三つの秘文字
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
三つの秘文字の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 C ランク
三つの秘文字の総合評価:
7.43/10点 レビュー 14件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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心臓を抜き取られ、背中にルーン文字を彫られた女性の遺体がトーラの自宅の庭から発見されます。ルーン文字というのは2世紀以降、ゲルマン人が使用していた文字で、かつてシェットランドを支配下に置いていた北欧諸国でも中世まで使われていました。北欧の小人伝説トロールが伝わったものと思われるトローの伝説がここでは長く伝えられていて、シェットランドの人々は今もそれを信じています。トローはこの作品によると「幽霊よりもわずかに実態があるというものだが人間によく似ている、不自然なほど長生きし、催眠術も含めた不思議な力を備えている。男の種族であり、子孫を残すために人間の女性をさらって変わりに身代わりを置いてくる、そして生まれてくる子供は男の子ばかり。母親は出産後9日目に死ぬ」そして、「シェットランド中にある小さな丘はトローの墓だと信じられている。トローは”芳しい暗い土”に埋められないと魂が彷徨って悪いものに変わってしまう。島の住民は土地が荒らされているのをみつけても、トローの墓を暴くことを恐れて捜査を拒むことがある」ということ。トーラは、庭に埋められていた女性の死体とこれらの伝説をつなぎ合わせて考え始めます・・・。
ユニークな作品で力作ですが、読んでいて漠然と何か不自然さがあり、処女作だからか、猟奇的でショッキングなカラーを出そうとして無理をしている部分があるように感じました。他のレビューアの方も言われているように、事件の真相とルーン文字を死体に彫る理由も必然性があまり感じられないような気がしますし、トーラが怪しい島に乗り込むシーンは、サスペンス映画風にしたところがあってちょっと・・・という感じです。
作中で大切な役割を担うトーラの相棒的な巡査部長タラクはスコットランド警察から飛ばされてきた若い女性ですが、名前からしてイスラム系ではないのか?と思いながら読み進んでいくと、後の方で「インド人」という表記があり、英国に多いパキスタン系英国人だと思います。英国の読者にとっては名前を聞くだけでわかる明白なことですが、日本人だとわからない人が多いと思うので、タラク巡査部長ががパキスタン移民家庭の出身だということを頭に入れて読むのと知っていないのでは、内容の受け止め方が違ってくると思いました。文章内にその説明がなくても、翻訳の時点で書き加えておいた方がよかったのではと思いました。
続く第二作は賞を受けているそうで、きっとさらによくなったのだと思います。そちらの方も読んでみたいです。また、あとがきに英国ミステリの古典であるコリンズ作「白衣の女」のネタばれが作中にあるので、できればあちらを読んでからこちらに取り掛かる方がいいと書いてありましたが、「白衣の女」を読む予定がある方は、その方がいいかもしれません。