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空を見上げる古い歌を口ずさむ
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空を見上げる古い歌を口ずさむの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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異色ミステリ?ダークファンタジー?とジャンル分けが難しい著者のデビュー作にしてメフィスト賞受賞作。 小学生の息子が突然、人の顔を認識しなくなった。戸惑う主人公と、その妻。そんな中、20年音沙汰がなかった主人公の兄が訪ねてくる。主人公は気がついていなかったが、兄は、息子と同様、少年の頃に突然、人の顔が認識できなったことを打ち明ける。そして、家族と暮らした地方都市で起きた悲惨な出来事を語り始めるのだった。 そこから、相貌失認の主人公の兄が主役となり物語は進む。突然行方不明となった友達、交番で拳銃自殺を遂げた警官、突発的な暴力衝動に駆られる者…。人を見分けられない兄の周りでおかしな事が多発し始める。本作品は、兄が犯人を目撃した(犯人の顔は見分けられないのだけど)拳銃自殺事件の謎解きがメインか…と思いきや、そうは単純ではない。 兄が顔を認識できる者たちが現れ、徐々に兄に課せられた大いなる(!)使命が判明していく…という展開だ。クライマックスでは、主人公のその後の生き方を決定付ける出来事が起きる。タイトルから想像する甘酸っさは、なるほどこういうことか。著者と世代が同じゆえノスタルジーには浸れた。 単なる謎解きではないのは良いとして、随分、違う方へ持って行かれた感がある。 【メフィスト賞】 | ||||
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設定は、小さな町で連続殺人事件が起きて、犯人を捜すというミステリー。しかし、作者の自伝的要素を含んでいるため、妙な生々しさがあった。もちろん連続殺人事件などは経験していないだろうが、パルプ町なる町が旭川にあるのを、この小説を読んで初めて知った。大手製紙会社の城下町で、1961年生まれの作者は北海道旭川出身ということなので、パルプ町出身なのだろう。作者の小学生時代の生活≒主人公の小学生時代の出来事が書かれていて、高度経済成長期の日本ってこんなだったんだと勉強になった。同時に、同じ城下町に住んでいて同じ学校に通っていても、本体の製紙工場で働いている家族と子会社に働いている家族とでは、住んでいる社宅の造りや生活レベルが違い、子供同士も学校ではあまり口をきかないなどと、妙に生々しいことまで書かれていた。 | ||||
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小路幸也作品を読むのは今作が初。何の予備知識も持たずに読み始めたので、話の意外な展開に 意表を衝かれてしまった。 作者とは同年齢なので、描いている世界には何とも言えない郷愁を感じたわけだが、そこで次々 と事件が発生していくという展開に、「ミステリーだったのか?」という新鮮な驚き。 でも、収束方法はミステリーのそれとは違い、「これは何かの寓話なのか?」とも思った。 氏のデビュー作ということで、粗さの目立つ作品だとは思うが、その独特の世界観は大変興味 深かった。 自分なりの解釈としては、他人と違うからといって悲観せず力強く生きて行くこと、周囲に他人 の助けを必要としている人がいるのならば助けてあげる。それが家族ならば尚更といったところか。 | ||||
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「いつかおまえの周りで、誰かが『のっぺらぼう』を見るようになったら呼んでほしい」と 言って、20年前に消えた兄。 その時は意味が判らない予言のようなことばだったけど、ある日突然、凌一はその意味を思い 知ることとなる。 自分の息子彰が、兄の言っていたようになってしまうのだ。 突然人の顔が認識できなくなる、しかもそれがのっぺらぼうだと思うとかなり怖い。 なので、読み進めながらホラーかと思ったけれども、「何故、人の顔がのっぺらぼうに見える のか?」ということを、兄が自らの過去を語りながら淡々と説明する様子は、そうではなく、 どちらかというとミステリィの謎解きを読んでいるように感じられた。 実際に、兄が20年前に消えた理由は、「のっぺらぼうを見るようになった」ことが発端で、 その時に色々な事件が連続して起こっている。 だけど、淡々と語られる兄の昔話は、その事件が解決したことを教えてくれるけれど、それで 終わりではなく、兄にとって皆とは違う人生を歩む始まりであったことを語っている。 なので、これは、途切れることなく脈々と続いている普通には知りえない戦いのお話であり、 凌一の息子・彰がこれからそこに加わることになるかもしれない、はじまりの話です。 | ||||
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「いつかおまえの周りで、誰かが『のっぺらぼう』を見るようになったら呼んでほしい」と 言って、20年前に消えた兄。 その時は意味が判らない予言のようなことばだったけど、ある日突然、凌一はその意味を思い 知ることとなる。 自分の息子彰が、兄の言っていたようになってしまうのだ。 突然人の顔が認識できなくなる、しかもそれがのっぺらぼうだと思うとかなり怖い。 なので、読み進めながらホラーかと思ったけれども、「何故、人の顔がのっぺらぼうに見える のか?」ということを、兄が自らの過去を語りながら淡々と説明する様子は、そうではなく、 どちらかというとミステリィの謎解きを読んでいるように感じられた。 実際に、兄が20年前に消えた理由は、「のっぺらぼうを見るようになった」ことが発端で、 その時に色々な事件が連続して起こっている。 だけど、淡々と語られる兄の昔話は、その事件が解決したことを教えてくれるけれど、それで 終わりではなく、兄にとって皆とは違う人生を歩む始まりであったことを語っている。 なので、これは、途切れることなく脈々と続いている普通には知りえない戦いのお話であり、 凌一の息子・彰がこれからそこに加わることになるかもしれない、はじまりの話です。 | ||||
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我が子から「人の顔がのっぺらぼうに見える」と言われた父は、兄を探して連絡を取る・・・ そこからして、なんだか変な話だという印象を持ちながら読み進めた。 物語は、その兄が幼少の頃起こった出来事を甥に話す、という形で進行する。 回想シーンでは主人公はまだまだ少年であり、ショッキングな事件も起こっていく。 でも、それを「回想」という形ですすめることで物語は淡々と進み、また昭和の時代の独特な雰囲気も手伝って、ほのぼのとした印象さえ受ける。 ミステリーなのかファンタジーなのか、と他のレビュアーさんも書いているけど、両者を足して2で割る感じなんだと思う。 強烈な印象をもつ作品ではないけれど、味のある作品だと思う。 | ||||
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タイトルとか、みんなが「のっぺらぼう」に見えるっつー設定とか、グッとくる要素満載なので期待したんだけど。 流行の三丁目の夕日っつか二十世紀少年風な「あの頃」話が延々続いて。 面白くない訳じゃないけど、いくらなんでも長いな〜いつこれ現在に効いてくるのかな〜と思って一生懸命読んでたら(以下一応自主規制) …イメージ先行の設定倒れで構成ミスって感じです。 設定は、誰かキャラ作りの上手い人に渡せば、ライト伝奇シリーズとかにして再利用できそうだけど……この人はキャラの造詣が薄っぺらくて、 次から次へと出てくるキャラがそれこそのっぺら坊(顔のところに写真じゃなくて設定の箇条書きが貼りついてたりして)状態だったし。 ノスタルジックな雰囲気に浸れる人にはけっこう面白いかもしれないんですが、 自分的には、なんかフルスイング空振り…みたいな一冊でした…。 | ||||
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「のっぺらぼう」というオビ文にひかれて 中身も見ずに購入。 ノスタルジックな感動作的な 雰囲気で売ってたけど、 誰が犯人なんだろう・・・と 考えながらよみ進めるミステリーだった。 で、最後の最後で、 まるで恩田陸のSFミステリーのようなオチ。 これはこれで、楽しかったけど。 | ||||
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「のっぺらぼう」というオビ文にひかれて 中身も見ずに購入。 ノスタルジックな感動作的な 雰囲気で売ってたけど、 誰が犯人なんだろう・・・と 考えながらよみ進めるミステリーだった。 で、最後の最後で、 まるで恩田陸のSFミステリーのようなオチ。 これはこれで、楽しかったけど。 | ||||
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みんなが「のっぺらぼう」に見える。そんな子供の訴えから始まるファンタジー。 この子供に、伯父が語り始める。自分もそうなんだ、と。 そして、伯父が小学生五年生の頃の話を語る。 この伯父は1963年生まれという設定なので、時は、1974年頃。場所は、パルプ町という町名があるほど製紙工場が圧倒的な存在感を示す町。 1974年といえば、オイルショックの真っ只中。トイレットペーパーが売り切れ、製紙工場もパニックだったろう。そんな時代を背景に、子供達の放課後が活き活きと描き出される。自分も同じ時代を生きた者としてとても懐かしい気分に浸りました。 ファンタジーは「違い者」との壮絶な戦いなのだが、なぜか陰惨さを感じない。 死体探しというグロい探検に出かける『スンタンド・バイ・ミー』という映画が珠玉の青春映画であったように、この作品も優れた青春小説であるに違いない。 | ||||
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恋愛ものかと思ったらミステリー?ファンタジー? 小学生の息子が「みんなの顔がのっぺらぼうに見える」と言い出した。 そのとき僕は20年前にいなくなった兄に連絡しなくては、と思った。 なぜなら兄がそう言ったからだ。 誰かが「のっぺらぼうに見える」と言ったら俺に連絡しろ、と。 その後、僕の家にやってきた兄は 彼が家を出た理由を語りはじめる。 兄は息子と同じように人の顔がのっぺらぼうに見えるのだった。 なぜ? その理由を話し出す兄。 そして事実が明らかになっていく。 本当にファンタジーなんだけど、 ちょっとミステリー仕立てで 読んでいてかなり面白く感じられた。 それまで小路さんの作品は 『東京バンドワゴン』と『東京公園』しか読んでいなかったので その作風の違いに驚きましたが、 でも、面白いものは面白いんですよね。 人の顔がのっぺらぼうに見える。 その背後に隠された事実。 微妙に展開が読めそうな感じもしますが、 最後まで一気に読めましたね。 ものすごく悲しい事実なのに、 淡々とした感じが、余計に静かな怖さ、を引き出しているような気がしました。 | ||||
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恋愛ものかと思ったらミステリー?ファンタジー? 小学生の息子が「みんなの顔がのっぺらぼうに見える」と言い出した。 そのとき僕は20年前にいなくなった兄に連絡しなくては、と思った。 なぜなら兄がそう言ったからだ。 誰かが「のっぺらぼうに見える」と言ったら俺に連絡しろ、と。 その後、僕の家にやってきた兄は 彼が家を出た理由を語りはじめる。 兄は息子と同じように人の顔がのっぺらぼうに見えるのだった。 なぜ? その理由を話し出す兄。 そして事実が明らかになっていく。 本当にファンタジーなんだけど、 ちょっとミステリー仕立てで 読んでいてかなり面白く感じられた。 それまで小路さんの作品は 『東京バンドワゴン』と『東京公園』しか読んでいなかったので その作風の違いに驚きましたが、 でも、面白いものは面白いんですよね。 人の顔がのっぺらぼうに見える。 その背後に隠された事実。 微妙に展開が読めそうな感じもしますが、 最後まで一気に読めましたね。 ものすごく悲しい事実なのに、 淡々とした感じが、余計に静かな怖さ、を引き出しているような気がしました。 | ||||
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テスト期間にも関わらず、一気読みしてしまいました。 パルプ町でののっぺらぼう現象。 非現実的なんだけど、引き込まれます。 「誰かがのっぺらぼうを見るようになったら呼んでくれ」 といって家を出たお兄さんのお話です。 面白いので、読んでみて下さい。 | ||||
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「いつかお前の周りで、誰かがのっぺらぼうを見えるようになったら呼んでほしい」 20年前の兄の言葉を甦らせたのは、一人息子がそうなってしまったから・・・ この発想は面白いし、物語も兄が登場したところまでは筋が通ってるんだけど、 思い出話と死人とを中途半端にしたミステリーに、ラストの人間の役割云々。 小路氏のデビュー作を読んだという確認にはなった。 | ||||
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「いつかお前の周りで、誰かがのっぺらぼうを見えるようになったら呼んでほしい」 20年前の兄の言葉を甦らせたのは、一人息子がそうなってしまったから・・・ この発想は面白いし、物語も兄が登場したところまでは筋が通ってるんだけど、 思い出話と死人とを中途半端にしたミステリーに、ラストの人間の役割云々。 小路氏のデビュー作を読んだという確認にはなった。 | ||||
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カラフルなカバーと冒頭に惹かれて手にとってみました。凌一の息子・彰と同じ「のっぺらぼう」の症状(?)を持つ凌一のお兄さんの視点から過去を語るような形で話が進んでいきます。普段普通の日常的な話ばかり読んでいた私にとって、こういう非現実的な話は目新しく、最後までワクワクしながら読むことが出来ました。先の展開が全く読めないところが良かったです。友達や家族、近所の人たちの存在の温かさ、有難さを改めて感じさせられる作品でもあります。最後、全てが明らかになるところがよく解らなくてやや残念でしたが、最後までスリリングで、ちょっと不思議な雰囲気を楽しめました。 | ||||
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カラフルなカバーと冒頭に惹かれて手にとってみました。 凌一の息子・彰と同じ「のっぺらぼう」の症状(?)を持つ凌一のお兄さんの視点から過去を語るような形で話が進んでいきます。 普段普通の日常的な話ばかり読んでいた私にとって、こういう非現実的な話は目新しく、最後までワクワクしながら読むことが出来ました。 先の展開が全く読めないところが良かったです。 友達や家族、近所の人たちの存在の温かさ、有難さを改めて感じさせられる作品でもあります。 最後、全てが明らかになるところがよく解らなくてやや残念でしたが、最後までスリリングで、ちょっと不思議な雰囲気を楽しめました。 | ||||
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20年も姿を隠したままの兄との再会によって、謎が解きあかされていきます。「ぼく」・凌一が出だしを語りますが、ほとんどは兄・恭一(39歳)のモノローグによって、一部始終が語られていきます。“のっぺらぼう”がキーワード。そこに、かつて住んだ町での不可解な出来事が重ねられて、謎が謎を呼び、最後まで引っぱっていきます。当然、子供時代の話ということになり、時代は昭和30年代~40年代に設定されています。どこかノスタルジックで、のんびりしたトーンが、却って好ましく思えました。(これは、私が生まれ育った時代と重なっていて、理解しやすかったせいかもしれませんが)一風変わった町で、起こる事件。しかし、昭和30~40年代の頃なんて、本当にまだ、どこもよそに対しては閉鎖的な感じだったことを考えれば、この物語の町の性格は、不思議でも何でもなく、小路氏はよく特徴を掴んでいると思います。兄の語りが、読み手を引っぱっていくのですが、謎解きにかかって、少し性急な感を受けます。謎に関わる者が「三者」である、としかここでは言えないのですが、その三者を読み手が理解するための、兄の語りが、少々回りくどいのかもしれません。が、心優しく、愛や人を信じる気持ちが真っ直ぐで、“謎”に関すること以外は歪んだところのない、この『空を見上げる古い歌を口ずさむ』は、ほっと温かな気持ちを連れてきました。次に繋がる伏線の要素もうまいですね。 | ||||
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皆の顔がのっぺらぼうに見えるって、どういうことだろう…まず初めにそのことについて考えてみました。話の展開が少しわかりにくいなーと感じるところもありましたが、とても不思議な感覚にとらわれ、夢中になって読んでいました。最後の締めくくり方がイマイチはっきりとせず、少し難しくも感じました。しかし、とても興味を持ったまま最後まで読むことが出来ました。普通とは少し違った雰囲気を醸し出しているので、普通のストーリーに飽きてしまった、という人にオススメしたい一冊です! | ||||
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なんなんだろう、とにかく読みやすかったです。書き方が独特なのかな?内容はとくにコレといって新しいわけでもないかもしれないんですが、とにかく読みやすかった。そして想像が働いた作品だと思います。大人でも子供でも楽しめそうな一冊。ちなみに続編もあるので、そちらといっしょに読むといいかも。私は続編を読んでまた読み返したくなりました。(笑) | ||||
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