夏の災厄
評判
夏の災厄の評価:
4.44/5点 レビュー 68件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全180件 121〜140 7/9ページ
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しかし従来の物とは違う症状に疑問を抱いた医師、看護師、市職員が独自に調査を進めて行くうちに隠された背景が暴かれて…という流れのバイオハザード小説
なのだけれど、他のレビュアーさんも書かれているとおり、この小説にはわかりやすいヒーローが存在しません
製薬会社の陰謀を暴く捜査員も、特効薬を発見する正義の医師も、ゴーストタウンを救い出すレスキュー隊員も居ません
どこにでも居る小市民たちが、身分や立場の制約に縛られつつも、自身の権限(時には逸脱もするが)でできる対処を何とか重ねていく物語です
その意味ではカタルシスは無くとも、共感は得やすいかもしれません
そしてヒーロー不在と対になるように、あきらかな悪意をもって周囲を害する者も居ない、という部分が非常に現代的な気持ちの悪さを感じました
「よい結果が得られると思ったから」「係わり合いになりたくなかったから」「自分の仕事ではなかったから」「評価を下げたくないから」、
『だから』、研究者も一般市民も行政職員も政治家も『マズイ部分は見ないフリをし、誰も自分から正そうとしなかった』結果、一市町村が滅びかねないほどの災厄が引き起こされます
この小説で描かれる恐怖とは、殺人ウィルスでも、硬直しきった現行制度でもなく、自分も含めたどこにでも居る人々の無責任さなのだろうなと思わされました
そう考えると、他人まかせだった人々が、小説終盤では副作用の大きさを認識しつつも強力な予防ワクチンを自分で選択するという展開はまだしも希望を示唆しているのかな?