ビューティ・キラー3 悪心
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アブノーマルな妖しい魅力を放つ美貌の女殺人鬼グレッチェンと彼女を追う刑事アーチーとの愛憎相半ばする戦いのドラマを描くサイコ・サスペンス・シリーズ第3弾です。本書を読み終えて悪党を主役に据えた物語、特にシリアル・キラー物のシリーズ化の難しさを感じました。犯罪の異常性にも次第に慣れて恐怖感も麻痺してしまいますし、フーダニットのヴァリエーションも範囲が限られて来ますので、作家にとって毎回新鮮な魅力を打ち出すのは至難の業と言えましょう。その困難な命題をどう料理するかが作家の腕の見せ所ですが、本書は流石に苦しさを感じさせながらもまずまず健闘している方だと思います。 州間高速道路沿いのサービスエリアの公衆トイレで死体から切断されたと見られる肉片が発見される。現場の壁に書き残された無数のハートマークはビューティ・キラー、グレッチェンの署名なのか?更に別の場所で死体の一部が発見されるに及んで、長らく精神科病棟でリハビリ入院中だった刑事アーチーは遂に再び捜査に乗り出して行く。 本書の推理の部分としては数々の手掛かりを追いはする物の比較的単純で著者が今回はサプライズや謎解きを重視していないのが明らかです。刑事アーチーが新聞記者スーザンと共に謎を追う過程で犯人に捕われまたもや痛めつけられるといったアクション・シーンが生むスリルとサスペンスに比重が置かれていると言えるでしょう。今回はアーチーとグレッチェンの最初の出会いの頃の記憶が回想シーンとして幾度か挿入される演出が取られ、グレッチェンが脇役に引っ込んで中々姿を現しませんが、著者は散々焦らしておいてやはり最後の最後に千両役者としての迫力ある見せ場を用意してくれています。また異常心理サスペンス特有の恐ろしい犯人像は今回の事件でも十分に存在感を示しており読者の背筋を凍らせるでしょう。女流作家の作風としてはロマンスの側面を加味する事が考えられますが、このシリーズには本当に真面目な愛の部分は希薄で、その代わりに緊張を和らげる息抜きとして著者独特のブラック・ジョークが多用されています。本書で新聞記者の菫髪元気娘スーザンが何度も引っ張り出すおかしな死亡統計の知識には(少々不謹慎ですが)大笑いさせられ、ややマンネリ気味で膠着状態に思えるシリーズを救うのは彼女の存在なのではと今後に大きな期待を抱かせてくれます。 段々と書くのが難しくなる事が予想されるシリーズですが、やはり何と言っても最終的にどういう結末を迎えるのかが非常に気になる所ですので今後も辛抱強くストーリーを追い続けようと思います。 | ||||
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