(短編集)

レインレイン・ボウ

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評判

レインレイン・ボウの評価:

3.89/5点 レビュー 19件。 B ランク

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平均点3.89pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全28件 21〜28 2/2ページ
No.8
(5pt)

まさに加納朋子の味わい

性格も容姿も職業もまったく違う女性たちが、それぞれの生き方で世の中を渡っていく様を描いた小説。
こう書くと、篠田節子の「女たちのジハード」を思い出す方も多いのではないでしょうか。
実際、女性筆者ならではの感受性あふれる描写、同性ゆえに逆に鋭い女性への視線など、似通った部分もあります。
だけど、似たような食材でも、この人が調理するとまた、違った味わいになるのです。
得意の日常の謎を、メインとしてでなく、スパイスとして各話にふりかけて、一話完結の短編集として成立させる。しかも、それぞれの<色>のお話が並ぶと、タイトルにもある<虹>のように一つの<謎>の答えも浮かび上がってくる。
この構成が見事です。
ちなみに、主要登場人物の一人は、実は別の作品「月曜日の水玉模様」の主人公だったりします。完全に別の話として独立しているので気にする必要はありませんが、合わせて読むとより楽しめるでしょう。
レインレイン・ボウ (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウ (集英社文庫)より
4087460894
No.7
(4pt)

虹の色

高校時代の部活動の仲間の死が色々な形で7人の生活に関わっていきます。7つの短編は、その部活動仲間1人に焦点をあて、進んでいきます。部活動の仲間といっても学生時代を終え、各々の道を歩む登場人物たちはそれぞれが微妙な距離を保っています。私は各編に描かれた7人それぞれの生き方に好感を持ちました。短編の並びは必ずしも時系列にそって並んではいません。私は読み進めていきながら、同時に自分の頭の中で物語を整頓していきました。各編で登場し、また、短編の1つで中心人物として焦点をあてられるのは『月曜日の水玉模様』の登場人物である片桐陶子です。同書の登場人物である萩広海も登場します。私の個人的な好みからですが『月曜日の水玉模様』を読んでからこの本を読むことをお勧めします。片桐陶子は加納朋子さんの作品の中でも特に私が好きな登場人物の1人です。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.6
(3pt)

陶子さんと萩君が。

恥ずかしながら、私はラスト近くで例の彼が登場するまで全く気付かなかったのですが「月曜日の水玉模様」に登場する陶子さんが主人公のひとりとして登場しています。タイトル見た時点で何故予想できなかったのか…!月曜日は水玉模様」における、陶子さんと萩君の関係にほんのり笑みつつ楽しんだ私にとっては嬉しい作品でした。ただ、加納作品といえば、愛嬌こめて描かれた「日常におけるちょっとした謎」を醍醐味と感じていらっしゃる読者も多いはず。そういった面に関しては最近の先生の傾向通り、やはり取り扱われ方が薄くなっており、残念。また、(短編集であるから各話で評価は変わりはしますが)全話を通した1本の物語としての終局からも、いつものチャーミングな完成度が感じられず、個人的には物足りない一冊でした。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.5
(2pt)

“リアルな現実”が感じられないのが残念

 高校時代ソフトボール部の仲間だった7人が、20代半ば、メンバーの死をきっかけに再び集まる。7人それぞれを主人公とした連作の形を取り、メンバーの死の謎が少しずつ明らかになっていくミステリー仕立てだが、主眼は7人の女性の生き方、人物を描くことに置かれている。作者は登場人物に「色んな色が虹みたいに重なり合って複雑な模様を作っているからこそ、人間って面白い」と語らせている。タイトルの「レインレイン・ボウ」には作者のそうした思いが託されているはずだ。しかし、その思いを小説に具現化するに当たって、7人の人物像が類型化し、7人が織り成すストーリーがドラマ的なものになってしまっているのは作者の意に反してはいないだろうか。また作者が登場人物に語らせる“大人だってかつては無垢な天使だった”“どうして自分のためにはできないことを、好きな誰かのためにならできるのだろう?”と言った人間に対する性善説的な期待が、僕にはあまりに楽観的に思えてしまう。作者が文脈の中で肯定的に使っている“リアルな現実”を、この小説から感じ取ることが出来ないのだ。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.4
(4pt)

虹に、こめられたもの。

題名にふさわしく、虹の七色を七章の一つづつにとって、かつての高校同級生がひとりずつ語られていきます。いつもの加納さんのように、事件というか、謎が、さらりとでてきて、各章につながっていきます。読み手としては、ある程度まで話が進むまでは、目を光らせて、ここはしっかり抑えておかねばならんぞ・・・と、登場人物の言動にチェックを入れます。『レインレイン・ボウ』では、7年前、ソフトボール部で一緒だった牧知寿子の死をきっかけに、交流が途絶えていた7人の女性が、また関わりを持ち始め、過去・現在とをつないで語られるうちに知寿子の死の謎も明らかにされていく。それはもちろんおもしろいのだけれど、加納さんの持ち味の普通の女性を描き分ける鮮やかさに、ついつい呑まれてしまいます。またやられた!という嬉しい読後感。虹とは、死んだ知寿子も、過ぎ去った7年も、女性同士の移ろいやすい友情も、でも雨上がりの明るさも全て象徴しているのでしょう。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.3
(4pt)

こういうのが流行りなのだろうか?

偶然にも、同じような構成の小説を読むことになった。高校時代に所属していた部活のメンバーの死を軸にした女の子たちの物語。女性の自立を謳う作品ではなく、卒業後の彼女らの軌跡と同級生と先輩らの人間関係を描かれている。物語の副題としての人格や生い立ちではなく、人との関わり合いと登場人物と他者を比較した心情が主な展開になるところが、女性作家にある特徴のひとつか。正反対な性格でありながらも、お互い他者依存しながら生きていく彼女らの姿は、卒業後努めて絡を取らず疎遠なっていくにも関わらず、心の片隅では他者との繋がりを願っている。その姿から、いつでも繋がれる携帯電話を持ちながら、孤独感が一層募っていく現代社会の一面を照らし出しているのだろうかと考えたりもした(それほど大げさに作家が考えていたのかは別にして)。経済小説や会社小説にありがちな重たい読後感はなく、通勤電車の中で楽しみながら読める本を探している人にはお勧めかも。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.2
(4pt)

心暖まる青春ミステリー

「ガラスの麒麟」で日本推理作家協会賞を最年少受賞した著者が最も得意とする連作短編集。帯の謳い文句いわく「7つの物語が交錯する、爽やかな青春群像」、ほんとうにこれほど「さわやか」という言葉がイヤミなく受け取れる人もいない。「コッペリア」では人形に憑かれた人々をめぐるやや耽美的な世界ということで持ち味と合わず、消化不良気味だったが今回はみごと。7人の女性も魅力的に書き分けられています。メインストリームで評価の高い小川洋子「博士の愛した数式」、森絵都「永遠の出口」といった作品と同質の繊細な感性が光ります。装丁も美しいです。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.1
(4pt)

七色の結末

高校女子ソフトボール部仲間だった一人の死をきっかけに集まった7年後の7人の女性の生き様を虹の七色(赤橙黄緑青藍紫)にからめてつづる連作集。若すぎる死の真相はなんだったのか。練りに練った小説である。謎解きもあるのでミリテリー的ではあるが、著者の狙いは女性たちの人生を七色に書き分けるということなのだろう。かなり無理をして七色を作ってしまっているので、十分に書き分けられているとは言いがたく、なんとなく似たキャラクターになってしまっている。それでも藍色担当の栄養士の女性は魅力的に描かれていて、次回作はこれを主人公にすることを希望。「世界には虹が六色に見えている文化がある。本当は無数の色のグラデーションで構成される虹が人によっていろいろの色に見えているということ」という一節が印象的。途中から普通の青春小説風になってしまい、中だるみになるのが惜しいが、最後のオチまでいくと、この小説が良くできていることがわかるので最後まで読み通すことをお勧めします。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755