ふたりの距離の概算

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評判

ふたりの距離の概算の評価:

4.04/5点 レビュー 114件。 B ランク

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平均点4.04pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全199件 41〜60 3/10ページ
No.159
(5pt)

先輩になったみんな

期待以上の面白さでした。マラソン大会で順を追って話が進んでいきとても楽しめました。
ふたりの距離の概算 Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算より
404874075X
No.158
(4pt)

最後の一冊も読みます

今週だけで一気読みしてしまいました。次の一冊読んだらしばらくは、…。です。
ふたりの距離の概算 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算 (角川文庫)より
4041003253
No.157
(4pt)

最後の一冊も読みます

今週だけで一気読みしてしまいました。次の一冊読んだらしばらくは、…。です。
ふたりの距離の概算 Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算より
404874075X
No.156
(5pt)

管理データが変?

購入済みなのに「遠まわりする雛」の次巻を読むに表れず、購入を要求される。
管理データが変わるほどのupdateがあったのでしょうか。
ふたりの距離の概算 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算 (角川文庫)より
4041003253
No.155
(5pt)

管理データが変?

購入済みなのに「遠まわりする雛」の次巻を読むに表れず、購入を要求される。
管理データが変わるほどのupdateがあったのでしょうか。
ふたりの距離の概算 Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算より
404874075X
No.154
(5pt)

ビターな後味だが完成度の高い逸品

TVアニメ『氷菓』が面白かったので、原作<「古典部」シリーズ>の続編を読みたくなり購入しました。
新しく入ってきた新入生大日向友子の性格が一味違って面白かったです。
また千反田えるの真っ直ぐな性格と大日向がお互い悪気は無いのにどこか噛み合わず根本的な誤解が生じてしまうあたりが苦味がありました。
個人的には大日向が仮入部を決意する台詞やその後の数十日の部活生活がよかったなあ、と思います。
当たり前ですが全部活字の原作小説ですので、アニメやコミックだけに慣れている方には少し抵抗があるかもしれません。
ただ<「古典部」シリーズ>の良さは部員の細かい心理描写やはっとするような台詞にあるので、小説でもその雰囲気は十二分に味わえると思います。
8割くらい読んで僕が予想したものとはまったく異なるかなり意外な結末でした。そういう意味では”愚者のエンドロール”にあったような当初考えていた範囲内の解決とは違う、意表をついた展開が最後にあったと思います。
また語り手を兼ねる主人公の折木が校内マラソンを走りながら古典部員と一人づつ話をし、また過去にあった出来事を思い出しながら回想するという組立て方をしているのですが、終盤に近づくにつれ自分も一緒にゴールを目指して走っているような臨場感があり、不思議な心地よさがありました。
ふたりの距離の概算 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算 (角川文庫)より
4041003253
No.153
(5pt)

ビターな後味だが完成度の高い逸品

TVアニメ『氷菓』が面白かったので、原作<「古典部」シリーズ>の続編を読みたくなり購入しました。
新しく入ってきた新入生大日向友子の性格が一味違って面白かったです。
また千反田えるの真っ直ぐな性格と大日向がお互い悪気は無いのにどこか噛み合わず根本的な誤解が生じてしまうあたりが苦味がありました。
個人的には大日向が仮入部を決意する台詞やその後の数十日の部活生活がよかったなあ、と思います。
当たり前ですが全部活字の原作小説ですので、アニメやコミックだけに慣れている方には少し抵抗があるかもしれません。
ただ<「古典部」シリーズ>の良さは部員の細かい心理描写やはっとするような台詞にあるので、小説でもその雰囲気は十二分に味わえると思います。
8割くらい読んで僕が予想したものとはまったく異なるかなり意外な結末でした。そういう意味では”愚者のエンドロール”にあったような当初考えていた範囲内の解決とは違う、意表をついた展開が最後にあったと思います。
また語り手を兼ねる主人公の折木が校内マラソンを走りながら古典部員と一人づつ話をし、また過去にあった出来事を思い出しながら回想するという組立て方をしているのですが、終盤に近づくにつれ自分も一緒にゴールを目指して走っているような臨場感があり、不思議な心地よさがありました。
ふたりの距離の概算 Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算より
404874075X
No.152
(5pt)

回顧で綴る長編推理

端的に紹介するなら、解決すべき課題が生じている今に至るまで回顧を辿る形式で構成されるシンプルな長編作品です。伏線が散りばめられていて読者に謎解きを迫る感じが一気に通読をさせてしまう。この作者独特の難解な表現で煙に巻かれてしまう個所もあるが。そこさえ乗り切れば古典部シリーズ作品の哀愁を感じられる。毎回思うが、結末が淡泊過ぎなこの作風は読了感に欲求を得る。充足感を求めて古典部シリーズを全巻読み直したくなるが、そこに充足はないのだから寂しい。
ふたりの距離の概算 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算 (角川文庫)より
4041003253
No.151
(5pt)

回顧で綴る長編推理

端的に紹介するなら、解決すべき課題が生じている今に至るまで回顧を辿る形式で構成されるシンプルな長編作品です。伏線が散りばめられていて読者に謎解きを迫る感じが一気に通読をさせてしまう。この作者独特の難解な表現で煙に巻かれてしまう個所もあるが。そこさえ乗り切れば古典部シリーズ作品の哀愁を感じられる。毎回思うが、結末が淡泊過ぎなこの作風は読了感に欲求を得る。充足感を求めて古典部シリーズを全巻読み直したくなるが、そこに充足はないのだから寂しい。
ふたりの距離の概算 Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算より
404874075X
No.150
(3pt)

【秘密を持っている】ことと、人との親密度が関係してる

千反田のことを、「まだそんなに知っているわけではない」と言っていた折木が、
出会ってからのいくつかの出来事を経た今、「わかる」と判断したシーンが良かった。

マラソン大会で、歩いて、しまいには隠れて、そのうちにどこ行くねん(笑)、食べるんかい!(笑)という自由奔放っぷりは、
苦しく長いスポーツも楽しくできてしまいそう。

回想が長く続き、なかなか戻ってこないところなど、作品の構成にヒヤヒヤしたが、
小さい謎解きを見せながら、最後に全ての伏線を回収しやがる所業には、さすが『青春ミステリー』の爽快感もあって、楽しめました。

【誤解されやすい人】でなくても、とんでもなく誤解されうるんだということは心に止めておきたい。
ふたりの距離の概算 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算 (角川文庫)より
4041003253
No.149
(3pt)

【秘密を持っている】ことと、人との親密度が関係してる

千反田のことを、「まだそんなに知っているわけではない」と言っていた折木が、
出会ってからのいくつかの出来事を経た今、「わかる」と判断したシーンが良かった。

マラソン大会で、歩いて、しまいには隠れて、そのうちにどこ行くねん(笑)、食べるんかい!(笑)という自由奔放っぷりは、
苦しく長いスポーツも楽しくできてしまいそう。

回想が長く続き、なかなか戻ってこないところなど、作品の構成にヒヤヒヤしたが、
小さい謎解きを見せながら、最後に全ての伏線を回収しやがる所業には、さすが『青春ミステリー』の爽快感もあって、楽しめました。

【誤解されやすい人】でなくても、とんでもなく誤解されうるんだということは心に止めておきたい。
ふたりの距離の概算 Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算より
404874075X
No.148
(5pt)

5冊目の物語

久しぶりに米澤さんの本が読みたくなり、古典部シリーズを手に取りました。
ゆっくりとですが主人公たちの関係性が進んでいく姿に、こちらまで嬉しくなりました。
ほろ苦いラストなのに、なぜかそれにホッとしてしまいます。
もしも続きが描かれることがあるなら、それも必ず読みたいと思います。
ふたりの距離の概算 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算 (角川文庫)より
4041003253
No.147
(5pt)

5冊目の物語

久しぶりに米澤さんの本が読みたくなり、古典部シリーズを手に取りました。
ゆっくりとですが主人公たちの関係性が進んでいく姿に、こちらまで嬉しくなりました。
ほろ苦いラストなのに、なぜかそれにホッとしてしまいます。
もしも続きが描かれることがあるなら、それも必ず読みたいと思います。
ふたりの距離の概算 Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算より
404874075X
No.146
(5pt)

推理

推理できる内容で、いくつかの短編に分かれていて読み易かった。
ふたりの距離の概算 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算 (角川文庫)より
4041003253
No.145
(5pt)

推理

推理できる内容で、いくつかの短編に分かれていて読み易かった。
ふたりの距離の概算 Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算より
404874075X
No.144
(5pt)

目に見えない問題を解く

日常の謎を解き明かしていく日常ミステリー。
事件に小さいも大きいも無い!というどこぞの熱血刑事のセリフが飛んできそうなほどに、一見どうでもいいことを推理していく。
どうでもいいことといったが、それだけで一冊の物語を作り上げてしまうのが、この著者の筆力だ。

ミステリーとは目に見える事件(視覚的に捉えやすい事件)だけを解くものではない!ということがよくわかる一冊。
じっくり読みたい人におすすめである。
ふたりの距離の概算 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算 (角川文庫)より
4041003253
No.143
(5pt)

目に見えない問題を解く

日常の謎を解き明かしていく日常ミステリー。
事件に小さいも大きいも無い!というどこぞの熱血刑事のセリフが飛んできそうなほどに、一見どうでもいいことを推理していく。
どうでもいいことといったが、それだけで一冊の物語を作り上げてしまうのが、この著者の筆力だ。

ミステリーとは目に見える事件(視覚的に捉えやすい事件)だけを解くものではない!ということがよくわかる一冊。
じっくり読みたい人におすすめである。
ふたりの距離の概算 Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算より
404874075X
No.142
(5pt)

国語力が問われる本。

相変わらず凝りに凝った構成と、分かりやすく説明するのではなく、行間を読む要素多し。
国語力が問われる本。
キャラに魅力があるから、言葉の意味とかを推測したくなる。
「気になるあの子がどう思っているか知りたい」という感じで。
シリーズを通しての知識がないと、「なんだ、地味な作品」という、流し読みで終わってしまうので注意。

問題設定は、読者によってそれぞれだと思うけど、
個人的には以下かな。

・何故、大日向は部活を止めたのか?
・何故、折木は「大日向が辞めた理由を解明しよう」と思ったか?
・ラスト。何故折木は、大日向が部活に戻ってくるようにしなかったか?
・これからの折木とえるたそ

以下、推測。
※ネタばれ含みますので、未読の方はスルーで。

・何故、大日向は部活を止めたのか?
 →知られたくない事、恐れていたこと(中学の友達の悪行と、自分との関係)をえるたそに知られたと思い込み、
  その上で、えるたそに大切に思っていたモノ(友達を見捨てろ)と否定されたと思い込んだから。所謂、勘違い。
  大日向にとっての「友達」という言葉が、どれだけ大切が所々出て来ます。一般的な認識での親友が友達という感じです。
  それが分かるように、一般的な意味での友達が知人と称されたりします。
  親友が悪い事をしていても、それで繋がりを切ることは、彼女の価値観ではできない事なのでしょう。
  悪い事をしていても親友は親友、でもその友達との関係は周りにはばれたくない。そう思っている事自体を認められない。
  そんな自己矛盾に陥って悩んでいる大日向。それが彼女の悩みであり問題。
  
・折木の行動の結果。
 えるたその名誉は守られますが、大日向はきづつき、問題も解決されません。
 結果的には、大日向が知られたくない事、恐れていたことを折木に知られてしまう。
 「辞めた理由を解明する」という事を折木がしなければ、起らなかった事。
 それを知られないために、部活を辞めたのに。大日向にとっては、ショックが大きいでしょう。
 それも、少なからず行為を抱いていた異性に暴かれるのは。

 しかもそれを暴いて、心情面で特に何もフォローしない折木。
 問題を把握しているので、ここで説得なりで問題解決の手助けでもできればよかったんですけど。  
 この件で、彼女が折木に対して好意を抱きにくくなったと思います。
 恋敵を減らしていく「えるたそ」の策略が発動した感じがします。のっかった感がありますが。
   

・何故、折木は「大日向が辞めた理由を解明しよう」と思ったか?
 →伊原に「人を見ていない」と言われて、それが心に響いたから。
  実際に、自発的に人の心を推測するキャラではないので。
  その数ページ前の地の分。「説得ではなく、確信をつく一言に動かされる」というのが
  動機を表している。
 →えるたそが、大日向が辞めた事について責任を感じており、悲しんでいたから。
  そもそも、えるたそに好意を抱いているからでしょう。
  その好意は恋愛感情ではなく、「必要とされる事」に心を動かされている感じがします。

・ラスト。何故折木は、大日向が部活に戻ってくるようにしなかったか?
 →折木自身も理解していないと思いますが、えるたその最後のセリフの影響でしょう。
  えるたそセリフは、「誤解は解いてほしい。でも、大日向が戻ってくるのは無理だろう」というニュアンス、その意向を酌んだ。
  この時のセリフで「部活に戻してほしい」と強くお願いしてれば、違ったかもしれません。

  えるたそって、「かわいい」イメージ有るし、実際可愛いけど、
  結構自己中というか、天然的に、自分に利益が有るように誘導するキャラ。
  男に甘えるキャラなので、女性から見ると、えるたそ好きって人が少ない気がする。
  時々大人な面を見えるので、 子供っぽい面を自覚して利用しているようで。
  ぶりっこを毛嫌いする女性には受けにくい。
  折木に好意を抱いていた大日向を排除するために、最後のセリフを天然でいったのではないかと。
  自分では直接働きかけず、間接的に動くという辺りが女性らしいのですが。

  折木が誤解を解いたが、大日向が部活に戻らない理由は、友達という価値、関係性に強い価値を持っているからでしょう。
  今回の件でえるたそをきづつけてしまった。そういう事をする自分は部活に入るべきではない、という考え。
  人とのつながりに対して、強い正義感のようなものを持っている彼女らしいです。

・えるたそが折木に惹かれる理由と最後のセリフ。
 えるたそは、自分の世界、自分の能力の限界を認識している。
 前作の「遠回りする雛」で「これが私の世界です」と明示している。
 色々な事に興味を持つが、持つだけで、自分では世界を広げることが出来ない。つまり雛。
 だが折木なら、推理を通して、自分が思ってもみなかった世界を提示してくれる。
 だから惹かれるのでしょう。彼女の限界の合図が「私、気になります」です。
 自分の殻を破ってくれる人、思いもしなかった世界を見せてくれる人に惹かれるのは説得力が有ります。
 それは恋愛感情というものとは違うかもしれませんが。年の上の男性に女性が惹かれやすい傾向があるのもこの要因からでしょう。

 今作では、それを受けてえるたそと折木の距離は短くなっています。イチャイチャ描写?があります。
 それが影響して、えるたその最後のセリフになったのだと思います。
 「大日向を助けてほしいが、部活には戻って欲しくない」。最初、最後のセリフ見た時、違和感あったんです。
 部活に戻ってくれるように働きかけるの方がえるたそっぽいと思ったんですね。善意で動くのがえるたそだと。
 そこに「無理だろう」みたいな諦めの姿勢は見せないと思っていました。
 しかし、折木を奪われたくないという気持ちがちょっとあると思えば、納得。

・折木がえるたそに惹かれる理由
 自分の限界を越えて、色々な事に手を出しているからでしょう。
 「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」
 というモットーの折木にとっては、「絶対に成功する」と思えること以外はやらない。
 ある種の責任感、臆病な所があるのでしょう。
 しかし、えるたその、自分が出来ないような事でも興味を持って取り組む所に惹かれたのだと思います。
 又、「純粋に自分を必要としてくれる」というのが天も強いでしょう。臆病な自己を肯定してくれる存在として。
 
 

・これからの折木とえるたそ
 今回の事で、「えるたそに無意識に影響されている」という事に折木が気づくんではないでしょうか。
 「私、気になります」と言うような、直接的な言葉ではなく、間接的な影響を受けていると。
 又、えるたから「大日向を助けてほしい」と依頼されたが、それは達成できなかった。
 達成できたのは、自発的に思った「えるたその名誉を守りたい、誤解を解きたい」という事。
 えるたその言葉での依頼よりも、自発的な思いを達成した。この事は、折木の行動指針にかなり影響すると。
 「思慮なくえるたその要望に応える事で、誰かをきづつけてしまう」という事に気づいて葛藤しだすと思いますね。
 普通の小説なら、そこに恋愛感情が絡み、「他の者よりもえるたそを大切にする」という感じで綺麗に閉まると思うんですけど、
 古典部シリーズは、「青春の苦さ」がコンセプト?という感じもするので、そうはならないでしょう。

 又、外と中という話も出て来ました。今まではえるたそに促される形で学校関連(えるたそ関連)の話を推理してきました。
 学校の外の事にはないもできない、と割り切られてきました。
 しかし、お嬢様であり、外との繋がりが多いえるたそと一緒に歩むためには、積極的に外と関わらなければいけないと前作で示されました。
 これからは、自発的に外の事(学外の事に対しても関わる(推理を使って問題解決)のではないかと思います。

 えるたそに関わることで、内にこもらず外に目を向け、自発的な行動が出来るようになるのが、折木の成長が描かれるのではないかと。
 この作品って、全能感(思春期の根拠のない自信)の敗北と再生を通して、自己を確立していく話だと思っていますので。
 

 えるたそについては、自分の欲、好奇心の及ぼす罪とかを、強く自覚しだすんではないでしょうか。
 既に、折木に頼り切るのではなく、自立(自分で考える)しようという感もありますが、甘えは中々治っていないので。
 甘えるえるたそはかわいいので、それがなくなるのは悲しいですが。

 
 
 
  
ふたりの距離の概算 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算 (角川文庫)より
4041003253
No.141
(5pt)

国語力が問われる本。

相変わらず凝りに凝った構成と、分かりやすく説明するのではなく、行間を読む要素多し。
国語力が問われる本。
キャラに魅力があるから、言葉の意味とかを推測したくなる。
「気になるあの子がどう思っているか知りたい」という感じで。
シリーズを通しての知識がないと、「なんだ、地味な作品」という、流し読みで終わってしまうので注意。

問題設定は、読者によってそれぞれだと思うけど、
個人的には以下かな。

・何故、大日向は部活を止めたのか?
・何故、折木は「大日向が辞めた理由を解明しよう」と思ったか?
・ラスト。何故折木は、大日向が部活に戻ってくるようにしなかったか?
・これからの折木とえるたそ

以下、推測。
※ネタばれ含みますので、未読の方はスルーで。

・何故、大日向は部活を止めたのか?
 →知られたくない事、恐れていたこと(中学の友達の悪行と、自分との関係)をえるたそに知られたと思い込み、
  その上で、えるたそに大切に思っていたモノ(友達を見捨てろ)と否定されたと思い込んだから。所謂、勘違い。
  大日向にとっての「友達」という言葉が、どれだけ大切が所々出て来ます。一般的な認識での親友が友達という感じです。
  それが分かるように、一般的な意味での友達が知人と称されたりします。
  親友が悪い事をしていても、それで繋がりを切ることは、彼女の価値観ではできない事なのでしょう。
  悪い事をしていても親友は親友、でもその友達との関係は周りにはばれたくない。そう思っている事自体を認められない。
  そんな自己矛盾に陥って悩んでいる大日向。それが彼女の悩みであり問題。
  
・折木の行動の結果。
 えるたその名誉は守られますが、大日向はきづつき、問題も解決されません。
 結果的には、大日向が知られたくない事、恐れていたことを折木に知られてしまう。
 「辞めた理由を解明する」という事を折木がしなければ、起らなかった事。
 それを知られないために、部活を辞めたのに。大日向にとっては、ショックが大きいでしょう。
 それも、少なからず行為を抱いていた異性に暴かれるのは。

 しかもそれを暴いて、心情面で特に何もフォローしない折木。
 問題を把握しているので、ここで説得なりで問題解決の手助けでもできればよかったんですけど。  
 この件で、彼女が折木に対して好意を抱きにくくなったと思います。
 恋敵を減らしていく「えるたそ」の策略が発動した感じがします。のっかった感がありますが。
   

・何故、折木は「大日向が辞めた理由を解明しよう」と思ったか?
 →伊原に「人を見ていない」と言われて、それが心に響いたから。
  実際に、自発的に人の心を推測するキャラではないので。
  その数ページ前の地の分。「説得ではなく、確信をつく一言に動かされる」というのが
  動機を表している。
 →えるたそが、大日向が辞めた事について責任を感じており、悲しんでいたから。
  そもそも、えるたそに好意を抱いているからでしょう。
  その好意は恋愛感情ではなく、「必要とされる事」に心を動かされている感じがします。

・ラスト。何故折木は、大日向が部活に戻ってくるようにしなかったか?
 →折木自身も理解していないと思いますが、えるたその最後のセリフの影響でしょう。
  えるたそセリフは、「誤解は解いてほしい。でも、大日向が戻ってくるのは無理だろう」というニュアンス、その意向を酌んだ。
  この時のセリフで「部活に戻してほしい」と強くお願いしてれば、違ったかもしれません。

  えるたそって、「かわいい」イメージ有るし、実際可愛いけど、
  結構自己中というか、天然的に、自分に利益が有るように誘導するキャラ。
  男に甘えるキャラなので、女性から見ると、えるたそ好きって人が少ない気がする。
  時々大人な面を見えるので、 子供っぽい面を自覚して利用しているようで。
  ぶりっこを毛嫌いする女性には受けにくい。
  折木に好意を抱いていた大日向を排除するために、最後のセリフを天然でいったのではないかと。
  自分では直接働きかけず、間接的に動くという辺りが女性らしいのですが。

  折木が誤解を解いたが、大日向が部活に戻らない理由は、友達という価値、関係性に強い価値を持っているからでしょう。
  今回の件でえるたそをきづつけてしまった。そういう事をする自分は部活に入るべきではない、という考え。
  人とのつながりに対して、強い正義感のようなものを持っている彼女らしいです。

・えるたそが折木に惹かれる理由と最後のセリフ。
 えるたそは、自分の世界、自分の能力の限界を認識している。
 前作の「遠回りする雛」で「これが私の世界です」と明示している。
 色々な事に興味を持つが、持つだけで、自分では世界を広げることが出来ない。つまり雛。
 だが折木なら、推理を通して、自分が思ってもみなかった世界を提示してくれる。
 だから惹かれるのでしょう。彼女の限界の合図が「私、気になります」です。
 自分の殻を破ってくれる人、思いもしなかった世界を見せてくれる人に惹かれるのは説得力が有ります。
 それは恋愛感情というものとは違うかもしれませんが。年の上の男性に女性が惹かれやすい傾向があるのもこの要因からでしょう。

 今作では、それを受けてえるたそと折木の距離は短くなっています。イチャイチャ描写?があります。
 それが影響して、えるたその最後のセリフになったのだと思います。
 「大日向を助けてほしいが、部活には戻って欲しくない」。最初、最後のセリフ見た時、違和感あったんです。
 部活に戻ってくれるように働きかけるの方がえるたそっぽいと思ったんですね。善意で動くのがえるたそだと。
 そこに「無理だろう」みたいな諦めの姿勢は見せないと思っていました。
 しかし、折木を奪われたくないという気持ちがちょっとあると思えば、納得。

・折木がえるたそに惹かれる理由
 自分の限界を越えて、色々な事に手を出しているからでしょう。
 「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」
 というモットーの折木にとっては、「絶対に成功する」と思えること以外はやらない。
 ある種の責任感、臆病な所があるのでしょう。
 しかし、えるたその、自分が出来ないような事でも興味を持って取り組む所に惹かれたのだと思います。
 又、「純粋に自分を必要としてくれる」というのが天も強いでしょう。臆病な自己を肯定してくれる存在として。
 
 

・これからの折木とえるたそ
 今回の事で、「えるたそに無意識に影響されている」という事に折木が気づくんではないでしょうか。
 「私、気になります」と言うような、直接的な言葉ではなく、間接的な影響を受けていると。
 又、えるたから「大日向を助けてほしい」と依頼されたが、それは達成できなかった。
 達成できたのは、自発的に思った「えるたその名誉を守りたい、誤解を解きたい」という事。
 えるたその言葉での依頼よりも、自発的な思いを達成した。この事は、折木の行動指針にかなり影響すると。
 「思慮なくえるたその要望に応える事で、誰かをきづつけてしまう」という事に気づいて葛藤しだすと思いますね。
 普通の小説なら、そこに恋愛感情が絡み、「他の者よりもえるたそを大切にする」という感じで綺麗に閉まると思うんですけど、
 古典部シリーズは、「青春の苦さ」がコンセプト?という感じもするので、そうはならないでしょう。

 又、外と中という話も出て来ました。今まではえるたそに促される形で学校関連(えるたそ関連)の話を推理してきました。
 学校の外の事にはないもできない、と割り切られてきました。
 しかし、お嬢様であり、外との繋がりが多いえるたそと一緒に歩むためには、積極的に外と関わらなければいけないと前作で示されました。
 これからは、自発的に外の事(学外の事に対しても関わる(推理を使って問題解決)のではないかと思います。

 えるたそに関わることで、内にこもらず外に目を向け、自発的な行動が出来るようになるのが、折木の成長が描かれるのではないかと。
 この作品って、全能感(思春期の根拠のない自信)の敗北と再生を通して、自己を確立していく話だと思っていますので。
 

 えるたそについては、自分の欲、好奇心の及ぼす罪とかを、強く自覚しだすんではないでしょうか。
 既に、折木に頼り切るのではなく、自立(自分で考える)しようという感もありますが、甘えは中々治っていないので。
 甘えるえるたそはかわいいので、それがなくなるのは悲しいですが。

 
 
 
  
ふたりの距離の概算 Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算より
404874075X
No.140
(5pt)

とてもおすすめの本です

これまでの書き方とは一変して新たな視点で描かれています
また、新しく出てくる登場人物も個性があり謎が多く魅力的です
ふたりの距離の概算 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ふたりの距離の概算 (角川文庫)より
4041003253