■スポンサードリンク
はつえ さんのレビュー一覧
はつえさんのページへレビュー数38件
閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
???ですが、読後は爽快!
1話め「地雷グリコ」、いきなり、頭の中がてんやわんや…。 一語一語読み直しても、どして? もう考えなくていいや。次行こうか! そんなこんなで、いつの間にか読了。 そして、何だか、とっても面白かったです。 数学センス皆無の私でも、楽しめたのは、まず第一に、主役から脇役、登場人物の魅力ですね。それぞれの個性をちょっとしたエピソードで描くのが、実に上手です。アニメチックな登場人物たちも、描ききらない引き算の手法で、鼻白まずに受け入れられます。 第二に、奢れるモノを打ち負かすお話は、文句なく気持ちいい。人間の本能に刺さります。 最後のエピソードは、ちょっとやり過ぎトリック?と感じましたが、ふか〜い心理戦術を描くためokですかね。 最近、奇を衒った進化型ミステリーいろいろありますが、 楽しく読めた作品でした。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
クイズプレイヤーの脳内で何が起きているのか!
その正答は実力?予見?魔法? クイズ好きだけでなく、脳の仕組みや思考や心理学に興味のある方にも趣深い作品だと思います。 問い…が始まる前から脳内にある未知数の答え、問い…が発せられた瞬間からシナプス間に駆け巡る電流、一瞬でも早く「確定ポイント」を見極め、ボタンを押す。問い…が止まっても、脳内活動は続き、知識✕経験+心理戦、そして回答、それは運か実力か。凄いです。 直木賞受賞作家さんだけあり、文章も読み易く、サクサク展開も小気味好く、手軽に読める作品です。 真偽はともかく、クイズ番組やプレイヤー業界の裏側も垣間見れて面白いので、休日のお愉しみなどにもいかがでしょうか。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
いきな高ランク獲得の話題作品、タイトルも興味を惹きます。よって、手にとってみました。
密室からのサバイバル、よくある展開です。ところどころ散りばめられた叙述トリックを匂わせる一節を記憶に留めながら読み進めます。文体は読み易く、最新機器に関する知識も老齢の私にも解る範囲のもの。可もなく不可もなく…そんな筈はない…?そしてラストへ…、まさかの放心状態で読み終えました。新手のトリック?にやられました。 他の方の感想にもありましたが、いささか過剰評価の感はありますが、お読みになることをオススメします。 ところで、深読みした叙述トリック匂わせ表現箇所が私にはいくぶん反則っぽく感じてしまいましたので、この評価点とさせていただきました。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
ある過去の事件を巡り、被害者の怨恨と加害者の懺悔、双方の無念を「償い」を通じて描いています。過去の呪縛から、逃げ、挑み、解そうと奔走する主人公の心理描写を興味深く読みました。
ただ…ラストが…。真犯人と事件の真相、出来すぎ感が否めず、残念でした。 それでも作者の得意とする、犯罪に関する人間の業と運命を深く考える作品として、読ませていただきました。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
注意!
あくまでブァン目線の評価です。 久しぶりに真梨作品はこうでなくちゃという出来でした。 登場人物たちの生きた時代を現代の世相に映して、その行動と思考パタンを練り込み、ゾワゾワのイヤミスに仕立てあげる…真梨氏の真骨頂ですね。 一日あれば十分ですので、GWの一日お愉しみ下さい。 万人受けする作品ではありませんので、責任は負い兼ねますよ。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
イヤミスですね。特にイヤミス好き女子にオススメします。
タイトルの意味するものを考えながらも素直に読み進め、最後に「あ〜…」となりました。深読みしながら読んでも、楽しいかもしれません。 女は生まれた時から強かな生き物です。根っこが善人か悪人かで、その人となりが異ってきます…こういう作品に触れると、そんなことつくづく思います。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
「精神鑑定」が引き起こす事件を通じ、社会がどう向き合っていけばよいのか深く考えさせられる作品でした。
社会を混乱させるほどの重い犯罪であるにもかかわらず、「判断能力がない」と言う理由で無罪や刑の軽減がなされる判決が下りる事例は確かにあるようです。しかし、反発を恐れず書きますが、詐病ではなく、本当に無意識のうちに犯した罪であっても、その罪を背負い償うこと、償わしてあげることこそ、その人が人間らしく生きる方法ではないかと思ってしまいました。それは被害者だけでなく、その家族にとってもよいことのような気がします。 これは精神の病の本質を知らぬ人間の、視野の狭いつぶやきでしょうか。 何れにせよ、難しい問題と向き合う機会を与えてくれます。予定調和のようなラストが少々気になりましたが、オススメできる作品です。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
夫婦の形はさまざまですが、「鎹」といわれる子どもの存在とは…母は命をかけて子を産み愛おしむ、父は血縁を頼りに愛を育む。一方でその子自らの存在意義を確信する基盤は父母でしかない。
家族、夫婦、親子の関係を我が身に照らし合わせしみじみとかんがえさせられました。親子を繋ぐ糸は強靭なのか脆いのか…それすらもそれぞれなのですね。 登場する4人の女性のそれぞれの生き樣には感慨深いものがありました。東野圭吾氏の女性の心情の機微を捉える力に脱帽ものです。 家族や夫婦の問題を考えたい方たちには、オススメしたい作品です。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
新本格ミステリというジャンルを久しぶりに読みました。考えるために文章を追い、出来事を咀嚼しなから読む作業はそれなりに楽しいものでした。
ただ、綾辻氏の作品は館シリーズ、囁き三部作、霧越邸をよんでいますが、閉ざされた塲、複雑怪奇な館で起きる由緒正しき妖しい一族による殺人事件でないとしっくりこないと感じてしまうのは、私の偏見でしょうか。 トリックにも真犯人にも驚かされましたし、最後の伏線回収による事件発生へのエピソードで心理ミステリの面白さも味わうことができたのですが…。鮎川氏の賛や乾氏の解説にあるように秀逸な作品であることは確かだと思います。でも、やっぱり作品の深みを感じられなかったのが本音の感想です。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
「人を殺さないミステリー作家」の筆頭にあげられていた加納朋子さんの作品を初めてよんでみました。
エッセイ集のような七つの物語は、それぞれ詩句や童話、神話に宇宙、美術や動植物、果ては物理までを題材に、ほのぼの、ドキリとする日常のミステリーを描いています。作者の博識とその知識のエッセンスのとり出し方=感性に心ひかれました。 品格がありながら親しみやすい文体に、今時の若ものらしいオチや自虐ネタや尖った自己主張も散りばめられ、清清しい読後感を味わうことができました。自称文学少女のような方たちは、側に置いておきたくなる作品なのではないでしょうか。 気になることが二点…ラストの「追伸」部分は必要だったのか、なぜ「鮎川哲也賞」へ応募なさったのかということです。(この作品が世に出たことはとても喜ばしいことですが、) 円紫さんシリーズがお好きな方は絶対オススメですよ。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
「正義の反対はもうひとつの正義」なぜかそんな言葉を思い浮かべました。社会が概ね善であると仮定した場合、その人の心根が善か悪かで「その人の正義」が「その社会の正義」の一致するかどうかで異なるのですよね…。
こんな小難しいこと考た理由を分析したら、二人の警察関係者である人物が一人称で語る心境が、激しい自己主張の繰り返しで、時々ただの自己満足としかおもえずいらついたからかもしれません。語り手たちは普通の善悪の感覚を持った人間なので、自分の都合で善悪の判断を下すのは当たり前ですが、仲間や犯人への情や働きかけが、自らの正義の押し付けにしか感じられなかったのです。しつこすぎる独白に飽きていたからでしょう。 以上は私だけの感覚かもしれません。そうしないとタイトルが「鎖」の意味がなくなりますからね |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
東野圭吾氏の取り上げる題材の幅広さに驚きます。
医療の難解な専門用語もなく、臨場感のある医療現場の様子が身近に感じられ、登場人物の奥深い心理を描き方も相まって、親しみ易い医療ミステリーでした。余りに臨場感があり、まるで自分や身近な人が今、まさに治療を受けているような、妙な不安に襲われるほどでした。 難点をあげるとすれば、いい人だらけ…というところでしょうか。こんなにいい人ばかりの世の中だったらいい…ですね。 テーマとなっている、誰もが持っている「使命」を読者自身が探しながら、読み進むことができるでしょう。 私情ですが、最近イヤミスばかり読んで少々鬱気分だったのですが、そんな心が温まる作品でした。作者に感謝です。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
刀城言耶シリーズを読み繋いできましたが、今までになく読み易い文体でコミカルな場面も多々あり、エンターテイメント性の高い作品になっていると思います。担当編集者祖父江偲とのやり取りなど、微笑ましく読みました。どちらが良いかと問われると…。複雑怪奇で難解な作品…私は好きですが。
この作品でも刀城言耶は「私は探偵ではない…」を多言し、いつも以上に強調していたかもしれません。それがまた、真相は闇のなかの謎ときに繋がっていくわけです。この有耶無耶さがシリーズの醍醐味ですよね。消えてしまった犯人(と思われる人物)が、数奇な運命に翻弄され、とこかでまた何かの事件に巻き込まれ、刀城言耶の前に現れる…なんて想像してしまいました。前作もそうですが、起きるべくして起きてしまう悪意のなき犯罪をどう裁くのか、考えさせられる作品でした。 以外にも…すみません…大きな賞をとられた作品なのですね。気軽に読める刀城言耶ものとしてもオススメします。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
読み易いだけの作品に成り下がってしまったようで、読後に哀しさを感じました。ページ数制約の業でしょうか。残念でなりません。
ラストの駆け込み解決も皆さんの感想に同感ですがそれ以上に登場人物の心情をしっかりと描きこんでいただきたかったです。特に洋子の御子柴への感情、こんな単純なものにしてしまって…。 もう一点、過去作品の関係者これでもかと登場するのですが、いちいちの注釈とともに食傷気味でした。シリーズものであっても、単独で成立し愉しめる作品であって欲しいものです。知る人だけがクスッとできる仕掛けも、ファンにとっての醍醐味ではないでしょうか。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
竜崎伸也が少しずつ人間に見えてきました。「隠蔽捜査」では清廉潔白、真面目過ぎ、家族も妻も出来すぎで人間としての魅力が感じられずに少々うんざりしたのですが。
「果断」はシリーズ最高評価作品のようですね、納得です。愉しんで読むことができました。警察ものはあまりよみませんが、機会をつくってシリーズ読破を目指します。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
ミステリ度は低いですが、運命に逆らい生き抜こうとする青年の人生ドラマとして充分楽しむことができました。
境遇や環境はどんなに努力をしても抗うことはできないのでしょうか。頑張っても頑張っても報われない運命、切なさで胸が痛いほどでした。ラストはどう評価していいのか…。 将棋の知識が全くない私でも大丈夫でした。生きることの不条理を感じている方、ぜひお読み下さい。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
臨床犯罪学者、火村英生の誕生作ということで読んでみました。やっぱり魅力ある探偵は何か暗い過去を背負い一癖も二癖もある大人がいいですよね。昨今の学園を舞台にした学生探偵に、何となく馴染めないのは歳のせいでしょうか。
いい意味でとても読みやすい作品でした。内容も表現もわかり易く、初心者向けかもしれません。火村英生と作家アリスの人となり、二人の関係性を確認して、次に進む…ためにぜひお読み下さい。 余談ですが、学生アリスシリーズは読破しています。このシリーズ、私が学生時代を過ごしたころの匂いが漂っていてとても好きです。作家アリスシリーズは数冊つまみ読みしましたが、また違ったテイストなんですね。少しずつ読んで行きます。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
中山七里氏は最低の人間を魅力的に描くことがどうしてこんなにも巧みなのでしょうか。ダークヒーロー御子柴礼司も嗤う淑女蒲生未智瑠も、嫌悪すべき人間でありながら魅かれてしまう自分が怖くなります。誰でも抱える心の闇をピンポイントで掘り下げ、粛清されても厭わない人間に仕立てあげ一刀両断に処す…なんだかすっきりしては、これを容認してはいけない!と自らを戒める。中毒です。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
嫌な気分になるお話しです。でも多くの方に読んで欲しい作品でもあります。
私は子ども支援に携わる仕事をしています。こんな地方の町にも親や家庭に恵まれずに育つ子どもたちが大勢います。彼らが生きる世界を想像できますか。 現場にいる人間は少なからず思っているでしょう。彼らに必要なのは教育だと。将来の自分の姿を描き、今をどう生きるかを判断するために必要なのは知識と考える力です。「バカは罪」作品の中の少女は呟きます。立場上こんな表現をすることはできませんが、私の心情そのものです。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
一気読みしました。警察小説って面白いですね。ただ、問題提起力が薄いというか、後に残るものがあまりありませんでした。余暇を満喫するには、お手軽ですし、途中ちょっとした爽快感も味わえるので、良いと思います。
|
||||
|
||||
|