説のはじめの方には秀逸な比喩と華やかな表現をちりばめ、後半になるとまっすぐな事実描写でわき目もふらずに畳みかける。体言止めの多用が生む不思議な余韻。全篇を対象と距離をおいた表現が生むユーモアが支配している。便器から脚が抜けなくなった主人公「もぐら」と、穴の底に囚われた『砂の女』の主人公と境遇はよく似ているのだが、もぐらは『砂の女』の主人公みたいにジタバタせずに、どこか余裕をもって事態を見守る。そこにユーモアがうまれている。

〇 さらに風刺も忘れていない。やり玉にあげられるのは、国家権力の粗雑、組織人間の危うさ、老人の醜悪、簡単にひっくり返る力関係のもろさなど。ただ、チクリチクリとやるだけで深入りはしていない。

〇 最後に、全編を通じて克明に追っている主人公の心理の不思議が味わい深い。彼は世間から逃れるためにシェルターを作り、最後は真っ先にシェルターから逃れて世間に戻った。ここに何か寓意があるのだろう。

〇 この作品でいったい作者は何を言いたかったのだろうか、と一応は考えてみたのだが、すぐにやめた。その気になれば何かもっともらしいことは言えそうな気はするけれど、上に列挙したことで十分ではないか。念の入った架空の小世界を作り上げて、2日にわたって何時間もの楽しい時間を読者に提供し、社会と人間の愚かを垣間見せ、ちょっとした価値の転換に似た感覚を味合わせ得たとすれば、小説家としてそれ以上なにを望むことがあるだろう。

〇 ああ、面白かった、で良いのだと思う。
方舟さくら丸 Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸より
4106006413
No.23
(5pt)

見つけた!

大変安く購入出来ました
方舟さくら丸 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸 (新潮文庫)より
4101121222
No.22
(5pt)

見つけた!

大変安く購入出来ました
方舟さくら丸 Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸より
4106006413
No.21
(5pt)

簡単には忘れられそうにない

ものすごく感動的な話ではないし、痛快な話でもない。しかし読み終わった後に、心の中に何か引っかかる塊のようなものができ、簡単には忘れられそうにない。
物語の全てが何かの隠喩であるような感じだが、何の隠喩なのかははっきりわからない。そのモヤモヤも、心の中に引っかかる。
はじめは主人公の考え方についていけないが、だんだん、主人公が自分とあまり変わらない人間のような気がしてくる。
物語の最初と最後に出てくる市庁舎の黒いガラス張りの建物に関して、主人公の受け取り方が大きく変化しているのは、主人公の成長のせいなのか、喪失感のせいなのか。
方舟さくら丸 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸 (新潮文庫)より
4101121222

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