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はつえ さんのレビュー一覧
はつえさんのページへレビュー数73件
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中山七里氏は最低の人間を魅力的に描くことがどうしてこんなにも巧みなのでしょうか。ダークヒーロー御子柴礼司も嗤う淑女蒲生未智瑠も、嫌悪すべき人間でありながら魅かれてしまう自分が怖くなります。誰でも抱える心の闇をピンポイントで掘り下げ、粛清されても厭わない人間に仕立てあげ一刀両断に処す…なんだかすっきりしては、これを容認してはいけない!と自らを戒める。中毒です。
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嫌な気分になるお話しです。でも多くの方に読んで欲しい作品でもあります。
私は子ども支援に携わる仕事をしています。こんな地方の町にも親や家庭に恵まれずに育つ子どもたちが大勢います。彼らが生きる世界を想像できますか。 現場にいる人間は少なからず思っているでしょう。彼らに必要なのは教育だと。将来の自分の姿を描き、今をどう生きるかを判断するために必要なのは知識と考える力です。「バカは罪」作品の中の少女は呟きます。立場上こんな表現をすることはできませんが、私の心情そのものです。 |
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一気読みしました。警察小説って面白いですね。ただ、問題提起力が薄いというか、後に残るものがあまりありませんでした。余暇を満喫するには、お手軽ですし、途中ちょっとした爽快感も味わえるので、良いと思います。
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私は自殺を容認しませんが、人生から逃げたくなる人の気持ちもわかります。生まれてきた以上、必ず誰かの人生に影響を与えていることは確かです。何を持って迷惑かはわかりませんが、周囲の人を不幸にするなら、やはり自己満足以外の何ものでもないように思います。
読み進めるうちに、生きることの価値は人に寄って異なることは前提にしても、正義、真実…何が正しく、何が偽りなのか、考えることさえ無意味に感じてしまいそうになりました。 考える自分以外の視点を持つことは難し、ズレや矛盾を修正しようとしても出来ないことの方が多いのですが、それでもなんとか折合いをつけて生きて行くことしかできないと、再確認した作品でした。唯一言えるのは、人は自分の幸せを求めて生きるしかない、そしてそれは自分勝手であり自己満足でしかない…っていうことでしょうか。 |
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不安ばかりのこの年の終わりに手放しでおもいろい作品を読めました。それだけでも作者に感謝です。
最近はTVもお笑い芸人ばかりですね。お笑いは嫌いではありませんが、形だけで笑わせたりネタが下品過ぎたりの横行で、ついTVを消してしまいます。諷刺や機知に富んでつい失笑…みたいもの求めてました。 勘違いネタはお笑いの王道ですね。そこにミステリー要素を絡ませて、どんなどんでん返しに出会えるのかいろんなパタンを想定して読み進めるのに、わくわくしました。ありがちなラストではありましたが、過程を充分楽しめましたので、オススメ作品といたします。 |
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誰が誰だか…首があってもなくてもわかりません。あらゆる絡繰りを駆使しラストのラストまで翻弄されました。読後でさえも、まだ実は…が隠されているのではとしばらく頭の中がぐるぐる…。
前2作に比べ、読みやすいのにトリックは秀逸。シリーズ最高位の作品であることに納得です。 オススメします❗ |
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面白かった。文句なしに誰でも楽しめるエンターテイメント小説です。
惜しむべくはただ一点、映画は観ていませんが、私の頭のなかでは常にキムタクと長澤まさみが動き回っていました。 |
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市の図書館の閉架より出していただいて読みました。作者自身がこの一冊を持ってミステリー文壇から姿を消してしまった…というエピソードに心惹かれて。真実はわかりませんが、本格推理小説においてこれ以上のトリックを産み出すのが無意味になってしまったのではと勝手に推測させていただきました。
作品は面白かったです。文章も文体も嫌味なく読みやすかったですし。ただ第一のトリックは予想できましたし、ラストに通じる胡散臭さも全編に漂っていました。だから驚愕のラスト!とまではいかなかったでしょうか。 探さないと出会えない作品だと思いますので、機会があったらお読みになってみて下さい。 |
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どうしようもない二人の男女の共依存関係を描いた作品です。読みはじめてすぐに、その男を卑下した描写があまり不愉快で、断念しようと思ったほどでした。加えて主人公であるその女の賤しさも気分が悪くなるものでした。
しかし、蔑み見下し貶める相手が側にいないと、自尊心を保つことのできない憐れな女の姿は結して他人事ではないのでは…と気づいてしまうと、どんどんと物語に引き込まれていきました。 読中、読後、心の底をえぐられ、最低な気分に苛まれましたが、心に深く染み入る作品でした。 ちなみにこの作品、男性にはオススメできません…。 |
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宮部さんというのは人の心の機微をなんて上手く描き出す方なのでしょう。謎ときや衝撃的な出来事以上に、語られる主人公、杉山の心の動きや彼の心情分析が、ど真ん中過ぎて、まるで共鳴しているかのような心持ちで読みました。特にこの逆玉主人公の性格は一般市民以上に庶民的でストレートでした。
自分が一般的な感覚の持ち主であることを確認できると、安心できるものですに。 |
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ついに家族と向き合う時が来ましたね。己れに流れる血に対する畏れは誰もが持つものかもしれません。
このシリーズを読む時はいつも、嫌悪感のなか、どこか人間御子柴礼司を人間足らしめる部分を小出しに見つけながら、不快感を騙し騙し読み進めるのですが、今回は最終章の後半まで嫌悪感に苛まれました。彼の抱く家族への感情、彼こそ真のサイコパスかと…。 ところがこのラスト。御子柴礼司は何者なのでしょう。 |
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社会的マイノリティと言われる人たちについて、自身と取り巻く人たちの心理がその機微に至るまで描かれています。100匹目の猿や公園の鳩たちの逸話に凝縮されています。どんでん返しのミステリー要素も楽しめ、なかなかおもしろい作品でした。
他の作品もいくつかよみましたが、マイノリティの方々の悲哀を生きるエネルギーに転換して描ききる作風が清々しくもありました。作者自身にとても興味がわきました。 |
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例え犯罪に結びつかずとも、誰しも小さな企みを心に秘めて生きている。幸せを求めるのは人の本能。不条理な世の中で生きていくには必要な技なのでしょう。それを犯罪に発展させない理性こそが社会で生きる人の術…そんな思いで読みました。
ラストの一作「友の助言」は登場人物三人の心の機微が見事に描かれている作品です。 |
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はい。私は正常です❗
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読みごたえのある内容の作品です。「決断」…人生は常に選択の連続であり、人は進むべき道を選びながら生きている。限られた時間の中で最良、最善の道を見つけるには、様々な葛藤と向き合わなくてはならない。そんな人生が濃縮された新聞記者の生き様が描かれています。「決断」の後に斑のように訪れる後悔の数々に読者は自身の人生を重ね合わせるのではないでしょうか。
生きることは容易いことではない、それでも後悔の積み重ね、同じ過ちを繰り返しながらも、諦めることなく生き続ける。この命を全うするまで…それが私の感想です。 |
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おぞましき御子柴礼司は贖罪への路を歩み続け、ひとつステップを上ったというところでしょうか。前作の忌ま忌ましさが嘘のように、清々しさすら感じられた読後感です。
罪は法に裁かれるのではなく、罪人自身が裁くもの。罪を罪として認めるところから、贖罪への一歩が始まる。そんな感想を持ちつつも、贖罪などただの自己満足、犠牲者の赦しがない限り、贖罪など成立しようがない…。 御子柴礼司が真の犠牲者と向き合う日は来るのでしょうか。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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衝撃的な作品でした。ここまで書いていいのだろうか…と恐ろしくなりました。
私にとりこの登場人物たちの境遇は決して物語ではありません(勿論こんな犯罪を犯す子たちはいませんが。) 私事ですが…私は一歩間違えば社会から弾き出されてしまう危うさの中で生きる子どもと家族に寄り添う活動をしています。 社会はとても冷徹です。「殺されて始めて人権を得ることができる」…まさかとはおもわれるでしょうが、そんな境遇を背負った人たちはすぐそこに居ます。そんな現実に目を向けることのできる作品てす。 社会の片隅で生きる人たちへの想いがある人には読んでいただきたいです。 |
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フィクションだと思いつつも、あまりのおぞましさに絶句です。女性には少々キツイ、ラストです。
御子柴礼司のおぞましさを呼び覚まされました一章目から、彼の贖罪はこれでいいのか…な終章まで、引き込まれて読みましたが、登場人物への嫌悪感で何度も手が止まりました。 御子柴礼司の正体が全く解りません。理解不能、というより受け入れられない人間です。誰にも裏の顔はあります、自分ではコントロールできない衝動や欲望はあります。でもこんなに酷く歪んでいるのでしょうか?あっ、これはフィクションでした。そう思わなくては…。 しかし、御子柴礼司の贖罪を最後まで見届けなければなりません。次作品も近いうちに読みます。 |
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「動機」にも登場したD県警『似顔絵婦警』平野瑞穂を主人公としたスピンオフストーリーです。半日で一気読みできます。
男性社会で生き抜くために苦闘苦戦する女性たちの心模様が、描かれています。警察組織って本当にこんななの~⁉とか、ちょっと出来すぎじゃない?感は有りますが、楽しめる作品でした。 |
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百鬼夜行シリーズの中でも読み易かったと思います。本屋の京極堂が言葉で表すことのできない悟りの世界へ尊敬や畏怖を持って挑む…。禅の世界を堪能したと言った方がよいでしょうか。
「生きることこそ修行なり」。悟ろうなどとおこがましいこと考えたりしませんが、日々を大切に生きることが大切だということが、随所に出てくる公案に共にいどむことでじわじわとしみてきました。 「京極夏彦さんって何者~⁉」 |
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