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本好き! さんのレビュー一覧

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レビュー数145

全145件 81~100 5/8ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.65:
(9pt)

鴨川食堂はんなりの感想

人気シリーズの5巻目、毎回似たような依頼に同じように答えていくのだけど、全体に流れるほんわかした空気が心地よい。でも5巻目ともなると、完成度もかなりあがってきたように思います。
今回は「おでん」の章が特に感銘を受けました。事情あって夫婦が離れて暮している方が読むとジ~ンとくるものがあると思います。当シリーズ、まだまだ続いてほしいです。
鴨川食堂はんなり (小学館文庫)
柏井壽鴨川食堂はんなり についてのレビュー
No.64:
(9pt)

オリンピックへ行こう!の感想

五輪の中でもマイナーな(卓球はメジャーかな?)種目を取り上げるあたり、真保さんらしくてgood!
3種目というのはやや物足りない気がしたが、どれも競技に取り組む選手の真剣な表情が伝わってくる。また、競技シーンがまさにリアルというか、競技場の緊張感がよく現れていて、真保さんの緻密な表現力は他の作品で実証ずみだが、ここでもいかんなく発揮されている。
東京五輪に向けて夏季競技3種目だったが、冬季種目ではどんな作品になるか読んでみたくなった。冬季バージョンも書いてもらえないかな?
そして「行こう!」シリーズ、次があるなら今から楽しみ〜。
オリンピックへ行こう!
真保裕一オリンピックへ行こう! についてのレビュー
No.63: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

凶犬の眼の感想

日岡は大上が敷いたレールにしっかり乗っかって、成長している。それも大上の上を行くようなマル暴刑事として。そんな魅力のある日岡がうかがえる「孤狼の血」シリーズ第2段。
前半は田舎の駐在に飛ばされた彼の周辺でのどかな日々が流れていて、前作からの骨太さがどこへやらだが、後半は期待どおりに展開していく。そう来るか!?と思わせるところも。
きっと日岡は前作の大上の上をいくような存在になって行くんでしょうね。
3作目ではもうひと皮むけた日岡の姿が期待出来そう。
凶犬の眼
柚月裕子凶犬の眼 についてのレビュー
No.62:
(9pt)

火定の感想

天平の昔に大流行した天然痘に怯える庶民と、流行り病と闘う医師たち。今でこそ病の原因は比較的容易く突き止められるが、当時の人たちはそれこそ疫神の怒りだ、と恐れ戦くばかりでにっちもさっちもいかなかったのだろう。
そんな当時の混乱ぶりがよく伝わってくる作品です。今でも怪しげな札を配っては高い祈祷料を取る詐欺まがいの団体はいるが、おそらく本作に出てくるような禁厭札をばらまく輩はいたんでしょうね。庶民はそれにくいつくことで病を克服できると信じて大枚をはたく。昔も今もおなじ。
昔の人たちの恐怖と背中合わせな暮らしがよく表された作品だと思います。
火定(かじょう) (PHP文芸文庫)
澤田瞳子火定 についてのレビュー
No.61:
(9pt)

沈黙の詩 京都思い出探偵ファイルの感想

認知症に陥った女性の過去を探る依頼を受け、彼女がしたためていた詩に隠された心のうちを解明していくくだりが面白かった。昭和初期の社会情勢を絡めて、ひとりの女性がたどった暗く悲しい人生が心を打つ。
シリーズ3作目になってもハートフルなストーリーは色あせません。ぜひ4作目も期待します。
沈黙の詩 京都思い出探偵ファイル (PHP文芸文庫)
鏑木蓮沈黙の詩 京都思い出探偵ファイル についてのレビュー
No.60: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

あぁ、我が故郷が…

前作に引き続き、ひと味違うミステリを味わわせてもらった。
人類の進化という壮大なテーマに則った今までとは違う、著者ならではの文体が心地よかった。また、「鏡」に関する類人猿などの自己認識は特に惹かれるものがあったし、人類と猿の間に引かれている線がある程度、はっきりとしたものであることが改めて気付かされたような気がします。
鈴木望はそのキャラクターがどうも感情のないロボットのような印象で、もう少し人間的であってもよかったと思う。(彼の生い立ちを際だたせるため?)

我が故郷、京都が大変なことになっているが、昨今の過剰な観光地化に警鐘を鳴らしているようで、胸のすく思いがしたのは確かです(笑)
Ank : a mirroring ape (講談社文庫)
佐藤究Ank: a mirroring ape についてのレビュー
No.59: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

盤上の向日葵の感想

テーマについては昨今の将棋ブームにのったというのもあるだろうけど、なかなか読ませる作品です。将棋のことはさっぱりでも、ストーリーの確かさは納得。著者の特徴といえる骨太で丁寧な作風は本作でもしっかり生きている。対局シーンは将棋に疎いものには??でも熱戦ではあるのだろうことはわかります。言ってみれば、そういう読者にもわかりやすいよう配慮が施されている。著者の読者サービス(?)がうかがえる。
桂介を取り巻く人たちのキャラクターは抜群に冴えていると思った。東明なんか特に。
この調子で次回作も期待しています!
ところで、平成6年が舞台なのはなぜ?
盤上の向日葵
柚月裕子盤上の向日葵 についてのレビュー
No.58:
(9pt)

江戸川乱歩名作選の感想

名作選というだけあって、傑作選とあわせて読むのが乱歩の入門編といったところ。「陰獣」は後世に語り継がれる作品といわれ、完成度が高い。また、個人的には「石榴」「押絵と旅する男」「踊る一寸法師」がお気に入り、どれも乱歩を表すグロテスク、淫という単語が浮かんできて、乱歩の世界にどっぷり浸かれる。
余談ながら、乱歩の世界観を見事に音楽と融合させた、その名も「人間椅子」というロックバンドの曲を聴きながら(「陰獣」という曲もある!)読めば、もうドロドロの底なし沼から這い出せなくなること必至!?
江戸川乱歩名作選 (新潮文庫)
江戸川乱歩江戸川乱歩名作選 についてのレビュー
No.57:
(9pt)

東京二十三区女の感想

東京中に蔓延している怨念。それを追い求めて女フリーライターが23区を巡る。それぞれの区に秘められた歴史や代表的な名所を紹介するガイド的な役割と長江流ホラーが合わさって一気読みでした。23区民ならぜひ読んでおきたい一冊。
今回は板橋、渋谷、港、江東、品川の5区だけでやや消化不良。ぜひ23区コンプリートを期待します。
私の住んでいる区も未登場なので。
東京二十三区女 (幻冬舎文庫)
長江俊和東京二十三区女 についてのレビュー
No.56:
(9pt)

雪の香りの感想

全体的な感想としては、京都の観光ガイドブックのような部分も多い。これは否定的な意見ではなく、京都の名所の情景を表すことで”純愛”ミステリ的性格を浮きだたせるものとして受け取れる。私は京都人でありながら、知らなかったところも出てきて、勉強になりました(汗
雪乃の性格云々の意見もありますが、悪くないですよ。こういう女性に惹かれる男、いますよ。(私にはムリですが。。。)
塩田作品の特徴として、地の文と会話文のギャップ(会話部分はほとんど漫才調!)が却って面白い。関西弁だからかもしれないが。
著者の「書き終えたくなかった」というコメントは読了後、なるほどなと納得できる言葉でした。
京都人なら必読の書です。

雪の香り
塩田武士雪の香り についてのレビュー
No.55:
(9pt)

検索禁止の感想

前半の「都市伝説」の数々は興味深かった。ネットの世界でどんな状況になっているのか知りたくなって思わず検索してしまった。その結果…
名作ホラー映画の題材となった実際に起きた事件。実際の事件だけに胸糞悪くなるのは必至。読んでどうなっても知らないよと注意喚起しておく。
全体的に面白かったが、やはり自著のPRは不必要とは言わないまでも、ほどほどにしておいた方が…
検索禁止 (新潮新書)
長江俊和検索禁止 についてのレビュー
No.54:
(9pt)

京都西陣シェアハウス ~憎まれ天使・有村志穂~の感想

有村志穂の特異な(?)キャラクターに◎!!
就活に失敗し続けるかたわら、シェアハウスの住人達に疎まれながら、救いの手をさしのべる優しさをあわせ持つ彼女のキャラを生みだした著者の手腕に感服。
相変わらず女性主人公の作品が多く、ある意味そっちの人??
と思ってしまいますが。
でも志穂みたいなのが身近にいたらヤだろうなァ…(; ꒪ㅿ꒪)
京都西陣シェアハウス ~憎まれ天使・有村志穂~
No.53:
(9pt)

シマイチ古道具商 春夏冬人情ものがたりの感想

大阪・堺の古道具店を舞台に、実にほんわかと温かみのある物語が展開されます。古道具の知識もさる事ながら、それを通じて「家族」の意義を考えさせてくれる。
これまでスポーツミステリが主だった著者の新境地です。
余談ながら、古道具店の佇まいが、業種こそ違えどこか私の生家を思い出させてくれたのもよかった。
シマイチ古道具商: 春夏冬(あきない)人情ものがたり (新潮文庫nex)
No.52:
(9pt)

放送禁止の感想

こういう形のミステリ小説も充分アリだと思います。
映像版は見たことないですが、小説版だけでもたっぷり楽しめます。
収録されている3編は、結末が明らかにされておらず、解明は読者に委ねられている、思ったとおりだとすれば相当怖い〜(/ω\*)
放送禁止
長江俊和放送禁止 についてのレビュー
No.51:
(9pt)

ビブリア古書堂の事件手帖7 栞子さんと果てない舞台の感想

ついに完結ですか。
これまでのシリーズを読んできて、完結編ということもあり、最もまとまって内容になっていると思います。シェイクスピアの作品に関すること、後半の振り市でのシーンは読みごたえバツグンです。(『人肉質入裁判』には笑ってしまいました。)
さて、”ビブリアロス”にならないよう(?)番外編やスピンオフが予定されているとのこと(あぁ、セレクトブックは出てますね)、楽しみです!
それと、実写&アニメ化も。実写はあの失敗作ドラマの二の舞になる可能性もあるので、アニメの方に期待です。
ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)
No.50: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

黒い鶴の感想

著者が作家として世に出るきっかけとなった表題作をはじめとする珠玉の短編集。
表題作「黒い鶴」は、暗号ミステリの要素が含まれて最後にあっといわせる作品。タイトルに重みを感じます。
その他、印象に残ったのは、「時限」にも登場する片岡真子が主人公「大切なひと」、猫ブームに乗っかった?「京都ねこカフェ推理日記」、心理的ホラー「誓い」、能をテーマにした異色作「花はこころ」など。
短編でも著者のハートフルな文体はしっかり出ています。
それにしても、著者の作品には女性主人公が多く登場する。「京都」をイメージしてのものか、そういえばもうひとつ作品の舞台として出てくる岩手もどことなく女性的なイメージがあります。女性心理の描き方がうまい…ってもしかしてオネェ??
潮文庫 黒い鶴
鏑木蓮黒い鶴 についてのレビュー
No.49:
(9pt)

出版界のウラ側が見え隠れ・・・

七里先生独特の軽妙な文体の中に、出版界のウラ側がチラホラ。ミステリとしてのトリックそのものよりも、そんな隠された現状を暴露したようなところに興味を覚えた。実際に傲慢な勘違い作家もいるだろうし、偏執的な編集者やストーカーまがいの読者、そして平気で原作の内容をねじ曲げてしまうプロデューサーなども実在するでしょう。七里先生による業界暴露話として読んでも面白い短編集です。
作家刑事毒島
中山七里作家刑事毒島 についてのレビュー
No.48: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

慈雨の感想

柚月さんの作品は、他の警察小説にはない人間的なドラマの要素でグッと読ませる魅力がある。この作品もお遍路の旅というテーマを巧みに織り交ぜた感動作です。
また私事ながら、主人公夫婦は私ら夫婦とどこか似た所があり(性格や境遇が)、なんだか自分たちが演じているような気分にもなりました。
退職刑事がここまで捜査に携われるか?現役がそんな元刑事の意見を簡単に受け入れるのかな?という疑問はありましたが、涙腺が緩む場面もいくつかあって、年初からいい作品を読ませていただきました。
また、お遍路に興味を持ったのも確かです。
慈雨 (集英社文庫)
柚月裕子慈雨 についてのレビュー
No.47: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

ヒポクラテスの誓いの感想

やけにセリフの部分が多いので、少々マンガチックで軽い印象も残るが、
光崎教授やキャシーはじめ、主人公の真琴や古手川刑事など
個性豊かな登場人物はそれぞれに魅力的。
法医学ミステリとして、専門家でもない著者がここまで書けるのはさすがというべきか。
法医学ミステリとして他の作家の作品と比して完成度はどのくらいかは、あまり読んだことがないので
わからないけど、かなりのものなんでしょうね。
2作目の完成度が落ちないことを期待します。
ヒポクラテスの誓い (祥伝社文庫)
中山七里ヒポクラテスの誓い についてのレビュー

No.46:

QJKJQ (講談社文庫)

QJKJQ

佐藤究

No.46: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

QJKJQの感想

この文体から、おそらく乱歩賞史上まれにみる「奇書」に挙げられるのでは?と読み進めていくと、なるほど幻想的でリアリティからは一線を画すストーリーで、好き嫌い・賛否両論別れそうな内容ではありますが、全体的にはきちんと折りたたまれていて読みやすかった。
確かにリアリティはなく、劇画的ではあるが、描き方は非常に丁寧。この類の作品にありがちな難解さは全くないと感じた。
乱歩賞作品の中ではやや異質かもしれないが、それでもやはり乱歩賞なんですね。
次回作が期待できます。
QJKJQ (講談社文庫)
佐藤究QJKJQ についてのレビュー