エウロパの底から
- 小説家 (28)
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著者の作品は改行が少なく文字数が多いため読みごたえがある。内容としては序盤が退屈なのだが、三分の一位で「みーまー」の「あの人」が登場するあたりから物語が動き始める。しかし結末は起伏も無くあっさりしている。完全にファン向けの作品なので、著者初見の方は注意。 | ||||
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いつも異色の作品を書き上げる入間さんですが、今回は意外にも普通の作品です。 落ち目を迎えた作家が怪しい電撃療法の実験台となってからというもの、 自分の書いた小説通りの事件が、たて続けて発生することに。 果たして模倣犯の仕業なのか、予知能力に目覚めたのか。 終わってみれば、結論もなんとも普通なものでした。 | ||||
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ラノベ界で独自路線を突き進む作家・入間人間の新作は…まさかの私小説…いや、超・私小説というべき現実と虚構が入り混じる奇妙な作品 語り手の「私」は作家である。二十歳そこそこでデビューしてやみくもに書いてきたが、三十歳を目前に控えた最近はどうにも スランプ気味になっている。読者はアニメ化や映画化を果たした初期の二作の続きを要求するが、今さら売れ線に沿った王道物を 書く気にもなれず、書く能力も無い。出しゃばりな癖に怠慢な担当編集者は原稿を読む事すら放棄して連絡も取って来ないので 孤独はさらに深まる。風邪をひいた「私」は自作の読者でもある顔見知りの医者に才能の枯渇をからかわれ、怪しげな電撃治療を 受けさせられる羽目になるが、その直後から発売されたばかりの自作と同じ内容の殺人事件が立て続けに発生し、騒動に巻き込まれる事に… 出だしの部分は明らかに私小説を意識して書いたものである。初期二作の件や海外で開かれたサイン会で勝手に撮られた写真をネットに アップされているあたりは完全に入間人間そのものだろう。あとがきに「邪推はするな」とあるが邪推させる為の要素てんこ盛りなのである 入間人間の私小説であると考えながら読むと「私」の自己分析などは実に面白い。「小説には作る側に受けるものと読者に受ける物があり 自分は作る側に受けるタイプの作品だ」と語る辺り随分と屈折した物を感じる。どちらにしても作中では「私」の終始不機嫌な「語り」が 続くので新規の読者に読ませるような話にはなって無いし、この辺りも含めて既存ファン向け作品であるのは間違いない スランプ気味だった「僕」が「蘇るのだ、この電撃で」と人体実験もどきの「治療(?)」を受けさせられた事で天啓の如くアイデアが閃き 次から次に殺人事件を描いた作品を書き始めた辺りから私小説とフィクションの垣根はぶっ壊れて物語は怒涛の如く動き始める。小説家である 自分の作品そのままの殺人事件が立て続けに起きた事で「予言」の如く世間で騒がれ、「小説」である事を否定される事に苛立ち 事件の真犯人を追う金髪糸目の女刑事・上社にも予知能力者扱いされた「私」は遂に自らの小説で犯人と現実に挑み始めるが… 自らが「小説家」である事に拘り続け、「書く事」に拘り続ける「私」の姿勢はドロドロしているが、それぐらい作家としてドロドロした部分が 無ければあれだけ多作家ではあり続けられんわな、と妙に納得した…あくまで半分が入間人間の私小説だとすれば、であるが 入間ワールドではお馴染みの上社さんが出てくるあたりはいつもの入間作品だけど、終盤で自分の作品で犯人を確保しようとする「私」と出し抜きあいを 演じる辺りは現実と虚構が出し抜き合っている様で実に奇妙な感覚に支配される(上社さんて飄々とキャラだと思ってたがと意外とキレたりするのね) そういう意味でこれはただの私小説ではなく超・私小説とでも呼ぶべき代物だ。エウロパの氷の下から噴出する海の如く作家の脳内から溢れるアイデアが 「小説家」を「予言者」扱いして勝手に騒ぐ現実を次第に凌駕していくあたりは「俺はタレントじゃなく作品で勝負する人間なんだ!」と吠える入間人間の生の声が ダイレクトに伝わってきて実に痛快だった 色々な読み方が出来る作品だけど、個人的にはタレント的な人気を得る事よりも「小説家である事」に徹底して拘る入間人間なりのある種の作家論・創作論として読むのが 一番楽しめるんじゃないかと思った。新規の読者にはキツい作品かも知れないけど、長い事入間人間と付き合ってきた読者にしてみれば作家・入間人間の「本音」が聞けて ニヤニヤと「そうだろうなあ」とクセの強い作家と付き合ってるファンとしてこの上ない御褒美的要素を与えてくれる一冊となっている。既存の入間ファンなら絶対に「買い」 ……それにしても「担当編集者」とやらはここまで自分をボロクソに書かれた作品を通したって事は本当に原稿を読んで無かったりするのか? | ||||
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