剣闘士に薔薇を



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初公開日(参考)2015年06月
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長編小説

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剣闘士に薔薇を

2015年06月26日 剣闘士に薔薇を

紀元四五年のローマ。死闘が繰りひろげられる円形闘技場で、満員の観衆が見守るなか、勝利を目の前にした無敵の剣闘士ケリドンが謎の死をとげた。貴族席でこれを目撃していたアウレリウスは、翌日、皇帝から死の真相をつきとめるよう依頼される。勝敗には貴族から平民まで多くの人間が膨大な金を賭けており、誰の目にも不可解なこの死の謎を放置しておけば皇帝に対する不満が生じかねないのだ。アウレリウスは腹心の秘書カストルを従え、調査を開始するが―。美女と美食と哲学書を愛する元老院貴族アウレリウスが事件に挑む。イタリア発古代ローマ・ミステリ!!(「BOOK」データベースより)




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No.3:
(1pt)

赤面する邦題名にはカバーを

内容と価格のバランスが取れておらず、買うほど、時間かけて読むほどの本でなく残念だった。表紙、内容とも原文書籍の方が遥かに良い。目的なくの購入は損。
剣闘士に薔薇をAmazon書評・レビュー:剣闘士に薔薇をより
4336058954
No.2:
(3pt)

面白い。しかし幾つか難点があります

本作は歴史ミステリーです(著者はファン・ヒューリックの唐代ミステリ・ディー判事シリーズに影響され作家になったそうです)。しかし歴史に興味を持つものとしては、歴史小説なのか、時代劇なのか、は結構重要なポイントです。あとがきによると、作者自身、"歴史学的厳密性より推理小説の作家としての話の面白さを優先している"、という内容を述べていますので、ここを突っ込むのは野暮です。しかし、物語の背景にある重要なポイントをおざなりにしては、興ざめになってしまいます。

 41年に治世を開始したローマ皇帝クラウディウスは、凱旋称号を得て治世に箔をつけるために、即位3年目の43年にブリタニンア(現英国ブリテン島)に親征しました。戦争自体はささいな規模であったものの、都ローマで華々しく凱旋式が行なわれたことから、本書の舞台である45年は、人々の意識にブリタンニアへの関心が残っている時期です。そのブリタンニアの王族の姫デアドラが、ローマに連れてこられて女剣闘士アルドゥイナとなり、本書の主要登場人物として登場しているからには、架空の人物とはいえ彼女の扱いは重要です(というか、本作は17作も出ている人気シリーズなので、シリーズの主人公とは別とすると、この巻の主人公はこの人です。この意味では、原題と異なる邦題はうまい題名でした)。

 そのアルドゥイナは、「イケニ族の姫」「カトゥエラニ族の王カラタクスの姪」「王女」ということにもなっています。カラタクスの姉妹がイケニ族の王に嫁いで生まれた娘という設定だと解釈すると、カラタクスの父クノベリウス王(クノベリヌスとも)の孫となるわけですが、別の箇所では「母親はクノベリウス王の遠い従姉妹」となっているので、クノベリウス王の孫という解釈は成り立ちません(イケニ族、カトゥエラニ族、クノベリヌス、カラタクスは実在の人物)。もっとも、「母親が従姉妹」というのは伝聞情報として登場しており、それが誤った情報だったという可能性や、当時の「姪」という言葉の概念は、現代日本の概念とは大きく異なっていた、という解釈もできます。しかし、そうであるならば、その解釈を補う記述はあってしかるべきでした。事実上の主役なのですから。更に言えば、彼女がもし「イケニ族の王女」だとすると、年齢的に考えて兄弟と推測されるのが、イケニ王プラスタグスであり、その妻は、有名なボウディッカ(ブーディカとも)(夫妻ともに実在)となるわけですから、アルドゥナの口からブーディカの存在が言及されてもよかった。こういうことをやってくれたりすると、本作を「歴史小説」として楽しめるわけですが、重要人物の描写に齟齬が感じられると興ざめしてしまうわけです。アルドゥイナ関連でひっかかったのは他にもあり、ブリテン島の古名であるギリシア語の「アルビオン」を彼女に口にさせるのであれば、現地人(ケルト人)がブリテン島を指したCruthin(復元形*pritenī又は*kʷritenī,(刺青をした人々)と想定されているらしい)や著者の創作でもよいので、それっぽい用語を用いた方が自然です。(他にもいくつか引っかかった点があるのですが、それらは重要ではないにしても、アルドゥイナだけはしっかりやって欲しかった)。あとがきによると、仏独葡ルーマニア語に訳されているとのことですが、UK/USアマゾンを見たところでは英語版はなさそうです。このへんも理由のひとつなのではないかな~などと思ってしまいました。

 ローマの下町や貧民街の住居、酒場、雑踏、貴族の邸宅の描写など、当時のローマの貴人貧民の日常生活が活写され、食事や邸宅の各間の名称など多数の文物にラテン語のルビが付され、巻末には10頁近い用語事典が添えられ、更に古代ローマ学者の井上文則氏がチェックまでしているほどの凝りようで、古代ローマの生活風景にトリップできます。これを時代劇というのは無理があります。しかし、ローマの日常生活については、アルベルト・アンジェラの『』やドラマ『]のような著作・ドラマが日本でも多く出ているので、最近は小説に頼る必要はありません。本作は、文物や空間の復元に力を入れすぎて、「歴史ミステリ」の「歴史」の部分がおざなりになってしまったように思えます。

 邦訳が出ている古代ローマ歴史ミステリとしては、ジョン・マドックス・ロバーツのSPQRシリーズ、リンゼイ・デイヴィスの密偵ファルコシリーズがありますが、私の中では前者は歴史ミステリ、後者は時代劇ミステリです。本書は「古代ローマ人の24時間」と推理小説を合わせて読んだような感じがある一方、読後の印象は密偵ファルコに近いものでした。ラテン語ルビや巻末事典は本作の付加価値ではあるものの、45年時点ではまだなかった筈のコロッセウムやアウレリアヌス城壁が地図にあったりと、精度がちぐはぐです。こうした部分は『古代ローマの24時間』などの他書に任せて、本作はSPQRや密偵ファルコシリーズのように文庫で出す方が適しているように思えました(文庫であれば星4つでした)。

 あとがきで僅か2頁であるものの、イタリア・ミステリ史が記載されているのは有用でした。

 肝心の筋ですが、ミステリとして面白く読めました。ただ、重要な捜査を秘書がやってしまい、その部分が描かれないパターンが目立つのと、肝心の巨悪があっさり倒されてしまったのは拍子抜けでした。ああいう巨悪は、寧ろシリーズ通じた主人公の仇敵として残しておけば、シリーズの他作も読みたくなったかも知れません。
剣闘士に薔薇をAmazon書評・レビュー:剣闘士に薔薇をより
4336058954
No.1:
(3pt)

面白い。しかし幾つか難点があります

本作は歴史ミステリーです(著者はファン・ヒューリックの唐代ミステリ・ディー判事シリーズに影響され作家になったそうです)。しかし歴史に興味を持つものとしては、歴史小説なのか、時代劇なのか、は結構重要なポイントです。あとがきによると、作者自身、"歴史学的厳密性より推理小説の作家としての話の面白さを優先している"、という内容を述べていますので、ここを突っ込むのは野暮です。しかし、物語の背景にある重要なポイントをおざなりにしては、興ざめになってしまいます。

 41年に治世を開始したローマ皇帝クラウディウスは、凱旋称号を得て治世に箔をつけるために、即位3年目の43年にブリタニンア(現英国ブリテン島)に親征しました。戦争自体はささいな規模であったものの、都ローマで華々しく凱旋式が行なわれたことから、本書の舞台である45年は、人々の意識にブリタンニアへの関心が残っている時期です。そのブリタンニアの王族の姫デアドラが、ローマに連れてこられて女剣闘士アルドゥイナとなり、本書の主要登場人物として登場しているからには、架空の人物とはいえ彼女の扱いは重要です(というか、本作は17作も出ている人気シリーズなので、シリーズの主人公とは別とすると、この巻の主人公はこの人です。この意味では、原題と異なる邦題はうまい題名でした)。

 そのアルドゥイナは、「イケニ族の姫」「カトゥエラニ族の王カラタクスの姪」「王女」ということにもなっています。カラタクスの姉妹がイケニ族の王に嫁いで生まれた娘という設定だと解釈すると、カラタクスの父クノベリウス王(クノベリヌスとも)の孫となるわけですが、別の箇所では「母親はクノベリウス王の遠い従姉妹」となっているので、クノベリウス王の孫という解釈は成り立ちません(イケニ族、カトゥエラニ族、クノベリヌス、カラタクスは実在の人物)。もっとも、「母親が従姉妹」というのは伝聞情報として登場しており、それが誤った情報だったという可能性や、当時の「姪」という言葉の概念は、現代日本の概念とは大きく異なっていた、という解釈もできます。しかし、そうであるならば、その解釈を補う記述はあってしかるべきでした。事実上の主役なのですから。更に言えば、彼女がもし「イケニ族の王女」だとすると、年齢的に考えて兄弟と推測されるのが、イケニ王プラスタグスであり、その妻は、有名なボウディッカ(ブーディカとも)(夫妻ともに実在)となるわけですから、アルドゥナの口からブーディカの存在が言及されてもよかった。こういうことをやってくれたりすると、本作を「歴史小説」として楽しめるわけですが、重要人物の描写に齟齬が感じられると興ざめしてしまうわけです。アルドゥイナ関連でひっかかったのは他にもあり、ブリテン島の古名であるギリシア語の「アルビオン」を彼女に口にさせるのであれば、現地人(ケルト人)がブリテン島を指したCruthin(復元形*pritenī又は*kʷritenī,(刺青をした人々)と想定されているらしい)や著者の創作でもよいので、それっぽい用語を用いた方が自然です。(他にもいくつか引っかかった点があるのですが、それらは重要ではないにしても、アルドゥイナだけはしっかりやって欲しかった)。あとがきによると、仏独葡ルーマニア語に訳されているとのことですが、UK/USアマゾンを見たところでは英語版はなさそうです。このへんも理由のひとつなのではないかな~などと思ってしまいました。

 ローマの下町や貧民街の住居、酒場、雑踏、貴族の邸宅の描写など、当時のローマの貴人貧民の日常生活が活写され、食事や邸宅の各間の名称など多数の文物にラテン語のルビが付され、巻末には10頁近い用語事典が添えられ、更に古代ローマ学者の井上文則氏がチェックまでしているほどの凝りようで、古代ローマの生活風景にトリップできます。これを時代劇というのは無理があります。しかし、ローマの日常生活については、アルベルト・アンジェラの『古代ローマ人の24時間---よみがえる帝都ローマの民衆生活』やドラマ『[[ASIN:B002AYP0EK ROME [ローマ] 〈前編〉 [DVD]]]のような著作・ドラマが日本でも多く出ているので、最近は小説に頼る必要はありません。本作は、文物や空間の復元に力を入れすぎて、「歴史ミステリ」の「歴史」の部分がおざなりになってしまったように思えます。

 邦訳が出ている古代ローマ歴史ミステリとしては、ジョン・マドックス・ロバーツのSPQRシリーズ、リンゼイ・デイヴィスの密偵ファルコシリーズがありますが、私の中では前者は歴史ミステリ、後者は時代劇ミステリです。本書は「古代ローマ人の24時間」と推理小説を合わせて読んだような感じがある一方、読後の印象は密偵ファルコに近いものでした。ラテン語ルビや巻末事典は本作の付加価値ではあるものの、45年時点ではまだなかった筈のコロッセウムやアウレリアヌス城壁が地図にあったりと、精度がちぐはぐです。こうした部分は『古代ローマの24時間』などの他書に任せて、本作はSPQRや密偵ファルコシリーズのように文庫で出す方が適しているように思えました(文庫であれば星4つでした)。

 あとがきで僅か2頁であるものの、イタリア・ミステリ史が記載されているのは有用でした。

 肝心の筋ですが、ミステリとして面白く読めました。ただ、重要な捜査を秘書がやってしまい、その部分が描かれないパターンが目立つのと、肝心の巨悪があっさり倒されてしまったのは拍子抜けでした。ああいう巨悪は、寧ろシリーズ通じた主人公の仇敵として残しておけば、シリーズの他作も読みたくなったかも知れません。
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