羊をめぐる冒険

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評判

羊をめぐる冒険の評価:

4.22/5点 レビュー 208件。 B ランク

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平均点4.22pt

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全265件 61〜80 4/14ページ
No.205
(4pt)

実質のデビュー作

作者自身がこれ以前の作品を黒歴史扱いしているように、村上春樹のスタンダードが確立した3作目にして初長編。実際に、本作を書くにあたって本業だったジャズ喫茶を廃業してるので、実質プロデビュー作とも言える。

現実的日常と非現実的展開が交錯するオンリーワンの世界観、多くのフォロワーを生んだ俗に言う「村上ワールド」。そして今までにはなかった明確なストーリー。
タイトルでもある「羊をめぐる冒険」が本当に魅力的。ただ、その冒険が始まるのが遅い……上巻の2/3ほど行ったところでようやく始まる始末。
つまり、村上春樹の変革期ではありながらもまだ変革中であるため、『風』『ピンボール』のような「自己療養のための小説」と「読者のための小説」が同居している状態。例えば次作の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』は冒頭からハードボイルドな冒険が始まるから一気に惹き込まれる。続編の『ダンス』もミステリ冒険サスペンス満載のエンタメになってるし、そういう意味では、記念碑的な価値はあってもオススメはし難いかも。やはり勧めるなら世界の終わり〜からかな。

ただし、クライマックスの牧場のロケーションは本当に素晴らしい。ユートピアだよね。小説でしか表現できない絶景。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
4062749122
No.204
(4pt)

著者のスタイルにピッタリ嵌まる人がいると思うのでぜひ一読を

学生時代に村上春樹さんの本を読み、私の上の世代の1970年代生まれくらいの人に読まれているイメージでしたが、本作で私の間違いだったと気づきました。

私が30代になり、それによって本作をスラスラと読める(共感できる)ようになったのだなぁと。
身近な話題な中に幻想的な体験が急に入り込んだりする点は少し驚いたりするのですが、文章が流暢で快適なんですよね。
このちょっとだけ思考が飛ぶ読書体験と、文章のバランス感覚は私にはピッタリでした。

皆さんの中にもピッタリ嵌まる人がいると思うので、ぜひ一読を、オススメですよ。
羊をめぐる冒険 Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険より
4062002418
No.203
(3pt)

知り合いに勧められて読みました。

誰もが知る作品だと思います。一読の価値はあると思います。
羊をめぐる冒険 Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険より
4062002418
No.202
(4pt)

下巻が楽しみ

読みやすかったです。
淡々と物語が進んでいく感じがしました。
下巻が楽しみです。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
4062749122
No.201
(5pt)

マイケル チミノを巡る冒険

鹿狩りと羊探し

地獄の黙示録や長いお別れの影響が言われていますが、話としてはマイケルチミノの「ディア ハンター」と同じではないでしょうか。
日本公開は79年3月です。
主人公が友人を探しに行くが、友人は悪(ロシアンルーレットや羊)に取り憑かれており、捜索の果てに見つけ出すが、自殺してしまう(しまっている)。
題名も鹿狩りにちなんでか羊探しです。

本人は論文まで書いて地獄の黙示録を絶賛しつつ、ディアハンターやチミノについて殆ど語らないのは釈然としません。
余りに芸術至上的で現生否定的なチミノのことが嫌いなのでしょうか?
「天国の門」に嫌気が差したのでしょう?
或いは、当時「反ベトナム戦争」陣営に深く傾いていたため、「ディア ハンター」のようなナイーブで愛国的な反「反ベトナム戦争」的映画には党派的に耐え難く、深く影響されながら否認してしまったのでしょうか。
別にこの作品にケチを付けるつもりはなく、小説としては大変に優れていることを保証します。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
4062749122
No.200
(1pt)

退屈で、全く面白くない

ストーリーが荒唐無稽でよくわからないし、この人の作品によく出てくるタイプの主人公が、何だかカッコつけすぎていて鼻につく。ダラダラとよく分からない文章を読まされて、どこにも着地できない感じ。

好評価をつけている人は、本当に面白いと思っているのか?思わせぶりな記述の中に、ありもしない深い意味を勝手に読み取って、満足しているだけなのでは(小説とは所詮そんなものかも知れないが・・)?

まったく時間の無駄でした。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
4062749122
No.199
(5pt)

無題

村上春樹がこの作品を以て、現代の世界文学シーンと渡り合うことに、実質的に決した作品。

現在の視野から見れば、フェチシズム的感覚が現実感を分裂している世界と、「羊」に象徴される観念的ファシズムを釣り合わせて、主人公のビルドゥングス・ロマンを描き出す手腕が素晴らしい。
羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)より
4061836072
No.198
(5pt)

面白かった

面白かった。まさか鼠がそうなっていたとは。鼠は日本を救ったのか。
羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)より
4062749130
No.197
(5pt)

面白かった

面白かった。まさか鼠がそうなっていたとは。鼠は日本を救ったのか。
羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)より
4061836072
No.196
(5pt)

広い視野と深い思考と霊感で描かれたグレート・ギャッツビー、ザ・ロング・グッドバイの系譜を継ぐ傑作(下)

広い文学者・思想家であり村上春樹さんの大ファンの内田樹さんが本書はスコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャッツビー』、レイモンド・チャンドラーの『ザ・ロング・グッドバイ』の系譜に連なる文学史的な傑作だと紹介されていました。

村上春樹さんご自身が上の著書を自ら翻訳されていますが、『ザ・ロング・グッドバイ』を読んだ時、羊をめぐる冒険を初めとする村上さんの長編に非常に近しい感覚を味わいました。

本書は学生運動以降の1970年代の物語ですが、非常に広い視野と深い思考と霊感で描かれた小説に感じました。

下巻の文中からキーワードを以下に列挙します。

ぜひ多くの方に読んで頂きたい常識を逸脱した傑作小説です。

・悪魔が街を支配する映画
・細胞は一か月毎に入れ変わる
・メルヴィルの白鯨、コンラッド、ベートーヴェン、スクリャービン
・交霊
・元朝時代に出版されたある本にはジンギス汗の体内には『星を負った白羊』が入っていたと書いてある
・奴には大きな目的があった。人間と人間の世界を一変させてしまうような巨大な計画だ
・日露戦争、日本人って戦争のあいまに生きてきたみたいね
・許すこと憐れむこと受け入れることを中心に
・東京が核ミサイルで
・本当の弱さ、絶え間なく暗闇に引きづり込まれていく弱さ
・充ち足りている時にはメッセージはやって来ない
・日本の近代の本質をなす愚劣さは我々がアジア他民族との交流から何ひとつ学ばなかったことだ
・東京が核ミサイルで・・・
・それはちょうど、あらゆるものを呑みこむるつぼなんだ。気が遠くなるほど美しく、そしておぞましいくらいに邪悪なんだ。そこに体を埋めれば、全ては消える。意識も価値観も感情も苦痛も、みんな消える。宇宙の一点にあらゆる生命の根源が出現した時のダイナミズムに近いものだよ
羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)より
4062749130
No.195
(5pt)

広い視野と深い思考と霊感で描かれたグレート・ギャッツビー、ザ・ロング・グッドバイの系譜を継ぐ傑作(上)

文学者・思想家であり村上春樹さんの大ファンの内田樹さんが本書はスコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャッツビー』、レイモンド・チャンドラーの『ザ・ロング・グッドバイ』の系譜に連なる文学史的な傑作だと紹介されていました。

村上春樹さんご自身が上の著書を自ら翻訳されていますが、『ザ・ロング・グッドバイ』を読んだ時、羊をめぐる冒険を初めとする村上さんの長編に非常に近しい感覚を味わいました。

本書は学生運動以降の1970年代の物語ですが、非常に広い視野と深い思考と霊感で描かれた小説に感じました。

上巻の文中からキーワードを以下に列挙します。

ぜひ多くの方に読んで頂きたい常識を逸脱した傑作小説です。

・広告を押さえるというのは出版と放送の殆どを押さえたことになるんだ
・政治家と情報産業と株の三位一体の上に鎮座する表にでない右翼の大物
・ドストエフスキー、カラマーゾフの兄弟、チャイコフスキー
・マルクス
・神様は同時的な存在
・小人、火星人
・どんなものにも哲学があり、運命がある
・欲望とプライドの中間点のようなものが人間には必ずある
・(神様の)メッセージは万物の中に既にあるのです。花にも石にも雲にも
・アウシュビッツ、ヒトラー
・そのうちに核戦争で人類は死滅したが、結局は何もかもがうまくいった、という映画ができるかも知れない
・日本の近代の空虚性
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
4062749122
No.194
(5pt)

広い視野と深い思考と霊感で描かれたグレート・ギャッツビー、ザ・ロング・グッドバイの系譜を継ぐ傑作(下)

広い文学者・思想家であり村上春樹さんの大ファンの内田樹さんが本書はスコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャッツビー』、レイモンド・チャンドラーの『ザ・ロング・グッドバイ』の系譜に連なる文学史的な傑作だと紹介されていました。

村上春樹さんご自身が上の著書を自ら翻訳されていますが、『ザ・ロング・グッドバイ』を読んだ時、羊をめぐる冒険を初めとする村上さんの長編に非常に近しい感覚を味わいました。

本書は学生運動以降の1970年代の物語ですが、非常に広い視野と深い思考と霊感で描かれた小説に感じました。

下巻の文中からキーワードを以下に列挙します。

ぜひ多くの方に読んで頂きたい常識を逸脱した傑作小説です。

・悪魔が街を支配する映画
・細胞は一か月毎に入れ変わる
・メルヴィルの白鯨、コンラッド、ベートーヴェン、スクリャービン
・交霊
・元朝時代に出版されたある本にはジンギス汗の体内には『星を負った白羊』が入っていたと書いてある
・奴には大きな目的があった。人間と人間の世界を一変させてしまうような巨大な計画だ
・日露戦争、日本人って戦争のあいまに生きてきたみたいね
・許すこと憐れむこと受け入れることを中心に
・東京が核ミサイルで
・本当の弱さ、絶え間なく暗闇に引きづり込まれていく弱さ
・充ち足りている時にはメッセージはやって来ない
・日本の近代の本質をなす愚劣さは我々がアジア他民族との交流から何ひとつ学ばなかったことだ
・東京が核ミサイルで・・・
・それはちょうど、あらゆるものを呑みこむるつぼなんだ。気が遠くなるほど美しく、そしておぞましいくらいに邪悪なんだ。そこに体を埋めれば、全ては消える。意識も価値観も感情も苦痛も、みんな消える。宇宙の一点にあらゆる生命の根源が出現した時のダイナミズムに近いものだよ
羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)より
4061836072
No.193
(4pt)

平凡脱出 物語。

「平凡な僕」が 相変わらず主人公である ということだ。
でも物語はそれから 平凡でなくなるぞ。という暗示で。
読者が 平凡だから 君 平凡じゃいけないんだ。
という 平凡脱出 物語 を描いているんですね。平凡 啓蒙書 なんだ。
そういえば 「平凡」という雑誌が ムカシ あったが、
なんで そんな名前の 雑誌が うれたのだろう?今から 思うと不思議だ。
平凡な 情報を 読んで何が 楽しいのだろう。
ムラカミハルキは 平凡であることを自認する僕を
登場させることで 現在の中に 平凡な僕を もぐりこませようとする。
平凡である読者に平凡な僕を摺り寄せさせるのである。
平凡な現実。そして 非現実的なことが現れて、平凡な 僕は 区別がつかなくなり、
セックスしたオンナに「あなたは 平凡だけど 普通の平凡とは違うのよ」
とお告げがあって 変身 するのである。
平凡な僕は やれやれ といって 重い 腰を あげるのである。
主人公は 平凡な やれやれ 青年である。
30歳を目前にすると そんな気になるもんだ。
羊をめぐる冒険 Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険より
4062002418
No.192
(4pt)

おもしろいです

いつも想像力を掻き立てられる作品で新鮮な世界に連れて行ってくれる村上春樹。
初期三部作?の最終長編。
とても面白かったです。
羊をめぐる冒険 Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険より
4062002418
No.191
(5pt)

最高傑作の一つ

何度目かの再読をしました。3部作のうちの3作目に当たり、村上春樹が専業作家となってから書いた長編です。3部作の前2作や「ノルウェイの森」や近年の作品から読み始めて、村上春樹を諦めた人にも、辛抱してこの作品は読んでほしいです。前2作もできれば読んだ方が登場人物の背景などよくわかりますが、この作品だけ読んでも十分楽しめます。この作品は、村上春樹的なエッセンスが詰まっていますから、これを読んでもやっぱり合わないと思った場合は、やはり、村上春樹は合わないと思います。数ある著作の中では相対的にストーリーが明確で、ミステリー感、スリル感がありる作品です。羊とは一体何なのか、羊的なもの、羊男的なものの魅力にはまったときには、春樹ファンになっています。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
4062749122
No.190
(2pt)

軽妙に見せて陰湿

何というか、どの春樹作品からもイメージされるのは「弱男」だ。
不安を打ち消そうとするかのようにオサレ感や思わせぶりで余裕を演じ、いざとなったら可愛いらしいホッコリ感へ逃げる。そんな逃げ腰と対照的に性へのがっつきは半端ない。
自分に自信はないけどモテたくてしょうがない、そんな声が文章全体から立ちのぼってくる。ある意味、男という生き物の普遍的な声だが、それにしてもやりすぎではないか。
弱いことはいい。しかしそれを売り物にしていることに気づいてないところがあんまりだ。
村上春樹氏の文体が吹き込んだ風は歴史上価値があったが、日本の男がイタイもののイタさに鈍感でも構わない時代はとうに過ぎた。
そんな中、本作は謎解きや羊男の存在感を比較的楽しめる作品といえる。
羊をめぐる冒険 Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険より
4062002418
No.189
(2pt)

軽妙にみせ、なかなかに陰湿

何というか、どの春樹作品を読んでもイメージされる単語は「弱男」だ。
不安を打ち消そうとするかのようにオサレ感や思わせぶりで余裕を演じ、いざとなったら可愛いらしいホッコリ感へ逃げる。そんな逃げ腰と対照的に性へのがっつきは半端ない。
自分に自信はないけどモテたくてしょうがない、そんな声が文章全体から立ちのぼってくる。ある意味、男という生き物の普遍的な声だが、それにしてもやりすぎではないか。
弱いことはいい。しかしそれが売り物にしていることに気づいてないところがあんまりだ。
春樹氏の文体が吹き込んだ風は歴史的に価値があったが、日本の男がイタイもののイタさに鈍感過ぎていい時代は終わった。
しかしそんな中、本作は謎解きのワクワクや羊男の存在感を比較的楽しめる。
羊をめぐる冒険 Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険より
4062002418
No.188
(5pt)

ようやくわかりました!

この本がなんであるか、なんの為に存在しているか、そのワケは。
羊をめぐる冒険 Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険より
4062002418
No.187
(5pt)

現在に至る村上氏の世界観を支える初期の傑作

本当に久しぶりに、村上春樹の第3作目の作品である「羊をめぐる冒険」を再読し、上巻を終え、下巻も読み終えた。村上氏のこの“鼠シリーズ”とも呼べる初期の三部作は、いずれも初々しい一方、最新作である「騎士団長殺し」に至るまで取り扱われている題材が、あちらこちらに、と言うよりは村上氏の作品を鳥瞰するには、この3部作をすべて読んでおかないと、村上氏の作品を理解できないと感じてしまうほどだ。

そしてこれ以降の作品に通じる村上氏の有する世界観が、やはりこの作品には存しているのではないだろうか。例えば羊の名を借りているが、村上氏の描こうとしているもののひとつは、この世に構築された‟権力機構”であるようだ。この権力機構は、「ねじまき鳥クロニクル」、「1Q84」で描かれており、有名なJerusalemでの演説でも述べられたものではないだろうか。それからこの3部作以降の作品で描かれている謎めいた世界の構成も、既にこの作品の中に萌芽している。。また「風の歌を…」、「1973年の…」について、村上氏は『自分が未熟な時に書いた』として、海外での翻訳をなかなか認めなかったのに対して、「羊を…」については、上記2作よりも先に翻訳を許可したのも自作に対する自信の表われだろう。

ところで、なぜ主人公である僕の親友の名が“鼠”とされていることが、漸くこの第3作の最終盤になって、分かった。直接この本の内容に触れないので言及してしまって、差し支えないだろう。昔時、村上氏の作品の解説書にも書かれていたようなのでご存知の方もいると思うのだが、“鼠”が1948年のネズミ年の生まれだからである。そしてもう少し、述べてしまおう。この作品で、主人公である“僕”は、“鼠”よりも少し後で30歳の誕生日を迎えることになっている。その理由は、村上氏が“鼠”の誕生年の翌年1949年の1月12日に生まれているからである。と言うことで、この作中の“僕”は、村上氏の分身である、と考えても問題ないだろう。そして“鼠”と“僕”は、同学年と言う設定になっていることになる。

何はともあれ村上氏は、この3部作の最終作品にふさわしい内容、そして以降の彼の作品を語るにおいて避けて通れない内容の小説を書き上げた。そして詳しくは本書を手に取ってほしいのだが、“鼠”をはじめとして、それなりの運命を登場人物に与えることに成功している。
羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)より
4061836072
No.186
(5pt)

現在に至る村上氏の世界観を支える初期の傑作

本当に久しぶりに、村上春樹の第3作目の作品である「羊をめぐる冒険」を再読し、上巻を終え、下巻も読み終えた。村上氏のこの“鼠シリーズ”とも呼べる初期の三部作は、いずれも初々しい一方、最新作である「騎士団長殺し」に至るまで取り扱われている題材が、あちらこちらに、と言うよりは村上氏の作品を鳥瞰するには、この3部作をすべて読んでおかないと、村上氏の作品を理解できないと感じてしまうほどだ。

そしてこれ以降の作品に通じる村上氏の有する世界観が、やはりこの作品には存しているのではないだろうか。例えば羊の名を借りているが、村上氏の描こうとしているもののひとつは、この世に構築された‟権力機構”であるようだ。この権力機構は、「ねじまき鳥クロニクル」、「1Q84」で描かれており、有名なJerusalemでの演説でも述べられたものではないだろうか。それからこの3部作以降の作品で描かれている謎めいた世界の構成も、既にこの作品の中に萌芽している。。また「風の歌を…」、「1973年の…」について、村上氏は『自分が未熟な時に書いた』として、海外での翻訳をなかなか認めなかったのに対して、「羊を…」については、上記2作よりも先に翻訳を許可したのも自作に対する自信の表われだろう。

ところで、なぜ主人公である僕の親友の名が“鼠”とされていることが、漸くこの第3作の最終盤になって、分かった。直接この本の内容に触れないので言及してしまって、差し支えないだろう。昔時、村上氏の作品の解説書にも書かれていたようなのでご存知の方もいると思うのだが、“鼠”が1948年のネズミ年の生まれだからである。そしてもう少し、述べてしまおう。この作品で、主人公である“僕”は、“鼠”よりも少し後で30歳の誕生日を迎えることになっている。その理由は、村上氏が“鼠”の誕生年の翌年1949年の1月12日に生まれているからである。と言うことで、この作中の“僕”は、村上氏の分身である、と考えても問題ないだろう。そして“鼠”と“僕”は、同学年と言う設定になっていることになる。

何はともあれ村上氏は、この3部作の最終作品にふさわしい内容、そして以降の彼の作品を語るにおいて避けて通れない内容の小説を書き上げた。そして詳しくは本書を手に取ってほしいのだが、“鼠”をはじめとして、それなりの運命を登場人物に与えることに成功している。
羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)より
4062749130