死にゆく者への祈り

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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ

1982年01月31日 死にゆく者への祈り (ハヤカワ文庫 NV 266)

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評判

死にゆく者への祈りの評価:

7.50/10点 レビュー 2件。 B ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.50pt

死にゆく者への祈りの総合評価:

8.90/10点 レビュー 10件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.8
(5pt)

神父はマーチン・ファロンの魂を救えたか?

ジャック・ヒギンズ作品を読むのは初めてだったが、久々に物語の世界に浸り続けることが出来る作品だった。原書は1973年発表(邦訳は1982年)とのことで古い作品であるのだが表紙は改刷されたようで 棺の上に置かれたチェスカと薔薇が美しい。(まさにGUNS N’ ROSES) 他のジャック・ヒギンズ作品も表紙を改めてもらいたいものだ。

いまや老舗の組織となってしまったIRAであるが、作品発表当時IRAの活動は活発で、私はU2の1983年作「WAR」 収録の“Sunday Bloody Sunday”で知ることになった。主人公マーチン・ファロンはそのIRAの生き残りだが、今はIRAからも追われる立場に陥ってしまった。切迫する中、パスポートを得るため仕方なく 闇組織のボス、ジャック・ミーアンからの暗殺依頼を引き受けるが、犯行をカトリック教のダコスタ神父とその姪アンナに知られてしまう。何故二人を殺さなかったのかジャックに問われるが、ある方法を使って神父の口封じを行う。マーチンはダコスタ神父とアンナをかばうが、ジャックの手が忍び寄る。

海外文庫は過剰な遠回しなもの言いや 馴染みの薄い比喩が多いため、何を表現しているのかわからない場合があるが本作品は非常に読みやすい。登場人物は少なくストーリーは単純だが、プロットをきちんと立てた前フリがあり、本編と関係なさそうな箇所の詳細が何故描かれているのか 終盤になればそれも判明する。 

登場人物に個性がある(≒非現実的)が、著者ジャック・ヒギンズが元軍人で教職についていた影響もあるのだろう、銃器類に詳しく、知性的だ。元S.A.S隊員で、言語学と哲学の博士号2つを持つ勇敢なダコスタ神父、貧困の中から闇組織のボスまでのし上がった“伊達男”ジャック・ミーアン、残虐な組織人でありながらも死人には敬意を示し、芸術的なまでの死化粧を施す。悪役を単なる悪役では終わらせず、人物像に立体感を持たせるための奥行きも忘れていない。

そしてウィリアム・ワーズワースの詩を読み、オルガンとガンシューティングの名手である元IRA中尉 マーチン・ファロン。祖国のため断固たる信念のもと戦ったが理想を失い、自身を「歩く死骸」と表現する。それでも本人は飄々としており、イカれてると言われても「イカれてれば怖いものなしだ」と言い返す。しかし彼の行動はダコスタ神父とアンナの運命まで変えてしまう。オルガンの、ひとつの音栓の狂いがほかの音まで狂わせるように。

怒りに満ちていてもどこか冷静で、機転も利く男が何処で道を間違えてしまったのか マーチン本人すらわからない。後半、ダコスタ神父との会話で彼の苦悩が解き明かされる。「全てを燃焼しくつしても生きるに値するものも、またひとつないということだよ」 - 胸を打つようなセリフがあればこそ、印象に残るし感情移入もしたくなる。

神父の務めは魂を救うこと、はたしてダコスタ神父の祈りはマーチン・ファロンの魂を救えたのだろうか?
罪を流すかのように街にはまた雨が降る。
死にゆく者への祈り (1982年) (ハヤカワ文庫―NV) Amazon書評・レビュー: 死にゆく者への祈り (1982年) (ハヤカワ文庫―NV)より
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No.7
(5pt)

神父はマーチン・ファロンの魂を救えたか?

ジャック・ヒギンズ作品を読むのは初めてだったが、久々に物語の世界に浸り続けることが出来る作品だった。原書は1973年発表(邦訳は1982年)とのことで古い作品であるのだが表紙は改刷されたようで 棺の上に置かれたチェスカと薔薇が美しい。(まさにGUNS N’ ROSES) 他のジャック・ヒギンズ作品も表紙を改めてもらいたいものだ。

いまや老舗の組織となってしまったIRAであるが、作品発表当時IRAの活動は活発で、私はU2の1983年作「WAR」 収録の“Sunday Bloody Sunday”で知ることになった。主人公マーチン・ファロンはそのIRAの生き残りだが、今はIRAからも追われる立場に陥ってしまった。切迫する中、パスポートを得るため仕方なく 闇組織のボス、ジャック・ミーアンからの暗殺依頼を引き受けるが、犯行をカトリック教のダコスタ神父とその姪アンナに知られてしまう。何故二人を殺さなかったのかジャックに問われるが、ある方法を使って神父の口封じを行う。マーチンはダコスタ神父とアンナをかばうが、ジャックの手が忍び寄る。

海外文庫は過剰な遠回しなもの言いや 馴染みの薄い比喩が多いため、何を表現しているのかわからない場合があるが本作品は非常に読みやすい。登場人物は少なくストーリーは単純だが、プロットをきちんと立てた前フリがあり、本編と関係なさそうな箇所の詳細が何故描かれているのか 終盤になればそれも判明する。 

登場人物に個性がある(≒非現実的)が、著者ジャック・ヒギンズが元軍人で教職についていた影響もあるのだろう、銃器類に詳しく、知性的だ。元S.A.S隊員で、言語学と哲学の博士号2つを持つ勇敢なダコスタ神父、貧困の中から闇組織のボスまでのし上がった“伊達男”ジャック・ミーアン、残虐な組織人でありながらも死人には敬意を示し、芸術的なまでの死化粧を施す。悪役を単なる悪役では終わらせず、人物像に立体感を持たせるための奥行きも忘れていない。

そしてウィリアム・ワーズワースの詩を読み、オルガンとガンシューティングの名手である元IRA中尉 マーチン・ファロン。祖国のため断固たる信念のもと戦ったが理想を失い、自身を「歩く死骸」と表現する。それでも本人は飄々としており、イカれてると言われても「イカれてれば怖いものなしだ」と言い返す。しかし彼の行動はダコスタ神父とアンナの運命まで変えてしまう。オルガンの、ひとつの音栓の狂いがほかの音まで狂わせるように。

怒りに満ちていてもどこか冷静で、機転も利く男が何処で道を間違えてしまったのか マーチン本人すらわからない。後半、ダコスタ神父との会話で彼の苦悩が解き明かされる。「全てを燃焼しくつしても生きるに値するものも、またひとつないということだよ」 - 胸を打つようなセリフがあればこそ、印象に残るし感情移入もしたくなる。

神父の務めは魂を救うこと、はたしてダコスタ神父の祈りはマーチン・ファロンの魂を救えたのだろうか?
罪を流すかのように街にはまた雨が降る。
死にゆく者への祈り (ハヤカワ文庫 NV 266) Amazon書評・レビュー: 死にゆく者への祈り (ハヤカワ文庫 NV 266)より
4150402663
No.6
(5pt)

神父はマーチン・ファロンの魂を救えたか?

ジャック・ヒギンズ作品を読むのは初めてだったが、久々に物語の世界に浸り続けることが出来る作品だった。原書は1973年発表(邦訳は1982年)とのことで古い作品であるのだが表紙は改刷されたようで 棺の上に置かれたチェスカと薔薇が美しい。(まさにGUNS N’ ROSES) 他のジャック・ヒギンズ作品も表紙を改めてもらいたいものだ。

いまや老舗の組織となってしまったIRAであるが、作品発表当時IRAの活動は活発で、私はU2の1983年作「WAR」 収録の“Sunday Bloody Sunday”で知ることになった。主人公マーチン・ファロンはそのIRAの生き残りだが、今はIRAからも追われる立場に陥ってしまった。切迫する中、パスポートを得るため仕方なく 闇組織のボス、ジャック・ミーアンからの暗殺依頼を引き受けるが、犯行をカトリック教のダコスタ神父とその姪アンナに知られてしまう。何故二人を殺さなかったのかジャックに問われるが、ある方法を使って神父の口封じを行う。マーチンはダコスタ神父とアンナをかばうが、ジャックの手が忍び寄る。

海外文庫は過剰な遠回しなもの言いや 馴染みの薄い比喩が多いため、何を表現しているのかわからない場合があるが本作品は非常に読みやすい。登場人物は少なくストーリーは単純だが、プロットをきちんと立てた前フリがあり、本編と関係なさそうな箇所の詳細が何故描かれているのか 終盤になればそれも判明する。 

登場人物に個性がある(≒非現実的)が、著者ジャック・ヒギンズが元軍人で教職についていた影響もあるのだろう、銃器類に詳しく、知性的だ。元S.A.S隊員で、言語学と哲学の博士号2つを持つ勇敢なダコスタ神父、貧困の中から闇組織のボスまでのし上がった“伊達男”ジャック・ミーアン、残虐な組織人でありながらも死人には敬意を示し、芸術的なまでの死化粧を施す。悪役を単なる悪役では終わらせず、人物像に立体感を持たせるための奥行きも忘れていない。

そしてウィリアム・ワーズワースの詩を読み、オルガンとガンシューティングの名手である元IRA中尉 マーチン・ファロン。祖国のため断固たる信念のもと戦ったが理想を失い、自身を「歩く死骸」と表現する。それでも本人は飄々としており、イカれてると言われても「イカれてれば怖いものなしだ」と言い返す。しかし彼の行動はダコスタ神父とアンナの運命まで変えてしまう。オルガンの、ひとつの音栓の狂いがほかの音まで狂わせるように。

怒りに満ちていてもどこか冷静で、機転も利く男が何処で道を間違えてしまったのか マーチン本人すらわからない。後半、ダコスタ神父との会話で彼の苦悩が解き明かされる。「全てを燃焼しくつしても生きるに値するものも、またひとつないということだよ」 - 胸を打つようなセリフがあればこそ、印象に残るし感情移入もしたくなる。

神父の務めは魂を救うこと、はたしてダコスタ神父の祈りはマーチン・ファロンの魂を救えたのだろうか?
罪を流すかのように街にはまた雨が降る。
死にゆく者への祈り (1978年) (Hayakawa novels) Amazon書評・レビュー: 死にゆく者への祈り (1978年) (Hayakawa novels)より
B000J8R0QU
No.5
(5pt)

神父はマーチン・ファロンの魂を救えたか?

ジャック・ヒギンズ作品を読むのは初めてだったが、久々に物語の世界に浸り続けることが出来る作品だった。原書は1973年発表(邦訳は1982年)とのことで古い作品であるのだが表紙は改刷されたようで 棺の上に置かれたチェスカと薔薇が美しい。(まさにGUNS N’ ROSES) 他のジャック・ヒギンズ作品も表紙を改めてもらいたいものだ。

いまや老舗の組織となってしまったIRAであるが、作品発表当時IRAの活動は活発で、私はU2の1983年作「WAR」 収録の“Sunday Bloody Sunday”で知ることになった。主人公マーチン・ファロンはそのIRAの生き残りだが、今はIRAからも追われる立場に陥ってしまった。切迫する中、パスポートを得るため仕方なく 闇組織のボス、ジャック・ミーアンからの暗殺依頼を引き受けるが、犯行をカトリック教のダコスタ神父とその姪アンナに知られてしまう。何故二人を殺さなかったのかジャックに問われるが、ある方法を使って神父の口封じを行う。マーチンはダコスタ神父とアンナをかばうが、ジャックの手が忍び寄る。

海外文庫は過剰な遠回しなもの言いや 馴染みの薄い比喩が多いため、何を表現しているのかわからない場合があるが本作品は非常に読みやすい。登場人物は少なくストーリーは単純だが、プロットをきちんと立てた前フリがあり、本編と関係なさそうな箇所の詳細が何故描かれているのか 終盤になればそれも判明する。 

登場人物に個性がある(≒非現実的)が、著者ジャック・ヒギンズが元軍人で教職についていた影響もあるのだろう、銃器類に詳しく、知性的だ。元S.A.S隊員で、言語学と哲学の博士号2つを持つ勇敢なダコスタ神父、貧困の中から闇組織のボスまでのし上がった“伊達男”ジャック・ミーアン、残虐な組織人でありながらも死人には敬意を示し、芸術的なまでの死化粧を施す。悪役を単なる悪役では終わらせず、人物像に立体感を持たせるための奥行きも忘れていない。

そしてウィリアム・ワーズワースの詩を読み、オルガンとガンシューティングの名手である元IRA中尉 マーチン・ファロン。祖国のため断固たる信念のもと戦ったが理想を失い、自身を「歩く死骸」と表現する。それでも本人は飄々としており、イカれてると言われても「イカれてれば怖いものなしだ」と言い返す。しかし彼の行動はダコスタ神父とアンナの運命まで変えてしまう。オルガンの、ひとつの音栓の狂いがほかの音まで狂わせるように。

怒りに満ちていてもどこか冷静で、機転も利く男が何処で道を間違えてしまったのか マーチン本人すらわからない。後半、ダコスタ神父との会話で彼の苦悩が解き明かされる。「全てを燃焼しくつしても生きるに値するものも、またひとつないということだよ」 - 胸を打つようなセリフがあればこそ、印象に残るし感情移入もしたくなる。

神父の務めは魂を救うこと、はたしてダコスタ神父の祈りはマーチン・ファロンの魂を救えたのだろうか?
罪を流すかのように街にはまた雨が降る。
死にゆく者への祈り (Hayakawa novels) Amazon書評・レビュー: 死にゆく者への祈り (Hayakawa novels)より
4152073411
No.4
(5pt)

感動

ヒギンズ独特の男のロマンあふれる世界観を堪能できました。
こういう美意識って普遍的なもんなんですよね
死にゆく者への祈り (1978年) (Hayakawa novels) Amazon書評・レビュー: 死にゆく者への祈り (1978年) (Hayakawa novels)より
B000J8R0QU

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