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梁山泊 さんのレビュー一覧
梁山泊さんのページへレビュー数236件
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「?」な作品。
警察官とTV局員の幼馴染がダブルヒロインです。 「二人のヒロインが格好良くて」なんてレビューが多いのにまず驚きです。 こんなダサくて格好悪いヒロインがいるのかって。特にTV局員の方。 私には作者が「出来る女性」として描いたとはとても思えないんですけどね。 仕事のできる女性って当然何人も知ってますけど、こんなんじゃないでしょう。 男性がこれやっても「多少やなやつ」で済むのかも知れませんが「ダメダこいつ」なのは違いないわけで、これを女性がやったらこんな醜いんですね。 最後二人共殺される、当然殺され役キャラだと思ってましたけどね。 生きてやんの(笑) |
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主人公を同じに5つの異なる国を舞台にした5編の短編集。
一応謎解きの体をとっていますが、文学的というか詩的というかそういう文体でどこか淡々としていますね。 上手く表現できないのですが、 1つ1つ単独で見るとどこか物足りない感じがするのですが、短編「集」になった時、凄くまとまっているように感じるんですよね。 我々日本人との、文化の違い、価値観の違いを上手く扱ったホワイダニットで、文体もさることながら全体的に「質の高い作品」に思えました。 面白いか面白くないかは別にして、ですが。 |
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ゼネコンの談合の話です。
ページ数もあって骨太な話ではあるのですが、別業種の人間からの素人的意見を言わせてもらうと、「必要悪」だとは思うけど、そもそも入札とかさぁ、なんでこんなヤクザな決め方してるわけ?って思っちゃうだけなんですよね。 長々と描かれたところで、 権力者にお金が流れるように出来てんじゃん。何でわからないの? 悪しき習慣というか、正直頭悪い連中が揃った業界だなって思う。 そういうのをぶっ壊す主人公って描けないんですかね。 |
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二階堂氏の作品にはホント独特な雰囲気がありますね。
設定は横溝正史っぽいけど読んでみると、舞台も山奥の僻地って感じじゃなく屋敷も洋風ですから、横溝っていうよりもカーですね。 これまで何作か読んでいて「ほんとにミステリが好きなんだな、この人」って思うんですけど、古典名作いいとこつまみ食いって感じもしなくはないです。 あと、このシリーズは探偵役を好きになれないんですよね。毎回。 個性も魅力もないかなぁ・・・ この作品については、トリックは面白かったですね。 ただ、あの犯人がこんなトリックを思いつく人物にはとても思えないんですけどね。 だから読了後、どこかしっくりこないんですよね。 |
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今や絶滅危惧種と言える昭和の頑固じじいの物語で連作短編の体です。
この作者さんの作品では「異端」と思って読み進めていて、「なかなかいいんじゃない」なんて思っていたんですが、最後は結局刑事事件を絡めてしまうんですね(笑) 正直、そのせいでどことなく薄い話になっちゃった気もしましたが・・・ それに、続編あってもいいんじゃないかなぁ、とまで思っていたのに殺しちゃったよ(笑) 「迷走」してないですかねぇ・・・ |
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三作の中編集だが、未来三部作と言われているらしい。
構成が巧みな作家さんで、この作品もまさに「伊坂ワールド」なんだけど、3つの独立した話に後付で薄い関連を付加して繋げて1つの物語に仕上げた感じ(で正解?)。 単行本表紙にドミノが描かれてます。 何かをきっかけに、全く関係がなさそうな3つの作品が繋がっていく、伊坂さんで言うと「ラッシュライフ」なんかもそんな作品だったと思いますが、確かにその手の作品のつもりで描かれたんでしょうけど、はっきり言って、この作品は難しすぎて初読で理解するのはまず無理ですね。 そう言われてみれば、表紙のドミノ、全部倒れそうにないですけど、意図したものなのでしょうか。 |
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この作者さんらしい「閉じられた空間での心理戦」なのですが状況がかなり特殊です。
テーマは「信頼」なのかな。 そして特殊な状況というのは、「悪意」が存在しない、そんな中での心理戦だという事。 メンバの一人が自殺をするのですが、心理戦により推理されるのは、「自殺の手助けをしたのは誰か」であり、一向に「誰かが殺したのではないのか」にいかないのです。 死んだ彼女が自分たちの事を考えてくれていなかった訳がない、とか、一向に核心に触れようとしないメンバにイライラしっぱなしでした。 確かに、特殊な体験に基づいての関係構築に違いないのですが、読み手からしたら奇人変人の集いというか滑稽で最早「異世界」であり、共感するのは困難でしたね。 |
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「惨劇」なんてのは、石持ミステリにはやや違和感を覚えてしまう言葉でありコレだけで興味津々。
そして、タイトルからして「本格ミステリ」であり、「人面屋敷」なる不気味な館で「惨劇」が展開されるなんていう、これまで読んだ事のないような石持ミステリが読めるのかと期待したんですけどね。 それにしても、この作者さんにかかると本格ミステリもこうなってしまうのか、この題材ですら、この方向に持っていくの、ていう。 またしても、警察を呼べない状況に陥れての心理戦です。 ただ、これまでのパターンと一番異なっているのが、メンバ同士の信頼関係と言うか繋がりが希薄だという事。 いとも簡単にバッサリ切り捨てる感じで、その分、物語の展開にも複雑さがない。 そして、語り手の主人公が何故か常に受け身。 碓井由佳とまではいかないまでも、心理戦をコントロールできる切れ者が不在で、誰に注目していいものか、こちらも読んでいて落ち着かなかった。 ラストの、無理くりハッピーエンドっぽく持っていくなんてのも不要かな。 |
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盃を回し飲みした8人のうち3人と犬だけが殺害されるという事件を題材にして、推理合戦と論理否定の連続。
本格ミステリランキング2017年1位。 う~ん、好きな人が多くいそうなのは理解できなくもないですけど、万人受けする作品ではないですね。 それ程ページ数のある作品ではないのですが、考えながらの読書が必須です。 読了までにえらい時間がかかりました。これは疲れますよ。 私は正直お腹いっぱいです。 |
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火村シリーズの「宿縛り」の短編集です。
ロジック一辺倒の作家さんなので、短編集だと、パズルのピースが1つまた1つっていう醍醐味が味わえないですよね。 旅行記って感じで、ミステリーとしては物足りないですし、火村&有栖のファンならば・・・って感じですかね。 江神シリーズと違って、火村シリーズが退屈に感じるのは、有栖の立ち位置、キャラが悪い気がするんですよね。 |
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元々の短編作品に新たに幕間を設けて1つのまとまった物語にしてるんですね。
それを違和感なく読ませたって事は「上手い」って事でしょう。 ただ読み手を選ぶというか、好き嫌いが分かれる作品な気がしますね。 SF好きをも満足させる作品、っていうレビューが何処かにありました。 確かにそうなのかなと思いました。 それ即ち、SFが得意ではない人にはちょっとしんどいっていうのと同意かと。 SFどうこう以前に私にはラノベにしか思えませんでした。 SF好きでラノベも読めるって人にはお薦めできると思います。 |
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SFサスペンス。こんな作品も描いてたんだなぁと驚き。
というのも、企業倒産が絡んでくるのですが、そこに作者らしい一切の深掘りがないのだ。 銀行側の視点ではなく企業側視点の物語ということなのだろうが、作者の他の作品を読んでからこの作品を読むと、どこか違和感を感じざるを得ないのである。 現代の主人公が、亡き父の遺品である作業着に袖を通すと、過去の父親に憑依できるという設定。 物語前半では、憑依した主人公により父のいた過去に影響を与え好転させるだけでなく、そんな父の姿を見て、現代で苦悩する主人公も救われるといった展開が予想されたのですが、後半はそういった描写が薄れ予想外の展開、着地を見せます。 自分が想像していた展開のほうが面白いと思いましたし、これでは中途半端感が否めないですね。 まぁ夢オチじゃなかっただけ良しとしましょう。 猫虎が怖いってレビューが多いようですが、ボンネットトラックとその容姿を合わせて、トトロしかイメージできなかった。 |
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中高生向けの3編のジュブナイルな作品ですが、学校生活において目立たないように身を潜めているタイプに光を当てている辺りがこの作者さんらしいところですね。
3編を少しずつリンクさせているあたりもこの作者さんらしいですかね。 ただ「身を潜める」種の中でも質の良い子達なので「いつもと違って」この作品は読後感もいいです。 ただやはり、辻村作品を読んだ、って感じにはならないですね。 |
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家裁調査官補として少年事件や夫婦間の問題に向き合う主人公を描いた連作短編集。
シリーズ化されそうですね。まだまだ序章って感じの終わり方でした。 続きが読みたくなる話ではありますが、作者の検事シリーズと比べてしまうと、やはり扱われるテーマが地味ですし、特に夫婦間の問題なんて、これまで何度も描かれてきた題材ですので・・・新しい驚きを提供してもらえるのか不安でもあります。 骨太作品を世に送り出している作者が、どう展開させていくか楽しみでもありますね。 |
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この作品は、秘密警察とも言われるサクラ、つまりは「公安」を描いた物語です。
慰安旅行を理由に被害届受理を先延ばしにした事で発生したストーカー殺人。 数年前に某県で起こった事件を下敷きにしているのかなと思います。 毎度骨太作品を世に送り出さいているこの作者ですが、この作品は全体的に少し浅い気がしました。 主人公は県警広報課の女性。 こういう一線から離れた部署にいる人物を主人公にするのは横山秀夫さんの警察小説によくあるパターンですが、この作品の場合、まずこのテーマでありながら、主人公が広報課の人間である必然性を感じないですね。「公安VS刑事」っていう図式はよく目にしますが、主人公が刑事ですらない、しかも女性なわけですからね。 一歩踏み込んだ描写も期待できずって感じでした。 ラストの主人公の決意に繋げるためなのかなと思ったのですが、ここは感動するところなんでしょうか? そもそもそんな決意叶うはずもないし、「死にたいの?バカなの?殺されなかっただけでもらっきーだとおもわないと。世間知らずも程々にしてよ」で個人的には「はぁ?」だったのですが・・・軽さにダメ押しでしたよ。 しかも、描かれる公安側の人間が主要登場人物に一人もいないってのは、どういう狙いだったのでしょうか。 これが、書き込みが浅いって感じる一番の理由なのではないかと。 また、途中でカルト教団が絡んでくるのですが、某事件が発生した頃、オウムと公安の関わりみたいなものが話題になっていた記憶があります。 公安を語るには欠かせないという事なんですかね。 蛇足というか、これで物語が発散しかかってラスト力技で筋だけは通したって感じましたが。 何れにせよ、これまで読んだ作者の作品の中では群を抜いてダメダメじゃなかったかな。 |
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殺人事件現場で凶悪犯から襲撃を受け、意識を取り戻すと犬並みの嗅覚を得ていた主人公。
その嗅覚を利用して、友人更に姉を殺害した犯人を探すという物語。 嗅覚を幾何学的なイメージで視覚的に捉えるという発想がユニークであり、設定の時点で大きなアドバンテージを得ている作品だと思う。 しかし、手放しで面白かったと評価できるわけでないのは、指摘されている方もいるが、まさにその通り。 かなりの長編であり、しかも犯人は相当に異常で凶悪にも関わらず、ラストに向けての、さぁ事件が解決する、犯人を追い詰めたという緊張感がなかったからだと思う。 物語が進むにつれ、主人公はいろいろな人物と出逢う。 友人、TV局の人間、大学教授、そして警察官。 その度に、主人公の特殊能力の説明があるのだ。これはさすがに冗長過ぎると言わざるをえない。 その分、異常な犯行を繰り返す犯人の動機すら端折られているように、主人公の能力以外への描写が浅いと感じました。 |
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初読でこの作品の仕掛けに気付いた人っているのだろうか。
ここまでネタバレサイトのお世話になったのは久しぶりだわ。 っていうか、指摘されている方もいらっしゃる通り「文芸+ミステリ」って事なのでしょうが、ミステリを読みたい、ミステリだと思って読み始めた私としては、これだけ解りにくいと真実を聞かされても「騙された」って気にもならないし、実際、読中何の違和感も感じていませんでした。 だいたい「あれっ?」「絶対何か勘違いさせられてるな」とか違和感を感じるものなのですが、それすらなかったですから。 なので、逆に最後の最後でとてつもない想像もしていなかった驚きを与えてくれるのだろうという期待があったのですが・・・ いくつかの視点、時間軸から構成されていて、物語の大部分を占めるのが六甲山を舞台にした中学生の淡く儚い初恋の思い出のパート。 「文芸」の部分になるのですかね。言い方は悪いかもしれませんが、これがまさに「フェイク」だったわけでしょ。 何か仕掛けがあるにしても、そこにあると思うじゃないですか。 ポイントだったのは、幾つかの視点の中の1つ。 まぁ確かに誰が視点人物だったかの明言は避けていたようですね。 そこに違和感すら持たせなかったんですから、上手いと言えば上手いのかもしれませんが。 作者が、ミステリの部分に気づかない読者がいたとしてもそれはそれでいいやって描いているのなら、それはそれで「文芸+(小さく)ミステリ」として評価も出来ると思うのですが、だったらミスリードのためだけに登場させたと思われるあの登場人物はなんだったのか。 作者は完全に「ミステリ」として、読み手を騙そうとして描いてますよね。 私にはそう読めましたので「ミステリ」として評価させていただいた上で、「こんな解りにくいのはダメだ」という感想としました。 |
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「男の贈り物」をテーマにしたハードボイルドな短編集。
日本のハードボイルドというと、暴力とセックスって印象ですが、この作品の主人公達は、無愛想だが強く優しく人間味あふれている。 いわゆる「強くなければ生き抜けない、優しくなければ生きる資格がない」ってやつである。 作者はミリオタなのだろうか。 そういう男のロマンというか拘り的なものも色々散りばめられている作品である。 そういうのが好きな方ならハマりそうだが、私の場合個人的に趣味じゃなかった。 |
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初読の作者さんでしたが、八雲の人なんですね。
リーダビリティ高くテンポもよいのですが、ご都合主義的にポンポンと話が進んでいくからそう感じてしまうんでしょうね。 ライトミステリという事ですが、私にはちょっと軽すぎたかな。 |
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作者の王道パターンである舞台を銀行とする勧善懲悪モノの連作短編集。
結果は分かってるんだけど、やっぱりそれなりには面白いです。 ただこれでハズレ無しと言っちゃっていいのか・・・ 半沢直樹シリーズよりも前に発表された作品だが、先に半沢直樹シリーズを読んでしまっていると、やはり全然物足りない。 半沢シリーズにはなかった殺人事件まで発生します。しかも3件。 それだけたちの悪い悪党という事になるはずですが、そのあたりの描写が何とも中途半端、そのせいでラストもスカっと感が殆ど無い。 この手の企業小説に登場する悪党に期待するのは、知的犯罪とか立場を利用した卑怯な手口、恐ろしいやつではなくズルいやつであって、人殺しまでは期待しない。 殺人が発生するとなると警察の介入は不可避で、そうなってくると別物の作品になってしまう。 主人公が元エリートの庶務行員。 横山秀夫の警察小説でも中心地とは外れたポジションの人物が主人公である作品が多いですが、そのポジションならではの活躍をしています。 この作品は、主人公が庶務行員である意味がまるでない気がしました。 その辺りも、1つの物語としてのまとまりの無さというかおさまりの悪さというか深みのなさにつながっている気がします。 |
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