君たちに明日はない

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

君たちに明日はないの評価:

3.70/5点 レビュー 105件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.70pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全162件 141〜160 8/9ページ
No.22
(4pt)

シリアスなお話なのに元気が湧いて来る1冊でした!!

リストラ請け負い会社に勤める村上真介の仕事は、首切り面接官。様々な業種で様々な人々と面談をして退職勧告を提案して行くシビアな仕事だ…。中には、怒り狂う女性が居たりそうかと思えば、自分の職業を愛するあまりに泣き出してしまうオタクな男性や旧友も居たり…。それぞれの人生模様とは如何に!?
★テンポが良くってサクサクです♪★『リストラ』という何ともシビアなテーマなのになぜかこの作品、明るく元気が出来てしまうから不思議ですね。★「明日はない」と思ってしまったらそこで全てが止まってしまう…。でも、『リストラ』を1つのチャンスとして向い合うか否かで今後の雲行きが変わってしまう。先行きの見えない事は誰でも怖いが…。この作品を読むと「一歩踏み出すこと」が、先行き明るいものに思えて来るから不思議だ。★元気が湧いて来る1冊だった。
君たちに明日はない (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はない (新潮文庫)より
4101329710
No.21
(4pt)

連作短編であり、長篇の魅力を持つ!

 続編らしきものが出たようなので、その前に読み返してみました。改めて奥深い作品だと思いました。リストラをテーマにした連作短編集ですが、縦糸が結構太いので長篇としても楽しめます。
 リストラ業務を請け負うアウトソーシング企業というのが上手い。主人公は肩たたきをする面接官でありながら、身分は外部者、第三者であり、常に客観的な立場で関わる。したがって我々読者も重苦しくなることはない。主人公以外の目線で書かれた文章、節のつなぎ方も自然で違和感がなく、小説全体にふくらみを持たせている。そして長篇としてみた時のラストの締めくくりが良い。人生を、男と女の縁を象徴するようでジーンときました。
 人生について考えてみたい時にピッタリの小説です。星4.5個!
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.20
(4pt)

作者の書く魅力的なキャラクターの集結

「ワイルドソウル」の疾走感を期待する人には少々拍子抜けでしょう。
理由は、短編の連作であること、身近な(マフィアとか南米とかに比べるとですが)
題材を扱っていること、苦味はあるけど比較的ハッピーな内容が多いこと。
ですが、個人的には「買い」です。
理由は簡単、作者の書く魅力的な人物が余すことなく登場するからです。
苦い過去をくぐりぬけ、非情な面もありながらユーモアがあって
魅力的な男性。容姿はともかく、度胸と愛嬌のある女性。
少々ご都合主義的な面のあるストーリー展開ではありますが、それぞれを
短い字数でコンパクトにまとめ、読後感も良いです。
ハードボイルド系の垣根涼介を求める方にはお勧めしません。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.19
(5pt)

意気地ある登場人物

心の微妙な動きの襞を、丁寧に丁寧に輻輳させ、感情の波を高まらせる、まさに、山本周五郎賞受賞作品の典型と言いたくなる作品だ。登場人物は、男気、女気があり、意気地がある。粋を心得ようとしつつ、そうならんとする背伸びをしている憎めない存在だ。ラストシーンの、なんとまた胸つまることか。たいへんな衝撃に出会うことができて満足であった。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.18
(3pt)

重いテーマながら、キャラで読ませる、泣き笑いストーリー

’05年度「第18回山本周五郎賞」を受賞した、5編からなる連作短編集である。
村上真介は33才。リストラ請負会社『日本ヒューマンリアクト(株)』に所属している。今日も今日とて依頼先の企業の会議室を借りて、23才・美形のアシスタント・川田美代子を従えて、先方の人事部になり代わってリストラ対象者との面接だ。いや、面接とは名ばかりで、実際は自主退職の督促をするのだ。何人辞めさせたかという実績が、ヒューマンリアクトという会社に対する評価、ひいては会社での彼個人の評価にもつながるのだ。
相手先企業もさまざま。建材メーカー、玩具メーカー、メガバンク、コンパニオン派遣会社に音楽プロダクション。被面接者にしてみれば、人生の危機・ターニングポイント、養うべき家族もいれば家のローンもある。当然面接の場では修羅場が演じられる。
私もこの手の話には、年齢的にもまったく縁が無いわけではないので、何となくわが身に置き換えてみると、身につまされる。
ところが真介は、「おれはいったい何をやっているんだろう・・・。」と思いながらも、まんざらこの仕事が嫌いなわけでもなさそう。彼なりのポリシーを持ち、真面目に取り組み、事前の準備も怠り無く、きちんと仕事をする。実績も着実に上げているようだ。
反面、第1話で出てきた8才年上のリストラ対象の建材メーカーOLと、ちゃっかり恋人関係になってしまったりする。
本書は、リストラという今日的な重いテーマを扱いながら、村上真介というキャラを緩衝材にして、笑って、唸って、泣かせるストーリーに、上手く仕上がっている。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.17
(4pt)

非情になりきれず…

『リストラ請負人』である主人公を軸に、『切られていく人達』の悲喜交々が一話完結の連ドラの如く進行していく。主人公はリストラ請負人でありながら100%非情になりきれず、能力がありながら一度リストラの対象となった後、会社の姿勢に疑問を抱きながらこの先のことを考える女性と情を交わすようになったり、オタク開発者に翻弄されたり、リストラする側とされる側で再会した嘗ての同級生に悩んだりと幅の広いエピソードが盛られているところから、登場人物の設定は練りに練られている。また、結果がどうであれ、リストラの対象になった人たちは前へ進もうとする姿がすがすがしい。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.16
(3pt)

ドラマ化によいかも?

リストラ請け負い会社の社員、30代前半の男性が主人公。
彼の担当するリストラ対象者を軸にして話しが展開される。
5つの話しに別れているが次第に主人公に好感が持てるようになっていった。
垣根涼介の作品としてはハードボイルド性が弱く意外であった。でも、バイクがでてきた。(銃とかは無し!)
続編が容易そうなので評判がよければ続くだろう。
もう続いてんのかな?
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.15
(4pt)

本当の結末は書かれていないけど、

5つの話に出てくるリルトラ対象者たちも、退職交渉の面接官の主人公も、いろいろな選択肢に手探りしながら、それでも自分なりに良い方向に向かおうとしていて、どの人も心情がわかるような気がしましたー。
リストラの話みたいなのでどうなのかなーと思いましたが、少し元気になれる話でした。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.14
(4pt)

読み手が休みをもらえないエンタテイメント小説

アマゾンの「おすすめ」で偶然見つけた、山本周五郎賞受賞の本である。一般企業から依頼を受けて、社員の退職斡旋を請け負い、高い成功率でノルマをこなす退職斡旋専門会社に勤める主人公。退職斡旋をする相手は、辞めさせられて当然の人から、能力があるにもかかわらず派閥争いの都合で辞めさせられてしまう人まで多種多様であるが、主人公はプロ意識をもって冷徹に自分の仕事を進めようとする。ところが、色々な人間関係のしがらみで、どうしても自分の役割に徹しきれないところが主人公のかわいいところ。小説は、退職斡旋される対象にしたがって5つの章に分かれており、章が進むごとに主人公が成長していく。間延びすることなくテンポよく話が進むので、読み手の方も休みをもらえず、一気に読み進めるしか仕方ない。ちょっと不必要に下品な箇所が数カ所散見されることを除けば、気楽に読めるエンタテイメント小説である。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.13
(3pt)

主人公がどうも。。

リストラされる側の面々が個性的であり、本書のメインである面接シーン等は面白い箇所が多かったと思う。
また、彼らの苦悩や葛藤、それを乗り越えて前向きに生きていこうとする姿には非常に共感が持てた。
その一方で、リストラを言い渡す側である主人公の真介については、自分なりのスタイルを持ってスマートに
生きているようだが、あまり魅力を感じる人物ではなかった。彼自身の過去の挫折や苦悩が描かれている部分があり、
それが今現在の彼のアイデンティティの礎になっているんだろうとは思うが、どうも彼のキャラクターを好きになれなかった。
ストーリーもそれなりに面白く、魅力的な登場人物が多かった一方で、肝心の主人公がいまいいちだったため、
評価としては「星3つ」というところだろうか。。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.12
(5pt)

いい週末になりました

著者の本はこれが2冊目ですが、1冊目の「ワイルド・ソウル」と共通して、登場人物でぐぐっと引き込まれる本でした。もちろん、設定も展開も、それにあわせて冴えてきます。引き込まれて一気に読めて、読後感がとてもいい。俗な言い方ですが気持ちがすっきりとし、元気になれる。貴重な週末の、午後の大部分を費やしてもああよかった、と思える1冊だと思います。特に、社会人の方に。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.11
(5pt)

一気読み

第18回山本周五郎賞受賞作品リストラをうけおう会社「日本ヒューマンリアクト」の社員・村上真介が担当する案件と、それにかかわる人物を描いた5編の連作中編集。精神科医伊良部と患者達のエピソードを描いた奥田英郎の「空中ブランコ」の構成と同じと書くとわかりやすいだろうか。ひさしぶりに「一気読み」した作品である。会社から「リストラ」を言い渡される人物達。あるものは予期し、またあるものは予期し得なかった宣告であるが、各人が当初は「リストラ」に打ち負かされながらも、徐々に消化し、解決していく様が痛快であった。「笑い」と「泣かせ」のツボをこころえた秀作である。強いて難点をあげるとすれば、登場人物がどういう結論にいたったのかあいまいな作品がいくつかあり、この手の作品では、ミエミエデもいいから、はっきりとした結論をしめしてもらうと、私としてはすっきりした。いずれにせよ続編を期待させる終わり方になっており、是非期待したい。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.10
(4pt)

リストラに負けない人たち

 ビジネス小説のエンタテイメントとして面白い。リストラクチャリングは切実な問題なのだし。オムニバス形式でそれぞれのリストラ面接場面が描かれ、連続テレビドラマのようである。相棒のお飾りアシスタントの女性にも、妙に存在感がある。 主人公真介の、北海道の走り屋だったという意外な過去もいい。小説世界にふくらみができた。全体的にちょっとハッピーエンドの話が多すぎるようにも思うが…。 でもリストラって、サラリーマン同士の共食いみたいで陰惨なテーマだから、明るい結末は意識的なのかも…。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.9
(5pt)

経済小説ではなく、働くのが楽しくなる恋愛小説。

主人公真介は33歳。プー太郎から広告代理店を経て現在の仕事に落ち着いた。よく言えば人事コンサルタント、悪く言えば首切り屋が真介の仕事。企業から請け負って、社員の退職勧告を行なうのである。こういう設定がまず、興味を引くのだが、真介の女好きはこの小説を単なる経済ものにはしない。最初のエピソードでリストラの面接をする建設会社の41歳企画ウーマンの鼻っぱしの強さに惚れてしまうんだから。その陽子も、なかなかのキャラである。一度は逆玉である和歌山の材木問屋の御曹司と結婚したのに、田舎に引っ込むのがイヤで離婚。以来実家の近くに小さなマンションを買ってバリバリ働いている。真介と陽子を縦軸にしながら、音楽プロデューサー、おもちゃの企画マン、自動車会社のコンパニオン、銀行の企業審査のプロといったさまざまな職種のリストラを生き生きと描いている。そして、結末としてどれも悲惨にはならないところも微笑ましい。世間の常識をほんの少し克服すれば、働くのも楽しいじゃないか、と思わせてくれるイイ小説でした。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.8
(3pt)

そろそろ犯罪小説をお願いしたい

リストラされる側の人生の描き方に光るものがあります。キャラ立ちの良さは相変わらずですが、この作者の場合、主人公以外のキャラの方が感情移入し易いんですよね。前作「クレイジー・ヘヴン」よりはだいぶ良いですし、クビ切り屋というアイデアも良いですが、話としては普通の青春小説になってしまいました。その代わり一日で読み切れる読み易さです。勤め人には身につまされるような話ですが、ちゃんと希望も持てる内容です。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.7
(3pt)

ターゲットは誰だったのか

発注者や業務に対して苛立ちや苦しみを感じていた主人公は読み進めていく内に居なくなり、リストラ対象者の内"その他大勢"はスケジュールのひとつに埋没していく。突出している特殊な人にのみ焦点を合っていく展開と並行して、主人公もプライベートの楽しみに焦点が移っていく。リストラ請負業者という素晴らしい設定で、さまざまな職種の職業観を描く人間ドラマに。しかし、主人公の帰結するのは己が欲望へ。その不条理さまでも描きたかったのかは疑問。良い意味でも悪い意味でも特殊な人はごく僅か。しかも、なぜかリストラ対象者には入りにくい。むしろ普通の人たちがリストラされている不条理。同じ不条理なら、そんな人たちなりの事情をリストラ請負業者という立場からスポットを当てることで描いて欲しかったと思います。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.6
(4pt)

緒方や黒川の生き方が・・・

サラリーマンの“今”の仕事とのかかわり方が描かれていています。終身雇用は崩れて、リストラ・倒産など当たり前になってしまった今だから、決して「勝ち組」にはなれない私などは、“オモチャの男”緒方や音楽プロデューサー黒川の生き方にサラリーマンとして働いていく上での明日を見出しました。それにしても途中から真介と陽子の恋愛のやりとりなどで少し救われましたが、出だしの自分の粗利から経費を引いて会社に対しての純利を考えるなどの記述のところでは、リアルに自分自身に考えが及び胸が苦しくなってページをめくる手が止まってしまいました。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.5
(4pt)

エロ場面は無くてもいい!

おもしろくて一気に読んだ。それぞれの話にリアリティを感じたし、ドラマ化したらおもしろそう…と思った。けど・・・取ってつけたようなエロ場面はいらない。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.4
(3pt)

君たちに明日はある!?

 著者の垣根さん曰く「今度は普通の人々の極限を描きたかった」そうな。ということで普通に生活している人々の恐怖対象としたら、生活の基盤が崩れること。すなわち収入が無くなる。職を失う。ということでリストラがテーマ。とそこまでは良い。しかし内容がなんとも楽天過ぎます。 まるでテレビドラマを見ているかのように、とんとん拍子に話が進んでいきます。そこにはリストラの理由は描いてあるのですが、生々しさの描きが無い。ようは出来過ぎじゃん、という話なんですね。 正直、面白いストーリーとかではありますが、垣根さんに望む世界でないのも心情。もっと極限を描いてほしかったところです。 ただし、普通に読む文には面白いストーリーなので、初めて垣根さんの小説を読む人にはいいかもしれませんね。昔からのファンからしてみれば、「サウダージ」「クレイジーへヴン」と続く期待はずれといった感じがします。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018
No.3
(4pt)

より分けられ、選別されることの残酷さ

 今年の長者番付でサラリーマンがトップを獲った話題に関してTVでかまびすしい。年間所得が百億円と、半端ではない数字ゆえに、メディアの取り扱いに対する熱心さも、国民のおそらく平均感情よりはるかに、際立っているみたいだ。 当たり前のことをやっていては決して獲得できない所得を、人並みではない方法により、目の付け所を変えて稼ぐ以外に、サラリーマンがのし上がる可能性は、あまりないだろう。だから、百億円の所得を得るというところに関心があって当たり前だというのが、TVの言い分なんだろう。 しかし、それ以前にノースーツ姿のホリエモンが、ああしたオタッキーでもてない男との典型みたいな坊ちゃん面を曝け出しながら、野球球団やメディア会社の買収に乗り出すなど(どちらも成功していませんから!)、今の経済界はなんでもあり、という風潮が日本人の中にある程度の嫌悪感や好奇心、驚きとともに浸透し始めている。 当たり前ではないことをやって、社会にそれを認知してもらえなければ、給与などはどこからも入ってこない。 本書は、リストラのアウトソーシングを請け負う会社に勤める主人公が、さまざまな事情により会社から不要の烙印を押されつつある人間たちと丁々発止を繰り広げる話であり、長編でありながら、どこか連作短編小説集のようにも見える、例のスタイルだ。 ただしそれを書いたのが、あの垣根遼一。企業などとはおよそ縁遠い個の経済にこだわってきた作者だからこそ、企業からスポイルアウトされゆく人間たちを、数字の論理と相反するようなそれぞれの事情と、アナログな情緒的部分への思慮により、これでもかというばかりの緊張感で描いている。 人間が、生産ラインの一つの製品であるみたいに、ある部分でより分けられ、選別されることの残酷さをよくわきまえてこそ、書ける小説であり、時代を反映した、行き場のない社会の袋小路に立たされたような、緊張感が全編にみなぎっている。  軽く乾いた描写の裏側に、溢れるほどの人間賛歌をこめるこの小説は、思えば、垣根と言う作家の原点を、これまで以上により明確に匂わせている。ストーリーのどこかに、人生のの分岐点を設け、ある種の頑固で明晰な助言を表現する作者の切り口。批判であり、選択であり、独歩であるそれら、アンチテーゼな何か。 反骨がなせる現代の仕組みへの挑戦、というこの作家特有のテーマを、主人公は悩みつつも、ドライに、割り切り、若さを前面に押し出しつつ、打開する。 今までのクライム・ノヴェル的方向とは、かなり違ったわれわれの日常側世界で、クライムの主人公を活き活きと横行させる、作者の新しい試みがここにある。 読み終わって数日後、何と、この作品は本年度の山本周五郎を受賞したとのお知らせ。『ワイルド・ソウル』(日本推理作家協会賞受賞作品)とは、別の意味での、新たな世界を切り開いた、そのヴァイタリティだけは、この作者、やはり只者ではないのである。
君たちに明日はない Amazon書評・レビュー: 君たちに明日はないより
4104750018