(短編集)

レインレイン・ボウ

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評判

レインレイン・ボウの評価:

3.89/5点 レビュー 19件。 B ランク

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平均点3.89pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全28件 1〜20 1/2ページ
No.28
(5pt)

良いです!

短編はあまり好きではありませんが、全体が繋がってる短編なら許容範囲なので読んでみました^_^
ちょっとした日常の謎解きも良くて楽しく読むことが出来ました。
個人的には第6話の「雨上がりの藍の空」が好きです!
貧乏レシピが役に立ちそうで、読書をしながらちょっとだけ得をした気分になりました^_^

2016/12/4読了
レインレイン・ボウ (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウ (集英社文庫)より
4087460894
No.27
(5pt)

良いです!

短編はあまり好きではありませんが、全体が繋がってる短編なら許容範囲なので読んでみました^_^
ちょっとした日常の謎解きも良くて楽しく読むことが出来ました。
個人的には第6話の「雨上がりの藍の空」が好きです!
貧乏レシピが役に立ちそうで、読書をしながらちょっとだけ得をした気分になりました^_^

2016/12/4読了
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.26
(3pt)

楽しく読んだ

新刊の「我ら荒野の~」を読んだら、ここから読み返したくなった。
不穏と言えば不穏なんだが、全体から受ける印象は「明」。
チーズさんの「アタシは老い先短いかも知れないんだから、アタシがやりたい様に生きるのよ」と前向きな方向に開き直っていたであろう感じがとても良い。
明るい諦念。と受け取りました。
レインレイン・ボウ (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウ (集英社文庫)より
4087460894
No.25
(3pt)

楽しく読んだ

新刊の「我ら荒野の~」を読んだら、ここから読み返したくなった。
不穏と言えば不穏なんだが、全体から受ける印象は「明」。
チーズさんの「アタシは老い先短いかも知れないんだから、アタシがやりたい様に生きるのよ」と前向きな方向に開き直っていたであろう感じがとても良い。
明るい諦念。と受け取りました。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.24
(3pt)

良かったです。

日常、身近に起きている出来事がテーマになっていてさらりと読めました。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.23
(3pt)

良かったです。

日常、身近に起きている出来事がテーマになっていてさらりと読めました。
レインレイン・ボウ (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウ (集英社文庫)より
4087460894
No.22
(4pt)

爽やかな読後感

高校時代に同じソフトボール部だった少女たちが、大人になってチームメイトの過労死を経験し、それをきっかけに再会し、それぞれの今を描く物語。7つの章に別れて、7人の女性たちの個性的な20代の生き様を、作者独特の優しい筆致で綴っている。各章の副題もタイトルの虹を連想させる色が入っておりニヤリとさせる。読む進めるとその副題の色の意味も解ってくる。細々した個々のエピソードが鮮やかなほどうねりを持ってラストへと収束していく。一見するとミステリーのようだが、実は女性の青春群像劇となっており、それぞれの章でそれぞれの主役たちが悩み苦しんでそれでも頑張って生きている姿を丹念に描いている。六章の由美子の描写がこの本の中の女性では特異でいて、私が一番気に入ったところだ。彼女の機転で、どうしても上手くいかなかった仕事が、段々動き始め、廻りの人間をも巻き込んで、やる気にさせるというのがとても心地良い。脇のオバサン軍団も味があって良いアクセントになっている。様々な事で迷いながら壁にぶつかりながら、それでも必死で「今を生きる女性たち」この作者の上手いところは、数々の細かい謎を各章に散りばめつつ、連作長編として、その謎を「優しさ、愛惜しさ」に収束させていく。人物造形も台詞も素晴らしく巧み。加納朋子は寡作な作家だが、一つ一つの作品は完成度が非常に高い。もっと評価されても良い作家の一人だと思う。ラストの一行がこの物語を鮮やかな結末へと導いている。未読の方は一度加納朋子の本を手にとって欲しいと思う。作者の力量の高さもさることながら、読後感がとても爽やかなので、良い気分転換になると思う。さほど重たい内容では無いので一章ずつ丹念に読んで欲しい。通勤のときに読む本としてお薦めの一冊。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.21
(4pt)

爽やかな読後感

高校時代に同じソフトボール部だった少女たちが、大人になってチームメイトの過労死を経験し、それをきっかけに再会し、それぞれの今を描く物語。7つの章に別れて、7人の女性たちの個性的な20代の生き様を、作者独特の優しい筆致で綴っている。各章の副題もタイトルの虹を連想させる色が入っておりニヤリとさせる。読む進めるとその副題の色の意味も解ってくる。細々した個々のエピソードが鮮やかなほどうねりを持ってラストへと収束していく。一見するとミステリーのようだが、実は女性の青春群像劇となっており、それぞれの章でそれぞれの主役たちが悩み苦しんでそれでも頑張って生きている姿を丹念に描いている。六章の由美子の描写がこの本の中の女性では特異でいて、私が一番気に入ったところだ。彼女の機転で、どうしても上手くいかなかった仕事が、段々動き始め、廻りの人間をも巻き込んで、やる気にさせるというのがとても心地良い。脇のオバサン軍団も味があって良いアクセントになっている。様々な事で迷いながら壁にぶつかりながら、それでも必死で「今を生きる女性たち」この作者の上手いところは、数々の細かい謎を各章に散りばめつつ、連作長編として、その謎を「優しさ、愛惜しさ」に収束させていく。人物造形も台詞も素晴らしく巧み。加納朋子は寡作な作家だが、一つ一つの作品は完成度が非常に高い。もっと評価されても良い作家の一人だと思う。ラストの一行がこの物語を鮮やかな結末へと導いている。未読の方は一度加納朋子の本を手にとって欲しいと思う。作者の力量の高さもさることながら、読後感がとても爽やかなので、良い気分転換になると思う。さほど重たい内容では無いので一章ずつ丹念に読んで欲しい。通勤のときに読む本としてお薦めの一冊。
レインレイン・ボウ (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウ (集英社文庫)より
4087460894
No.20
(4pt)

『月曜日の水玉模様』の続編、だが...

『月曜日の水玉模様』の続編で、前作のヒロイン片桐陶子が高校時代にキャプテンをしていたソフトボール部のメンバーが、元部員の一人、「チーズ」こと牧知寿子の通夜の席で七年ぶりに顔を合わせることになった。だが、その席にはチーズと仲がよかった長瀬里穂は顔を見せなかった...。
前作同様、陶子とボーイフレンドの萩が、個々のストーリーに散りばめられた謎とその真相を明らかにするものと思っていたのだが、そうではなく、元部員たち一人一人のストーリーで構成され、その中に「チーズ」の影が添えられているというもので、陶子は一話目と最終話にしか登場しない。
ただ、その最終話で全体を貫く謎が解けるというのは、作者の従来作品と同様、連作短編集として落ち着くスタイルである。
『月曜日の水玉模様』の続編として陶子が活躍する話を期待していたのだが、その点、肩透かしであった。また、ミステリー色も薄い作品集である。
とくに六話目の「雨上がりの藍の色」は管理栄養士の三好由美子が派遣先で奮闘する話で、ミステリーでも何でもない。が、前作と比べると全体が暗めの作品が多い中、陽性キャラの由美子の話が、実のところ一番面白かった。そのキャラとは最も縁遠いはずの、おそらく本人さえも思わなかったであろうシンデレラ・ストーリーだったのも面白い。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.19
(4pt)

『月曜日の水玉模様』の続編、だが...

『月曜日の水玉模様』の続編で、前作のヒロイン片桐陶子が高校時代にキャプテンをしていたソフトボール部のメンバーが、元部員の一人、「チーズ」こと牧知寿子の通夜の席で七年ぶりに顔を合わせることになった。だが、その席にはチーズと仲がよかった長瀬里穂は顔を見せなかった...。
前作同様、陶子とボーイフレンドの萩が、個々のストーリーに散りばめられた謎とその真相を明らかにするものと思っていたのだが、そうではなく、元部員たち一人一人のストーリーで構成され、その中に「チーズ」の影が添えられているというもので、陶子は一話目と最終話にしか登場しない。
ただ、その最終話で全体を貫く謎が解けるというのは、作者の従来作品と同様、連作短編集として落ち着くスタイルである。
『月曜日の水玉模様』の続編として陶子が活躍する話を期待していたのだが、その点、肩透かしであった。また、ミステリー色も薄い作品集である。
とくに六話目の「雨上がりの藍の色」は管理栄養士の三好由美子が派遣先で奮闘する話で、ミステリーでも何でもない。が、前作と比べると全体が暗めの作品が多い中、陽性キャラの由美子の話が、実のところ一番面白かった。そのキャラとは最も縁遠いはずの、おそらく本人さえも思わなかったであろうシンデレラ・ストーリーだったのも面白い。
レインレイン・ボウ (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウ (集英社文庫)より
4087460894
No.18
(3pt)

一つ一つのエピソードも良く、巧く構成されています。

20代になった彼女たち、各々の生活が描かれ、面白い。
中でも、ミステリー色の濃い「ひよこ色の天使」や、兄ばかり大切にされ家庭の中で居場所のなかった緑についてかかれた「緑の森の夜鳴き鳥」が面白かった。
各々の話から、徐々に死んだ知寿子の亡霊を見た者がいたり、知寿子と一番仲の良かった里穂の失踪といった大きな謎解きへと物語が進む。
ミステリーだけでなく、20代の女性の心の揺らめきが実にうまく描かれ、さすが加納さんと思わせる良作。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.17
(3pt)

一つ一つのエピソードも良く、巧く構成されています。

20代になった彼女たち、各々の生活が描かれ、面白い。
中でも、ミステリー色の濃い「ひよこ色の天使」や、兄ばかり大切にされ家庭の中で居場所のなかった緑についてかかれた「緑の森の夜鳴き鳥」が面白かった。
各々の話から、徐々に死んだ知寿子の亡霊を見た者がいたり、知寿子と一番仲の良かった里穂の失踪といった大きな謎解きへと物語が進む。
ミステリーだけでなく、20代の女性の心の揺らめきが実にうまく描かれ、さすが加納さんと思わせる良作。
レインレイン・ボウ (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウ (集英社文庫)より
4087460894
No.16
(5pt)

「語り」の魅力

小説は作者のメッセージやコンセプトを表現するための手段なのかも知れませんが、それ以前に、物語そのものや、文章そのものの面白さがないと魅力的な作品にはならないと思います。
日常の小さなミステリーをつむぐこの作品群には、文章芸術の基本とも言うべき語りの魅力を随所に感じます。また空想したり、文章を綴ることをこよなく愛する作者の姿が目に見えるようで好感が持てました。そのなかで、普通のことが普通に起こることがどれほど幸せなことなのか、シンプルですが大切なメッセージも静かに伝わりました。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.15
(5pt)

「語り」の魅力

小説は作者のメッセージやコンセプトを表現するための手段なのかも知れませんが、それ以前に、物語そのものや、文章そのものの面白さがないと魅力的な作品にはならないと思います。
日常の小さなミステリーをつむぐこの作品群には、文章芸術の基本とも言うべき語りの魅力を随所に感じます。また空想したり、文章を綴ることをこよなく愛する作者の姿が目に見えるようで好感が持てました。そのなかで、普通のことが普通に起こることがどれほど幸せなことなのか、シンプルですが大切なメッセージも静かに伝わりました。
レインレイン・ボウ (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウ (集英社文庫)より
4087460894
No.14
(5pt)

前著「月曜日の水玉模様」をぜひ先に読んでください!!

高校時代の元ソフトボール部員たちの現在のそれぞれの物語が各章で描かれ、亡くなった元部員と失踪した元部員の謎解きの物語で全体がつながっていくという連作短編です。
ただ、読者が作品をどう読むかは自由ですが、おそらく作者としてはこの作品は、上記のような謎解きの体裁をとりながら、実はソフト部の元キャプテンであり、前作の「月曜日の水玉模様」の主人公である片桐陶子の物語として描いたのではないかと思います。正直、途中、多少中だるみしてると思わないでもない章もありましたが、「月曜日の水玉模様」から続けて片桐陶子の物語として読むと、ラストまで読んだときに全てのピースがハマって胸にグッとくるものがあり、とてもいい作品だと心から思えました。
それぞれの章に元部員たちが各章の主人公として出てきますが、全体をつなぐ一番重要なピースは失踪した長瀬理穂でもなく、亡くなった牧知寿子でもなく実はこの物語の真の主人公である片桐陶子だと思います。そして、それぞれの章で細やかに描かれていた元部員たちの生き方が、実は片桐陶子の生き方を逆照射のように照らし出していたのだとラストで分かるという実に見事な構成になっていると思います。このあたりはさすが名手・加納朋子だとしかいいようがないです。
それにしても、やはりラストの片桐陶子の章でほんの少しでも「月曜日の水玉模様」の準主役の萩広海君がでてくると、わくわくしてくるし、より温かい空気が醸し出されますね。最後の片桐陶子の章で、いつ萩クンが登場するだろうと思っていたけれど、やっぱり登場してほんの短い登場時間の間にとても重要な役を演じていきます。だから、この作品はぜひ「月曜日の水玉模様」を読んでから、読むことをオススメします。そうしなければ、数ページしか登場しない萩クンがなぜ重要な役割を演じるのかが充分に理解できないし、とくに最後の章では、片桐陶子の母親への想いや前著でのいきさつを踏まえてないと陶子の心の動きに感情移入できないまま終わってしまい、「うまいなぁ、加納朋子」とは思っても、胸にグッとくるところまではいかないかもしれません。ですから、まずは「月曜日の水玉模様」を先に読まれることをオススメします。こちらは今作のようなヘビーな要素はほとんどなく、片桐陶子と萩クンの二人が日常の謎解きをやっていくという連作短編で面白くてページを繰る手が止まらないといった感じでサクサクっと読めちゃいますので。
そして、ぜひその後の物語も読みたいなと思いますね。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.13
(5pt)

前著「月曜日の水玉模様」をぜひ先に読んでください!!

高校時代の元ソフトボール部員たちの現在のそれぞれの物語が各章で描かれ、亡くなった元部員と失踪した元部員の謎解きの物語で全体がつながっていくという連作短編です。
ただ、読者が作品をどう読むかは自由ですが、おそらく作者としてはこの作品は、上記のような謎解きの体裁をとりながら、実はソフト部の元キャプテンであり、前作の「月曜日の水玉模様」の主人公である片桐陶子の物語として描いたのではないかと思います。正直、途中、多少中だるみしてると思わないでもない章もありましたが、「月曜日の水玉模様」から続けて片桐陶子の物語として読むと、ラストまで読んだときに全てのピースがハマって胸にグッとくるものがあり、とてもいい作品だと心から思えました。
それぞれの章に元部員たちが各章の主人公として出てきますが、全体をつなぐ一番重要なピースは失踪した長瀬理穂でもなく、亡くなった牧知寿子でもなく実はこの物語の真の主人公である片桐陶子だと思います。そして、それぞれの章で細やかに描かれていた元部員たちの生き方が、実は片桐陶子の生き方を逆照射のように照らし出していたのだとラストで分かるという実に見事な構成になっていると思います。このあたりはさすが名手・加納朋子だとしかいいようがないです。
それにしても、やはりラストの片桐陶子の章でほんの少しでも「月曜日の水玉模様」の準主役の萩広海君がでてくると、わくわくしてくるし、より温かい空気が醸し出されますね。最後の片桐陶子の章で、いつ萩クンが登場するだろうと思っていたけれど、やっぱり登場してほんの短い登場時間の間にとても重要な役を演じていきます。だから、この作品はぜひ「月曜日の水玉模様」を読んでから、読むことをオススメします。そうしなければ、数ページしか登場しない萩クンがなぜ重要な役割を演じるのかが充分に理解できないし、とくに最後の章では、片桐陶子の母親への想いや前著でのいきさつを踏まえてないと陶子の心の動きに感情移入できないまま終わってしまい、「うまいなぁ、加納朋子」とは思っても、胸にグッとくるところまではいかないかもしれません。ですから、まずは「月曜日の水玉模様」を先に読まれることをオススメします。こちらは今作のようなヘビーな要素はほとんどなく、片桐陶子と萩クンの二人が日常の謎解きをやっていくという連作短編で面白くてページを繰る手が止まらないといった感じでサクサクっと読めちゃいますので。
そして、ぜひその後の物語も読みたいなと思いますね。
レインレイン・ボウ (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウ (集英社文庫)より
4087460894
No.12
(5pt)

生きている者の‘思い’

 虹の七色をモチーフにして,各人各様の女性たちの生き方を綴った短編連作集です。
 高校時代の部活仲間の死の事実から,物語は出発します。唐突な始まりですが,加納さんのファンなら,ミステリーの伏線だなという予想はつくのではないでしょうか。
 各話とも,高校卒業後の彼女たちの様々な日常生活が中心となっていますが,もちろん,彼女の死が直接・間接に関係してきます。そして,最終話に向かって,彼女の死をめぐる謎解きが加速されていきます。
 もちろん,ミステリーの要素はあるのですが,一人の人間の死を通して,生きている者たちの様々な‘思い’を再確認する作業に重点が置かれている印象を受けます。特に,最終話の「青い空と小鳥」の中で,登場人物の「片桐陶子」を通してそれが雄弁に語られていると思います。
 学生時代の自分と社会人になってからの自分―過去と現在の‘思い’を再確認しそれを意味づける作業は,案外つらいものかもしれません。そして,時には,取り返しのつかないこともあるのかもしれません…。
 本作品は,‘爽やかな青春小説’と評価することも可能でしょう。しかし僕は,単なる爽やかさにとどまらず,過去と現在の自分に向き合うきっかけをつくってくれた深みのある作品と感じました。
 読者諸氏(特に女性)が本作品に御自分を投影できた場合は,大変意義深い作品となること請け合いです。
レインレイン・ボウ Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウより
4087746755
No.11
(4pt)

同窓会に行った気分で読める、後味のよいライトミステリーの良作。

高校のソフトボール部の仲間・チーズこと知寿子(ちづこ)が突然死んだ。
彼女の通夜に、高校時代女子ソフトボール部で一緒だった同期や後輩が集まる。
専業主婦、キャリアウーマン、保母、看護士、調理師…それぞれの場で
それぞれの生き方をしていた彼女たちの会話は最初、どこかぎこちない。だけど、
それぞれ、高校時代の思い出をよみがえらせ、どうしてあんなに明るくて
活発だった知寿子が死んだのか思いを馳せる…そして、最大の謎が。
誰よりも知寿子を好きだったはずの里穂が弔問に来ていない。
そして、里穂の消息が途切れる…
知寿子の死と里穂の失踪の謎、という縦糸に、それぞれの
元ソフト部員たちの日常の小さなミステリーが横糸として
絡まって、見事な虹色のタペストリーのように1枚の絵として
最終章で完成する。見事な構成。
個人的には、その横糸の部分…それぞれの章の主人公たちの
日常ミステリーの部分のほうがより面白く感じた。
それぞれの職場が主な舞台になっているので、編集者、調理師、
保母など、様々な仕事の場面が出てきて興味深かった。
特に「誰が栄養士として派遣されてもすぐやめちゃう」
いわくありげな商社の社員食堂に管理栄養士として赴く由美子の
社食改革の章は、単独で読んでも痛快でした。
というわけで、血なまぐさくない読後感のよいライトミステリーとして
なかなか楽しく読める1冊。1章1日読めば1週間でちょうど読めるので
通勤のお供にもいいかもです。
レインレイン・ボウ (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウ (集英社文庫)より
4087460894
No.10
(3pt)

もう少し

23〜5歳になっている彼女たちは、それぞれ仕事をしたり
結婚して子供がいたり、日々を忙しく過ごしている。
そこに入ってきた元部員の死。
そして、もう一人の部員の失踪。
最初は他の7人の元部員たちの日常を描きつつ、
少しずつその二人(死んだ彼女と失踪した彼女)の関係の謎が
明らかになり、
第7話ですべてが明らかにされていく。
メインはあくまでも元部員のそれぞれの生活でありながら
そこに少しずつ二人の部員の謎をちりばめていく方法で描かれいる。
最後まで飽きさせないで、一気に読ませる力を見て取れる作品です。
一人ひとりの個性が上手く描かれているんだけど、
内容に関しては当たり外れがあるモノでした。
謎を解き明かすためにちょっと付け足した感のある話もあった気がする。
一人ひとりに焦点を当てたのは良かったけど、
ちょっと散漫な感じもした。
もう少し深く掘り下げていくともっと面白かったかな、と思います。
レインレイン・ボウ (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウ (集英社文庫)より
4087460894
No.9
(2pt)

“リアルな現実”が感じられないのが残念

 高校時代ソフトボール部の仲間だった7人が、20代半ば、メンバーの死をきっかけに再び集まる。7人それぞれを主人公とした連作の形を取り、メンバーの死の謎が少しずつ明らかになっていくミステリー仕立てだが、主眼は7人の女性の生き方、人物を描くことに置かれている。作者は登場人物に「色んな色が虹みたいに重なり合って複雑な模様を作っているからこそ、人間って面白い」と語らせている。タイトルの「レインレイン・ボウ」には作者のそうした思いが託されているはずだ。しかし、その思いを小説に具現化するに当たって、7人の人物像が類型化し、7人が織り成すストーリーがドラマ的なものになってしまっているのは作者の意に反してはいないだろうか。また作者が登場人物に語らせる“大人だってかつては無垢な天使だった”“どうして自分のためにはできないことを、好きな誰かのためにならできるのだろう?”と言った人間に対する性善説的な期待が、僕にはあまりに楽観的に思えてしまう。作者が文脈の中で肯定的に使っている“リアルな現実”を、この小説から感じ取ることが出来ないのだ。
レインレイン・ボウ (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: レインレイン・ボウ (集英社文庫)より
4087460894