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iisan さんのレビュー一覧
iisanさんのページへレビュー数572件
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デンマークの警察小説「特捜部Q」シリーズの第二作。カール・マーク警部補とアシスタント・アサドのコンビに女性アシスタント・ローセが加わって、特捜部Qがさらにパワーアップした大活躍を繰り広げる。
このローセの、「警察学校を最優秀で修業しながら運転免許試験に落ちて警察官になれなかったため、秘書として警察に入った」という設定が笑える。そのキャラクターも、アサドに負けず劣らずユニークで、シリーズとしての面白さに一味も二味も新味が加わったといえる。 今回の主題は、二十年前の殺人事件、それも犯人が服役中の事件の再捜査である。犯人がひとりではなく、共犯者として同じ寄宿制学校の複数の同級生、しかも、いずれも社会的な成功をおさめている人物がいることを確信した特捜部のメンバーが、警察上層部をはじめとする様々な圧力を受けながらも真相にたどり着いて行く。事件の背景は、社会的エリートの秘められた暴力性という、まあ、ありがちな設定だが、メンバーのひとりが女性で、しかもわざと路上生活者として生きているというのがユニークで、ストーリーに変化をもたらしてくれる。 ところどころで、犯人達の精神構造を表現する重要な道具として「時計じかけのオレンジ」が使われているのが、あの映画をリアルタイムで観た世代として非常に興味深かった。 次回以降の作品への期待は高い。 |
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結婚式の一ヵ月半前に突然、「ごめん。もう、会えない」と電話して姿を消した婚約者・刑事を捜して日本中を駆け巡るヒロインの純愛(?)物語。最後の最後に婚約者が失踪した理由が明かされるのだが、その真実がやや説得力が弱いため、ミステリーとしては満点を付けられなかった。しかし、読みごたえのある作品であることは間違いない。
山の手のお嬢様であるヒロインが、婚約者を捜してドヤ街や私娼窟を訪ね歩いたり、捜査関係者との触れ合いで徐々に人間性、社会性を深めて行くところは好感がもてた。また、娘を殺害された老刑事・韮山の怒り、苦悩、再生の物語は、これだけでも一作品になるのではないかと思うほど読みごたえがあった。「涙」ということでは、ヒロインが流す涙より、韮山が流す涙の方が共感する部分が多かった。 時代設定が、東京オリンピックに沸く1964年からの2年間で、しかも時代の出来事や風俗が重要な要素として頻繁に登場するので、もろに同時代を生きた者としては、そのときどきの自分を思い出すことが多く、懐かしさを感じる楽しいタイムトリップだった。 |
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女刑事・音道貴子シリーズの長編第2作は、デビュー作以上に読み応えがある作品だった。
音道が大量殺人犯グループに拉致・監禁されるという、とんでもないお話だが、監禁物ミステリーとしても、警察の捜査小説としても、はたまた音道の成長物語としても、一級品の読み物に仕上がっている。デビュー作の「凍える牙」は、犬を重要登場人物に据えたこともあって(個人的には)非常にファンタジー色が強い作品と評価したが、本作は、犯行動機や犯行手段、犯人の背景などの面で社会派ミステリーとしての完成度が高く、個人的にはこちらの方が高く評価できる。 デビュー作でコンビを組み、さんざん音道を悩ませた皇帝ペンギン・滝沢刑事が、こんどは警察の救出チームのメンバーとして登場し、大活躍を見せるのが面白い。相変わらず、女性刑事と組むことには難色を示しながらも、音道が刑事として優れた資質を持ち仲間として信頼できることを断言し、そんな仲間の救出のために全身全霊をかけて奮闘する。その言動の端々には、父親の娘に対するような愛情が見え隠れし、なかなかにハードボイルドでカッコいい! いやいや、カッコよ過ぎる。 シリーズとしてはもちろん、単発作品としても十分に楽しめる警察ミステリーだと思う。 |
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文庫本60ページ余りの作品で展開される各話のメリハリの効いた起承転結、絶妙の心理描写、人間心理を鋭く射抜く視点の確かさなどなど、短編の名手と称される横山秀夫の名人芸を堪能できる作品集だ。
いずれの作品も、過去の事件、事故にとらわれた人物が、その事件や事故に隠されていた真相に触れ、人間性、生き方を見つめるというテーマ性が共通している。事件捜査だけではない警察小説を確立した著者の得意なジャンルと言えるだけに、作品の完成度はどれもきわめて高い。 5作品の中では、親とはどういう存在であるかを苦渋とともに描いた「真相」が一番読みごたえがあったが、中年男性にとって生きがいとは何かを哀切に描いた「不眠」も忘れ難い印象を残した。 |
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主人公は引退したFBI捜査官なので何の目新しさもないが、心臓移植手術後わずか60日余りで捜査に乗り出すという設定が極めてユニーク。しかも、捜査を依頼してきたのが心臓を提供したドナーの姉というのだから、そのユニークさは飛びぬけているというしかない。
病み上がり(というか、まだ治療中?)なので激しいアクションはできないが、それでも格闘シーンなどもあって読者をハラハラさせる主人公だが、FBI捜査官らしいち密な分析で犯人を割り出していくのが基本で、この謎解きの部分も非常によくできている。また、FBIものによく見られる地元警察との軋轢に、退職した上に私立探偵のライセンスも持っていない(つまり、なんの捜査権もない)主人公が絡んで複雑なパワーゲームを繰り広げるのも面白い。さらに、ハードボイルドには欠かせない恋人や家族との葛藤も丁寧に描かれていて、実に素直に読むことができた。 多くのハードボイルドファンを納得させる傑作だと思う。 |
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カーソン・ライダー刑事シリーズの最新作。シリーズものを途中から読んだので、シリーズの最初から読んでいる読者とは面白さが違うと思うが、それでも十分に満足できる傑作だ。
主人公が刑事で、その兄がシリアル・キラーのサイコパスという、かなりあざとい設定だが、しっかりした構成と緻密なストーリー展開で違和感なく作品世界に入って行けた。 連続殺人事件の犯人探しと警察内部での対立や人間関係の面白さなど、読みどころは沢山あるが、犯人判明のどんでんがえしが強烈で、これだけでも高く評価できるだろう。 さらに、今後のシリーズ展開への期待を高めるラストシーンも印象的だった。 |
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女刑事・音道貴子シリーズの短編集、第3弾。
表題作の「嗤う闇」は犯人と被害者の関係、音道の恋人が犯人と間違えられる設定にちょっと違和感があり、いまひとつ満足できなかったが、シリーズの精神はしっかり受け継がれているし、音道のキャラも全開で、ファンには楽しめるだろう。 それよりも、よき相棒?滝沢が登場する「木綿の部屋」が、ストーリーも人物描写も上出来。滝沢のキャラクターに深みを加えて、秀逸。これまた、音道シリーズの愛読者には必読の一作と言えるだろう。 |
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加賀刑事シリーズの最高傑作かどうかは別にして、「いよ、名人芸!」と掛け声をかけたくなるような、上手くて楽しめる作品だ。
メインの犯罪とその背景はまったく奇をてらったものではなく、加賀刑事の犯行解明の筋道も適度に論理的で、適度に予定調和的で、サイコパスものや鑑識もの(リンカーン・ライムなど)に疲れた心を優しくいたわってくれる“人情推理”が冴えわたり、読後感がすこぶる良い。 犯人および犯行動機に全面的に納得できない部分を感じたが、これは人それぞれの受け止め方で、十分に納得できると言う方も大勢いるだろうし、この作品の欠点というほどのものではない。 日本橋、人形町周辺に土地鑑が無い方は地図をご覧になりながら読まれると、一段と興趣が深まるだろう。前作「新参者」を先にお読みになった方がベターである。 |
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下手な回文みたいな見出しですが、そういう内容なんです。ただし、暗殺者同士がお互いに自分自身の投影を見るところが、小説として新しいかな。
恐ろしく腕の立つ現暗殺者の行動を推理するために、FBIが同じような経歴を持つ元暗殺者を連れてきて、大統領計画を推理させ、先回りしようとするという、謀略国家・米国ならではのストーリーです。これが他の国であれば、「ありえない話」になって、一気に読む気が薄れるのですが、中南米、アフリカ、中東での歴史から考えてリアリティのある話になっています。ただし、大統領を暗殺しようとする動機などはあくまでもミステリーの筋立てで、リアルな政治的な小説ではないですね。 しかし、ヨーロッパを舞台にした時代の暗殺者に比べて、こちらの暗殺者たちは強靭な体力のサバイバリストですね。 |
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音道貴子シリーズの長編第3作。実は、長編第2作の「鎖」を未読なため、いきなり音道が所轄の刑事になっていたので驚いたが、音道は音道、音道ならではの道をしっかり疾走していました。
今回は何と言っても、あの滝沢刑事とコンビを組むところが見もの。相変わらずの小競り合いを続けながらでも、お互いに無くてはならない相棒として認めるところまで、二人の関係が深化していく。といっても、けっして二人で居酒屋でしんみり酌み交わすなどという関係にならないところが、またニヤリとさせる巧さだ。この二人の関係性の変化は、音道が成長したのか、滝沢が円熟してきたのか? さまざまな解釈が成り立つところに、筆者の人物造形のうまさが感じられた。 ミステリーとしてのストーリー立てもよくできていて面白いが、それ以上に、江戸人情捕り物帳のような味わい深い人間物語として面白かった。 |
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札幌方面中央警察署南支署シリーズの第二弾。北海道全体を覆うような利権構造に立ち向かう、気概と気骨にあふれた「枝」のメンバーの意地が、読みどころ。前作で「キゼツ」という不名誉なニックネームをもらった梅津巡査の成長物語としても面白い。鬼教官役の早矢仕警部補の人情味がよく描かれているのも、好感度を高める。
ストーリーは、著者お得意の北海道の警察、行政、ヤクザの暗闘で、最初から最後まで、ダレルことなく読むことができた。 しかし、東直己作品を読むといつも思うのだが、著者は「テイノーを罵倒する天才」だ。馬鹿に対する観察眼の鋭さ、適切な比喩、厳しいユーモア・・いやまったく笑わせてくれる。 |
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ファミレスで突然、人間が発火するというプロローグもすごいが、狼犬の連続殺人というストーリーも破天荒で、途中から「どうなることやら・・・」と心配したのは、私の杞憂でした。見事な小説に仕上がっていました。
狼犬に感情移入し過ぎるところは、確かに?な部分もありましたが、刑事という男社会に立ち向かうヒロインが印象的かつ魅力的なキャラで引き込まれました。 アメリカの女性ディテクティブには魅力的なヒロインが多くいますが、日本のヒロインもなかなかやりますね。 |
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