沼地のある森を抜けて

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評判

沼地のある森を抜けての評価:

3.76/5点 レビュー 45件。 B ランク

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平均点3.76pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全54件 41〜54 3/3ページ
No.14
(4pt)

不可視の世界を核にしている小説

帯のない状態で手に取り、ちょっと変わったところのある、
理科系の頭脳を持つ生活者の小説だと思って読んでいた。でも違った。
「西の魔女が死んだ」もそうだったけど、不可思議なことを含む世界の小説なのだった。
ファンタジーの系譜。
代々伝わるぬか床を託され世話することになった上淵久美。
しかし、そのぬか床からは人が生じてくるのだった。
酵母の研究者である「男の性も女の性も選ばない」風野さん。
ぬか床を先祖の土地に返すため、彼と島に渡り、
延々と続く、そして画期的な飛躍も含む大きな生命の営みに触れる‥‥。
挿入される、細胞の内部そのものの中での新たな生殖活動の飛翔の物語。
読んでいて、自分の言葉に翻訳できない(知識がない)もどかしさは感じるものの、
土着的な不思議さを発酵レベルで語りきってあり、
世界を見る目をもうひとつ増やしてくれる小説である。
沼地のある森を抜けて Amazon書評・レビュー: 沼地のある森を抜けてより
4104299057
No.13
(4pt)

大人の女性にオススメ

「ファンタジーなの?児童小説なの?」ってタイトルですが、どう見ても子供向けではありません。むしろ現代小説っぽい雰囲気。ただし大半の女性作家と違い、梨木さんの作品は全体的に恋愛要素が薄いです。
冒頭で独身だった叔母が急死し、主人公の女性はとある遺品「ぬか床」を引き継ぎます。
ぬか床が悲鳴を上げたり、ぬか床から卵が出てきたり、ぬか床から幽霊みたいなのが出てきたりと、とにかく摩訶不思議な事ばかりが起こります。荒唐無稽な話なのに、書き手と登場人物と人間関係が至って現実的なので、不思議と地に足が着いた感覚のまま読み進められます。
がっつくように読む感じではないですが、梨木さんの持ち味でもある(と思う)嫌味のない文章のせいか、読んでいると心が穏やかになれます。
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4104299057
No.12
(4pt)

迷いと混沌のぬかみそ 生命哲学思想の発酵ミス? 

 梨木果歩ワールドを期待して読んだらがっくり来るかもしれない。いつからこんな頼りないあやふやなファンタジーもどきになってしまったのだろうと。だって、今までならば生きる事への暖かいまなざしや厳しい信念、時を越えて繋がり続ける思い、目に見えぬ情緒や葛藤へのこだわりが決して後ろ向きではなく、抱えて生きていくものへの優しさを秘めていたのに・・・。
 
 今回は何だ? 何が言いたいのだ? どうしてぬかみそから悲鳴はうめき声や卵なのだ? そのファンタジー性を理解しようとしても、人間関係から生きる事への姿勢を探り取ろうとしてもわからなかった。雰囲気だけで読み進める事ができるとはいっても、これでは・・・って感じ。
 あえて言うなら、筆者自身、物語世界のぬか床をかき回し損ねたか、入れた材料が悪かったのか、水出ししていない、過発酵の、色の悪い、味に深みが無い、そういう漬物を羅列された感じ。恩田陸の「常世系」亜流。・・・次回に期待。
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4104299057
No.11
(3pt)

不思議な世界

「裏庭」と「西の魔女が死んだ」が好きな世界だったんでこれも読んでみる気になったんだけど、
上の2作とはうって変わった不思議な不思議な世界。
この発想はどこから来るのか?
もしかして、いや、かなりの妄想族に違いない。
「ぬか床」から生命が誕生するんだよ。
んなことあるかい!
と、突っ込みを入れると言うよりも
「そ、そ、そうなの?」
と訝しんでしまうほどストーリーに操作されている自分に気がつく。
途中、理解できない部分があるのだけれど「わけが分からないことを書いている」というよりは「あぁ、アタシの感性がこれに追いついていないんだな」という感じ。
再読したら理解も深まるのかもしれないけれど、読むのに5日もかかったので再読はないな。うん。
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4104299057
No.10
(3pt)

確かに凄い…だけど

内容紹介文の壮大さと梨木さんの本が好きで購入しました。
紹介文の通りに最後辿り着いた結論?にはとっても圧倒され
なるほど…といろいろ考えさせられました。
だけど読み進んでいくほど話の進む速度が速すぎでついていけなくなりました。
梨木さんが書くほのぼのと充実した生活の営み、みたいなものに惹かれている人(私ですが…)にはちょっと受け入れにくいかな
読む人がそれぞれどう受け取るかが問題だと思います。
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4104299057
No.9
(3pt)

和風進化論ヌカ床編?

地球上の生命がたった一つの単細胞から始まり、アメーバーをたどり、進化していったという進化論。
人間の受精卵が母親の胎内で胎児に成長することを、何十億年にわたる生物の進化がみれるという説。
二つの視点の進化論をぬか床と、酵母菌をからめて表現っちゅうとこまでは斬新な発想で素晴らしいです。
これにDNAによる、種の個性遺伝と、人格的個性を絡めて、作品は独自の世界を展開していきます。
ファンタジックに且つ和風テイストで小説にまとめた作者の意図は、個性的で魅力的です。
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4104299057
No.8
(1pt)

良さが全くわからない

新聞や書店で紹介されているので読んでみたが、
こねくりまわしたような表現の文章や、突飛な話の構成、最終的には何が言いたいのかよくわからない終わり方で、良さが全くわからなかった。
コアなファンならまだしも、一般受けはしないのではないだろうか・・。
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4104299057
No.7
(3pt)

話の展開にも驚きましたが、…

自分を形成しているものについて、性格などの精神面については考えたことはあるけれど、物質的なことについては考えたことがなく、意表をつかれて読みました。結局その答えは私にはよく理解できませんでしたが…。
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4104299057
No.6
(3pt)

受け取る器の問題かな

 いつもの梨木作品を期待して読み始めるとちょっと違うなと不安を感じる。
曾祖母から代々受け継がれたぬか床から人が出てくる。手入れする人間のことが気に入らないとぬか床がうめく…。両親、おばの死因にもぬか床が関係しているらしい。
家系とぬか床との関係のミステリー、微生物を研究している風野さんのジェンダーに関するエピソードなどは興味深く読めたが、後半のスケールの広がり方にはついて行けなかった。
梨木さんの新しい試みなのかも知れないが、もし届けたいものがあるとしたら私は受け取ることが出来なかった。
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4104299057
No.5
(4pt)

生命の起源を紐解いてみましょう

ぬか床から人が生まれてくる・・・。はじめはなんておかしな話だろうと思っていたけど、だんだんとスケールが大きくなって、いつのまにか生命の神秘を紐解くような壮大な物語になっていました。細胞が死ぬほど願っているのは、ただ一つ、増殖。全宇宙ではじめにうまれたたった一つの細胞。その細胞のすさまじいほどの孤独が、遺伝子に取り込まれて延々と伝わった。この“圧倒的な孤独”が本当に“生命の起源”だとしたら・・・。こんなことを私に考えさせてしまうこの作品の大きさ!梨木さんらしいほのぼのしたやわらかさに、今回は遺伝子や科学の神秘が織り交ぜられた作品。梨木ワールドの進化を感じました。
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4104299057
No.4
(3pt)

生命の持つ不思議さを味わえる♪

死んだおばから引き継いだのはぬか床だった。だが、そのぬか床は普通のぬか床ではなかった。ある日卵が現れて、そしてその卵から孵化したものは・・・。生命の不思議さを独特の感性で描いた作品。 人はどこから生まれてどこへ還るのか?お母さんのおなかから生まれて、最後に土に還る。そんな答えでは片付けられないものがこの作品には描かれていた。一般的な答えのようにしか生命は誕生しないのか?こんな疑問が浮かんでくる。「ぬか床や沼から命が生まれたとしても不思議ではない。」この作品を読むと、そう考えさせられてしまう。はるか昔、たった一つの細胞から今ある数々の生命が生まれた。その壮大なドラマ。ぬか床や沼の中にも宇宙は存在していたのではないだろうか。生命の神秘さや果てしない広がりを、感じずにはいられない作品だった。
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4104299057
No.3
(4pt)

でも、なんか少ししっくりこない

 読んでいて、「ぐるりのこと」で提示していた「他者と自己、その境界」のテーマだな、と思いました。ちょっと、SFで異世界で、エコロジーで、神話のように壮大で…。いつもと雰囲気が違って、梨木氏の新挑戦だと感じました。 ただ、私は、「からくりからくさ」のあの日常が好きなので、なんだか、少し、登場人物が少ないような、かかわりが希薄なような、物足りない感じがしました。キーパーソンである風野さんという人がなんとも私としては想像しにくかったせいもあるかもしれません。(今回は、前半のちょっと怪奇小説じみた部分が好きです)。 とはいえ、いつも梨木作品を首を長くして待ちわびてきましたし、この本も一気に読んでしまいました。これからも楽しみにしています。
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4104299057
No.2
(5pt)

ますます惹かれる

このお話を読んで梨木さんのことがますます好きになりました。新境地というか、新しい場所にたどり着いた感じ。「からくりからくさ」のいのちのテーマともリンクする柔らかく包容力のある意識が感じ取れます。今回謎解きの要素も多くて、中盤以降読むのが止まらない面白さです。序盤が緩やかなぶん、より変化が楽しめます。
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4104299057
No.1
(4pt)

物語の力

 うめく「ぬか床」から始まり、生命の物語までもっていく壮大な流れが心地よい。いくつものエピソードが重層的に絡み合い、この中のどの材料を使っても小説が一本書けそうだ。 たとえば「ぬか床」に始まる怪異は内田百閒のような日常の傍にある奇譚として、曾祖父母へさかのぼる親族の縁は『からくりからくさ』のような「血」の物語として、菌を中心にした遺伝子の話は瀬名秀明のような理科系ホラーとして。 しかしすべては惜しげもなく一つの物語に編みこまれ、語られる。この物語の強さ、梨木さんの「語り部」としてのものすごさを感じる。この人の見るもの感じるものの豊かさ。同時代に生まれてよかったと思う。 また、『ぐるりのこと』で提示されていた様々な問題に対する、現時点での解答がこの小説に結晶している。
沼地のある森を抜けて Amazon書評・レビュー: 沼地のある森を抜けてより
4104299057